「2か月(2ヶ月)だけの契約だから、健康保険や厚生年金には入らない」と説明されたものの、契約書には「更新する場合がある」と書かれている。この場合、本当に社会保険の対象外なのでしょうか。
先に結論をいうと、契約期間が2か月以内でも、契約更新が予定されている、または同じ事業所で同様の契約を更新した実績がある場合は、ほかの加入条件も満たせば契約初日から社会保険の加入対象になります。
反対に、最初の契約が2か月以内で、契約を延長しないことを労使双方が書面やメールで合意している場合は、雇用期間の要件では当初は適用除外です。ただし、途中で更新へ合意すれば、その合意日から加入対象になり得ます。
| 2か月以内の契約内容 | 雇用期間の判定 | 資格取得日の基本 |
|---|---|---|
| 「更新する」「更新する場合がある」と明記 | 2か月を超える見込みあり | 契約初日 |
| 更新条項はないが、同じ事業所で同様の契約を更新した実績あり | 2か月を超える見込みあり | 契約初日 |
| 更新条項も同様契約の更新実績もなく、継続を見込む事情もない | 当初は2か月を超える見込みなし | 当初は対象外 |
| 更新なしを労使双方が書面・メールで合意 | 当初は2か月を超える見込みなし | 当初は対象外 |
| 更新なしで開始後、途中で延長へ合意 | 合意日から見込みあり | ほかの加入要件も満たせば、更新へ合意した日 |
| 当初は更新見込みあり、結果的に早く終了 | 当初の判定を維持 | 資格取得を取り消さない |
ただし、「2か月を超える見込み」は加入判定の一つにすぎません。勤務先が社会保険の適用事業所か、通常の労働者の4分の3以上か、短時間労働者なら週20時間・企業規模・学生要件などを合わせて確認する必要があります。
この記事では2026年8月30日時点の制度を基に、2か月の数え方、更新条項と更新実績、6つの具体例、2026年10月予定の変更、会社が加入手続きをしない場合の確認方法を解説します。ここでいう社会保険は、主に会社の健康保険と厚生年金保険です。
なお、厚生年金保険へ加入するのは原則として70歳未満です。70歳以上は健康保険のみ加入する場合や「70歳以上被用者該当届」が必要な場合があるため、年齢で取扱いが変わります。
結論|2か月契約でも初日から社会保険へ入る場合がある
契約期間だけでなく「期間を超えて働く見込み」を見る
日本年金機構「適用事業所と被保険者」によると、2か月以内の期間を定めて使用される人でも、その期間を超えて雇用されることが見込まれる場合は、契約当初から被保険者になります。
2022年10月より前は、2か月以内の有期契約では、実際に契約期間を超えて働くようになってから加入する取扱いでした。現在は、最初から更新見込みを確認し、実態として継続雇用が見込まれる人は初回契約の期間も加入対象とします。
「契約書に2か月と書いてある」だけでは対象外と決まらない。
更新条項・同じ事業所の更新実績・更新しない合意を確認する。
「更新する場合がある」でも更新見込みに含まれる
厚生労働省の2022年10月施行Q&Aは、最初の雇用期間が2か月以内でも、次のどちらかに該当すれば、当初から資格を取得すると説明しています。
同じ取扱いは、働く人でも確認しやすい日本年金機構「勤務期間要件の取扱いQ&A」にも、具体例付きで掲載されています。
- 就業規則、雇用契約書、労働条件通知書などに「更新される旨」または「更新される場合がある旨」が明示されている
- 同じ事業所で、同様の雇用契約に基づく労働者が、更新によって最初の契約期間を超えて働いた実績がある
更新が確約されていなくても、「更新する場合がある」と書かれていれば対象になり得ます。また、自分の契約書に更新条項がなくても、同じ事業所で同様の契約が更新によって当初の期間を超えた実績がある場合は、会社の運用実績から更新見込みありと判断され得ます。
ここでいう「同様の雇用契約」は、勤務場所・報酬・労働時間など一つの条件が違うだけで直ちに別契約になるとは限りません。契約内容と就労実態を総合して判断されるため、迷う場合は自分の契約書と更新実績が分かる資料を年金事務所へ示してください。
2か月を超えて使わない書面合意がある場合は当初対象外
更新条項または更新実績があっても、最初の2か月以内の契約を超えて雇用しないことについて、労使双方が合意している場合は、更新見込みがないものとして扱います。
この合意は、口頭だけではなく書面またはメールで確認できることが必要です。契約書へ「更新なし」と書くほか、会社と本人がメールで期間満了を確認した場合などが考えられます。
