失業保険はいくらもらえる?金額の目安と生活費の考え方

職業訓練・失業給付・ハローワーク

失業保険がいくらもらえるかは、退職前の給料、年齢、退職理由、雇用保険に入っていた期間で変わります。

たとえば、基本手当日額が5,700円で、所定給付日数が90日なら、総額の目安は約51万円です。ただし、ここで大事なのは総額だけではありません。

実際に不安になりやすいのは、「月にいくら入るのか」「最初の入金まで何日待つのか」「その間の生活費が足りるのか」です。

退職後にやること全体がまだ整理できていない人は、先に退職後に失業保険・ハローワーク・職業訓練をどの順番で進めるかを確認しておくと、この記事の金額確認も迷いにくくなります。

失業保険は「いくら」より先に生活の持ち時間で考える

失業保険は、退職前の給料がそのまま全額もらえる制度ではありません。目安としては、退職前の賃金日額に対しておおむね50〜80%です。60〜64歳は45〜80%です。

30〜44歳の人を例にすると、月収別のざっくり目安は次のとおりです。

退職前の月収目安 基本手当日額の目安 30日分の目安 90日分の目安
月20万円 約4,993円 約15.0万円 約44.9万円
月25万円 約5,707円 約17.1万円 約51.4万円
月30万円 約6,207円 約18.6万円 約55.9万円
月40万円 約6,666円 約20.0万円 約60.0万円

※2025年8月1日以降の計算基準をもとにした概算です。実際の金額は、離職票の内容、年齢、退職理由、賃金日額の上限・下限で変わります。

ここで勘違いしやすいのが、「手取り」で計算しないことです。失業保険の計算で見るのは、給与明細の手取りではなく、税金や社会保険料が引かれる前の賃金です。賞与は原則として含めません。

まずは給与明細を6か月分出して、総支給額を確認してください。

ステップ1:退職前6か月の給料から1日あたりの金額を出す

最初にやることは、退職前6か月の賃金を合計することです。

退職前6か月の賃金合計 ÷ 180日 = 賃金日額

たとえば、退職前の月収が25万円なら、

25万円 × 6か月 ÷ 180日 = 約8,333円

これが賃金日額の目安です。そこに給付率をかけて、基本手当日額が決まります。

不安な段階では、まず次の3つだけ押さえれば十分です。

  • 月収20万円なら、月15万円前後
  • 月収25万円なら、月17万円前後
  • 月収30万円なら、月18万円台前後

ただし、家賃や家族構成によっては、これだけでは足りないこともあります。だからこそ、失業保険は「もらえる金額」だけでなく、「何か月生活できるか」で考える必要があります。

退職後のお金全体が不安な人は、失業保険だけで判断せず、退職後の生活費・給付金・失業保険をまとめて確認すると、足りない期間が見えやすくなります。

ステップ2:退職理由と加入期間で何日分もらえるかを見る

失業保険の総額は、1日あたりの金額だけでは決まりません。同じ月収でも、90日分なのか、120日分なのか、150日分なのかで大きく変わります。

一般的な自己都合退職の場合、所定給付日数の目安は次のようになります。

雇用保険の加入期間 所定給付日数の目安
1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

一方で、倒産・解雇などの会社都合退職や、一部の特定理由離職者に該当する場合は、年齢や加入期間によって給付日数が長くなることがあります。

ここはかなり重要です。「自己都合だから90日しかない」と思っていても、体調不良、契約更新されなかった、家庭事情、通勤困難など、状況によっては特定理由離職者として扱われる可能性があります。

最終的に退職理由を判断するのはハローワークです。自分で決めつけず、離職票の退職理由に違和感がある場合は、窓口で事情を説明してください。

ステップ3:最初の入金までの空白期間を確認する

失業保険は、申請したその日に振り込まれるわけではありません。ここを見落とすと、生活費の見通しが崩れます。

ハローワークで求職申込みをし、離職票を提出して受給資格が決定されます。その後、受給説明会や失業認定日を経て支給に進みます。

自己都合退職の人は、待期期間や給付制限があるため、退職から最初の入金まで時間が空きやすくなります。初回入金までの具体的な流れを知りたい人は、失業保険の初回認定日までに何をするか、初回入金までの流れを先に確認しておくと、貯金をどれくらい残すべきか考えやすくなります。

つまり、自己都合退職の人は、次のような流れになります。

退職

離職票が届く

ハローワークで手続き

7日間の待期

給付制限

認定日

振込

金額そのものより、「最初の入金までに貯金が減っていく不安」が強い人は多いです。お金の焦りから条件をよく見ずに次の職場を決めてしまうと、また苦しい環境に戻ってしまうことがあります。

失業保険は、退職後の生活を全部守ってくれる制度ではありません。でも、焦って次の仕事を選ばないための時間を作る制度ではあります。

自己都合退職で給付制限が不安なら、職業訓練も早めに相談する

自己都合退職の人が知っておきたいのが、教育訓練や職業訓練による給付制限解除の可能性です。

対象となる教育訓練や職業訓練を受ける場合、給付制限が解除され、失業保険を早く受け取れる可能性があります。ただし、「職業訓練に興味がある」と伝えれば自動的に早くもらえるわけではありません。

