病気やけがで休職し、その月の給料は0円。それなのに会社から「社会保険料として毎月4万円を振り込んでください」と連絡が来ると、二重に負担しているように感じるかもしれません。
結論からいうと、復職を前提に在籍し、健康保険・厚生年金保険の被保険者資格が続いている間は、給料が0円でも社会保険料は原則として発生します。保険料はその月の実際の給料ではなく、休職前などに決まった「標準報酬月額」を基に計算するためです。
病気休職には、産前産後休業や育児休業のような法定の保険料免除はありません。傷病手当金を受け取っても、健康保険料・厚生年金保険料が自動で免除されたり、傷病手当金から自動で天引きされたりするわけでもありません。
この記事では、2026年8月31日時点の公的情報をもとに、給料0円でも保険料がかかる理由、本人負担額の目安、会社への支払方法、傷病手当金との関係、退職日で最後の保険料がどう変わるか、退職後の健康保険と年金まで順番に解説します。
- 在籍中で被保険者資格が続くなら、給料0円でも健康保険料・厚生年金保険料は原則発生
- 休職しても労使の負担関係は原則同じで、本人が会社から請求されるのは本人負担分
- 休職しただけでは標準報酬月額は0円にならず、病気休職は通常の随時改定の対象にならない
- 給与から引けない本人負担分は、振込・現金・復職後の精算などを会社と確認する
- 協会けんぽの傷病手当金は本人名義口座へ振り込まれ、社会保険料が自動控除される制度ではない
- 退職する場合は、月途中退職か月末退職かで会社の社会保険料の最終月が変わる
結論|給料0円でも在籍中なら社会保険料は原則かかる
協会けんぽの傷病手当金資料は、休職中で給与の支払いがなくても健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料がかかると案内しています。
重要なのは「給料が出たか」ではなく、会社の健康保険・厚生年金に加入する被保険者資格が残っているかです。通常の病気休職は、会社との雇用関係を残して復職を待つ期間です。雇用・使用関係が実質的に続き、被保険者資格が継続していれば、本人分と会社分の保険料が続きます。会社が本人へ請求できるのは、原則として本人が負担すべき分です。
| 休業中の状態 | 在職中の健康保険・厚生年金 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| 病気休職・給料0円 | 原則かかる | 被保険者資格、標準報酬月額、本人分の支払方法 |
| 病気休職・少額の休職給あり | 原則かかる | 休職給と傷病手当金の差額調整 |
| 産前産後休業 | 会社の届出で免除 | 免除対象月と申出書の提出 |
| 育児休業等 | 会社の届出で免除 | 月額保険料と賞与保険料の免除条件 |
| 退職して資格喪失 | 資格喪失月の前月分まで | 正式な退職日と翌日の資格喪失日 |
ただし、どれほど長く休職しても必ず資格が続く、とまではいえません。厚生労働省の休職中の被保険者資格に関する通知を踏まえると、復職の見込みがなく、実質的な使用関係が消滅したと判断されるような例は個別確認が必要です。まず会社へ「健康保険・厚生年金の資格が現在も継続しているか」を聞いてください。
なぜ給料がないのに保険料が下がらない?
