離職票が届いて確認すると、
「退職勧奨だったのに自己都合退職になっている」
「契約更新を希望していたのに『更新を希望しなかった』ことになっている」
「会社から辞めるよう言われたのに『一身上の都合』と書かれている」
ということがあります。
この場合、会社が記載した離職理由をそのまま受け入れる必要はありません。
離職票の内容と実際の退職理由が違うなら、失業保険の受給手続きでハローワークに異議があることを伝えられます。
そして重要なのは、
会社が自己都合と書いたから、雇用保険上も自己都合で確定するわけではない
という点です。
会社と本人の説明が食い違った場合は、
- 会社の主張
- 本人の主張
- 退職届
- メールやチャット
- 雇用契約書
- 解雇通知書
- 勤怠記録
- 給与明細
などを確認したうえで、最終的にハローワークが離職理由を判定します。
そのため会社が訂正してくれなくても、失業保険の申請を諦める必要はありません。
まず対応の流れだけ確認すると次のとおりです。
① 離職票-2の離職理由を確認
↓
② 実際と違うなら「異議あり」とする
↓
③ 自分が正しいと考える離職理由と退職までの経緯を書く
↓
④ その経緯を確認できる資料を集める
↓
⑤ 離職票と資料を持ってハローワークで受給手続きをする
↓
⑥ ハローワークが会社側にも確認して離職理由を判定する
「会社と話がつくまでハローワークへ行けない」という手続きではありません。
- 離職理由が違ったら最初に確認すること
- 「異議あり」はどう書けばいい?
- 「異議あり」と書けば自動的に会社都合になるわけではない
- 具体的事情欄は「結論」より「経緯」を書く
- ハローワークで離職理由を決めるのは誰?
- 離職理由が違うと何が変わる?
- 「自己都合」と「会社都合」だけで考えない
- 退職勧奨なのに自己都合と書かれている場合
- 退職届を書いたら自己都合で確定する?
- 解雇なのに自己都合になっている場合
- 契約更新を希望していたのに「更新希望なし」と書かれた場合
- パワハラで辞めたのに「一身上の都合」になっている場合
- 「毎日メモしていた」だけでも証拠になる?
- 賃金が下がったことを理由に辞めた場合
- 残業が多すぎて辞めた場合
- 求人票と実際の仕事内容が違った場合
- 証拠は何が一番重要?
- 証拠が何もない場合でも「異議あり」は言える?
- 証拠をハローワークへ持って行くときは時系列にする
- 会社が「そんなことは言っていない」と否定したら?
- 会社に訂正してもらってから受給申請したほうがいい?
- 会社が「もう離職票を出したから変更できない」と言ったら?
- 退職時に「異議なし」としてしまったら?
- 離職理由の調査中は失業保険の手続きが全部止まる?
- ハローワークで何を言えばいい?
- ケース別|離職理由が違うときの対応
- 最終的な離職理由はどこで確認できる?
- ハローワークの判断にも納得できない場合
- よくある質問
- まとめ|会社が「自己都合」と書いても、それだけで決まらない
- 参考資料
離職理由が違ったら最初に確認すること
まず離職票-2の「離職理由」を確認します。
会社が選んだ項目だけでなく、具体的事情がどう書かれているかも見てください。
たとえば、
労働者の個人的な事情による離職
具体的事情
一身上の都合により退職
となっているケースがあります。
実際に自分から転職を希望して辞めたのであれば問題ありません。
しかし実際は、
「会社から退職してほしいと言われた」
のであれば話が変わります。
まずこの3つを自分で整理する
ハローワークへ行く前に、次の3点を整理しておきましょう。
1.誰から退職の話を出したのか
自分からなのか、会社からなのか。
2.会社から何と言われたのか
「辞めてもらいたい」
「契約更新はしない」
「来月から給料を下げる」
などです。
3.その出来事が退職につながったのか
単に会社への不満があっただけなのか、その出来事が直接の退職理由だったのかを整理します。
これだけでも窓口でかなり説明しやすくなります。
「異議あり」はどう書けばいい?