仕事を続けながら次の職種や資格を検討している場合は、在職者向けの夜間・オンライン訓練もあります。社会保険の加入判定を確認したうえで、契約満了後の選択肢も早めに調べておくと動きやすくなります。

2か月契約だけでは決まらない|社会保険の加入条件
雇用期間の要件を満たしても、それだけで全員が加入するわけではありません。まず勤務先が適用事業所かを確認し、次に「4分の3基準」か「短時間労働者の適用拡大」のどちらで判定するかを分けます。
法人の事業所は、事業主だけの場合などを除いて原則として強制適用事業所です。個人事業所は、常時5人以上を雇用する一定の業種などが強制適用となり、条件を満たさなくても認可を受けて任意適用事業所となる場合があります。勤務先の区分が分からなければ、日本年金機構の適用事業所の説明で確認できます。
通常の労働者の4分の3以上なら企業規模に関係なく対象
パート・アルバイト・契約社員でも、同じ事業所で同様の仕事をする通常の労働者と比べて、次の両方が4分の3以上なら、原則として被保険者になります。
- 1週間の所定労働時間
- 1か月の所定労働日数
たとえば、通常の労働者が週40時間・月20日なら、週30時間以上かつ月15日以上が目安です。この4分の3基準を満たす人は、短時間労働者に適用される「従業員数51人以上」「月8万8,000円以上」「学生ではない」といった条件で判定する人とは別枠です。
ただし、4分の3以上でも、この記事の主題である「2か月を超えて使用される見込み」や、勤務先が適用事業所かどうかは確認します。
4分の3未満の短時間労働者が確認する条件
日本年金機構の短時間労働者への適用拡大によると、4分の3基準を満たさない人は、2026年8月30日時点では原則として次を確認します。
- 勤務先が、通常の労働者や4分の3基準で加入する厚生年金保険の被保険者等を数えて51人以上となる企業等、任意特定適用事業所、国・地方公共団体などである
- 週の所定労働時間が20時間以上である
- 所定内賃金が月8万8,000円以上である
- 2か月を超えて雇用される見込みがある
- 原則として学生ではない
企業規模は店舗の人数ではなく、法人なら同じ法人番号の全適用事業所を合算して判断します。1年のうち6か月以上、厚生年金保険の被保険者数が51人以上となることが見込まれるかを見ますが、この人数には共済組合員を含み、適用拡大によって加入した短時間労働者は含めません。51人未満でも、労使合意によって任意特定適用事業所となっている場合があります。
2か月要件は2026年10月以降も残る
厚生労働省の社会保険適用拡大Q&Aとパート・アルバイト向けの現行・今後の加入条件では、短時間労働者の月8万8,000円以上という賃金要件を、2026年10月に撤廃予定としています。
| 加入条件 | 2026年8月30日現在 | 2026年10月以降(公式案内では予定) |
|---|---|---|
| 週の所定労働時間 | 20時間以上 | 20時間以上のまま |
| 所定内賃金 | 月8万8,000円以上 | 撤廃予定 |
| 企業規模 | 原則51人以上 | 同じ。2027年10月から36人以上へ拡大予定 |
| 雇用期間 | 2か月を超える見込み | 同じ |
| 学生 | 原則対象外 | 同じ |
つまり、2026年10月に「2か月契約なら全員加入」へ変わるのではありません。2か月を超える見込み、週20時間、企業規模、学生要件などは引き続き確認します。施行時点の最新案内も確認してください。
「2か月」は60日ではなく暦によって数える
雇用期間が2か月を超えるかは、単純な60日ではなく暦月による期間計算で判断します。月によって28日、30日、31日と日数が違っても、「2か月」という期間で見ます。
| 契約期間の例 | 期間の見方 | 雇用期間だけの判定 |
|---|---|---|
| 4月1日~5月31日 | ちょうど2か月 | 2か月以内。更新見込みを確認 |
| 4月15日~6月14日 | ちょうど2か月 | 2か月以内。更新見込みを確認 |
| 4月15日~6月15日 | 2か月を超える | 期間による適用除外に該当しない |
| 2月1日~3月31日 | うるう年でなくても2か月 | 日数ではなく更新見込みを確認 |
開始日と終了日によって個別判断が必要です。会社の「61日だから超えている」「60日以下だから対象外」という説明だけで決めず、雇用契約書に記載された期間を年金事務所へ示して確認してください。
6つの具体例|いつから社会保険へ入る?
