障害者向け職業訓練とは?委託訓練・パソコンコース・支援内容

障害者向け職業訓練とは?委託訓練・パソコンコース・支援内容のアイキャッチ画像 職業訓練・失業給付・ハローワーク

障害のある人向けの職業訓練には、専用の職業能力開発校、一般の職業能力開発校に設けられたコース、民間の訓練機関などへ委託して行うコースがあります。パソコンを学ぶコースだけでなく、事務、ものづくり、Web、清掃、販売、実際の職場で行う実習など、地域によって内容はさまざまです。

一方で、「障害者手帳がなければ申し込めない」「障害があれば月10万円をもらえる」「オンラインなら好きな時間に受けられる」と一律に考えるのは危険です。対象者、提出書類、選考方法、配慮できる内容、費用、使える手当はコースごとに違います。

結論からいうと、求職者向け訓練を探す場合は、最初にハローワークの障害者専門窓口で求職登録と職業相談を行い、希望する仕事と必要な配慮を整理してください。在職者向け訓練は、募集案内に記載された申込窓口を確認します。そのうえで、見学や説明会を利用し、授業内容だけでなく通所・設備・支援・就職実績まで確認します。

この記事では、2026年7月14日時点の厚生労働省、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、都道府県の案内をもとに、障害者向け職業訓練の種類、対象、手帳の扱い、受けられる配慮、パソコン・オンラインコース、費用、相談から受講までの流れを整理します。

先に結論:障害者向け職業訓練には3つの受講ルートがある

障害者向け職業訓練は、全国共通の一つの学校や一つのコースを指す言葉ではありません。主な受講ルートは次の3つです。

受講ルート 主な特徴 確認したいこと
障害者職業能力開発校 障害特性に配慮した設備・指導・就職支援を備えた専用校 対象障害、募集地域、寮、通校、訓練期間、選考
一般の職業能力開発校に設けられた障害者向けコース 都道府県立校などの中に専用科・定員を設ける 校内設備、支援員、実習内容、通える範囲
障害者委託訓練 企業、社会福祉法人、NPO、民間教育機関など地域の多様な受託先で行う 教室型、職場実習、オンラインなどの形式、支援体制

厚生労働省が公開する障害者職業能力開発校一覧では、国が設置し機構が運営する2校、国が設置し都道府県が運営する11校、都道府県立6校の合計19校が案内されています。ただし、入校できる地域、対象、募集時期、訓練科は学校ごとに異なります。

近くに専用校がなくても、委託訓練や一般校のコースを受けられる場合があります。「学校名」だけで探すのではなく、ハローワークで利用できる受講ルートを一緒に確認するのが近道です。

公式情報:厚生労働省「障害者に対する職業訓練」で制度全体と各地域の案内を、厚生労働省「障害者雇用に係る現状(参考資料)」で学校の内訳を確認できます。

公共職業訓練と求職者支援訓練を含むハロートレーニング全体の違いは、次の記事で確認してください。

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障害者職業能力開発校では設備・指導・就職支援をまとめて受ける

障害者職業能力開発校は、障害のある人が仕事に必要な知識・技能を身につけるための職業能力開発施設です。訓練期間や科目は学校により異なり、オフィス事務、情報処理、Web、CAD、機械、電子、製版、販売、物流などが設けられることがあります。

専用校の利点は、技能訓練と障害特性への配慮、就職準備を同じ環境で相談しやすいことです。ただし、「すべての障害にすべての校が対応する」「希望すれば必ず入校できる」という意味ではありません。訓練科ごとに対象、必要な基礎力、通校や集団訓練の可否、選考があります。

遠方の学校では寮の有無も確認する

広域から募集する学校には寮がある場合がありますが、全校・全コースにあるわけではありません。部屋、食事、費用、週末の利用、服薬・通院、介助、門限、入寮選考を学校へ確認します。自宅から通う場合も、混雑時間の交通機関、送迎、最寄り駅から校舎までの移動を見学日に試してください。

障害者委託訓練は地域の企業・NPO・民間校などで学ぶ

障害者委託訓練は、都道府県などが企業、NPO法人、社会福祉法人、民間教育機関などへ訓練を委託する仕組みです。地域の訓練先を活用できるため、専用校が遠い人にも選択肢が広がります。

