「週3日のパートなら有給は5日、週4日なら7日と聞いたけれど、自分も同じなのか」と迷う人は多いです。
1日が短いシフトもあれば、週4日で合計30時間働く人もいます。途中で週3日から週4日へ変わった場合や、毎月のシフトが決まっていない場合は、単純な日数表だけでは判断できません。
先に結論をいうと、入社から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した人が週所定労働時間30時間未満で働く場合、初回の法定有給休暇は、週3日なら5日、週4日なら7日です。ただし、週所定労働時間が30時間ちょうど以上なら、週3日・週4日でも通常の労働者と同じ10日になります。
| 6か月時点の働き方 | 初回の法定付与日数 |
|---|---|
| 週3日・週所定労働時間30時間未満 | 5日 |
| 週4日・週所定労働時間30時間未満 | 7日 |
| 週3日または週4日・週所定労働時間30時間以上 | 10日 |
| 週5日以上または年間217日以上 | 10日 |
この記事では2026年8月30日時点の制度を基に、週3日・週4日の勤続年数別一覧、週所定労働時間30時間の境目、年間所定労働日数で見るケース、途中でシフトや契約日数が変わった場合、残日数と年5日取得義務まで整理します。ここで示すのは法律上の最低日数で、会社が就業規則により多く与えることは可能です。
週3日・週4日パートの有給休暇日数一覧
週3日は5日から11日、週4日は7日から15日へ増える
厚生労働省の年次有給休暇Q&Aに示された比例付与の日数を、週3日・週4日と通常付与で比べると次のとおりです。
| 継続勤務期間 | 週3日・週所定30時間未満 | 週4日・週所定30時間未満 | 週所定30時間以上等の通常付与 |
|---|---|---|---|
| 6か月 | 5日 | 7日 | 10日 |
| 1年6か月 | 6日 | 8日 | 11日 |
| 2年6か月 | 6日 | 9日 | 12日 |
| 3年6か月 | 8日 | 10日 | 14日 |
| 4年6か月 | 9日 | 12日 | 16日 |
| 5年6か月 | 10日 | 13日 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 11日 | 15日 | 20日 |
最初の5日・7日だけを毎年繰り返すわけではありません。継続勤務期間が延び、直前の算定期間の出勤率が8割以上なら、原則として1年ごとの基準日に表の日数が新しく付与されます。
パートという名称ではなく所定日数と所定時間で決まる
「パートだから正社員より少ない」と決まっているわけではありません。厚生労働省の年次有給休暇取得促進サイトでも、正社員、パート、シフト制といった名称ではなく、継続勤務、出勤率、所定労働日数・時間によって付与されると案内しています。
雇用契約書に「週4日・1日6時間」とあれば週24時間なので比例付与です。同じ週4日でも「1日7時間30分」なら週30時間となり、通常付与の表を使います。
働き方を変えたい場合も、まず現在の契約を確認する
有給日数を確認した結果、シフトや勤務時間を変えながら資格取得も進めたい場合は、退職せずに受けられる在職者向け・夜間・土日の訓練もあります。現在の仕事と両立できる時間帯から確認できます。

週30時間の境目で5日・7日が10日に変わる
「30時間未満」だけが比例付与の対象
週4日以下の人が比例付与になるのは、週所定労働時間が30時間未満の場合です。30時間ちょうどは「未満」ではないため、通常付与になります。
| 契約例 | 週所定労働時間 | 6か月時点の日数 |
|---|---|---|
| 週3日×1日5時間 | 15時間 | 5日 |
| 週3日×1日8時間 | 24時間 | 5日 |
| 週4日×1日6時間 | 24時間 | 7日 |
| 週4日×1日7時間 | 28時間 | 7日 |
| 週4日×1日7時間30分 | 30時間 | 10日 |
ここで見るのは、残業を含む実労働時間ではなく、労働条件通知書や雇用契約書で決めた週所定労働時間です。繁忙期に一時的な追加勤務があっただけで、直ちに通常付与へ変わるとは限りません。
週5日・年間217日以上も通常付与になる
週の所定労働時間が30時間未満でも、週5日以上または年間所定労働日数217日以上なら通常付与です。「1日2時間しか働かないから比例付与」とは限りません。
反対に、週4日以下・30時間未満で、週ではなく月や年で勤務日数が決まっている人は年間所定労働日数で区分します。
| 年間所定労働日数 | 使う区分 | 6か月時点の日数 |
|---|---|---|
| 121~168日 | 週3日相当 | 5日 |
| 169~216日 | 週4日相当 | 7日 |
| 217日以上 | 通常付与 | 10日 |
毎週決まった曜日を空けにくい人は、オンライン対応の職業訓練も候補になります。有給を受講日へ当てる前に、通所が必要な日、訓練時間、出席要件を確認しておくと、シフトとの衝突を減らせます。

週3日から週4日へ変わったら有給はいつ増える?