離職票には、会社が記載した離職理由について本人側の考えを記載する欄があります。
様式では、
「事業主が○を付けた離職理由に異議 有り・無し」
という欄が設けられているものがあります。
会社の記載と実際の退職理由が違うなら、**「有り」**に○を付けます。
さらに離職理由欄では、離職者側で自分が該当すると考える離職理由を選びます。
そのうえで、
「具体的事情記載欄(離職者用)」
に実際の退職経緯を書きます。
単に、
「会社都合です」
だけで終わらせないことが重要です。
「異議あり」と書けば自動的に会社都合になるわけではない
ここは勘違いしないようにしてください。
離職票で「異議あり」にすれば、その瞬間に会社都合へ変更されるわけではありません。
「異議あり」は、
「会社が記載した退職理由には同意していません」
という本人の意思表示です。
その後、ハローワークが事実確認を行います。
会社側にも、
「本人は退職勧奨だったと主張していますが、会社ではどういう経緯だったのですか」
などの確認が行われることがあります。
そのうえでハローワークが雇用保険上の離職理由を決定します。
具体的事情欄は「結論」より「経緯」を書く
具体的事情欄へ、
「会社都合退職です」
「パワハラです」
だけを書くより、
いつ・誰から・何を言われて・どう退職したのか
を書いたほうが伝わります。
たとえば退職勧奨なら次のような内容です。
8月5日に人事部長から人員削減のため退職してほしいと言われた。自分から退職を希望したものではなく、会社からの退職勧奨を受け、8月31日付で退職した。
契約満了なら、
契約更新を希望し、7月10日に上司へその旨を伝えていたが、7月20日に会社から次回契約は更新しないと通知され、契約満了により退職した。
という形です。
ポイントは、
「なぜ自分はこの離職理由だと考えているのか」が第三者にも分かるように書くこと
です。
ハローワークで離職理由を決めるのは誰?
最終的に判断するのはハローワークです。
会社が離職証明書を作成する段階では、会社側が考える離職理由を記載します。
しかし失業保険の受給手続きでは、ハローワークが本人にも離職理由を確認します。
会社と本人の主張が違う場合は、双方の説明や資料から事実確認を行います。
つまり、
会社の離職票は「最終判定」ではありません。
離職理由に異議があるなら、受給手続きのときに伝える意味があります。
離職理由が違うと何が変わる?
離職理由は、単なる書類上の名称ではありません。
雇用保険の扱いが変わる場合があります。
自己都合退職なら給付制限がある
2025年4月1日以降の正当な理由のない自己都合退職では、7日間の待期満了後、原則として1か月の給付制限があります。
過去5年間に正当な理由のない自己都合退職による受給資格決定を2回以上受けている場合などは、3か月になる場合があります。
一方、倒産・解雇などによる離職や、一定のやむを得ない理由による離職では、この自己都合による給付制限がかからない場合があります。
受給に必要な雇用保険期間が変わることもある
通常、基本手当の受給資格には、
離職前2年間に被保険者期間12か月以上
が必要です。
一方、倒産・解雇など一定の離職理由では、
離職前1年間に6か月以上
で受給資格を満たす場合があります。
加入期間が短い人では、離職理由の違いが「失業保険を受給できるか」そのものに影響することもあります。
所定給付日数が変わることもある
年齢や雇用保険の加入期間によっては、特定受給資格者になることで所定給付日数が増える場合もあります。
ただし、
「会社都合になれば全員必ず給付日数が増える」
わけではありません。
年齢や加入期間によって同じ日数になる人もいます。
国民健康保険料の軽減に関係することもある
特定受給資格者や一定の特定理由離職者は、国民健康保険料・税の軽減対象になる場合があります。
失業保険だけでなく、離職後の負担にも関係する可能性があります。
「自己都合」と「会社都合」だけで考えない
一般的には、
「自己都合退職」
「会社都合退職」
と分けて話すことが多いですが、雇用保険上の離職理由はもっと細かく分類されています。
