新卒でSESガチャに失敗した人へ|退職代行で第二新卒として再スタートする手順

メンタル/体調

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この記事は、新卒でSES企業に入り、月100時間の残業で限界が来て、退職代行ガーディアンを使って会社と二度と話さずに辞めた筆者が、SESガチャに失敗した自分と同じ立場の人に向けて、第二新卒で再スタートするまでの手順をまとめた解説です。同じ場所で動けなくなっている人が、最短で次に進むための情報だけを置きました。

新卒でIT業界に入ったら、配属先はSES。客先常駐で雑務ばかりが回ってきて、スキルがついている実感がない。同期が自社開発で活躍しているのを横目に、自分だけ取り残されているように感じる。これが「SESガチャ失敗」の典型パターンだ。

結論から言うと、3年待つ前に動く選択肢はある。第二新卒の転職市場は、20代前半の経験不足を前提に組まれているため、新卒1〜2年目で動いても十分に再スタートが可能だ。

この記事では、SESガチャの失敗パターン、3年待つかどうかの判断軸、退職代行で抜ける手順、第二新卒として再スタートするまでを、筆者自身の経験を含めて整理する。

SESガチャ失敗とは|典型パターンの構造

「SESガチャ」という言葉は、新卒でIT企業に入ったとき、配属される現場と業務内容が事前に分からず、運次第になる構造を指す。失敗パターンには共通の特徴がある。

失敗パターンに共通する4つの特徴

  • 研修終了後、いきなり客先常駐に出される
  • 業務が雑務(資料整理・テスト要員・データ入力)に偏る
  • スキルアップの機会が現場側で用意されていない
  • 同期が自社開発に配属されて差を感じる

4つが揃うと、入社1年でスキル成長が止まり、転職市場での価値が新卒時点から伸びない状況に陥る。市場価値が上がらないまま3年が経つと、第二新卒の枠も外れて中途扱いになり、未経験職種へのジャンプも難しくなる。

「入社前と後で待遇が違う」も典型

独自に集めたSES経験者の声(複数の声を再構成・個人特定情報は除外)には、こうしたパターンがある。「ノルマはありません→目標はあります、残業はありません→終わらせてください、リモートできます→特別な理由に限ります、と求人と説明会の言葉が現実と違っていた」。求人広告と入社後のギャップは、SES業界に限った話ではないが、特にSESでは現場が複数あるためパターンが見えにくく、失敗を早期に判定しにくい。

まず確認:自分の心身は限界に近いか

判断より先に、自分の体の状態を確認する。SESは常駐先で孤立しやすく、限界サインに気づきにくい構造がある。

SES特有の限界サイン

  • 朝、客先のビルが見えただけで動悸がする
  • 日報や週報を書く手が止まり、何も書けない時間が増えた
  • 同じプロパー社員と話したくない、目が合わせられない
  • 業務終了後、自宅に戻ってからスキル学習に手が伸びない
  • 休日も「明日また現場か」と考えてしまう

2つ以上当てはまれば、転職判断より先にメンタルクリニックの受診を検討していい。SES経験者の中には、限界を超えてから倒れた人の体験も語られている。

「退職代行を使おうと心に決めた矢先に気絶して、気づいたら入院していた。毎日朝5時から翌2時まで働き詰めだった。心と身体が壊れる前に、退職代行も選択肢に入れてほしい」

SES経験者の体験を再構成

データで見る|新卒SESの離職は少数派ではない

「自分だけが甘えているのでは」と感じる人へ、数字を見てほしい。新卒のIT離職はデータ上、相当な多数派だ。

年代別の離職率(厚労省 令和5年 雇用動向調査)