形式の例 内容 向いている状況
知識・技能習得訓練 教室でパソコン、事務、介護補助、清掃などを学ぶ 基礎から段階的に技能を身につけたい
実践能力習得訓練 企業など実際の職場で作業を経験する 職場環境や作業適性を確かめたい
eラーニング訓練 自宅などからオンラインで学び、面談や通所日を組み合わせる場合がある 通所が難しいが、決められた受講管理に対応できる
特別支援学校の生徒向け訓練 卒業後の就職に向け、企業等で実践的に学ぶ 在学中に職場経験を積みたい
在職者向け訓練 働いている人が業務に必要な技能を学ぶ 現在の職場で技能向上や職域拡大を目指す

名称や実施の有無は地域によって違います。同じ「パソコン訓練」でも、教室型、企業実習型、在宅型では必要な体力・機器・対人場面が変わります。募集票にある実施形式と一日の時間割を確認してください。

公式情報:東京都「障害者委託訓練」では、知識・技能習得、日本版デュアルシステム、実践能力習得、eラーニング、在職者向けなどの訓練を案内しています。特別支援学校の生徒向け訓練は、厚生労働省の制度資料や居住地域の募集案内を確認してください。

対象者はコースごとに違い、障害者手帳だけで決まらない

応募対象は、障害があり、就職を希望し、訓練を受ける必要性が認められ、訓練を修了できる見込みがある求職者などです。しかし、どの書類で障害を確認するか、どの障害区分を対象にするかは、学校・地域・コースごとに違います。

手帳が必要なコースと診断書等で相談できるコースがある

身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を求める募集があります。一方、地域や障害の種類によっては、医師の診断書・意見書、公的機関の判定書、指定難病の受給者証などで応募を相談できる場合があります。

したがって、「手帳がないから絶対に対象外」とも、「診断があればどのコースでも受けられる」とも断定できません。希望コースの募集要項をハローワークへ見せ、何を提出すればよいか確認してください。手帳の更新中、診断書の取得待ち、発達障害・高次脳機能障害・難病などの場合も、自己判断で応募を止めずに相談します。

確認するもの 確認先 注意点
対象となる障害・疾病 募集校、委託訓練窓口、ハローワーク 同じ訓練名でも対象区分が違う
証明書類 ハローワークと募集要項 手帳、診断書、意見書、判定書等のどれが必要か確認
求職登録 ハローワークの障害者専門窓口 障害者としての求職登録を求める募集がある
通院・服薬と受講 主治医、学校、ハローワーク 訓練継続に必要な配慮や通院日を整理
選考 募集校 面接、筆記、作業、職業評価など内容は異なる

手帳・書類の確認例:東京都の応募手続神奈川県の障害者委託訓練では、手帳以外の確認書類を含む案内があります。要件は全国一律ではないため、居住地域と希望コースの募集要項で確認してください。

受けられる配慮は「必要な場面」を具体的に伝える

訓練校へは障害名だけでなく、「どの場面で困るか」「何があれば受講できるか」を具体的に伝えることが大切です。同じ診断名でも、必要な配慮は人によって違います。

場面 配慮・支援の例 事前に伝える内容
教材・授業 文字拡大、画面反転、読み上げ、録音・筆記支援、資料形式の調整 見やすい文字サイズ、聞き取り、ノート方法
移動・設備 車いす動線、座席、エレベーター、休憩場所、机の調整 移乗、段差、トイレ、長距離移動の難しさ
体調管理 休憩、通院への対応、疲労の把握、服薬時間の相談 症状が出る兆候、休めば回復する時間、緊急時の連絡
コミュニケーション 指示の書面化、作業手順の明確化、面談、対人技能の練習 口頭指示、同時作業、予定変更で困る場面
就職活動 応募書類、面接練習、職場見学・実習、配慮事項の整理 開示範囲、希望職種、勤務時間、避けたい環境
就職後 職場訪問、事業主への助言、地域支援機関との連携 定着支援の期間、連絡方法、勤務先へ伝える内容

