研修期間・試用期間であっても、時給は原則として勤務先に適用される最低賃金以上でなければなりません。「仕事を覚える期間だから」「見習いだから」「本採用前だから」という会社独自の理由だけで、最低賃金を下回ることはできません。
例外は、会社が対象者を特定して申請し、都道府県労働局長から最低賃金の減額特例許可を受けた場合です。試用期間については、必要最小限の期間で最長6か月、減額率は最大20%です。ただし、6か月・20%まで自動的に下げられる制度ではなく、許可前へ遡って適用することもできません。
| 会社の状況 | 必要な時給 |
|---|---|
| 減額特例の許可なし | 通常の最低賃金以上 |
| 申請中・審査中 | 許可が効き始めるまでは通常の最低賃金以上 |
| 本人を対象とする有効な許可あり | 許可された率・期間・業務の範囲で計算した減額後最低賃金以上 |
この記事では、2026年8月27日時点の厚生労働省・労働局の資料に基づき、減額特例の条件、許可書で確認する項目、研修が無給になる境界、差額の計算・請求手順まで解説します。
結論|研修・試用期間でも最低賃金は原則同じ
雇用形態や呼び名にかかわらず適用される
厚生労働省の最低賃金FAQは、正社員、契約社員、パート、アルバイト、学生などの雇用形態や呼び方にかかわらず、原則としてすべての労働者に最低賃金が適用されると案内しています。試用期間中の労働者も同じです。
高校生のアルバイト、未経験者、外国人、シニア、障害のある人についても、属性だけを理由に当然に最低賃金を下げることはできません。障害により労働能力が著しく低い場合など、法律が定める対象に当たり、個別の許可を受けたときだけ例外になり得ます。
本採用後より低い時給にすること自体は可能
試用期間の時給を1,200円、本採用後を1,300円と定めるように、期間で賃金差を設けること自体が直ちに違法になるわけではありません。試用期間の1,200円が、その時点・勤務場所・業種に適用される最低賃金以上であり、労働条件として明示されていれば、最低賃金法上の問題はありません。
減額特例許可は法定の最低額を下げるもので、すでに労働契約で約束した賃金を自動的に引き下げるものではありません。許可後に契約賃金を変更する場合も、別途、労使間の合意が必要です。
求人票や契約書に書いてあっても最低賃金未満の合意は無効
求人票、労働条件通知書、雇用契約書に「研修中は時給1,000円」と書かれ、本人が署名していても、有効な減額特例許可がなければ最低賃金を下回る部分は無効です。最低賃金法4条により、最低賃金額と同額の定めをしたものと扱われるため、会社には差額を支払う義務が残ります。
職業訓練後の求人を比べるときも、「研修後の月給」だけでなく、研修中の時間額、期間、手当の内訳まで確認することが大切です。

最低賃金の減額特例とは
最低賃金法7条が定める個別の例外
最低賃金法7条は、最低賃金を一律に適用すると雇用の機会を狭めるおそれなどがある特定の労働者について、使用者の申請に基づき、都道府県労働局長の許可を受けた場合に限って、必要な範囲で最低賃金を減額できる仕組みを定めています。
最低賃金法7条は法律上4つの号を定め、その第4号を最低賃金法施行規則が「軽易な業務」と「断続的労働」に分けています。このため、厚生労働省の申請様式では、実務上の申請区分を次の5種類に分けています。
| 申請区分 | 対象の概要 |
|---|---|
| 精神または身体の障害 | 障害により労働能力が著しく低い人 |
| 試の使用期間 | 本採用の可否を判断するため試用されている人 |
| 認定職業訓練 | 法令に基づく認定を受けた職業訓練で基礎的な技能及び知識を習得中の人 |
| 軽易な業務 | 通常の労働者より特に軽易な業務に従事する人 |
| 断続的労働 | 待機時間が多いなど断続的な労働に従事する人 |
会社が勝手に判断する制度ではない
減額特例は、就業規則に書けば使える制度でも、労働者の同意だけで使える制度でもありません。会社が所轄の労働基準監督署を経由して申請し、都道府県労働局長の許可を受ける必要があります。滋賀労働局の案内にも、最低賃金の減額には許可が必要だと明記されています。
許可は対象者・仕事・期間を特定して行われる
「うちの会社は減額許可を持っている」という説明だけでは足りません。許可の対象となる労働者、業務、減額率、期間が、自分の働き方と一致している必要があります。別の従業員の許可を流用したり、許可時と異なる仕事へ当然に広げたりすることはできません。