年齢層 男性 女性
20〜24歳 24.8% 26.5%
25〜29歳 18.4% 18.3%
30〜34歳 11.0% 12.8%

出典:厚生労働省「雇用動向調査」

20代前半は4人に1人が毎年辞めている。さらに同省の「新規学卒就職者の離職状況」では、大卒者の3年以内離職率は32.3%。3人に1人が3年以内に辞めている。

情報通信業の3年以内離職率

厚労省「新規学卒者の離職状況」(令和3年3月卒)によると、情報通信業の大卒3年以内離職率は約30%前後で、全産業平均と同水準で推移している。SES企業に限ったデータではないが、IT業界全体で見ても新卒の3割が3年以内に辞めている事実は、辞める判断に対する社会的な後押しになる。最終的な統計値は厚労省の最新公表分で確認するのが確実だ。

「3年は我慢」の根拠と、新卒SESに当てはまらない理由

「とりあえず3年は続けろ」と上司や親から言われた人は多い。だが、この言葉は新卒SESにそのまま適用できない事情がある。

「3年」の元になっている考え方

「石の上にも三年」は慣用句で、キャリアの法則ではない。実務上の根拠としては、(1) 第二新卒(卒業後3年以内)として転職活動できる、(2) 業務スキルがある程度身につく、の2点だ。

新卒SESで「3年待つ」が裏目に出るパターン

  • 3年たってもスキルが伸びない現場に居続けると市場価値が下がる
  • 第二新卒枠(卒業後3年以内)から外れるタイミングが近づく
  • 未経験職種への転換ハードルが、年齢とともに上がる
  • 限界状態で3年待つと、心身の回復に時間が必要になり結果的にブランクが伸びる

3年我慢する戦略は「成長できる現場にいる」ことが前提だ。雑務しか回ってこない現場で3年待つ意味は限定的で、むしろ第二新卒のうちに動いた方が後の転職が楽になるケースが多い。

「3年待つ」が機能するパターン

逆に、3年待つことで利益が出るのは以下のような状況だ。

  • 現場で実装業務に少しずつ入れている
  • 3年後に自社開発への異動申請が通る見通しがある
  • SES契約の現場が明らかに優良で、上位職の指導を受けられている

3年待つかどうかは「我慢の問題」ではなく「現場で何が積み上がるか」で判断するのが正確だ。

第二新卒として再スタートする手順|辞めるタイミングと動き方

第二新卒の転職市場は、卒業後3年以内(一般的に25歳前後まで)を対象にしている。新卒1〜2年目で動くなら、ここに乗るのが最も有利だ。

第二新卒で動くべきタイミング

  • 新卒1年目:研修明けで現場に出てから3〜6ヶ月で判断
  • 新卒2年目:年度末(3月)を1つの区切りに動くと求人が多い
  • 3年目に入る前:第二新卒枠に確実に間に合う最後のタイミング

第二新卒の求人は1〜3月と6〜9月に集中しやすい傾向がある。退職時期から逆算して、求人が多い時期に転職活動を重ねると面接回数を稼ぎやすい。

第二新卒で武器になるもの・ならないもの

第二新卒の面接では、スキルよりもポテンシャルが評価される。新卒SESで何ができるようになったか、より「なぜ辞めたか」「次に何をしたいか」が重視される。

  • 武器になる:基本情報技術者などの資格、簡単な実務経験、業務外の自学習履歴
  • 武器になりにくい:雑務の年数、現場の社名、出席率の高さ

面接で聞かれたら、SESで雑務に偏った経緯を「自走できる環境を求めて転職を決めた」と前向きに言い換える。退職理由を「会社が悪い」一辺倒にすると、面接官は「ここでも同じことを言うのではないか」と警戒する。

動く順序:退職→転職活動 or 転職活動→退職

限界サインが出ているなら、退職を先にして失業給付+貯金で生活を保ちながら転職活動する選択が安全だ。心身に余白があるなら、在職中に転職活動を進めて内定を得てから退職する順序が、収入空白期間を最小化できる。心身の状態を最優先で判断したい。