表は実際に行われている支援の例であり、すべての学校がすべて対応できるという意味ではありません。見学前に必要な配慮を箇条書きにし、「この方法で対応できるか」「代わりの方法はあるか」を質問します。

国立職業リハビリテーションセンターでは、障害特性に応じた職業訓練、適応支援、就職支援を組み合わせています。配慮だけでなく、自分に合う作業方法を訓練中に探し、就職先へ説明できる形にすることも重要です。

支援例:国立職業リハビリテーションセンター「職業訓練」「職業適応支援」で、障害特性に応じた訓練・適応・就職支援の例を確認できます。

パソコンコースは事務系からWeb・CADまで幅が広い

障害者向けパソコン訓練には、Word・Excel・PowerPointを中心にした事務基礎、簿記と会計ソフトを組み合わせるOA事務、Web制作、DTP、プログラミング、CADなどがあります。視覚障害者向けの画面読み上げや拡大環境を使う訓練が設けられることもあります。

「パソコンコース」と書かれていても、入門から始めるコースと、入力や基本操作ができることを前提にするコースがあります。資格名だけでなく、最初の授業、到達目標、実技時間、使用ソフト、就職先を見てください。

見学で確認する7項目

  1. キーボード入力やファイル操作など、受講前に必要な水準
  2. Word・Excelのどの機能まで学ぶか
  3. 資格対策と実務課題に使う時間の割合
  4. 画面拡大、読み上げ、入力機器などの支援環境
  5. 休憩の取り方と長時間座位への対応
  6. 使用ソフトのバージョンと自宅練習の可否
  7. 修了者が就いた仕事と、障害者求人・一般求人の内訳

一般のハローワークパソコン訓練で学べる内容、初心者向けコース、MOSと就職の考え方は次の記事へ分けています。

ハローワークのパソコン教室は無料?初心者向け訓練・資格・就職先
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オンライン訓練は自由時間制とは限らない

通所が難しい人にはeラーニング形式が候補になります。ただし、録画教材を好きな時に見るだけとは限りません。決められた受講時間、進捗管理、オンライン面談、ライブ授業、通所日、試験、カメラによる受講確認が設定される場合があります。

  • 自宅に安定した通信環境があるか
  • 指定されたWindows、Office、ブラウザなどを用意できるか
  • パソコン、Webカメラ、ヘッドセットの貸与があるか
  • 通信費、ソフト代、郵送費が自己負担か
  • 決められた時間に一人で学習を継続できるか
  • 困ったときの質問方法と支援時間
  • スクーリングや面接日に通えるか

京都府などのeラーニング型障害者委託訓練でも、対象者、機器、通信環境、受講管理の条件が募集票に示されます。パソコンが必ず無料で貸与されるとは考えず、申込み前に準備費用を確認してください。

募集例:京都府「障害者委託訓練」eラーニングコースの募集案内例で、対象、訓練内容、機器・通信環境、受講方法を確認できます。

オンライン職業訓練の形式、出席の扱い、機器・通信の確認表は次の記事を参照してください。

オンライン職業訓練とは?自宅受講の条件・コース・注意点
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受講料は原則無料でも教材・交通・機器などの実費がある

公的な障害者職業訓練は受講料無料と案内されることが多い一方、完全に費用がかからないとは限りません。教科書、作業服、安全用品、職業訓練生総合保険、昼食、資格試験、交通、通信、パソコン周辺機器などが自己負担になる場合があります。

費用 確認内容
教材・作業用品 教科書、USBメモリ、作業服、工具、安全靴の金額
資格試験 必須か任意か、受験料、再受験料、会場までの交通費
通所 定期券、実習先までの交通、送迎、駐車場
オンライン パソコン、Office、通信、カメラ、ヘッドセット、印刷
寮・生活 食費、光熱、寝具、帰省、医療・服薬
保険 訓練中や企業実習中の事故に備える保険

失業保険・訓練手当・月10万円は別々に審査される

訓練中のお金は、障害者向け訓練へ通うだけで一律に支給されるものではありません。雇用保険の受給資格がある人は基本手当など、雇用保険を受けられない一定の人は都道府県の訓練手当、求職者支援制度の全要件を満たす人は月100,000円の職業訓練受講手当などを確認します。