実際の月給ではなく標準報酬月額で計算するから
健康保険料と厚生年金保険料は、毎月の給料へそのまま保険料率を掛けるのではありません。基本給、手当、残業代などの報酬を一定の幅に区分した「標準報酬月額」に保険料率を掛けて計算します。
日本年金機構の保険料の計算方法によると、会社は本人負担分を給与から控除し、会社負担分と合わせて納付します。通常は労使折半なので給与明細には本人分しか見えませんが、給料0円になっても会社には納付手続きが残ります。
本人負担の月額=現在の標準報酬月額×本人負担の保険料率
その月の給料が0円でも、標準報酬月額が30万円のままなら、原則として30万円の等級で計算します。「給料0円×保険料率=0円」ではありません。
休職で給料が止まっても随時改定されない
給料が大きく変わったときは「随時改定」で標準報酬月額を見直す制度があります。しかし、日本年金機構の随時改定の案内は、休職により低額の休職給を受けることは固定的賃金の変動に当たらず、随時改定の対象にならないとしています。
つまり、病気休職で一時的に無給になっただけでは、3か月後に標準報酬月額が自動で最低等級へ下がるわけではありません。復職後に通常の給与へ戻ることを前提とした扱いです。
4月から6月がすべて無給でも0円にはならない
毎年の定時決定では通常、4月・5月・6月に支払われた報酬を使います。ただし、3か月すべてが無給だったり、報酬の支払基礎日数を満たさなかったりする場合、0円平均で決めるのではありません。
日本年金機構の保険者決定の説明にあるとおり、4~6月のうち低額の休職給を受けた月が1~2か月なら、その月を除いた残りの月で算定します。3か月すべてが低額の休職給・無給などで通常の算定ができなければ、従前の標準報酬月額を使う取扱いです。給与明細だけで新しい等級を推測せず、会社の社会保険担当者へ現在の標準報酬月額を確認してください。
雇用保険料は計算方法が違う
この記事で主に扱う社会保険料は、健康保険料、介護保険料、子ども・子育て支援金、厚生年金保険料です。雇用保険料は標準報酬月額ではなく、実際に支払われた賃金額に被保険者負担率を掛けます。
厚生労働省の労働保険料の説明では、雇用保険の本人負担額は支払われた賃金額を基に算定するとされています。そのため、賃金が本当に0円の月は、雇用保険料の本人負担も通常0円です。健康保険・厚生年金とは分けて確認します。
毎月いくら払う?標準報酬月額30万円の計算例
2026年度の東京都・協会けんぽ、標準報酬月額30万円を例に本人負担額を計算します。協会けんぽ東京支部の2026年度保険料額表では、健康保険料率9.85%、介護保険料率1.62%、子ども・子育て支援金率0.23%、厚生年金保険料率18.3%を労使で負担します。
2026年4月分からは、被用者保険に子ども・子育て支援金率0.23%が加わりました。労使折半なので、標準報酬月額30万円なら本人分は月345円です。2025年度以前の料率だけで計算すると、この345円を見落とします。
| 本人の区分 | 健康保険等 | 子ども・子育て支援金 | 厚生年金 | 本人負担合計 |
|---|---|---|---|---|
| 40歳未満 | 14,775円 | 345円 | 27,450円 | 42,570円 |
| 40歳以上65歳未満 | 17,205円 (介護保険を含む) |
345円 | 27,450円 | 45,000円 |
これは2026年4月分以降、東京都の協会けんぽへ加入する一般例です。健康保険料率は都道府県や健康保険組合で異なり、年齢や標準報酬月額でも変わります。会社から4万円台の請求が届いたからといって直ちに誤りとはいえません。
65~69歳で厚生年金の被保険者でもある人は、会社の健康保険では介護保険第2号に当たらないため、上表では原則42,570円側です。ただし介護保険料は市区町村へ別に納めます。70歳以降は厚生年金保険料の扱いも変わるため、この表をそのまま使わず会社へ確認してください。
傷病手当金約20万円でも、そこから4万円台を確保する
支給開始前12か月の標準報酬月額の平均が30万円なら、傷病手当金の日額は原則として次の計算です。
30万円÷30日×2/3=6,667円/日(端数処理後)
待期完成後の支給対象日が30日なら約20万10円です。30日分が満額支給され、同じ月の本人負担保険料を単純に差し引くと、手元に残るのは40歳未満で157,440円、40~64歳で155,010円です。実際には傷病手当金の入金月と会社の請求月がずれることがあり、住民税や会社独自の費用も別にかかります。
休職を続けるか退職するかは、保険料だけで急いで決めないでください。傷病手当金の継続条件、退職日、回復後の働き方、職業訓練の開始時期を同じ時系列で確認すると判断しやすくなります。

給料から引けない本人負担分はどう払う?
