特定一般教育訓練給付金を使える資格を探すと、「介護、運転免許、宅建、IT資格も対象」といった一覧が見つかります。しかし、対象資格を目指すだけでは給付金を受け取れません。受講を始める時点で、厚生労働大臣の指定期間内にある特定一般教育訓練講座を選ぶ必要があります。
同じ資格、同じ学校、似た講座名でも、指定番号・実施方法・受講開始日が違えば対象外になることがあります。また、特定一般教育訓練は受講前のキャリアコンサルティングと受給資格確認が必要です。
この記事では、対象になり得る資格・講座の分野、公式検索システムの使い方、給付率、受給条件、申請期限を2026年7月22日時点の制度で整理します。教育訓練給付金と無料の職業訓練中の生活支援を混同している方は、先に制度の違いを確認してください。

先に結論
- 対象は資格名ではなく、厚生労働大臣が指定した講座単位で決まる
- 基本給付は教育訓練経費の40%・上限20万円
- 2024年10月1日以降に開始し、資格取得等と雇用の要件を満たすと合計50%・上限25万円
- 受講開始日の原則2週間前までに、訓練前キャリアコンサルティングと受給資格確認を終える
- 申込み前に指定番号・指定期間・実施方法・開講日を保存する
特定一般教育訓練給付金は「資格」ではなく「指定講座」が対象
厚生労働省は、教育訓練給付金の対象講座を、一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の3種類に分けています。特定一般は、労働者の速やかな再就職や早期のキャリア形成に役立つ教育訓練が対象です。
検索するときは、資格名だけで判断せず、次の4点が一致する講座を確認します。
- 給付制度の種類が「特定一般教育訓練」である
- 受講予定の校舎・実施方法・講座名が一致する
- 受講開始日が指定期間内に入る
- 受給資格確認を受講開始前に終えられる
公式情報:3種類の制度、給付率、指定講座の公表資料は、厚生労働省「教育訓練給付金」で確認できます。
対象資格・講座の主な分野一覧
特定一般教育訓練の指定対象には、業務独占資格・名称独占資格・必置資格を目標とする養成課程、公的職業資格や技能講習、一定水準以上のIT資格、短時間の職業実践的な大学等のプログラムなどがあります。
| 分野 | 検索候補になる資格・講座例 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 介護・福祉 | 介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護支援専門員、福祉用具専門相談員、喀痰吸引等研修 | 研修時間、通信+通学、受講資格 |
| 運輸・免許 | 大型・中型・準中型・大型特殊・第二種自動車免許、けん引免許 | 現在持つ免許でコースが分かれる |
| 建設・設備・安全 | 電気主任技術者、宅地建物取引士、フォークリフト、玉掛け、小型移動式クレーンなど | 試験対策か技能講習修了かを区別 |
| 医療・保健 | 特定行為研修など、所定の資格・実務を前提とする講座 | 未経験者向けとは限らない |
| IT・デジタル | ITSSレベル2以上に位置づく情報処理技術者試験や認定資格に対応する講座 | 試験名、レベル、バージョン、実施方法 |
| 大学等の短時間プログラム | 職業実践力育成プログラム、キャリア形成促進プログラム | 特別の課程として指定された講座か |
表は「この資格なら必ず給付対象」という一覧ではありません。指定講座は新規指定、再指定、期間満了、廃止などで変わります。厚生労働省が公表する資格コード表も目安にしつつ、受講する時点の講座検索結果を優先してください。
指定対象の確認:厚生労働省「特定一般教育訓練給付指定講座・資格コード表」。現在の指定講座は次の検索システムで確認します。
対象講座を公式検索システムで探す方法
厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システムを開き、給付制度の区分を「特定一般教育訓練」に絞ります。資格名が決まっていない場合は、地域と分野から探す方法もあります。
- 教育訓練給付制度・指定教育訓練講座検索システムを開く
- 講座の種類で「特定一般教育訓練」を選ぶ
- 目標資格、キーワード、都道府県、実施方法などを入力する
- 候補講座の詳細を開き、指定番号と指定期間を確認する
- 受講したい学校へ、開講日・受講料・申込期限・給付対象経費を確認する
- ハローワークで自分の受給資格と事前手続き期限を確認する
職業情報から探したい場合は、厚生労働省のjob tagにある教育訓練給付対象講座の検索も入口になります。最終的な講座詳細は指定講座検索システムで照合してください。
検索結果で必ず保存する7項目
検索結果を見つけたら、画面やPDFを保存し、次の項目を学校の案内と照合します。
- 指定番号
- 教育訓練施設名と実施校・校舎
- 講座名
- 制度区分が特定一般教育訓練であること
- 指定期間
- 通学・通信・eラーニングなど実施方法
- 教育訓練経費と受講開始日
学校の広告に「教育訓練給付金対象」とだけ書かれている場合、一般・特定一般・専門実践のどれか分かりません。「給付対象講座ですか」ではなく、「この開講日のこのコースは、指定番号○○の特定一般教育訓練ですか」と確認すると行き違いを減らせます。
対象資格の例を分野別に確認する
介護職員初任者研修・実務者研修
介護分野は指定講座の候補が比較的見つかりやすい分野ですが、同じ研修でも対象外のコースがあります。通学日程、通信部分、実施校、指定期間を確認してください。実務者研修については、無料の職業訓練との違いや申請手順を別記事で整理しています。