退職代行で新卒SESを抜ける|民法627条と労働組合

新卒1〜2年目で辞めると言うと、上司から「3年は続けろ」「育てた恩を返せ」と引き留めにあう。退職代行はこの引き留めを物理的にスキップする手段になる。

民法627条1項:いつでも退職の申し入れができる

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法 第627条1項

無期雇用なら申し入れから2週間で雇用契約は終了する。会社の承認は法的に不要だ。退職代行が「最短即日のような形で対応できる」のは、この条文と有給消化を組み合わせて出社をゼロにしているからだ。

出典:e-Gov 民法

労働基準法5条:辞めさせない・損害賠償と脅すのは違法の可能性

労働基準法5条は、暴行・脅迫・監禁などによる労働の強制を禁じている。「辞めさせない」「途中で辞めたら損害賠償を請求する」と脅して引き留める行為は、この条文に抵触する可能性が高いとされる。新卒で「育成費用を返せ」と言われた場合も同様に、根拠のない請求は通らない可能性が高い。

出典:e-Gov 労働基準法

新卒で代行を使うことへの罪悪感

「育てた恩がある」「同期に申し訳ない」と感じる新卒は多い。だが、独自に集めた利用経験者の声には、こういうものがある。「使う前に、話せる上司やしかるべき部署に何度も相談し、キャパオーバーを伝えても何も変わらなかった。代行がなければ自分は崩れていた」。順序を踏んでも変わらない環境に対して、代行は最終手段として機能する。

サービス名 料金 運営 向いている人
退職代行ガーディアン 19,800円 労働組合 有給交渉や引き止め対策を会社と交渉してほしい人
弁護士法人ガイア 25,300円〜 弁護士法人 未払い賃金やパワハラなど法的トラブルも合わせて対応したい人
退職代行モームリ 22,000円 民間企業 費用を抑えたい・シンプルに退職だけしたい人

退職代行を使う前のチェックリスト|動く前に確認したい7項目

勢いで申し込む前に、以下を確認しておくと当日のやり取りがスムーズになる。スマホのメモにコピーして埋めておくだけでいい。

  • ✓ 会社の正式名称・所在地・代表者名
  • ✓ 直属の上司の氏名と部署(SESの場合は自社の上司)
  • ✓ 雇用形態(正社員・契約・派遣)と入社年月
  • ✓ 有給の残日数(給与明細か社内システムで確認)
  • ✓ 会社から借りているもの(PC・社員証・健康保険証)
  • ✓ 客先常駐先に置いてある私物(ある場合は郵送依頼の準備)
  • ✓ 退職金・未払い残業代の有無

SES特有の留意点として、客先常駐先と自社の両方に荷物がある場合、自社経由で客先に郵送依頼する流れになる。代行業者にこの2点を最初に伝えておくと処理がスムーズだ。

退職代行を使う3つのリスクと対策|知らずに使うと損する

退職代行は便利な反面、選び方を誤ると本来取れた条件が取れない。事前に押さえれば回避できるリスクだ。

リスク1:民間業者は「交渉」ができない

民間業者は退職の意思を伝える「使者」止まりで、有給消化日数や退職日の交渉に踏み込むと弁護士法に抵触する可能性がある。「全部やってくれる」と思って民間業者に頼むと、有給を1日も使えずに終わる事例もある。労働組合運営のサービスか弁護士なら交渉が法的に可能だ。

リスク2:会社から損害賠償請求の脅しが来る

「途中で辞めたら損害賠償だ」「育成費用を返せ」と脅す会社は実在する。だが、労働者の退職を理由に会社が損害賠償を勝ち取った判例は実務上見つけにくい。引き継ぎ不足や育成費用を理由にした請求も、会社側が実損を立証できないと請求は通らないのが通例とされる。脅しが来たら無視するか、弁護士系の代行に切り替えれば対応できる。最終的な見立ては個別事情で変わるため、判断に迷えば労働基準監督署や弁護士に相談するのが安全だ。

