内定は出たけれど、入社は1か月先。まだ給料が入らない間、失業保険は続けてもらえるのか。それとも、内定を報告した日で終わるのかが気になるところです。
失業保険の受給資格が決定した後に内定した人は、必要な失業認定を受ければ、原則として就職日の前日までが基本手当の支給対象になります。ただし、待期・給付制限の期間、支給残日数、受給期間の期限、入社前に働いた日などによって、実際に支給される日数は変わります。
受給手続きをする前に、すでに次の就職先が内定している人は別です。「入社まで無職だから、今からその1か月分を申請できる」とは考えないでください。
まず、受給資格が決まった日、内定日、雇用契約が始まる日、次回認定日を並べます。この記事では、雇用保険の基本手当について、入社までの支給日数とハローワークへ行く日を整理します。高年齢求職者給付金や、職業訓練の月10万円の給付は別の制度です。
内定後ももらえる?受給手続きの前後で分かれる
最初に確認するのは、初めてお金が振り込まれた日ではなく、ハローワークで受給資格が決定した日です。手続き済みで初回振込を待っている人と、まだ手続きをしていない人では扱いが違います。
| 内定した時点の状況 | 入社までの基本手当 |
|---|---|
| 受給資格決定後に内定した | 必要な認定を受け、支給要件を満たす日について、原則として就職日前日まで対象 |
| 手続き済みだが、まだ待期・給付制限中 | 待期・給付制限の日は支給されない。入社までに支給対象日が生じるか確認 |
| 受給手続き前から内定している | その内定先への入社待ち期間を、これから新規に受給することはできない |
厚生労働省の基本手当・再就職手当のQ&Aでは、受給の前提となる失業状態と、受給中に就職が決まった場合の手続きを分けて案内しています。手続き前に内定した場合は、再就職手当だけを後から申請することもできません。
「窓口へ相談に行った」「求職情報を登録した」だけで、基本手当の受給資格決定まで済んでいるとは限りません。分からなければ、離職票を提出した日と手元の案内を示して、給付窓口へ確認してください。
受給資格は決定済みで、初回認定日前に内定した人は、説明会や初回認定日の予定も確認します。最初の手続きと入金の流れは、次の記事で確認できます。

「いつまで」の基準は、内定日や初出勤日ではなく就職日
受給資格決定後の内定なら、内定の連絡を受けた日で直ちに基本手当が終わるわけではありません。ただし、「初めて会社へ行く日の前日まで」と考えるのも誤りです。雇用契約上の開始日を確認してください。
たとえば、2026年10月3日(土)から雇用契約が始まり、土日が休みなので初出勤が10月5日(月)になる場合、原則の支給対象は10月2日(金)までです。雇用開始後の10月3日・4日は、出勤していなくても失業日にはなりません。
ハローワーク札幌圏の就職時の案内も、就職日と最初の出勤日が異なる場合に注意を促しています。試用期間や研修から雇用が始まる場合は、その開始日も伝える必要があります。
会社には「雇用契約の開始日は何月何日ですか。初出勤前に研修や仕事をする予定はありますか」と聞き、労働条件通知書や雇用契約書で確認します。単発の事前研修などで判断に迷う場合は、日時・内容・賃金の有無を給付窓口へ伝えてください。
入社まで1か月あっても、30日分とは限らない|4つの例
以下は、9月1日に内定し、10月1日に就職する仮の例です。A〜Cは9月1日より前に受給資格が決定し、待期も満了しているものとします。必要な失業認定を受け、途中のアルバイト・内職・研修などはなく、受給期間の期限も9月30日以降と仮定します。
基本手当日額は計算用の5,000円です。実際の自分の日額は、受給資格者証などで確認してください。
| 例・条件 | 9月の支給対象 | 金額の例 |
|---|---|---|
| A:給付制限なし。残日数は30日以上 | 9月1日〜30日の30日 | 5,000円 ×30日 15万円 |
| B:給付制限が9月14日で満了。残日数は十分 | 9月15日〜30日の16日 | 5,000円 ×16日 8万円 |
| C:給付制限なし。9月1日時点の残日数が10日 | 9月1日〜10日の10日 | 5,000円 ×10日 5万円 |
| D:9月1日に内定したが、受給手続きはまだしていない | 内定先への入社待ちを理由に新規受給はできない | この条件では 支給なし |
この金額は9月分の合計例で、1回の振込額ではありません。認定が複数回に分かれれば、振込も分かれます。
また、残日数があっても、受給期間満了日を過ぎた分は受け取れません。自分に当てはめるときは、就職日前日・給付制限の最終日・支給残日数・受給期間満了日の4つを受給資格者証や窓口の案内で確かめます。
ハローワーク大阪東のQ&Aでは、基本手当は認定対象期間の失業日数と基本手当日額で計算し、待期・給付制限・就労などによって支給額が変わると説明しています。
ハローワークへはいつ行く?認定日と就職申告を分ける
入社までに認定日があるなら、その認定日にも行きます。内定が出たことを理由に、自分で次の認定日を飛ばさないでください。そのうえで、原則として就職日前日に、就職の申告と最後の失業認定の手続きをします。
次は、給付制限が終わっている人が、2026年9月4日に内定し、10月1日に就職する例です。
| 日付 | すること |
|---|---|
| 9月4日(金) 内定 |
会社へ雇用開始日を確認。次回認定日と照らし、必要なら給付窓口へ来所予定を相談する |
| 9月17日(木) 指定された認定日 |
通常どおり来所し、内定・就職予定日を申告する。入社前の最終手続きを確認する |
| 9月30日(水) 就職日前日 |
就職申告と、残りの期間の失業認定を受ける。再就職手当の対象になるかも確認する |
| 10月1日(木) 就職日 |
この日以降は、その就職により基本手当の支給対象ではなくなる |
神奈川ハローワークの就職時の手続きQ&Aでも、入社前に認定日がある場合は、認定日と就職日前日の両方へ来所する例を案内しています。給付制限中の就職では、前日以外の来所や認定日のみで済むケースもあるため、自分の予定を先に窓口へ伝えてください。
月曜日の入社なら、直前の金曜日などの開庁日へ
就職日前日が土日祝日なら、その前の開庁日に手続きします。たとえば雇用開始が2026年10月5日(月)なら、通常は10月2日(金)です。
この場合は、来所後の10月3日・4日分をどのように認定・申告するかも、その場で確認してください。札幌圏の案内では、就職前の休日分について後日の認定や一定条件での郵送を案内しています。金曜日に行けば日曜日分まで自動で手続きが済む、と決めつけないことが大切です。
内定後の求職活動欄は、事実を記録して窓口へ確認する
採用が決まった会社へ応募・面接した事実は、日付と結果を記録しておきます。「内定したら、求職活動欄はすべて空欄でよい」と自己判断せず、内定日・入社日・認定対象期間を伝えて、その期間に必要な実績と記入方法を確認してください。
問い合わせるときは、次のように日付をそろえると話が伝わります。これは相談文の例です。
「9月4日に内定し、10月1日から雇用が始まります。次の認定日は9月17日です。今回と就職日前日の認定について、求職活動欄の記入方法と、持参する書類を教えてください。」
応募や職業相談の記録を申告書へ書く場所は、次の記事で確認できます。