たとえば、
- 解雇
- 退職勧奨
- 倒産
- 雇止め
- 賃金の大幅低下
- 賃金の未払い
- 過度な時間外労働
- 採用時の労働条件との著しい相違
- 著しい嫌がらせやハラスメント
- 病気・けが
- 家族の介護
- 配偶者の転勤による通勤困難
などがあります。
そのためハローワークでは、
「会社都合にしてください」
という希望だけでなく、
実際にどの離職理由に当てはまるのか
を確認します。
退職勧奨なのに自己都合と書かれている場合
かなり重要なケースです。
たとえば会社から、
「今の部署ではもう仕事がない」
「できれば今月末で辞めてもらいたい」
「退職届を出してくれませんか」
と働きかけられ、その結果退職したとします。
離職票には、
一身上の都合による退職
と書かれていました。
この場合は、
「自分から転職したくて辞めたのではなく、会社からの退職勧奨を受けて退職した」
と異議を申し立てます。
持って行きたい資料
- 退職勧奨通知書
- 会社からのメール
- SlackやTeamsなどのチャット
- 面談記録
- 録音
- 希望退職募集の資料
などです。
正式な「退職勧奨通知書」がない会社も多いため、メールやチャットなどでも経緯が分かれば持って行きましょう。
退職届を書いたら自己都合で確定する?
必ずしもそうとは限りません。
たとえば会社から、
「退職届を出してくれれば手続きを進めます」
と言われ、
「一身上の都合により退職します」
という退職届を提出してしまうことがあります。
この退職届は、会社側が自己都合退職だと説明する資料にはなり得ます。
しかしハローワークは、退職届だけを見るとは限りません。
その前に、
- 会社から退職を求められていた
- 人員削減の説明があった
- 退職届を提出するよう指示された
などの事情があるなら、その経緯も伝えます。
つまり、
退職届を提出した=絶対に自己都合
とは限りません。
ただし会社と本人の説明が食い違いやすいので、その前後のやり取りを確認できる資料が重要になります。
解雇なのに自己都合になっている場合
会社から解雇されたのに自己都合退職として処理されている場合は、解雇を確認できる資料を持参します。
たとえば、
- 解雇予告通知書
- 解雇通知書
- 退職証明書
- 会社からのメール
- 就業規則
などです。
「○月○日付で解雇します」と明記された書類があれば、重要な確認資料になります。
契約更新を希望していたのに「更新希望なし」と書かれた場合
契約社員・パート・派遣社員などでは特に注意したい部分です。
たとえば、
- 6か月契約を繰り返し更新していた
- 今回も本人は更新を希望していた
- 会社から「次回は更新しない」と言われた
にもかかわらず、離職票が、
「契約更新の希望なし」
となっているケースです。
この場合、本人が契約更新を希望していたことをハローワークへ伝えます。
証拠になりやすい資料
- 雇用契約書
- 過去の雇用契約書
- 雇止め通知書
- 更新確認メール
- 「次回も勤務したい」と伝えたメールやチャット
などです。
特に、
更新を希望していたことを退職前に伝えた記録
があるなら持参しましょう。
パワハラで辞めたのに「一身上の都合」になっている場合
パワハラや著しい嫌がらせが理由で退職した場合も、単純な自己都合退職とは扱いが変わる可能性があります。
ただし、
「上司と相性が悪かった」
だけで直ちに該当するわけではありません。
ハローワークでは、
- 何をされたのか
- いつから続いていたのか
- どの程度繰り返されていたのか
- 会社へ相談したか
- 会社が対応したか
- それによって退職することになったのか
などを確認します。
持参したい資料
- 暴言などが記録されたメール
- LINEや社内チャット
- 録音
- 日時と内容を記録したメモ
- 人事・相談窓口への相談メール
- 配置転換の辞令
- 労働契約書
- 給与体系変更通知
などです。
証拠が1つだけで判定するのではなく、複数の事情から確認されることがあります。
「毎日メモしていた」だけでも証拠になる?