ケース1:2か月契約で「更新する場合がある」
4月1日から5月31日までの2か月契約で、労働条件通知書に「勤務成績や業務量により更新する場合がある」と書かれているケースです。
「更新する場合がある」という明示があるため、2か月を超えて使用される見込みありとして扱われます。勤務先と労働時間など、ほかの加入条件も満たすなら、4月1日から社会保険へ加入します。
ケース2:更新条項はないが同じ事業所に更新実績がある
自分の契約書には更新の記載がないものの、同じ事業所で同様の2か月契約が更新され、初回の契約期間を超えた実績があるケースです。
同様の雇用契約について更新実績があるため、契約初日から加入対象となり得ます。「同じ会社のどこかで更新した人が一人いる」というだけでなく、同じ事業所・同様の契約に基づく実績かを会社へ確認します。
ケース3:更新なしを双方で書面合意している
4月1日から5月31日までの繁忙期応援として雇われ、会社と本人が「5月31日で終了し、更新しない」と書面またはメールで合意しているケースです。
最初の契約期間を超えて雇用しない合意があるため、雇用期間の要件では当初は適用除外です。週20時間以上、月8万8,000円以上という条件だけで加入するわけではありません。
契約更新を受けるか、満了後に別の仕事を探すか迷っている場合は、契約終了前に職業訓練と給付の相談時期を確認しておくと、使える選択肢を比較できます。

ケース4:更新なしで開始したが途中で延長へ合意した
4月1日から4月30日までの1か月契約を更新しない前提で開始し、4月25日に会社と本人が、5月31日まで延長することへ書面で合意したケースです。
日本年金機構の契約延長Q&Aによると、ほかの加入要件も満たしている場合は、最初の契約期間を超えて働く見込みが生じた4月25日に被保険者資格を取得します。更新後を合わせても2か月以内かどうかではなく、最初に定めた期間を超えて更新される点が重要です。
更新見込みが生じた日は、労使双方が更新へ合意した日です。合意は書面またはメールで確認できるようにします。
ケース5:更新見込みで加入したが結果的に更新されなかった
当初は更新見込みがあり契約初日から加入したものの、業務縮小などで1か月半後に契約終了したケースです。
雇用時に2か月を超える見込みがあったなら、結果として2か月を超えなかったことを理由に資格取得を取り消すことはできません。途中で「更新しない」と決まっても、その時点で資格を遡って消すものではなく、実際の退職に応じて資格喪失の手続きをします。
ケース6:更新条項はあるが週15時間で働く
2か月契約に「更新する場合がある」と書かれていても、週15時間で、通常の労働者の所定労働時間・日数の4分の3未満なら、短時間労働者の週20時間要件を満たしません。
更新見込みは満たしても、ほかの加入条件を満たさないため、この条件だけでは会社の健康保険・厚生年金へ加入しません。更新条項があれば全員加入するのではなく、雇用期間と労働時間を別々に判定します。
なお、数日だけ間を空けて短期契約を繰り返す場合でも、次の契約予定が明らかで事実上の使用関係が続いているなら、契約の形式だけで毎回適用除外になるとは限りません。契約書をすべて示して年金事務所へ確認してください。
試用期間・日雇い・季節雇用は同じ扱いではない
無期契約の中の2か月試用期間なら原則として入社日から
「最初の2か月は試用期間」というだけで、雇用契約自体が2か月で終了するとは限りません。無期契約の中に2か月の試用期間が設けられているなら、2か月の有期契約とは別です。
日本年金機構の資格取得時期の説明では、試用期間でも給与が月単位で支給される場合、試用開始日に資格を取得するとしています。「本採用後から社会保険」という会社説明だけで判断しないでください。