試用期間の減額が許可される条件
本採用の可否を判断する実質的な試用期間である
奈良労働局の審査基準は、「試の使用期間」を、本採用前に勤務態度や能力などを見て本採用の可否を判断する期間と説明しています。労働協約、就業規則または労働契約に試用期間として定められていることが前提です。
試用期間後の本採用が予定されていることも必要です。試用期間だけが定められ、その後に本採用するのか、契約を終了するのかが明確でないものは、この特例の「試の使用期間」には当たりません。
会社が単に「研修期間」「見習い期間」と名付けただけでは、この区分には当たりません。反対に、名称が研修期間でも、実質的に本採用可否を判断する試用期間であれば、実態に沿って審査されます。
最低賃金未満にする合理的な理由が必要
審査基準では、同じ地域・同じ業種の本採用者の賃金が最低賃金と同程度であることや、試用期間中の賃金を本採用後より著しく低くする地域的な慣行があることなど、最低賃金をそのまま適用しない合理性が求められます。「未経験で生産性が低いと思う」「教育費がかかる」という抽象的な説明だけで、必ず許可されるわけではありません。
期間は必要最小限で最長6か月
試の使用期間に対する減額の許可期間は、本採用の可否を判断するために必要な最小限の期間で、最長6か月です。会社の就業規則に試用期間1年と書かれていても、最低賃金を減額できる許可が1年間有効になるわけではありません。
減額率は最大20%で、自動的に20%ではない
試の使用期間の減額率は20%が上限です。実際の率は、仕事の内容、成果、能力、経験などを基に個別に決められます。会社が「法律で20%まで下げられる」と一律に説明しているなら、許可された率を確認してください。
許可実績から見ても例外的な制度
厚生労働省の令和6年労働基準監督年報では、試の使用期間中の労働者に関する減額特例の申請件数・許可件数・対象労働者数はいずれも0と集計されています。制度は存在しますが、一般的な試用期間なら普通に使われているというものではありません。
研修中の低賃金だけでなく、求人の条件が曖昧、長期間の見習い扱い、離職率が高いなど複数の違和感がある場合は、求人選びの基準を整理してから次を探す方法もあります。

減額後の最低賃金を計算する方法
減額する金額の1円未満を切り捨てる
厚生労働省の最低賃金の減額特例許可事務マニュアルでは、最低賃金額に許可された減額率を掛けて「減額する金額」を出し、その金額の1円未満を切り捨てます。通常の最低賃金から、切り捨て後の減額分を引いた額が、本人に適用される減額後最低賃金です。
減額後最低賃金 = 通常の最低賃金 − 1円未満を切り捨てた「通常の最低賃金 × 許可率」
最低賃金1,200円・許可率15%の例
- 1,200円 × 15% = 180円
- 1,200円 − 180円 = 1,020円
この例の減額後最低賃金は1,020円です。有効な15%の許可があっても、時給1,000円なら1時間20円不足します。100時間働けば、不足額は2,000円です。
端数が出る例
通常の最低賃金が1,203円、許可率15%なら、減額する金額は180.45円です。1円未満を切り捨てて180円とし、減額後最低賃金は1,023円になります。減額後の金額自体を安い方へ丸める計算ではありません。
20%は下限を示す数字ではない
通常の最低賃金が1,200円なら、20%減額した額は960円です。しかし、許可率が10%なら下限は1,080円、15%なら1,020円です。「最大20%」だけを見て960円を払えばよいとは判断できません。
会社が「許可を取っている」と言ったときの確認項目
対象者の氏名
自分が許可対象者として特定されているかを確認します。「新人全員」「アルバイト全員」に対する包括的な会社ルールだけでは、個別許可の確認になりません。
適用する最低賃金と減額率
地域別最低賃金か、特定(産業別)最低賃金か、許可率は何%か、減額後の時間額はいくらかを確認します。両方の最低賃金が関係する仕事では、必要な許可の範囲も労働局・労働基準監督署へ確認すると安全です。
許可期間と発効日
開始日と終了日を確認します。厚生労働省の2026年改訂マニュアルによると、許可書上の有効期間は決裁日を起算日としますが、法的な効力は許可の事実が会社へ伝わり、会社が知った時から生じます。「雇入れ日に遡って申請した」「今は申請中」という説明では、許可前の時給を下げられません。
対象業務と現在の仕事