自分で作成したメモだけで必ず希望する離職理由になるわけではありません。
ただし、
- 何月何日
- 何時ごろ
- 誰から
- 何と言われたか
- 誰がその場にいたか
を具体的に残しているメモなら、退職経緯を説明する資料の一つになります。
可能なら、
- メール
- チャット
- 録音
- 相談記録
など他の資料と組み合わせたほうが事実関係を確認しやすくなります。
賃金が下がったことを理由に辞めた場合
給与が下がったことが退職理由なら、
「給料が安くなったから辞めた」
だけではなく、実際の変更内容を確認できる資料を用意します。
たとえば、
- 労働条件通知書
- 雇用契約書
- 賃金変更通知書
- 給与明細
- 就業規則
などです。
変更前と変更後を比較できるようにしておくと分かりやすくなります。
雇用保険上の離職理由には賃金低下について具体的な判断基準があるため、単に少し給料が下がっただけで必ず特定受給資格者になるわけではありません。
最終判断はハローワークが行います。
残業が多すぎて辞めた場合
長時間労働が退職理由だった場合は、
- タイムカード
- 勤怠システム
- シフト表
- パソコンのログ
- 給与明細
- 残業申請記録
などを確認します。
「毎日遅くまで働いていた」
という説明だけでなく、
具体的に何時間働いていたのか
を確認できる資料が重要です。
過度な時間外労働についても雇用保険上の具体的な判定基準があります。
自分で該当すると断定せず、勤怠記録を持ってハローワークへ相談しましょう。
求人票と実際の仕事内容が違った場合
求人では、
「一般事務・残業なし・月給25万円」
だったのに、
実際には、
「営業職・毎日残業・月給20万円」
だったというように、採用時に示された条件と実際の労働条件が大きく違う場合があります。
このような場合は、
- 求人票
- 求人サイトの画面
- 労働条件通知書
- 雇用契約書
- 給与明細
- 実際の仕事内容が分かる資料
を用意します。
求人ページは退職する頃には削除されていることもあります。
問題が発生している段階でスクリーンショットやPDFを残しておくと確認しやすくなります。
証拠は何が一番重要?
退職理由によって違うため、
「これを1枚持って行けば必ず勝てる」
という書類はありません。
考え方としては、退職原因そのものを直接確認できる資料から集めると分かりやすいでしょう。
まず探したい資料
- 解雇通知書
- 退職勧奨通知書
- 雇止め通知書
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
- 会社から送られたメール・チャット
次に補足になる資料
- 給与明細
- タイムカード
- シフト
- 録音
- 面談メモ
- 人事への相談記録
証拠の数より、
「この資料から何が分かるのか」
が重要です。
証拠が何もない場合でも「異議あり」は言える?
言えます。
証拠が手元にないからといって、実際と違う離職理由をそのまま受け入れる必要はありません。
受給手続きの際に、
「離職理由に異議があります」
と伝えてください。
ただし会社と本人の説明が食い違い、客観的資料もまったくない場合は、事実確認が難しくなることがあります。
そのため、
「証拠がない」
と思っても、まず次のものを探してみましょう。
- 会社からのメール
- LINE
- Slack・Teams
- 給与明細
- 勤怠表
- 雇用契約書
- スケジュール帳
- 面談予定
- 人事への相談履歴
意外なところに退職経緯を確認できる記録が残っていることがあります。
証拠をハローワークへ持って行くときは時系列にする
資料が10枚、20枚ある場合は、そのまま窓口へ出すより整理しておいたほうが説明しやすくなります。
たとえば退職勧奨なら、
8月1日
上司から業績悪化について説明
8月5日
人事から退職を検討してほしいと言われる
8月10日
人事から退職日についてメール
8月15日
退職届を提出
8月31日
退職
と1枚にまとめます。
その横に、
- 資料① 8月5日の面談メモ
- 資料② 8月10日のメール
- 資料③ 退職届
と付ければ経緯が伝わりやすくなります。
会社が「そんなことは言っていない」と否定したら?