会社は通常、給与から本人負担分を控除します。しかし給料が0円なら、控除する原資がありません。会社が本人分を含む保険料を保険者へ納めたうえで、本人分を別に集めることになります。
会社ごとに振込・現金・復職後精算などがある
厚生労働省の休職・職場復帰支援資料も、無給で給与から控除できない場合に備え、休職中の本人負担分と住民税の納付方法を事前に情報共有しておく必要があるとしています。
実務上は、次のような方法があります。
- 会社指定口座へ毎月振り込む
- 会社へ現金で支払う
- 本人の意向を確認し、会社との合意により分割で支払う
- 会社が一時的に立て替え、控除協定・就業規則・本人同意などの根拠を確認したうえで復職後等に精算する
日本年金機構の無給休業に関するQ&Aも、本人の意向を確認しながら労使で徴収方法を相談するとしています。どの方法でも、口頭だけで進めず、対象月、健康保険、介護保険、子ども・子育て支援金、厚生年金の内訳、支払期限、振込先、会社立替残高を書面で受け取ります。
健康保険法の保険料控除規定が通常認めるのは、報酬から前月分を控除することや、退職時に前月分・当月分を控除することです。数か月分の会社立替金を復職後の給与から精算する場合まで、会社が当然に一括控除できると決めつけることはできません。控除の根拠と本人の同意、分割の可否を確認してください。
払えないときは請求内訳・分割・入金待ちを相談する
会社が先に納付したからといって、本人負担分が会社負担へ自動で変わるわけではありません。支払えない場合は請求を無視せず、傷病手当金の申請中であること、入金見込日、今払える金額、一括払いが難しいことを伝え、支払日や分割回数を相談します。
請求額に疑問があるときは、現在の標準報酬月額、保険料の対象月、本人負担率、過去の未精算分を聞きます。「社会保険料一式○万円」だけでは、今月分なのか複数月分なのか、会社負担分まで含まれていないか判定できません。合意した支払日と残額も毎月書面で残してください。
傷病手当金から社会保険料は天引きされる?
協会けんぽが自動で差し引く仕組みではない
協会けんぽの申請書記入資料によると、2023年1月から傷病手当金の受取代理人欄は削除され、被保険者本人名義の口座へ振り込む仕様になっています。
したがって、協会けんぽが傷病手当金から会社の社会保険料請求額を自動で引いて、残額だけを本人へ振り込む制度ではありません。本人の口座へ入った傷病手当金から、会社の請求に基づいて別に支払うのが基本です。
ただし、健康保険組合の手続き、本人と会社の合意、就業規則、すでに会社が立て替えた金額の精算方法によって実務が異なる場合があります。「差し引かれたから必ず違法」と決めつけず、支給決定通知書、会社の精算書、本人が同意した書面を照合してください。
会社が本人分を負担すると傷病手当金が調整されることがある
会社が本人負担の保険料を肩代わりし、返済を求めない場合は注意が必要です。協会けんぽの公式資料は、本人が負担すべき社会保険料を会社が負担すると賃金の支給とみなされ、傷病手当金が調整されると案内しています。
「会社が払ってくれるなら得」とは限りません。会社負担なのか一時的な立替えなのか、返済義務があるのか、傷病手当金申請書の報酬欄へどう記載したかを確認します。
病気休職と産休・育休では免除の扱いが違う
社会保険料が免除される代表例は、産前産後休業と育児休業等です。日本年金機構の保険料免除案内では、事業主が申出を行うことにより、対象期間の本人負担分・会社負担分がともに免除され、その期間も将来の年金額では納付済みとして扱われます。
| 休業の種類 | 健康保険・厚生年金の免除 |
|---|---|
| 業務外の病気・けがによる休職 | 原則なし |
| 介護休業 | 産休・育休と同じ法定免除はなし |
| 産前産後休業 | 会社の申出で対象期間を免除 |
| 育児休業等 | 会社の申出で条件を満たす月を免除 |
「休業中だから免除」と一括りにしないことが大切です。病気休職中に会社から免除と説明された場合は、何の制度による免除か、資格喪失ではないかを確認してください。
傷病手当金を受ける条件と社会保険料は別判定
協会けんぽの傷病手当金案内では、次の条件を満たす場合、待期3日を経た4日目以降の支給対象日について傷病手当金を受けられます。
- 業務外の病気やけがの療養である
- それまで担当していた仕事に就けない状態である
- 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいる
- 休業期間について給与の支払いがない、または給与が傷病手当金より少ない
給料0円は4番目の条件に関係しますが、それだけで傷病手当金が必ず出るわけではありません。また、傷病手当金の支給期間は支給開始日から通算1年6か月です。休職期間の長さや会社の休職満了日と同じではありません。
傷病手当金は標準報酬月額の報酬に含めない
傷病手当金は、会社から労働の対価として受ける給与ではなく健康保険の給付です。そのため、傷病手当金を受けたから標準報酬月額が上がる、傷病手当金に雇用保険料がかかる、という関係ではありません。
「傷病手当金の計算に標準報酬月額を使うこと」と「傷病手当金が標準報酬月額の報酬になること」は別です。前者は正しいですが、後者は誤りです。
体調が回復し、在籍したまま復職準備や学び直しを進められる状態になった人には、離職者向けだけでなく夜間・土日などの在職者向け訓練もあります。療養中に無理をせず、主治医と会社へ受講可能な状態かを確認してから選んでください。

退職日で最後の社会保険料はどう変わる?