付与済みの日数は契約変更日に増えない
年次有給休暇の日数は、原則として有給が発生する基準日の所定労働日数で決まります。週3日として5日を付与された直後に週4日へ変わっても、その場で5日が7日に増えるわけではありません。
和歌山労働局の事業主向けQ&Aでも、年度途中に所定労働日数が変わった場合、付与済みの日数は当初の日数のままと説明されています。
次の基準日に週4日なら週4日の勤続年数欄を見る
2026年4月1日に入社し、10月1日に週3日・30時間未満の契約だった人を例にします。
- 2026年10月1日:週3日のため5日付与
- 2027年1月1日:週4日へ契約変更しても、5日に追加はない
- 2027年10月1日:基準日時点で週4日なら、1年6か月欄の8日を新しく付与
逆に、7日を付与された後で週4日から週3日へ変わっても、すでに残っている日数を5日へ減らすことはしません。次の基準日が週3日なら、その時点の勤続年数に対応する週3日の欄で新規付与日数を決めます。
基準日の直前に週30時間へ増えた場合
基準日時点の契約が週30時間以上なら、原則として通常付与の表を使います。ただし、会社が全員の基準日を統一して前倒し付与している、契約変更日と基準日が同日、契約書と実態が食い違うといった場合は、年次有給休暇管理簿と労働条件通知書を会社へ示して計算根拠を確認してください。
勤務日数を増やしながら学び直す場合は、有給日数だけで講座を決めず、通学時間、生活費、修了後に目指せる求人まで比較してください。受講後に「思っていた仕事と違った」とならないための選び方を先に確認できます。

シフトが毎月変わり週所定日数が決まっていない場合
「シフト制だから有給なし」にはできない
厚生労働省のシフト制に関する案内は2026年6月に年次有給休暇の説明を改訂しました。シフトが毎月変わり、あらかじめ所定労働日数を定めていないことを理由に、有給を付与しないことは認められません。
まず、契約書に「週3日程度」「月12日以上」「年間150日」などの所定日数や目安がないか確認します。所定労働日とは、会社が後から実際に入れた日数だけではなく、労働契約で働く義務を設定した日です。
初回は過去6か月の労働日数を2倍できる
所定労働日数を算出しにくいシフト制について、2026年改訂のシフト制雇用管理留意事項は次の方法を示しています。
- 入社6か月後の初回付与:入社から6か月間の労働日数実績を2倍する
- 入社1年6か月後以降:前年の労働日数実績を使う
週所定労働時間30時間未満で、今後1年の予定所定日数を算出しにくい人を例にします。過去6か月の労働日数の実績が65日なら、65日×2=年間130日として週3日相当の区分を検討します。実績が88日なら年間176日となり、週4日相当です。週所定労働時間30時間以上なら、日数にかかわらず通常付与の表を使います。
契約上の目安が実績より有利なら目安を使える場合がある
厚生労働省の所定日数を算出しにくい場合のQ&Aも、基準日直前の実績を考慮してよいと説明しています。さらに2026年の留意事項では、契約上の「目安となる労働日数」で計算した日数が実績方式より多くなる場合、その有利な目安を使って差し支えないとされています。
会社が忙しい月だけ多く入れ、閑散期だけを見て有給日数を少なくするような計算になっていないか、基準日前のシフト表を残して確認してください。また、使用者が一方的に所定労働日数を増減させることは認められないと、同じ留意事項に明記されています。
有給が付く条件は6か月勤務と出勤率8割
週3日でも半年働けば自動的に5日とは限らない
初回付与には、雇入れから6か月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上を出勤するという2つの条件があります。週3日・30時間未満なら、これを満たした日に5日が発生します。
「何日まで休めるか」は、会社が設定した全労働日、出勤扱いになる休業、除外する日を確認して計算する必要があります。本記事では週3日・週4日の付与日数を扱い、出勤率8割の詳細計算とは分けています。
契約更新を挟んでも勤務が続いていれば確認する
3か月契約、6か月契約などを更新しながら同じ会社で実質的に勤務が続いている場合、契約更新のたびに勤続期間がゼロへ戻るとは限りません。雇入れ日、契約期間、更新日、空白日、実際の就労状況を並べ、会社の年休管理簿で基準日を確認してください。
有給を1日使うと何時間分の給料になる?