対象訓練か、受講開始の時期が合っているか、ハローワークで必要な手続きをしているかによって扱いが変わります。

自己都合退職で給付制限が不安な人は、金額の確認だけで終わらせず、職業訓練で失業保険が早くもらえる可能性と注意点を確認してから、ハローワークで相談しましょう。

窓口では、次のように聞くと話が進みやすくなります。

「自己都合退職ですが、職業訓練を受ける場合に給付制限が解除される可能性があるか確認したいです。対象になる訓練や、申し込み前に必要な手続きはありますか?」

職業訓練を考えるなら、失業保険だけでなく生活費も別で計算する

職業訓練を受ける場合でも、生活費が自動的にすべて解決するわけではありません。受講料は無料または低負担でも、家賃、食費、スマホ代、健康保険、年金、住民税、交通費、教材費、資格試験料などは必要になることがあります。

特に注意したいのは、訓練開始までの空白期間です。退職後すぐに希望コースが始まるとは限らず、募集締切や選考日、開講日まで待つ場合があります。

「失業保険を受けながら職業訓練に行けるか」だけでなく、「訓練開始までの生活費が足りるか」「初回支給まで乗り切れるか」まで見ておきましょう。

職業訓練も選択肢に入れている人は、職業訓練に行く前の生活費・貯金・失業保険・給付金の考え方を先に整理しておくと、コース選びでお金の不安に振り回されにくくなります。

すぐ働けない状態なら、失業保険だけで考えない

体調を崩して退職する人は、失業保険だけで考えると危険です。

失業保険の基本手当は、「働く意思と能力があり、求職活動をしているのに就職できない状態」の人が対象です。病気やけがのため、すぐに就職できない状態では、別の手続きが必要になることがあります。

今すぐ働けないほど体調が悪い場合は、失業保険を急いで申請するより、受給期間延長や傷病手当金など、別の制度も含めて確認した方がいいです。

ここで無理をすると、次のような流れになりかねません。

お金が不安

すぐ働こうとする

体調が戻らない

短期離職になる

さらに不安になる

働ける状態なのか、少し休んでから求職活動をした方がいいのかは、自己判断せず、医療機関とハローワークの両方に相談してください。

早く再就職したら損?再就職手当も確認する

失業保険は、最後まで全部もらわないと損という制度ではありません。早く安定した仕事に就いた場合、再就職手当を受け取れる可能性があります。

大事なのは、「失業保険を全部もらい切るか」ではなく、次の仕事が現実的に続けられそうかどうかです。

条件の悪い職場に急いで入って、また辞めるくらいなら、失業保険を使いながら準備した方がいい場合もあります。反対に、納得できる仕事が早く見つかったなら、再就職手当を確認して前に進んだ方がいい場合もあります。

失業保険の金額が足りないと感じたときにやること

失業保険の目安を見て、「これでは足りない」と感じる人もいるはずです。その感覚は間違っていません。

月収25万円だった人でも、失業保険の目安は月17万円前後です。家賃、食費、税金、保険料、スマホ代、車の維持費、子どもの費用があれば、余裕がある金額とは言いにくいです。

足りないと感じたら、次の順番で確認してください。

  1. 会社都合や特定理由離職者に該当する可能性がないか、離職票を見て確認する
  2. 総額ではなく、最初の1〜2か月をどう乗り切るか考える
  3. 職業訓練や教育訓練で、失業保険を受けながら準備できる制度が使えないか相談する
  4. すぐ働けない状態なら、失業保険ではなく別制度を確認する
  5. 早く仕事が決まった場合の再就職手当も確認する

不安な人ほど、「いくらもらえるか」だけを見てしまいます。でも本当に大事なのは、退職後の生活が何か月もつかです。

ハローワークで聞くこと|そのまま使える相談文

ハローワークに行くときは、何を聞けばいいか決めておくと楽です。窓口でうまく話せる自信がない人は、次のように伝えてください。

「退職後の生活費が不安で、失業保険がいくらくらいになるか確認したいです。退職前6か月の給与明細と離職票を見て、基本手当日額と給付日数の目安を教えてもらえますか」

離職理由に不安がある場合は、こう聞きます。

「離職票の退職理由が自分の認識と合っているか不安です。会社都合や特定理由離職者に該当する可能性があるか確認したいです」

職業訓練も気になる場合は、こう聞きます。

「すぐ転職する自信がなく、職業訓練も検討しています。失業保険を受けながら受講できる訓練があるか、給付制限に関係する制度も含めて相談したいです」

体調不良で退職した場合は、こう聞きます。

「今すぐ働ける状態か不安があります。失業保険の申請を進めていいのか、受給期間延長や他の制度を確認した方がいいのか相談したいです」

制度を完璧に理解してから行く必要はありません。分からないから相談する場所がハローワークです。

まとめ:失業保険は金額だけでなく、最初の入金までの生活費で考える

失業保険の目安は、退職前6か月の賃金、年齢、退職理由、雇用保険の加入期間で決まります。ざっくり言えば、月収25万円の人なら月17万円前後、90日分で約51万円が一つの目安です。

ただし、実際の金額はハローワークの審査で決まります。不安な人がやることは、次の3つです。

  • 退職前6か月の総支給額を確認する
  • 自己都合・会社都合・特定理由離職者のどれになりそうか確認する
  • 最初の入金までの生活費を逆算する

失業保険は、退職後の生活をずっと支えてくれる制度ではありません。でも、焦って合わない会社に飛び込まないための時間は作れます。

金額だけを見て不安になるより、給与明細、離職票、退職理由、生活費を書き出してください。そのうえでハローワークに相談すれば、自分の場合の現実的な金額と動き方が見えてきます。

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