ただし、「2か月の有期契約が終了した後、改めて本採用を判断する」という契約なら、この記事で説明した更新条項・更新実績・不更新合意を確認します。名称が試用期間でも、契約書の実態で判断します。
派遣社員は派遣先ではなく派遣元との雇用契約で判定する
派遣社員の場合、社会保険の加入手続きを行う責任は、実際に仕事をする派遣先ではなく、雇用契約を結んで給与を支払う派遣元にあります。
厚生労働省の派遣就業時の確認事項では、派遣元は加入要件を満たす派遣労働者を社会保険へ加入させ、未加入の場合は具体的な理由を本人へ通知すると案内しています。「今回の派遣先が2か月だから」だけでなく、派遣元との雇用契約が更新される見込みと、派遣元での労働条件を確認してください。
日々雇用・季節的業務・臨時的事業には別の期間基準がある
日本年金機構は、一般的な2か月契約とは別に、次の適用除外と加入時期を案内しています。
| 働き方 | 原則の適用除外 | 被保険者となる場合 |
|---|---|---|
| 日々雇い入れられる人 | 日々雇用 | 1か月を超えて引き続き使用されるようになった日から |
| 季節的業務に使用される人 | 4か月以内 | 最初から4か月を超える予定なら当初から |
| 臨時的事業の事業所に使用される人 | 6か月以内 | 最初から6か月を超える予定なら当初から |
| 所在地が一定しない事業所に使用される人 | 適用除外 | 期間を超えても被保険者とならない |
この表は一般の健康保険・厚生年金の被保険者としての取扱いです。健康保険法上は、日々雇用される人だけでなく、2か月以内で更新見込みのない契約、季節的業務、臨時的事業の事業所で働く人なども、条件により日雇特例被保険者に該当する場合があります。そのため、「一般の被保険者でない=必ず国民健康保険」とは限りません。
イベント、工事、季節限定業務などは、単に「2か月契約」の表だけへ当てはめず、仕事と事業所の性質も年金事務所へ伝えて確認します。
加入する場合はいつから保険料が引かれる?
初日加入なら会社は事実発生から5日以内に届け出る
加入要件を満たす場合、事業主は「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を日本年金機構へ提出します。日本年金機構の資格取得手続きでは、提出時期を事実発生から5日以内としています。
契約初日から加入する人は採用日が資格取得日です。開始後に更新見込みが生じた人は、その時点でほかの加入要件も満たしていれば、労使双方が更新へ合意した日が資格取得日になります。
月途中の加入でも保険料は日割りにならない
日本年金機構の月途中入社・退職時の保険料Q&Aによると、健康保険・厚生年金保険料は月単位で計算され、月途中に資格取得しても原則として日割りにはなりません。4月25日に資格取得した場合でも、4月分の保険料が発生します。
日本年金機構の保険料控除の説明では、事業主は毎月の給与から前月分の保険料を差し引くことができ、月末退職では最終給与から前月分と退職月分の2か月分を控除する場合があるとしています。「初回給与で引かれていないから未加入」とは限らないため、給与明細だけでなく資格取得日と会社の控除方法を確認してください。
契約終了日が月末か月途中かでも最終月の保険料が変わる場合があります。個別の控除額は、資格取得日・資格喪失日・給与締日を会社へ示して確認します。
会社が「2か月契約だから加入なし」と言うときの確認手順
まず契約書と会社の判定根拠を照合する
次の資料をそろえ、総務・人事担当者へ、どの要件で対象外と判断したのかを書面で確認します。
- 労働条件通知書・雇用契約書:契約開始日、終了日、更新の有無
- 更新基準の記載:「更新する場合がある」「業務量・勤務成績で判断」など
- 更新しない合意:双方の署名がある書面またはメール
- 同じ事業所の更新実績:同様の契約が実際に更新されているか
- 週の所定労働時間と月の所定労働日数:4分の3・週20時間を判定