対象、収入・資産、出席、支援指示、申請日は制度ごとに異なります。複数制度を自由に選んだり同じ期間に重ねたりできるとは限らないため、ハローワークへ現在の収入、雇用保険、年金、手当、同居家族の状況を伝えてください。

求職者支援制度の月10万円については、次の記事で8つの要件と毎月の手続きを確認できます。

求職者支援訓練とは?制度・月10万円の条件と申込み方法
雇用保険を受けられなくても、求職者支援訓練へ原則無料で通いながら月10万円を受け取れるのか。結論から言うと、求職者支援制度には、原則受講料無料の訓練と、一定の条件を満たす人向けの職業訓練受講給付金があります。ただし、訓練へ通う人全員が月10...

現在募集しているコースは複数の言葉で探す

障害者向け訓練は、一般のハロートレーニング検索だけでは見つけにくい場合があります。都道府県の障害者委託訓練ページ、障害者職業能力開発校、ハローワーク窓口も併用します。

  1. ハローワークの障害者専門窓口で、受講できる訓練の一覧を受け取る
  2. 「都道府県名 障害者 委託訓練」で公式ページを探す
  3. 「障害者職業能力開発校」「職業能力開発校 障害者向けコース」を確認する
  4. 希望分野を「パソコン」「OA事務」「Web」「CAD」など複数語で探す
  5. 開講日、募集締切、対象、通所、訓練形式を比較する
  6. 見学・説明会・個別相談を申し込む

検索結果に出ない募集や、ハローワーク経由でなければ応募できないコースがあります。ネット検索だけで終わらせないでください。一般のハロートレーニング検索画面の使い方は次の記事で確認できます。

職業訓練コースの探し方|ハロトレ検索の使い方と絞り込み方
職業訓練のコースは、ハローワークインターネットサービスの「職業訓練検索」から探せます。求人検索とは別の画面です。ログインしなくても検索できますが、検索結果からそのままインターネットで受講申込みをする仕組みではありません。最初から条件を細かく...

コースは技能・配慮・就職先の3点で比べる

通いやすさだけで選ぶと、訓練内容が希望職種につながらなかったり、必要な配慮を受けにくかったりします。反対に、設備や支援が充実していても、その地域に希望条件の求人が少なければ修了後の選択肢が狭くなります。

比較軸 確認する質問
仕事 修了後の具体的な職種は何か。通勤圏に未経験求人があるか
技能 仕事で使う作業を何時間練習するか。企業実習や作品制作はあるか
配慮 自分が困る場面に対応できるか。代替方法を一緒に試せるか
体力・通所 一日・一週間の時間、通院、混雑、休憩、欠席時の扱いはどうか
選考 筆記・面接・作業・職業評価で何を確認するか
就職支援 応募書類、面接、職場実習、障害開示、定着支援をどこまで行うか
実績 修了率、就職率の定義、就職職種、雇用形態、定着状況はどうか
費用 受講前から修了までの自己負担合計はいくらか

「就職率」だけを見るときも、修了者全体か、就職希望者か、雇用保険に加入する就職か、訓練分野への就職かを確認します。障害者雇用だけを目指すのか、一般求人も含めるのか、短時間から始めるのかも相談時に伝えてください。

職種、求人、訓練内容からコースを比較する一般的な手順は、次の記事へ分けています。

職業訓練のおすすめコース選び|就職につながる選び方と失敗しない見方
職業訓練のおすすめコースは、人気や知名度だけで選ぶものではありません。まず見るべきなのは、修了後に自分が応募できる求人があるかです。Webデザイン、プログラミング、事務、医療事務、介護、CAD、電気工事、ビル設備など、職業訓練には多くの分野...