リスク3:離職票が届かない・遅れる

稀に会社が嫌がらせで離職票の発行を遅らせるケースがある。離職票は失業給付の申請に必要だが、会社が出さない場合はハローワークに直接相談すれば代替手段で申請できる。代行業者にも「離職票は確実に郵送依頼してほしい」と伝えておけば安心だ。

退職代行3社の比較|状況別のおすすめ

退職代行は大きく分けて「労働組合運営」「民間業者」「弁護士」の3種類がある。料金だけで選ぶと、有給交渉や退職日交渉が必要な場面で動けないことがある。

サービス名 料金 運営 向いている人
退職代行ガーディアン 19,800円 労働組合 有給交渉や引き止め対策を会社と交渉してほしい人
弁護士法人ガイア 25,300円〜 弁護士法人 未払い賃金やパワハラなど法的トラブルも合わせて対応したい人
退職代行モームリ 22,000円 民間企業 交渉なしで意思伝達だけ任せたい・自分で条件調整できる人

3者で分かれる「使う・使わない」の判断

退職代行は誰もが使うべきものではない。3者に分けて整理する。

自分で言える状態の人

上司に「辞めます」と切り出せる気力が残っていて、引き留めに耐えられるなら、自分で言ったほうが後の心残りは少ない。退職代行は不要だ。

外部の力を借りた方がいい人

  • 「辞めると言うことを考えただけで動悸がする」状態にある
  • すでに口頭で伝えたが「3年は続けろ」と受理されない
  • 客先常駐で、自社の上司に物理的に会えない・話す時間がない
  • パワハラや業務量で限界が近く、自分で連絡を入れる気力が残っていない

1つでも当てはまれば、労働組合系の退職代行に外注する価値がある。

使わない方がいい人

  • 会社と良好な関係を保ったまま辞めたい人(推薦状や紹介状が必要)
  • 有給消化の必要がなく、自分で退職日を調整できる人
  • 引き継ぎを完璧にしてから去りたい責任感の強い人

このタイプは自分で動いた方が後の納得感が高い。退職代行は「自分から言えない人のための保険」として捉えるのが無理がない。

退職代行を使ったあとの流れ|申し込みから退職完了まで

「申し込んだあと何が起きるのか分からない」のが一番不安なポイントだ。実際の流れは思っているよりシンプルだ。

1日目:LINEで申し込み・ヒアリング

LINEを友だち追加して、会社情報・自分の状況・希望退職日を伝える。所要15〜30分。料金の支払いは銀行振込かクレジットカード。深夜に申し込んでも返信が来る運用をしている業者が多い。

2日目:代行業者から会社へ連絡

朝イチで業者から会社(自社)に電話が入る。本人は一切連絡しなくていい。会社からあなたへの直接連絡は、業者が「以後の連絡は当方経由で」と伝えて止める運用になる。客先常駐の場合、客先へは自社経由で「契約終了」の通知が回るため、本人が客先と直接連絡を取る必要はない。

3〜14日目:退職手続き・有給消化

有給があれば全消化、なければ申し入れから2週間で雇用が終了するルートで処理が進む(民法627条1項)。離職票・源泉徴収票・年金手帳などは郵送で受け取る。会社に出向く必要はない。私物が残っている場合は郵送で返してもらう。

退職後にやること

  • 離職票が届いたらハローワークで失業給付の申請
  • 健康保険の切り替え(任意継続 or 国保)
  • 年金の切り替え(厚生年金 → 国民年金)
  • 住民税の支払い方法変更(給与天引き → 普通徴収)

これらは退職代行業者のサポート範囲外だが、ハローワークと市区町村窓口で完結する。

サービス名 料金 運営 向いている人
退職代行ガーディアン 19,800円 労働組合 有給交渉や引き止め対策を会社と交渉してほしい人
弁護士法人ガイア 25,300円〜 弁護士法人 未払い賃金やパワハラなど法的トラブルも合わせて対応したい人
退職代行モームリ 22,000円 民間企業 費用を抑えたい・シンプルに退職だけしたい人