許可時の仕事と、実際に担当している仕事が一致するか確認します。研修内容を終えて通常業務を一人で担当している、業務内容や労働態様が変わった、許可期間を過ぎたという場合は、以前の許可をそのまま使えるとは限りません。
会社の周知義務と許可書の確認
会社は、減額特例の対象者へ減額後最低賃金の概要を知らせる必要があります。ただし、許可書の原本や写しを本人へ必ず交付する制度ではありません。資料を見せてもらえない場合も、許可区分、対象者、対象業務、最低賃金名、減額率、有効期間、効力発生日の説明を求めましょう。
会社へ送る確認文
研修・試用期間中の賃金について、適用される最低賃金の名称・金額・発効日、最低賃金法7条の減額特例許可の有無、私が対象者に含まれること、許可された減額率・有効期間・対象業務・効力発生日、現在の時間額の計算根拠を確認したいです。
口頭だけで終わらせず、メールやチャットなど記録が残る方法で確認します。会社が資料を示さない場合は、勤務先を管轄する労働基準監督署または都道府県労働局の賃金担当へ、確認に必要な情報を相談してください。
研修・OJT・動画視聴が無給になる境界
会社が参加を義務づける研修は労働時間
会社の指示で参加しなければならない研修、欠席すると評価・本採用・シフトなどで不利益を受ける事実上強制の研修は、原則として労働時間です。研修中も賃金が必要で、減額特例がなければ最低賃金以上で計算します。
埼玉労働局の労働時間資料も、業務上義務づけられた研修・教育訓練や、受講しないことで不利益な取扱いを受けるものは労働時間に当たると説明しています。
完全に自由参加なら労働時間に当たらない場合がある
本人が自由に参加を決められ、不参加でも賃金、評価、配置、本採用などに不利益がなく、業務の指示も受けない自主学習なら、労働時間に当たらない場合があります。「任意」と書かれているかだけでなく、実際に断れる状況かで判断します。
入社前研修でも実態で判断する
入社式前や初出勤前でも、会社が日時・場所・内容を指定し、参加を義務づけ、商品知識の習得、接客練習、作業、レポート提出などをさせるなら、労働時間に当たる可能性があります。「まだ研修生だから無給」という呼び名だけでは決まりません。
自宅の動画研修や課題も対象になり得る
指定された期限までの動画視聴、オンライン講義、テスト、レポート提出が必須なら、自宅で行っても労働時間になり得ます。視聴履歴、配信時間、課題の指示、提出記録、実際にかかった時間を保存しておきましょう。
会社の研修と「認定職業訓練」の減額特例は別
普通の新人研修やOJTは自動的に対象にならない
最低賃金法7条には、基礎的な技能・知識を習得する職業訓練中の人に対する減額特例があります。しかし、これは会社が一般に行う新人研修、マニュアル研修、OJT、資格勉強をすべて指すものではありません。
職業能力開発促進法に基づく認定が前提
対象は、職業能力開発促進法24条1項に基づく認定を受け、法令所定の訓練を受ける人です。訓練の種類、訓練時間中の生産活動の割合なども審査されます。「当社の研修は職業訓練なので最低賃金を下げられる」という社内説明だけでは足りません。
ハローワークの公共職業訓練とも別の話
離職者向けの公共職業訓練や求職者支援訓練へ通うことと、雇用主が最低賃金法7条3号の減額特例を使うことは別制度です。公共職業訓練を受けた経験がある、または訓練後に就職したという理由で、就職先の最低賃金が減ることはありません。
退職前に「会社の研修を続けるか、公的な職業訓練で学び直すか」を比べたい場合は、受講条件や失業給付との関係を先に相談できます。

研修途中で最低賃金が上がった場合
許可率は同じでも新しい最低賃金で計算し直す
減額特例の許可期間中に、許可対象として許可書に記載された最低賃金が改定された場合、許可された減額率はそのままでも、減額後の時間額は新しい最低賃金を使って再計算します。古い金額を許可期間の終了まで据え置けるわけではありません。
1,200円から1,250円へ改定された例
許可率15%で通常の最低賃金が1,200円から1,250円へ上がったとします。改定後の減額分は187.5円なので、1円未満を切り捨てて187円です。新しい減額後最低賃金は1,250円−187円=1,063円です。改定前の1,020円を続ければ43円不足します。
全国平均ではなく勤務地の発効日を見る
厚生労働省の地域別最低賃金全国一覧で、勤務先の都道府県の金額と発効日を確認します。全国加重平均は個人に直接適用される時給ではありません。