退職すると、原則として退職日の翌日が健康保険・厚生年金の資格喪失日です。日本年金機構の退職時の保険料Q&Aでは、資格喪失日の属する月の前月分まで保険料を納めると説明しています。
| 正式な退職日 | 資格喪失日 | 会社の社会保険料 |
|---|---|---|
| 2026年8月30日 | 8月31日 | 7月分まで |
| 2026年8月31日 | 9月1日 | 8月分まで |
月末退職では退職月分も発生します。会社が前月分を翌月給与から控除する方式なら、最終給与から前月分と退職月分の2か月分がまとめて引かれる場合があります。
ただし、「30日退職なら8月分が丸ごと得」とは限りません。8月31日から国民健康保険など別の健康保険が必要になり、20歳以上60歳未満で厚生年金や第3号被保険者にならない人は国民年金への切替えも必要です。会社の保険料だけでなく、切替先の月額を含めて比べます。
退職後も傷病手当金を続けるための条件
退職すれば傷病手当金が必ず止まるわけではありません。協会けんぽの傷病手当金Q&Aによると、資格喪失後の継続給付には主に次の条件があります。
- 退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上ある(任意継続、共済組合、国民健康保険の期間は含めない)
- 退職日までに待期3日を完成し、少なくとも1日は傷病手当金の支給対象になり得る状態にある
- 退職日に出勤していない
- 退職後も同じ傷病で仕事に就けない状態が続く
退職日に引継ぎのため数時間だけ出勤すると、退職後の継続給付を受けられなくなることがあります。待期3日を完成しただけで退職し、4日目の支給対象日へ到達していない場合も継続できません。退職日を決める前に、勤務扱い、有給休暇の扱い、最初の支給対象日、加入期間を会社と保険者の両方へ確認してください。
任意継続へ加入すれば、新しい病気について傷病手当金が始まるわけではありません。退職前からの継続給付条件を満たすかどうかが先です。また、退職後にいったん仕事に就ける状態になった後、同じ傷病が再び悪化しても、資格喪失後の継続給付は再開しません。
退職後の健康保険と年金は別に切り替える
退職日の翌日からは、会社の健康保険証・資格確認書をそのまま使えません。健康保険には主に三つの選択肢があります。
| 選択肢 | 期限・条件 | 保険料の考え方 |
|---|---|---|
| 任意継続 | 退職前まで継続2か月以上、資格喪失日から20日以内 | 会社負担がなくなるため原則全額自己負担。上限等あり |
| 国民健康保険 | 市区町村で原則14日以内に届出 | 前年所得、世帯人数、自治体で異なる |
| 家族の健康保険の扶養 | 家族の勤務先・保険者が収入等を審査 | 被扶養者本人の保険料負担なし |
協会けんぽの任意継続案内では、任意継続の保険料は退職時の標準報酬月額と住所地の保険料率を基に計算し、原則として在職時の本人負担のおよそ2倍になると説明しています。厚生労働省の国民健康保険料の案内にあるとおり、国民健康保険料は市町村ごとの条例等で計算されます。給料0円になった直後でも前年所得を基に高くなることがあるため、市区町村で試算を受けて比較します。
傷病手当金は扶養判定の収入になる
傷病手当金は非課税ですが、健康保険の扶養判定では今後の見込み収入として扱われます。日本年金機構の被扶養者認定の案内では、原則として年間収入130万円未満、60歳以上または一定の障害者は180万円未満などの要件があります。