退職後の生活設計|お金と手続きの全体像

退職した瞬間に収入が止まるわけではない。制度の概要を知っておけば、退職後の不安が大きく軽くなる。

失業給付(雇用保険)の目安

自己都合退職の場合、ハローワークに申請してから一定の待機期間を経て、90〜150日間の給付を受けられる。給付額は退職前6ヶ月の平均給与の約50〜80%が目安だ。月給23万円の新卒SESなら、月額およそ14万円前後が見込める。

雇用保険法は2025年4月施行の改正により、自己都合退職でも「教育訓練を受講中」であれば給付制限期間が大幅に短縮される制度が始まっている。退職後にプログラミングスクールや資格取得で再スタートを目指す人は、この制度を使えば空白期間を圧縮できる。最終的な給付日数や待機期間は個別事情で変わるため、ハローワーク窓口で確認するのが確実だ。

出典:ハローワーク「基本手当について」

健康保険・年金・住民税の3点セット

退職後の生活設計でつまずきやすいのは、健康保険・年金・住民税の切り替えだ。それぞれの手続きは市区町村窓口とハローワークで完結する。詳しい比較や、任意継続と国保のどちらが安いかの判断軸は別記事で解説しているので、合わせて参照してほしい。

第二新卒の転職市場|SESを活かす/離れるの判断

退職代行で抜けた後、第二新卒として何を目指すか。SES経験を「活かす」か「離れる」かの2つの方向で整理する。

SES経験を活かす方向(IT業界に残る)

客先常駐で得た経験を武器にできる転職先は限定的だが、ある。

  • 自社開発企業(受託+自社プロダクトの両方を持つ会社)
  • 事業会社のIT部門(社内SE)
  • SaaS企業のカスタマーサクセス・テクニカルサポート
  • ITコンサル(業界知識を活かす方向)

SES経験者は「業務理解」「ドキュメント作成」「複数現場での適応」が評価軸になる。技術スタックよりも、現場で何を学んだかを言語化できると面接で強みになる。

SESから離れる方向(IT以外への転換)

第二新卒の枠では、IT以外の業界へのジャンプも現実的な選択肢だ。営業・企画・マーケティング・経理などへの未経験転職は、20代前半なら受け入れられやすい。

  • 営業職(無形商材→ソリューション営業の流れ)
  • 事業会社の管理部門(経理・人事・広報)
  • Webマーケティング・広告代理店
  • 公務員(地方公務員・国家公務員一般職)

「IT経験がなぜ役立つか」を1つ用意しておくと、未経験職種の面接でも会話が成立する。

転職エージェントを使うかの判断

第二新卒の転職活動では、求人を自力で探すより、エージェント経由で「第二新卒歓迎」「未経験OK」の求人にアクセスする方が効率がいい。複数のエージェントに登録して相見積もりを取り、最後は自分で決める姿勢が安全だ。

登録後、合わなければ断れば問題ない。「相談だけ」でも対応してくれるエージェントが多いので、退職前後のリサーチ手段として使える。求人票には書かれていない離職率・残業実態・SES比率などの情報を、担当者経由でヒアリングできる。

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退職代行を使ったあとの心理変化|筆者の場合

退職代行ガーディアンに日曜の夜に申し込んで、月曜の朝からもう出社しなくてよくなった。そのあと何が起きたか、SESエンジニアだった自分の経験で正直に書く。

最初の1週間:「本当に辞めたのか」が実感できない

月曜の朝、目覚まし無しで起きた。天井を見て「あ、今日から客先に行かなくていいのか」と気づいて、しばらく動けなかった。嬉しいとか安心とかじゃなく、ただ空っぽだった。3日目くらいから急に食欲が戻って、自分がどれだけ追い込まれていたか初めて分かった。