地域別最低賃金と特定最低賃金の双方が適用される場合は、原則として高い方が基準です。一方だけについて減額許可を受けても、許可対象でないもう一方の最低賃金は減額されません。それぞれの許可内容を反映して計算したうえで、適用される各最低賃金のうち最も高い額以上を支払う必要があります。
最低賃金を確認するときの賃金の範囲
基本給と毎月支払われる一部の手当を使う
時給制なら基本となる時間給を確認します。日給・月給制なら最低賃金の対象になる賃金を所定労働時間で時間額に換算します。職務手当など毎月の通常の賃金に含めるものがある一方、次の賃金は最低賃金との比較から除外します。
- 臨時に支払われる賃金
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賞与など
- 時間外・休日・深夜労働の割増部分
- 精皆勤手当
- 通勤手当
- 家族手当
厚生労働省の最低賃金の確認方法に、日給・月給の換算式と対象外の賃金がまとめられています。総支給額を総労働時間で単純に割るだけでは、判定を誤ることがあります。
固定残業代の割増部分で不足を埋めない
固定残業代や実際の残業代のうち、時間外割増に当たる部分は最低賃金との比較に入れません。「残業手当込みなら最低賃金を超える」という説明ではなく、通常の所定労働に対する賃金を分けて確認します。
最低賃金以下だったときの差額計算
許可なしなら通常の最低賃金との差を出す
適用される最低賃金が1,200円、実際の時給が1,000円、対象時間が100時間で、減額特例の許可がなければ、差額は次のとおりです。
(1,200円 − 1,000円)× 100時間 = 20,000円
有効な許可があるなら減額後最低賃金との差を出す
同じ条件で15%の有効な許可があれば、減額後最低賃金は1,020円です。実際の時給1,000円との差額は、20円×100時間=2,000円です。許可開始前・終了後の時間は通常の最低賃金で分けて計算します。
最低賃金の改定日前後も分ける
給与締め期間の途中で最低賃金が改定された場合は、発効日前と発効日以後の勤務時間を分けます。減額特例がある場合も、それぞれの時点の最低賃金に許可率を掛けて下限を出します。
差額を請求・相談する手順
1.証拠を手元に保存する
- 求人票・求人サイトの画面
- 労働条件通知書・雇用契約書・就業規則
- 給与明細・振込記録
- タイムカード・シフト表・勤怠アプリの画面
- 研修日程、動画視聴履歴、課題の提出記録
- 会社からのメール・チャット・録音・メモ
- 減額特例について会社から示された文書
退職後に社内システムへ入れなくなることがあるため、自分の労働条件と労働時間を示す記録は早めに保存します。持ち出してよいのは自分の記録であり、顧客情報や営業秘密を無断で持ち出さないようにしてください。
2.会社へ計算根拠と差額を文書で確認する
勤務先、勤務日、通常または減額後の最低賃金、実際の対象賃金、対象時間、不足額を表にし、会社へ確認します。最初から断定的に責めるより、「許可内容と計算根拠を確認したい」と書くと、事実関係を整理しやすくなります。
3.労働基準監督署・労働局へ相談する
会社が説明しない、許可の有無が分からない、差額を払わない場合は、勤務先を管轄する労働基準監督署へ資料を持参して相談します。総合労働相談コーナーでも、相談先の案内や労働問題全般の相談ができます。夜間・土日なら労働条件相談ほっとラインがあります。
違反の申告を理由とする不利益取扱いは禁止される
厚生労働省の最低賃金制度の概要によると、地域別最低賃金を下回る支払いは50万円以下の罰金、特定最低賃金を下回る支払いは労働基準法の賃金全額払い違反として30万円以下の罰金の対象となる可能性があります。罰則の有無とは別に、不足賃金の支払義務は残ります。
労働者は最低賃金法違反を労働基準監督署などへ申告でき、申告を理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されています。相談と法令上の申告は同じ手続とは限らないため、違反申告を希望する場合は窓口でその旨を明確に伝えてください。
4.請求期限を待たず早めに動く
厚生労働省の賃金請求権Q&Aによると、2020年4月1日以後に支払期日が来る賃金の請求権は5年へ延長されましたが、当分の間は3年です。期間内でも証拠が失われることがあるため、早めに確認・相談してください。
会社とのやり取りの結果、今の仕事を続けることが難しいと感じたら、退職だけを急ぐ前に、転職と職業訓練のどちらが合うかを比較できます。

よくある会社の説明は正しい?