職業訓練と就労移行支援は目的・利用条件が違う

障害者向け職業訓練と就労移行支援は、どちらも就職準備に使われますが同じ制度ではありません。職業訓練は、職業能力開発促進法などに基づき、仕事に必要な知識・技能を習得して就職することが中心です。就労移行支援は、障害福祉サービスとして、就労に必要な訓練、求職活動、職場開拓、就職後の相談などを提供します。

比較 障害者向け職業訓練 就労移行支援
中心となる目的 職業技能を習得し、再就職・就職を目指す 就職準備、生活・対人面を含む支援、求職活動を行う
主な入口 ハローワーク、都道府県、訓練校 市区町村の障害福祉窓口、相談支援、事業所
利用期間・時間 コースの訓練期間と時間割に従う 支給決定と個別支援計画に基づく
費用 受講料は原則無料の訓練が中心。実費あり 障害福祉サービスの利用者負担区分。実費が生じる場合あり
選ぶ基準 学びたい技能と必要な配慮が合うか 就職前に必要な生活・対人・作業支援が合うか

どちらが上という関係ではありません。一定時間の集団訓練を受けられ、目標職種に必要な技能が明確なら職業訓練が合う場合があります。生活リズム、通所、対人場面、体調管理から段階的に整えたい場合は、就労移行支援や地域障害者職業センターを含めて相談します。利用条件や併用の可否は個別に確認してください。

制度の違い:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」で就労移行支援の対象・支援内容を、障害福祉サービスの利用者負担で所得区分ごとの負担上限を確認できます。

相談から受講開始までの流れ

多くの障害者向け職業訓練は、訓練校へ直接願書を送る前にハローワークでの求職登録・職業相談が必要です。募集締切直前では、見学、診断書、主治医意見、応募書類が間に合わないことがあります。

  1. ハローワークへ相談する:障害者専門窓口で求職登録を行い、希望職種、障害特性、配慮、通院、通所範囲を伝えます。
  2. 訓練候補を絞る:専用校、一般校のコース、委託訓練、オンラインの候補を比較します。
  3. 見学・説明会へ行く:教室、トイレ、動線、教材、休憩場所、授業速度、支援員、就職支援を確認します。
  4. 主治医・支援機関へ相談する:訓練時間、通院、服薬、疲労、必要な配慮を整理し、必要書類を依頼します。
  5. ハローワークを通じて応募する:願書、手帳・診断書等、写真、求職申込など募集要項に沿って提出します。
  6. 選考を受ける:面接、筆記、適性、作業、職業評価などで訓練との適合を確認します。
  7. 合格後の手続きをする:受講指示・受講推薦・支援指示、手当、保険、教材、通所、配慮を確認します。
  8. 受講開始後も調整する:体調や課題を記録し、担任・支援員・ハローワークと早めに相談します。

応募例:国立職業リハビリテーションセンター「応募から入所まで」で、ハローワークへの相談、職業評価、応募、選考の流れを確認できます。実際の手続きは希望校・地域の募集要項を優先してください。

一般的なハローワーク相談の準備は次の記事、職業訓練の申込み・選考はその次の記事で確認できます。

ハローワークで職業訓練を相談するには?聞くこと・伝え方・タイミング
職業訓練に興味はあるけれど、ハローワークで何を相談すればいいのか分からない。まだ受けたいコースが決まっていない。失業保険や給付金とあわせて確認したい。その段階でも、ハローワークで相談して大丈夫です。むしろ、コースを決めきる前に相談した方が、...
退職後に職業訓練を申し込む流れ|相談・見学・面接・合格まで
退職後に職業訓練を申し込む流れは、ハローワークで相談し、コースを選び、見学・説明会で確認し、受講申込書を提出し、面接や筆記試験を受け、合格後にハローワークで手続きする順番です。職業訓練は、学校へ直接申し込めばそのまま通える制度ではありません...

ハローワーク以外の支援機関も役割で使い分ける

訓練前後の悩みをすべてハローワークだけで解決する必要はありません。職業評価、生活面、職場定着、医療の相談は、それぞれ得意な機関が違います。

相談先 主な役割 相談例
ハローワーク障害者専門窓口 求職登録、職業相談、訓練応募、給付、求人紹介 どの訓練へ応募できるか、手当、修了後の求人
地域障害者職業センター 職業評価、職業準備支援、ジョブコーチ、事業主支援 向く作業、必要な配慮、職場適応
障害者就業・生活支援センター 就業面と生活面を一体的に支援 働き方、生活リズム、職場との調整
主治医・医療機関 体調、通院、服薬、診断書・意見書 訓練時間に耐えられるか、避けたい作業
訓練校・委託先 技能訓練、校内配慮、就職支援 授業の進め方、設備、欠席、実習、定着支援
市区町村・相談支援事業所 障害福祉サービス、生活支援の相談 就労移行支援、移動・生活面の支援