- 通常の労働者の時間・日数:4分の3の比較対象
- 勤務先の区分:適用事業所、企業規模、任意特定適用事業所
「パートだから」「2か月だから」「扶養内だから」という説明だけでは、判定根拠として不十分です。更新条項があるのに加入させない場合は、会社が更新なしの書面合意をどのように確認したのかも尋ねます。
本人から年金事務所へ資格確認を請求できる
会社が資格取得届を出さない、または説明が契約内容と合わない場合は、勤務先を管轄する年金事務所へ相談できます。
日本年金機構「自身の被保険者記録について確認を請求するときの手続き」によると、事業主の未届や事実と違う届出がある場合、被保険者または被保険者であった人は、自分で被保険者資格の確認を請求できます。
「厚生年金保険・健康保険被保険者資格確認請求書」に加え、調査のため次の資料を準備します。
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 給与明細
- タイムカード、シフト表など出勤状況が分かる資料
- 更新を合意した書面・メール
- 退職日や契約終了日が分かる資料
確認請求自体に法律上の期限はありませんが、確認請求では調査のため請求者の氏名が事業主へ示されます。日本年金機構の案内では、通常の調査対象となる期間は原則として請求書を受け付けた日から2年間です。2年より前の記録は年金記録の訂正請求など別の手続きになる場合があるため、年金事務所へ確認してください。
資格が遡って確認された場合は、対象期間の社会保険料について本人も半額を遡って負担する義務が生じます。資格記録だけが変わり、保険料負担が発生しない手続きではありません。
日本年金機構の適用漏れに対する取組みのように、確認の結果、過去の期間から加入対象だったと判断されると、資格記録、社会保険料、国民健康保険や扶養の扱いが遡って変わることがあります。自己判断で現在の保険をやめず、年金事務所、会社、市区町村、加入中の健康保険者へ精算手順を確認してください。
契約終了後に短時間の仕事で収入を補いながら職業訓練へ通う場合は、社会保険のほかに失業認定、基本手当、職業訓練受講給付金の収入・出席条件も確認してください。

雇用保険の「31日以上」や扶養の「130万円」とは別
雇用保険は週20時間と31日以上の見込みで判定する
雇用保険と、健康保険・厚生年金保険は別制度です。雇用保険は原則として、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあるかを確認します。
| 制度 | 期間の主な境界 | ほかの主な条件 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金 | 2か月を超える見込み | 4分の3、または週20時間・企業規模等 |
| 雇用保険 | 31日以上の雇用見込み | 週20時間以上 |
| 健康保険の扶養 | 契約期間だけでは決まらない | 今後1年間の収入見込み・生計維持関係等 |
1か月契約でも雇用保険へ入り、健康保険・厚生年金には入らないケースがあります。反対に、4分の3基準を満たす働き方では、短時間労働者向けの週20時間や月8万8,000円だけで判断できません。
年収130万円未満でも会社の社会保険へ入る場合がある
配偶者などの健康保険の扶養で使われる130万円基準と、勤務先で社会保険へ加入する条件も別です。年収見込みが130万円未満でも、勤務先で4分の3基準または短時間労働者の加入条件を満たせば、本人が会社の健康保険・厚生年金へ加入します。
「扶養内を希望しているから加入しない」と本人と会社が選べる制度ではありません。日本年金機構の加入義務に関するQ&Aでも、加入要件を満たす場合は本人が拒んでも事業主に届出義務があると案内しています。
よくある質問
Q1.2か月契約なら必ず社会保険の対象外ですか?