1ヶ月後:罪悪感はゼロではない

「挨拶なしで辞めた」ことへの後ろめたさは少し残った。でも、あの状態で自分から連絡を入れていたら、引き留められて潰れていた可能性が高い。代行を使った判断は間違っていなかったと、今も思う。ただ、元同僚や客先のメンバーに対して申し訳なさがゼロかと聞かれたら、ゼロではなかった。

半年後:あのとき動いてよかった

転職先が決まって、残業時間は月20時間以下になった。前職のSESにいた頃の自分を思い出すと「あれは限界だった」と客観視できるようになった。在職中は比較対象がないから異常に気づきにくい。辞めてから初めて、自分がいた環境の異常さが見えた。

よくある質問

Q. 新卒1年目で退職代行を使うのは早すぎませんか?
A. 状態次第です。動悸や不眠が出ていれば、年数より心身の限界を優先する判断が現実的です。第二新卒の転職市場は新卒1〜2年目を主要ターゲットにしているため、年数の早さで不利になる場面は限定的です。

Q. 退職代行を使うのは違法ではないですか?
A. 違法ではありません。民法627条で退職の自由が保障されており、本人の代わりに退職の意思を伝える行為は、労働組合・弁護士であれば交渉まで含めて合法です。民間業者は意思伝達のみで交渉ができない点だけ注意してください。

Q. 自社と客先の両方に連絡が必要ですか?
A. 本人が直接連絡する必要はありません。代行業者は自社(雇用主)に連絡を入れ、客先への契約終了通知は自社経由で回るのが一般的な流れです。客先に置いてある私物がある場合は、業者にその旨を伝えておくと回収を依頼できます。

Q. 退職代行を使うと第二新卒の転職に不利になりますか?
A. 転職先に「退職代行を使った」と伝わる手段は限定的です。離職票には記載されず、前職への問い合わせも個人情報保護の観点から拒否されるのが通常とされています。面接で聞かれることは多くありません。

Q. 育成費用の返還を求められたらどうしますか?
A. 労働者の退職を理由に育成費用の返還を会社が勝ち取った判例は実務上見つけにくいとされます。脅し文句として使われるケースが多く、根拠のない請求が通る可能性は限定的ですが、判断に迷えば労働基準監督署や弁護士に相談するのが安全です。

Q. 有給は全部使えますか?
A. 労働組合または弁護士の代行業者であれば交渉可能です。新卒1〜2年目は有給残が少ないケースが多いですが、残っている分は確実に使える形で交渉してもらえます。

Q. 即日退職は本当に可能ですか?
A. 有給が2週間以上残っていれば、業者から連絡を入れた当日から出社しないことが実質的に可能です。民法627条により申し入れから2週間で雇用が終了するため、有給がなくても2週間後に正式退職となります。

まとめ|SESガチャに失敗しても、第二新卒で再スタートできる

SESガチャの失敗は、3年待っても解決するとは限らない。雑務しか回ってこない現場で時間を使うより、第二新卒のうちに動いた方が次の選択肢が広がる。

「辞めたい」と思った時点で、もう判断はついている。あとは、自分で言うか、誰かに代わってもらうかの選択だけだ。自分で言えるならそれが一番いい。考えただけで動悸がするなら、外部の力を借りていい。

最初の一歩は、相談だけでいい。話を聞いて、自分が動くかどうかは後で決めればいい。

▼ 筆者の体験

私自身、新卒でSESに配属されて月100時間の残業が3ヶ月続いた側だ。日曜の夜23時、布団の中で「明日また客先に行くのか」と考えただけで動悸がした。自分で辞めると言い出す気力はもう残っていなかった。

最終的に退職代行ガーディアンに日曜の夜に申し込み、月曜の朝には会社と二度と話さずに済んだ。あのとき自分で連絡を入れていたら、たぶん引き留められて潰れていた。第二新卒で次の自社開発企業に移れて、残業は月20時間以下になった。動くのに早すぎる年数はない。

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