ここが「異議あり」の手続きの意味です。
本人が、
「退職勧奨だった」
と主張し、
会社が、
「本人が勝手に辞めた」
と主張することがあります。
この場合、会社が否定したから即自己都合になるわけではありません。
ハローワークが、
- 本人の説明
- 本人の資料
- 会社の説明
- 会社の資料
を確認します。
必要があれば、離職票を発行したハローワークから会社へ追加の事実確認が行われます。
最終的な離職理由は、その調査を踏まえてハローワークが判定します。
会社に訂正してもらってから受給申請したほうがいい?
単純な記載ミスなら、会社へ訂正してもらえる可能性があります。
会社へ、
「退職勧奨だったのに自己都合になっています」
と確認しても構いません。
ただし会社が、
「当社としては自己都合です」
と主張するなら、その話し合いが終わるまで待ち続ける必要はありません。
離職票を持ってハローワークへ行き、
「この離職理由には異議があります」
と伝えて受給手続きを進めましょう。
会社が「もう離職票を出したから変更できない」と言ったら?
それでもハローワークへ申し出られます。
離職票がすでに発行されているからこそ、受給手続きで本人へ離職理由の確認が行われます。
会社が記載内容を訂正しない場合でも、本人から異議を申し立てる仕組みがあります。
「会社が直してくれなければ終わり」ではありません。
退職時に「異議なし」としてしまったら?
会社から退職時に離職証明書を見せられ、
「ここに名前を書いてください」
と言われて、そのまま署名してしまった人もいるでしょう。
後から離職票を見て、
「こんな理由になっているとは思わなかった」
と気付くことがあります。
ハローワークでは、離職票を受理するときにも、離職理由などの記載内容に異議がないか本人へ改めて確認する取扱いになっています。
そのため実際の事情と違うなら、受給手続きのときに担当者へ伝えてください。
「一度署名したから何も言えない」と決めつける必要はありません。
離職理由の調査中は失業保険の手続きが全部止まる?
会社と本人の主張が違うと、その場で離職理由を決められないことがあります。
ハローワーク内部の取扱いでは、離職理由などが給付制限や受給資格、所定給付日数などに重大な影響を与え、確認に時間が必要な場合には、離職票を発行したハローワークへ照会します。
回答まで時間がかかる場合は、必要に応じて受給資格の仮決定に準じた処理を行うことも示されています。
そのため、
「離職理由でもめているから会社と決着するまで失業保険を申請しない」
という対応は避けたほうがよいでしょう。
離職票が届いたら早めにハローワークへ相談してください。
ハローワークで何を言えばいい?
窓口では、最初に一言、
「離職票に記載されている離職理由に異議があります」
と伝えれば大丈夫です。
その後は次の順番で説明すると分かりやすくなります。
1.離職票には何と書かれているか
「労働者の個人的事情による退職になっています」
2.実際は何があったか
「会社から人員削減のため辞めてほしいと言われました」
3.いつ誰から言われたか
「8月5日の面談で人事部長から言われました」
4.何を証明できるか
「8月10日に届いた退職日の相談メールを持っています」
ここまで整理できれば、後は担当者から必要な確認を受けます。
ケース別|離職理由が違うときの対応
ケース1|退職勧奨なのに自己都合
異議を申し立てる価値があるケースです。
会社から退職を働きかけられた経緯を説明します。
退職勧奨通知、メール、チャット、録音などを持参します。
ケース2|解雇なのに自己都合
解雇通知書や解雇予告通知書などを持参します。
会社が自己都合としている理由について確認を求めます。
ケース3|契約更新を希望していたのに「更新希望なし」
更新希望を会社へ伝えていたことが分かる資料を用意します。
雇用契約書や雇止め通知も持参しましょう。
ケース4|パワハラ退職なのに「一身上の都合」
何がいつから続いていたのかを時系列でまとめます。
メール、チャット、録音、人事への相談記録などがあれば持参します。
ケース5|給与を大幅に下げられて退職
変更前後の給与が分かる、
- 給与明細
- 賃金変更通知
- 労働契約書
などを用意します。
ケース6|求人条件と実態が違って退職
求人票と実際の労働条件を比較できる資料を用意します。
求人画面が残っているなら保存しておきましょう。
最終的な離職理由はどこで確認できる?