一般的な130万円基準では、傷病手当金の日額が3,611円以下なら収入要件内、3,612円以上なら受給中の扶養認定が難しくなるのが目安です。60歳以上など180万円基準の人は日額5,000円未満が目安です。最終判断は加入先の保険者が行うため、日額と受給予定期間を家族の勤務先へ伝えて確認してください。
20歳以上60歳未満は国民年金の手続きも確認する
日本年金機構の退職後の国民年金手続きによると、20歳以上60歳未満で次の会社の厚生年金や配偶者の第3号被保険者にならない人は、国民年金第1号被保険者への切替えが必要です。
失業などで納付が難しい場合は、国民年金保険料の免除・納付猶予を申請できますが、自動免除ではありません。健康保険の選択と国民年金の手続きは別なので、片方だけで終わらせないでください。
退職日を決めた後は、健康保険、年金、住民税、傷病手当金の提出先と期限を一枚にまとめると手続き漏れを防げます。

会社へ確認する7項目と聞き方
- 健康保険・厚生年金の被保険者資格は継続しているか
- 現在の標準報酬月額はいくらか
- 請求は何月分で、健康保険・介護・支援金・厚生年金の内訳はいくらか
- 会社がすでに立て替えた本人負担額はいくらか
- 毎月払い、分割、復職後精算のどれか
- 傷病手当金申請書へ給与・休職給・会社負担額をどう記載したか
- 休職満了日と、退職する場合の正式な退職日・資格喪失日はいつか
「休職中の給料は0円です。現在の標準報酬月額、○月分の本人負担額の内訳、会社立替残高、支払期限と精算方法を文書で教えてください。傷病手当金申請書の報酬欄へ記載した金額も確認したいです」
会社の説明と金額が合わない場合は、加入する協会けんぽ支部・健康保険組合と、会社を管轄する年金事務所へ同じ資料を見せます。給与明細、休職辞令、休職規程、会社の請求書、振込履歴、傷病手当金支給決定通知書を持参してください。
体調が回復した後の働き方を急がず決める
療養中でまだ働けない間は、傷病手当金と治療を優先します。職業訓練や失業保険は、原則として働く意思と能力があり、求職活動ができる状態になってから検討する制度です。
退職後も30日以上働けない場合は、厚生労働省の基本手当の受給期間延長を確認してください。病気やけがで働けない日数を、原則1年の受給期間へ最大3年まで加算できる制度です。給付日数や日額を増やす制度ではなく、回復後に申請できる期間を後ろへ延ばす手続きなので、住所地を管轄するハローワークへ早めに相談します。
回復後に同じ仕事へ戻るか、負担の少ない職種へ転職するか、職業訓練で技能を付けてから再就職するかを比較したい人は、次の記事で判断軸を整理できます。

退職後に失業保険を受けられる状態となり、公共職業訓練を検討する場合は、受講中の基本手当、受講手当、通所手当や給付日数の扱いをハローワークで先に確認します。傷病手当金から失業保険・職業訓練へ自動で切り替わるわけではありません。
よくある質問
Q1.休職中で給料0円なら社会保険料はいくらですか?
現在の標準報酬月額と加入先の保険料率で決まります。2026年度の東京都・協会けんぽで標準報酬月額30万円なら、本人負担は40歳未満で月42,570円、40歳以上65歳未満で月45,000円が例です。
Q2.会社から社会保険料を振り込むよう言われました。払う必要がありますか?
被保険者資格が継続し、請求額が本人負担分として正しければ原則として支払いが必要です。ただし、対象月、標準報酬月額、各保険料の内訳、会社立替残高を文書で確認してください。
Q3.傷病手当金から社会保険料は自動で引かれますか?
協会けんぽが傷病手当金から自動控除する制度ではありません。本人名義口座へ入金された後、会社から請求された本人負担分を別に払うのが基本です。健康保険組合や会社との個別の精算方法は確認してください。
Q4.保険料を払えないと傷病手当金は止まりますか?