障害者就業・生活支援センターは、2026年4月時点で全国340か所が設置されています。訓練へ通えるか、就職後に働き続けられるかを生活面と合わせて相談したい場合の窓口です。

公式情報:厚生労働省「障害者就業・生活支援センター」で役割と全国一覧を、高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」で所在地と支援内容を確認できます。

障害者向け職業訓練のよくある質問

障害者手帳がなくても受講できますか?

受講できる場合はありますが、すべてのコースではありません。診断書、主治医意見書、公的な判定書、指定難病の受給者証などで相談できる募集もあります。希望コース名をハローワークへ伝え、応募できる書類を確認してください。

選考なしで受講できますか?

面接、筆記、作業、職業評価などの選考が行われるコースがあります。選考では、訓練の必要性、受講継続の見込み、コースとの適合、必要な配慮などが確認されます。選考内容と選考時に必要な配慮を募集校へ相談してください。

未経験でもパソコンコースへ入れますか?

初心者向けのコースもありますが、文字入力や基本操作を前提にするコースもあります。「初心者歓迎」だけで決めず、入校時に求める入力速度、ファイル操作、授業の開始範囲を確認してください。

受講中は必ず手当をもらえますか?

必ずではありません。雇用保険、訓練手当、求職者支援制度では、それぞれ受給要件と手続きがあります。障害者手帳や障害年金の有無だけで決まるものではないため、受講前にハローワークへ確認します。

オンラインなら毎日決まった時間に受けなくてもよいですか?

コースによります。決められた時間の受講、ライブ授業、面談、進捗報告、通所日がある募集もあります。欠席・遅刻の扱い、カメラの使用、質問対応時間まで募集票で確認してください。

修了すれば障害者雇用で必ず就職できますか?

就職は保証されません。地域の求人、訓練で身につけた技能、実習、勤務時間、必要な配慮、応募時期で結果は変わります。見学時には全職種合計の就職率だけでなく、自分が目指す職種への就職人数と雇用形態も聞いてください。

訓練中の通院や体調不良は配慮されますか?

配慮できる範囲は学校ごとに異なり、出席要件もあります。定期通院日、症状が出たときの休憩、連絡方法、欠席時の補講、給付への影響を、応募前に主治医・ハローワーク・学校へ相談してください。

障害年金を受けていても訓練へ通えますか?

障害年金を受けていることだけで、すべての職業訓練が対象外になるわけではありません。ただし、訓練を継続できる見込みの確認や、職業訓練受講給付金など別制度の収入審査があります。年金を含む受給中の制度をハローワークへ伝え、受講可否と手当の可否を分けて確認してください。

就労移行支援と職業訓練を同時に利用できますか?

一律に併用できるとは限りません。障害福祉サービスの支給決定、両方の利用目的・時間、自治体と訓練側の取扱いを確認する必要があります。市区町村の障害福祉窓口、相談支援事業所、ハローワークへ両方の利用予定を伝えてください。

まとめ:希望職種と必要な配慮を整理してから見学する

障害者向け職業訓練には、障害者職業能力開発校、一般校の障害者向けコース、地域の委託訓練という主な受講ルートがあります。パソコン、事務、Web、ものづくり、職場実習、eラーニングなど内容は多様です。

大切なのは、障害名や資格名だけで選ばないことです。希望する仕事、通える時間、体調、必要な配慮、機器、自己負担、就職支援を一つずつ確認します。障害者手帳の要否、選考、受講料以外の費用、手当もコース・制度ごとに違います。

求職中の人は、まずハローワークの障害者専門窓口で求職登録と相談を行い、候補を2~3コースに絞って見学してください。在職者向け訓練を探す人は募集窓口を確認します。必要に応じて地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、主治医とも連携し、受講できるかだけでなく修了後に働き続けられるかまで考えて選びましょう。

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