ハローワークで受給資格が決定すると、雇用保険受給資格者証などで離職理由コードを確認できます。
離職票に会社が書いた文章だけでなく、ハローワークが最終的にどの離職理由として判定したかを確認してください。
特定受給資格者・特定理由離職者に該当する場合は、国民健康保険料の軽減に利用できるケースもあるため、離職理由コードも確認しておくとよいでしょう。
ハローワークの判断にも納得できない場合
本人と会社双方の主張を確認した結果、ハローワークが離職理由を決定します。
それでも、
「提出した証拠が考慮されていない」
「事実関係が違う」
など、その処分に不服がある場合は、雇用保険審査官へ審査請求できる制度があります。
原則として、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内です。
具体的にどの決定が審査請求の対象になるのかなどは、ハローワークや都道府県労働局へ確認してください。
よくある質問
離職票が自己都合になっています。会社都合に変更できますか?
会社が自己都合と記載しただけで最終確定するわけではありません。
実際の退職理由が違うなら、ハローワークへ異議を申し立ててください。
本人と会社双方の説明と資料から、ハローワークが最終的に離職理由を判定します。
「異議あり」にすれば会社都合になる?
自動的にはなりません。
「異議あり」は会社の記載に同意していないという意思表示です。
実際の退職経緯について事実確認が行われます。
退職届に「一身上の都合」と書いてしまったら無理?
それだけで必ず自己都合と決まるわけではありません。
退職届を提出する前に会社から退職を勧められていたなどの事情があるなら、その経緯を説明してください。
会社が退職勧奨を否定しています
会社が否定しただけで決まるわけではありません。
本人と会社双方の説明と資料をハローワークが確認します。
証拠がありません
証拠がない状態でも、実際の離職理由と違うなら異議があることを伝えてください。
ただし客観的な確認資料が少ないほど事実確認が難しくなる場合があります。
メールや給与明細、勤怠記録などが残っていないか探してみましょう。
録音があれば会社都合になりますか?
録音だけで自動的に離職理由が決まるわけではありません。
録音内容を含め、退職までの経緯や他の資料と合わせてハローワークが判断します。
会社に訂正してもらってからハローワークへ行く?
会社へ確認しても構いませんが、訂正されるまで受給手続きを止める必要はありません。
離職票を持ってハローワークへ行き、異議があることを伝えてください。
すでに離職票へ「異議なし」としてしまいました
受給手続き時に実際の事情と違うことを担当者へ伝えてください。
ハローワークでは離職票を受理する際にも、離職理由などについて本人へ確認する取扱いになっています。
まとめ|会社が「自己都合」と書いても、それだけで決まらない
離職票の退職理由が実際と違う場合は、そのまま受け入れる必要はありません。
最も重要なのは、
会社が離職票に何と書いたかではなく、実際にどのような経緯で退職したのか
です。
離職票が違っていたら、
① 離職理由を確認する
↓
② 「異議あり」とする
↓
③ 自分が考える離職理由と具体的な経緯を書く
↓
④ メール・契約書・通知書などを集める
↓
⑤ ハローワークで受給手続きと同時に異議を申し立てる
という順番で対応します。
特に、
- 退職勧奨
- 解雇
- 雇止め
- パワハラ
- 大幅な賃金低下
- 長時間労働
- 採用時と実際の条件の違い
などが退職理由なら、関連する資料を探しておきましょう。
会社が、
「本人都合です」
と主張しても、それだけで決定するわけではありません。
本人と会社双方の主張と確認資料を調べたうえで、最終的な離職理由を決めるのはハローワークです。
そして会社との話し合いが終わらないからといって、失業保険の受給手続きを何週間も止めないことも重要です。
離職票が届いたら、
「離職理由に異議があります」
と伝え、正しい離職理由で判定してもらいましょう。