| 会社の説明 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 研修中は誰でも最低賃金の80% | 誤り。20%は試用期間区分の上限で、個別許可が必要 |
| 本人が同意したから合法 | 同意は許可の代わりにならない |
| 労基署へ申請済み | 申請中は通常の最低賃金。許可の効力発生日を確認 |
| 仕事を覚えるまでは無給 | 必須研修や指揮命令下のOJTなら労働時間 |
| 高校生だから安くてよい | 高校生にも地域別最低賃金が適用される |
| あとで時給を上げる | 将来上げても、現在の不足額は消えない |
| 職業訓練だから減額できる | 普通の社内研修ではなく、法令に基づく認定と個別許可が必要 |
よくある質問
Q1.研修期間なら最低賃金以下でも合法ですか?
原則として違法です。会社が対象者を特定し、都道府県労働局長の有効な減額特例許可を受け、その率・期間・業務の範囲内で支払う場合だけ例外になり得ます。
Q2.試用時給を本採用後より低くできますか?
試用時給が通常の最低賃金以上、または有効な許可で算定した減額後最低賃金以上なら、最低賃金法上は可能です。求人時と採用時に条件が違わないか、賃金条件が明示されているかも確認します。
Q3.会社が減額特例を申請中なら下げられますか?
下げられません。許可の決定が会社へ伝達されて効力が生じるまでは、通常の最低賃金以上が必要です。後日許可されても、許可前の勤務へ遡って減額することはできません。
Q4.20%までなら会社が自動的に下げられますか?
できません。20%は試の使用期間区分の上限です。実際の減額率は個別審査で決まり、有効な許可がなければ0%です。
Q5.試用期間の減額許可は何か月までですか?
本採用可否を判断するために必要な最小限の期間で、最長6か月です。会社の試用期間そのものが6か月を超えていても、減額許可の上限が延びるわけではありません。
Q6.「許可済み」と言われたら何を確認しますか?
自分が対象者であること、対象業務、通常の最低賃金、許可率、減額後の時間額、有効期間、効力発生日を確認します。分からなければ労働基準監督署や労働局へ相談してください。
Q7.高校生や学生アルバイトにも最低賃金は適用されますか?
適用されます。年齢や学生という理由だけで最低賃金を下げることはできません。
Q8.入社前の必須研修を無給にできますか?
会社の指示で参加が必要、または不参加に不利益があるなど指揮命令下の研修なら、労働時間として賃金が必要になる可能性が高いです。自由参加で不利益もない自主学習とは分けて判断します。
Q9.自宅で見る必須動画やレポートも労働時間ですか?
視聴・提出が義務で、期限や内容を会社が指示しているなら、場所が自宅でも労働時間になり得ます。指示と所要時間の記録を残してください。
Q10.研修途中で最低賃金が上がったらどうなりますか?
発効日以後は新しい最低賃金を使います。有効な減額許可がある場合も、新額に許可率を掛けて減額後最低賃金を再計算します。
Q11.本人が最低賃金以下に同意・署名したら請求できませんか?
有効な許可がなければ、最低賃金を下回る合意部分は無効です。最低賃金との差額を請求できます。会社が後から有効な許可を得ても、許可前へ遡って減額できません。
Q12.差額はいくら、いつまで請求できますか?
基本は「本来の最低時間額−実際の対象時間額」に対象時間を掛けます。賃金請求権は支払期日ごとに進み、現在は当分の間3年です。研修時間や改定日前後を分け、早めに証拠を保存して相談してください。
まとめ|会社名ではなく個別許可の中身で判断する
- 研修・試用・見習いという名称だけでは最低賃金を下回れない
- 例外には、対象者を特定した都道府県労働局長の許可が必要
- 試用期間区分は必要最小限・最長6か月、減額率は最大20%
- 申請中は通常の最低賃金が必要で、許可前へ遡れない
- 必須研修や事実上強制のOJT・動画研修は労働時間になり得る
- 普通の社内研修と、法律上の認定職業訓練は別制度
- 最低賃金改定後は、新しい金額で減額後の下限を再計算する
- 許可の有無が不明なら、記録を保存して労働基準監督署・労働局へ相談する