会社への本人負担分の支払いと、保険者が判断する傷病手当金の支給要件は別です。ただし請求を放置すると会社との未精算が増えるため、入金予定と分割希望を早めに伝えてください。
Q5.休職が3か月を超えれば社会保険料は下がりますか?
病気休職で無給や低額の休職給になっただけでは、通常の随時改定の固定的賃金変動に当たらないため、自動では下がりません。
Q6.会社負担分まで本人に請求されたら払いますか?
社会保険料は原則として労使折半で、本人が負担するのは本人分です。請求書に会社負担分まで含まれているように見えるときは、標準報酬月額、保険料率、本人分・会社分の内訳を示してもらってください。
Q7.産休や育休なら給料0円でも払いますか?
産前産後休業・育児休業等は、会社が必要な申出を行い条件を満たせば、本人分・会社分の健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。通常の病気休職とは扱いが違います。
Q8.復職後に数か月分をまとめて給与から引かれたら?
まず対象月と会社立替残高を照合してください。通常の法定控除を超える過去の立替分まで一括精算している場合は、控除協定、就業規則、本人同意などの根拠と分割の可否を会社へ確認します。
Q9.退職すれば会社からの社会保険料請求はなくなりますか?
会社の社会保険料は資格喪失月の前月分までですが、在職中の未精算分は退職後も請求されます。資格喪失日からは任意継続・国保・扶養など別の健康保険も必要です。
Q10.退職後も傷病手当金を受け取れますか?
対象に数えられる被保険者期間が退職日まで継続1年以上あり、退職日までに待期を完成して少なくとも1日は支給対象となる状態で、退職後も同じ傷病による労務不能が続くなどの条件が必要です。退職日に出勤すると継続できません。
Q11.退職後の傷病手当金に任意継続は必須ですか?
必須ではありません。退職前からの資格喪失後継続給付と、退職後に任意継続・国保・扶養のどれを選ぶかは別の判定です。
Q12.傷病手当金を受けながら家族の扶養へ入れますか?
傷病手当金は扶養判定の収入です。一般的な130万円基準では日額3,611円以下が一つの目安ですが、最終判断は家族の健康保険者へ確認してください。
Q13.2026年開始の子ども・子育て支援金も休職中にかかりますか?
被用者保険の資格が続く通常の病気休職なら原則かかります。2026年4月分からの支援金率は0.23%で労使折半のため、標準報酬月額30万円なら本人分は月345円です。
Q14.退職後も働けないとき、失業保険はどうしますか?
すぐ働けない間は通常の基本手当を受けられません。30日以上働けない場合は受給期間延長をハローワークへ相談し、回復後に求職手続きへ進みます。
Q15.休職中に職業訓練へ通えますか?
制度やコースにより異なりますが、傷病手当金は仕事に就けない状態、失業保険や多くのハローワーク訓練は働く意思・能力がある状態を前提とします。療養中に無理に切り替えず、主治医とハローワークへ就労可能時期を確認してください。
まとめ|標準報酬月額・支払方法・退職日を分けて確認する
休職中に給料が0円でも、在籍して健康保険・厚生年金の被保険者資格が続いていれば、社会保険料は原則として発生します。給料がないことと、保険料がないことは同じではありません。
- 病気休職だけでは標準報酬月額は0円にならず、社会保険料免除もない
- 給与から控除できない本人負担分は、本人の意向を伝え、会社と振込・分割・復職後精算などを合意する
- 傷病手当金は本人名義口座へ入り、社会保険料が自動控除される制度ではない
- 会社が本人分を返済不要で負担すると、賃金扱いで傷病手当金が調整されることがある
- 月途中退職と月末退職では、会社の保険料がかかる最終月が異なる
- 退職後の傷病手当金、健康保険、国民年金はそれぞれ別に手続きする
まず会社へ、現在の被保険者資格、標準報酬月額、請求対象月、本人負担の内訳、精算方法を文書で確認してください。退職を考える場合は、傷病手当金の継続条件と正式な退職日を保険者へ確認してから決めるのが安全です。