いいえ。更新する旨・更新する場合がある旨が書面にある、または同じ事業所で同様の契約を更新した実績がある場合は、2か月を超える雇用見込みがあるものとして、ほかの条件も満たせば契約初日から加入します。
Q2.ちょうど2か月は「2か月を超える」に含まれますか?
ちょうど2か月は「2か月以内」です。ただし、2か月以内でも更新見込みがあれば初日から対象になります。60日か61日かだけでなく、暦による期間と更新見込みを確認してください。
Q3.「更新する場合がある」だけでも初日加入ですか?
その記載は更新見込みを判断する要素です。ほかの社会保険加入条件を満たし、2か月を超えて使用しないことを双方で書面合意していなければ、初日から加入対象になり得ます。
Q4.自分は更新を希望していなくても更新実績があれば加入しますか?
同じ事業所で同様の契約が更新された実績は更新見込みの判断材料です。ただし、本人と会社が最初の契約を超えて雇用しないことを書面またはメールで合意している場合は、更新見込みなしとして扱います。
Q5.途中で契約更新を決めたらいつから加入しますか?
その時点でほかの加入要件も満たしている場合は、契約の更新が見込まれるに至った日、つまり労使双方が更新へ合意した日に資格を取得します。更新後の勤務開始日からとは限りません。合意日は書面やメールで確認できるようにします。
Q6.更新予定で加入したのに2か月未満で辞めたら取り消されますか?
雇用時に2か月を超える見込みがあった場合、結果的に2か月未満で終了しても資格取得は取り消しません。実際の退職に応じて資格喪失します。
Q7.学生の2か月アルバイトも加入しますか?
4分の3未満の短時間労働者ルートでは学生は原則対象外です。ただし、4分の3基準を満たす場合や、休学中・定時制・通信制などは結論が変わることがあります。学生という理由だけで一律に決めず、学校区分と働き方を確認してください。
Q8.2か月の試用期間が終わるまで社会保険へ入れないのですか?
無期契約の中の試用期間なら、加入要件を満たす人は原則として試用開始日から加入します。2か月で終了する独立した有期契約なら、更新条項・更新実績・更新しない合意を確認します。
Q9.2026年10月から2か月契約の全員が加入しますか?
いいえ。撤廃予定なのは、短時間労働者の所定内賃金が月8万8,000円以上という要件です。2か月を超える雇用見込み、週20時間、企業規模、学生要件などは別に残ります。
Q10.会社が加入手続きをしてくれない場合はどうしますか?
契約書、給与明細、勤務記録、更新メールをそろえ、会社へ判定根拠を確認します。解決しない場合は年金事務所へ相談し、本人から被保険者資格の確認を請求できます。
まとめ
2か月契約でも、契約期間だけで社会保険の対象外とは決まりません。
- 「更新する」「更新する場合がある」と書面にあれば、更新見込みありとして初日加入になり得る
- 更新条項がなくても、同じ事業所で同様の契約を更新した実績があれば初日加入になり得る
- 最初の契約を超えて雇用しないことを双方が書面・メールで合意していれば、当初は適用除外
- 途中で更新へ合意し、ほかの加入要件も満たす場合は、更新後の初日ではなく合意日に資格取得する
- 更新見込みで加入後、結果的に2か月未満で終了しても資格取得は取り消さない
- 4分の3基準または短時間労働者の加入条件も合わせて確認する
- 2026年10月に撤廃予定なのは月8万8,000円要件で、雇用期間要件ではない
まず労働条件通知書の「契約期間」「更新の有無」「更新判断基準」を確認し、会社へ4分の3基準・週20時間・企業規模を含む判定根拠を尋ねてください。説明が一致しなければ、資料を持って年金事務所へ相談するのが次の行動です。
契約満了後に雇用保険を受けられない場合でも、収入・資産などの条件を満たせば求職者支援訓練を利用できることがあります。自分がどの訓練制度を検討できるかは、次の記事で確認できます。

制度確認日:2026年8月30日。社会保険の適用範囲、2026年10月の賃金要件撤廃、企業規模要件、契約期間の取扱いが変更された場合は内容を更新します。