有給1日はその日の所定労働日を休む単位
週3日パートの「有給1日」は、正社員と同じ8時間分とは限りません。たとえば有給を取る日のシフトが5時間なら、会社が通常の賃金方式を採用している場合は、原則としてその日の所定5時間を働いた場合の賃金が基準になります。
会社が採用できる計算方法には、通常の賃金、平均賃金、労使協定がある場合の標準報酬日額があります。どの方式かは就業規則や賃金規程で確認してください。
所定休日には有給を使えない
有給休暇は、本来働く義務がある所定労働日の労働義務を免除する制度です。最初から休みの日へ有給を当てて残日数を減らすことはできません。シフト表で勤務日が確定しているかも確認します。
時間単位・半日単位は会社の制度を確認する
厚生労働省の時間単位年休Q&Aでは、労使協定があれば年5日分を上限として時間単位で取得できると説明しています。30分など1時間未満の単位にはできません。労使協定により、1時間または2時間・4時間など整数時間の単位で定めます。
半日単位は法律上の一律義務ではありませんが、半日・時間単位年休の公式Q&Aのとおり、本人が希望し会社が同意する運用は可能です。会社が「忙しいから半日だけにして」と日単位の申請を一方的に半日へ変えることはできません。
残った有給と年5日取得義務も週3日・週4日で違う
未使用分は翌年度へ繰り越せる
厚生労働省の年休時効Q&Aでは、年次有給休暇の時効は2年で、前年度の未使用分を翌年度へ繰り越せると案内しています。
週3日から週4日へ変更した場合も、前回付与分の未使用残日数と、次の基準日に新しく付与される日数を分けて管理します。給与明細や勤怠システムに総残日数しか出ない場合は、付与日ごとの残日数を会社へ確認すると失効時期を見分けやすくなります。
週4日は3年6か月、週3日は5年6か月で年10日になる
会社に年5日を確実に取得させる義務が生じるのは、その基準日に法定の年次有給休暇が10日以上新規付与される人です。
- 週4日・30時間未満:継続勤務3年6か月で10日付与となり対象
- 週3日・30時間未満:継続勤務5年6か月で10日付与となり対象
- 週30時間以上等の通常付与:初回10日から対象
前年度からの繰越しを足して合計10日になっただけでは、この「年5日」の判定に使いません。ただし、取得義務の対象外でも、有給を請求する権利がなくなるわけではありません。
厚生労働省の年5日取得義務Q&Aによると、本人が取得した1日単位・半日単位の休暇は年5日の取得数へ算入し、半日は0.5日として数えます。一方、時間単位で取得した分は年5日の取得数へ算入しません。
会社の日数が合わないときの確認手順
1.労働条件通知書と有給の基準日を確認する
労働条件通知書、雇用契約書、就業規則、直近1年分のシフト表、勤怠記録、給与明細をそろえます。週所定労働日数、週所定労働時間、年間所定労働日数、雇入れ日、基準日、付与日ごとの日数を順番に見ます。
2.会社へ計算した区分を書面で尋ねる
「週3日なのに少ない」とだけ伝えるより、次のように確認すると論点が明確になります。
私の年次有給休暇について、基準日、基準日時点の週所定労働日数・週所定労働時間、今回の付与日数と残日数をご確認ください。シフト制として年間所定労働日数を実績で算定している場合は、対象期間と労働日数も教えてください。
口頭だけでなく、メールや社内チャットなど後から確認できる形で残します。会社独自の上乗せ日数がある場合は、法定分と会社独自分の失効ルールも分けて聞いてください。
3.解決しなければ労働局・労基署へ相談する
「パートには有給がない」と言われた、計算根拠を示しても訂正されない、取得申請を一律に拒否される場合は、資料を持って総合労働相談コーナーや労働基準監督署へ相談できます。夜間や休日は労働条件相談ほっとラインも利用できます。
週3日・週4日パートの有給でよくある質問
Q1.週3日パートは入社6か月で有給が何日つきますか?