大型・中型・準中型・第二種免許
運転免許系は、現在持っている免許によって教習時間・講座名・受講料が変わります。大型免許の講座が指定されていても、普通免許所持者向けと中型免許所持者向けでは別講座です。検索結果と自分が申し込むコースを一致させてください。
フォークリフト・玉掛け・小型移動式クレーン
技能講習は短期間で修了できるものがあります。ただし、資格単体の講習がすべて特定一般教育訓練に指定されるわけではありません。運転免許との組み合わせ講座として指定される場合もあるため、講座名全体を確認します。
宅地建物取引士・電気主任技術者・IT資格
試験対策講座は、合格を保証する制度ではありません。指定講座を修了し、給付金の条件を満たすことと、資格試験に合格・登録することは別です。宅建の職業訓練との違いは、個別記事も参考にしてください。

給付率は基本40%、追加要件を満たすと合計50%
特定一般教育訓練給付金の基本給付は、本人が支払った教育訓練経費の40%で上限20万円です。2024年10月1日以降に受講を開始した人が、資格取得等をし、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されるなどの要件を満たすと、10%分が追加され、合計50%・上限25万円になります。
| 対象経費 | 基本40% | 追加要件達成後の合計50% |
|---|---|---|
| 20万円 | 8万円 | 10万円 |
| 30万円 | 12万円 | 15万円 |
| 50万円 | 20万円 | 25万円 |
| 60万円 | 上限20万円 | 上限25万円 |
対象経費は、本人が教育訓練施設へ支払った入学料・受講料が中心です。受験料、交通費、任意教材、パソコンなどは原則として含まれません。割引や学校からの返金、勤務先の補助がある場合は、本人の実負担額を確認します。
現行の給付率:厚生労働省「令和6年10月から教育訓練給付金を拡充します」
受給資格は雇用保険の加入歴などで決まる
指定講座を選んでも、本人が支給要件を満たさなければ給付されません。一般的には、在職者は受講開始日に雇用保険の被保険者であり、支給要件期間が3年以上、離職者は被保険者でなくなった日から受講開始までが原則1年以内で支給要件期間が3年以上あることなどを確認します。初めて教育訓練給付金を受ける場合は、支給要件期間が1年以上で対象になり得ます。
過去に給付金を受けた人、妊娠・出産・育児・病気などで適用対象期間の延長を申請する人は条件が変わります。自己判断せず、ハローワークで「支給要件回答書」などにより受給資格を確認してください。
失業保険、求職者支援制度、ひとり親向け給付なども含めて自分に使える制度を整理したい場合は、給付制度一覧も参考になります。

受講開始日の2週間前までに必要な手続き
特定一般教育訓練給付金は、講座修了後に初めて相談すればよい制度ではありません。ジョブ・カードを作成し、ハローワークまたはキャリア形成・リスキリング支援センターで訓練前キャリアコンサルティングを受け、原則として受講開始日の2週間前までに受給資格確認を行います。
- 指定講座を検索し、学校へ受講条件を確認する
- ジョブ・カードを作成する
- 訓練前キャリアコンサルティングを予約・受講する
- 住居所を管轄するハローワークで受給資格確認を行う
- 学校へ申し込み、指定期間内に受講を開始する
- 修了要件を満たし、必要書類を受け取る
- 修了日の翌日から1か月以内に基本給付を申請する
- 資格取得等と雇用の追加要件を満たした場合は差額を申請する
手続き:厚生労働省「教育訓練給付金(手続の流れ)」、教育訓練給付金の支給申請手続
ジョブ・カードの作り方とキャリアコンサルティングの流れは、別記事でも確認できます。

対象外になりやすい5つの勘違い
- 資格が一覧にあるから対象:実際に受講する講座が指定されている必要があります。
- 学校が対象だから全コース対象:校舎、コース、開講時期ごとに確認します。
- 受講後に申請すればよい:特定一般は受講前手続きが必要です。
- 受講料が最初から半額:原則として本人が支払い、修了後に申請します。
- 資格試験に落ちたら基本給付も必ずゼロ:講座の修了要件と追加給付の資格取得等要件を分けて確認します。
学校の説明だけでなく、講座検索システムとハローワークの確認を組み合わせることが大切です。申込金を払う前に、指定番号と受講開始日を持って窓口へ相談してください。
特定一般教育訓練給付金のよくある質問
通信講座やeラーニングも対象ですか
指定講座であれば対象になり得ます。通信・eラーニングの実施方法、本人確認、受講進捗、修了基準は講座ごとに異なるため、検索結果の実施方法を確認してください。
在職中でも利用できますか
雇用保険の被保険者で支給要件期間などを満たせば、在職中でも対象になり得ます。離職する予定がある場合は、受講開始日時点の状態で判断されるため、先にハローワークへ確認してください。
会社の補助と併用できますか
会社や学校から補助・返金を受けた額は、本人が負担した教育訓練経費から差し引かれる場合があります。補助制度の規約と給付金の申告方法を双方へ確認してください。
対象講座の一覧は毎年同じですか
同じではありません。新規指定、再指定、指定期間満了、廃止で変わります。古いPDFだけで決めず、申し込む直前に公式検索システムで確認してください。
まとめ|資格一覧より指定番号と受講開始日を確認する
特定一般教育訓練給付金は、介護、運輸、設備、安全、ITなど幅広い講座が対象になり得ます。ただし、資格名が対象でも、申し込む講座が特定一般教育訓練として指定されていなければ給付されません。
公式検索システムで指定番号・指定期間・実施校・実施方法を確認し、受講開始日の原則2週間前までに訓練前キャリアコンサルティングと受給資格確認を終えてください。申込金を支払う前に、検索結果を保存してハローワークへ相談するのが安全です。