持ち物は?採用証明書が間に合わなくても連絡を遅らせない
通常の認定に使う書類に加えて、就職先へ採用証明書の記入を依頼します。会社の証明待ちだからといって、認定日や就職申告の日まで過ぎてしまわないようにしてください。
| 書類・資料 | 確認すること |
|---|---|
| 雇用保険受給資格者証、または受給資格通知 | 基本手当日額、支給残日数、受給期間満了日。通知方式などに応じ、指定された本人確認書類も持参 |
| 失業認定申告書 | 対象期間の活動、働いた日、収入、就職予定などを事実どおり記入 |
| 採用証明書 | 会社に雇用開始日などの証明を依頼する。未着なら提出方法を窓口へ確認 |
| 労働条件通知書・雇用契約書など | 雇用開始日、労働時間、契約期間、試用・研修の開始日を確認する資料として用意 |
採用証明書は後日郵送などで提出できると、厚生労働省や大阪東の案内に記載されています。ただし、証明書の提出待ちで振込手続きが遅くなる場合があります。手続きに行けることと、すぐ入金されることは別です。
入社日前日に行けない場合や、すでに入社した場合も、管轄の給付窓口へすぐ連絡します。「入社日、前日に行けなかった理由、次の認定日」を伝え、必要な証明と来所期限を確認してください。
最後の振込と再就職手当は、初任給までの生活費と分けて考える
9月30日までが支給対象でも、9月30日に入金されるわけではありません。厚生労働省のQ&Aでは、基本手当の振込は失業認定日の約7日後が目安です。証明書の提出時期などによっては、最後の基本手当が入社後に振り込まれます。
入社後の振込でも、就職日前の正しく認定された期間に対する基本手当なら、入社後に振り込まれたという理由だけで問題になるものではありません。支給対象期間を受給資格者証などで確認します。
生活費の予定を立てるときは、最後の基本手当と初任給を分け、会社へ初回給与の締め日・支払日・初月に支払われる範囲を聞いてください。再就職手当は入社後の申請・審査があるため、入社前に使えるお金として予定に入れない方が確実です。
再就職手当の残日数は「内定した日」の残りではない
再就職手当で使うのは、就職日前日までの失業認定を受けた後の支給残日数です。入社待ちの間に基本手当を受け取れば、その分だけ残日数は減ります。
たとえば所定給付日数90日で、内定時に70日残り、その後入社前までに20日分を受給すれば、就職時点の残りは50日です。ほかの要件を満たす場合、90日の3分の2に当たる60日は下回るため、給付率は70%ではなく60%になります。
ハローワークインターネットサービスの就職促進給付では、残日数が所定給付日数の3分の1以上であることなどを案内しています。待期満了後の就職、1年を超える勤務見込み、給付制限がある人の紹介要件など、残日数以外の条件もすべて確認が必要です。
申請するか迷う場合は、基本手当の残りだけでなく、再就職後の給与や今後の働き方も含めた判断を次の記事で確認できます。

入社日が変わった・入社前に働いた場合はどうする?
入社が延期された、内定を辞退・取り消された、予定より早く研修が始まったときは、給付窓口へ変更を連絡します。すでに就職予定を申告しているなら、その内容も確認し直す必要があります。
延期の場合は、出勤する日だけが延びたのか、雇用契約の開始日自体が変わったのかを会社へ確認してください。働いていないという理由だけで失業期間が延びるとは限りません。変更後の書面、賃金・手当の有無、すでに働いた日を示して判断してもらいます。
入社までのアルバイトや手伝いも、収入の有無にかかわらず申告が必要です。内定がある人でも、働いた日や収入によって支給対象日・金額が変わります。「まだ本入社していないから申告しなくてよい」とは考えないでください。
今日確認することは、受給資格決定日、雇用開始日、次回認定日、支給残日数の4つです。この情報をそろえて給付窓口へ連絡し、入社前に行く日と、会社へ依頼する書類を決めておきましょう。
制度確認日:2026年9月7日。本文の金額・日付は条件を置いた説明用の例です。具体的な認定・支給は、管轄ハローワークが本人の受給状況と提出資料を確認して判断します。