週所定労働時間が30時間未満で、6か月継続勤務・出勤率8割以上なら5日です。週30時間以上なら通常付与の10日です。
Q2.週4日パートは入社6か月で何日ですか?
週30時間未満なら7日です。週4日でも合計30時間以上なら10日になります。
Q3.週4日で1日7時間30分なら7日ですか?
週4日×7時間30分=週30時間なので、比例付与ではなく通常付与です。初回は原則10日になります。
Q4.1日3時間の短時間パートでも有給はありますか?
あります。1日の短さだけで有給がなくなるわけではありません。週所定労働日数、年間所定労働日数、6か月継続勤務、出勤率で判断します。
Q5.週3日から週4日へ変わった日に5日が7日へ増えますか?
増えません。付与済みの日数はそのままで、次の基準日に週4日の契約なら、継続勤務年数に対応する週4日の欄で新規付与日数を決めます。
Q6.週4日から週3日へ減ったら残っている有給も減りますか?
付与済みの残日数は減りません。次回の基準日に週3日なら、次の新規付与分を週3日の表で計算します。
Q7.繁忙期に週5日働いた週があれば10日になりますか?
一時的な追加勤務だけで直ちに通常付与とは限りません。契約上の週所定労働日数・時間を確認します。今後1年の予定所定日数を算出しにくいシフト制なら、過去の労働日数実績などで年間日数を算定します。
Q8.毎月シフトが違い、週何日か決まっていない場合は?
シフト制を理由に有給ゼロにはできません。まず契約上の今後1年の予定所定日数を確認し、それを算出しにくい場合は、初回は過去6か月の労働日数実績を2倍し、1年6か月後以降は前年実績を使う方法が公式に示されています。
Q9.有給は休日にも使えますか?
使えません。有給は本来働く義務がある所定労働日に使う制度です。所定休日へ有給を当てて残日数を減らすことはできません。
Q10.余った有給は翌年へ繰り越せますか?
法定有給休暇の権利は付与日から2年間有効で、前年度の未使用分を翌年度へ繰り越せます。古い付与分から失効する時期を確認してください。
Q11.出勤率が8割未満だったら勤続年数はリセットされますか?
リセットされません。その回の法定付与はありませんが、継続勤務期間は続きます。次の算定期間で出勤率8割以上を満たせば、次の基準日にその時点の継続勤務期間に対応する日数が付与されます。
Q12.会社が毎年4月1日を有給の基準日にしていてもよいですか?
厚生労働省の基準日統一Q&Aのとおり、会社が基準日を統一すること自体は可能です。ただし、法律上の付与日より前倒しする必要があり、後ろ倒しにはできません。途中入社の場合は初回付与日と次回基準日を年休管理簿で確認してください。
まとめ|週3日・週4日だけでなく30時間と基準日を見る
週所定労働時間30時間未満のパートが6か月継続勤務し、出勤率8割以上なら、週3日は5日、週4日は7日が初回の法定付与日数です。ただし週所定労働時間30時間ちょうど以上、週5日以上、年間217日以上なら通常付与の10日になります。
途中で週3日から週4日へ変わっても、付与済み日数はその場で増えません。次の基準日時点の所定日数・時間で、新しく付く日数を判断します。シフトが未固定で今後1年の予定所定日数を算出しにくい場合は、2026年改訂の公式資料にある過去実績方式を使えるため、「シフト制だから有給なし」という説明で終わらせないことが重要です。
有給日数を確認したうえで、今の勤務を続けるか、働きながら学ぶか、退職後に訓練を挟むか迷う場合は、収入・時間・希望職種を並べて次の選択肢を決めてください。


