job tagの年収は未経験でももらえる?求人賃金との違いと見方

job tagの年収と未経験求人の給与の違いを整理する図 未経験の仕事選び・資格比較

job tagで気になる仕事を調べたら、年収は高いのに、実際に見つかる未経験可の求人は月給が低い。どちらを参考にすればよいのか迷うことがあります。

job tagの年収は、未経験で入社したときにもらえる金額ではありません。すでに働いている人の給与統計から計算した値で、経験年数や年齢が違う人も含まれます。同じページの「求人賃金」も、未経験者だけの採用条件を集めた数字ではありません。

仕事選びでは、年収で職種の大まかな水準をつかみ、統計の対象・経験年数・地域を確認したうえで、自分が応募できる求人の条件へ進むと使いやすくなります。この記事では、job tagにある3種類の賃金データを読み分け、応募先で何を確認すればよいかを整理します。

情報確認日:2026年9月11日。掲載例は同日時点のjob tag全国値です。データの更新後は、各職業ページに表示される調査年・年度も確認してください。

job tagの「年収」「経験年数別の給与」「求人賃金」は何が違う?

まずは、同じ職業ページにあっても、すべてが「入社時の給料」を表しているわけではないと押さえましょう。

job tagの表示 何を表す数字か 未経験で仕事を探すときの使い方
賃金(年収) 働いている人の月例給与と年間賞与などから計算した年収 職業分類全体の水準を見る。自分の初年度年収とは分ける
経験年数別の所定内給与額 経験年数の区分ごとに見た、超過労働給与額を除く月の給与 経験の浅い層も確認する。年収グラフと取り違えない
求人賃金(月額) ハローワーク求人に示された賃金の集計 募集時の水準をつかみ、応募資格や勤務条件の合う個別求人へ進む

公式の留意事項では、年収の計算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」とされています。つまり、基本給だけを12倍した額ではありません。経験年数別のグラフは「所定内給与額」であり、こちらも年収を12で割った数字とは異なります。

出典:job tag「統計データに関する留意事項」

年収には残業代や賞与が関係し、手取り額でもない

計算に使う「きまって支給する現金給与額」には、基本給や各種手当に加え、超過労働給与額も含まれます。税金や社会保険料を引く前の額なので、そのまま生活費に使える手取り額とも違います。

また、元の調査は月の給与と賞与の対象期間が同一ではありません。月の給与は調査年の6月分、賞与などは原則として前年1年間が対象です。job tagの年収は、こうした調査値を使った計算額であり、一人ひとりの源泉徴収票の年収をそのまま集計したものではありません。

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査・調査の概要」

未経験者が年収を読むときは、職業分類と経験を確認する

その職種だけの統計とは限らない

job tagの職業紹介と、元の統計の職業分類は、必ずしも一対一ではありません。紹介されている仕事を含む、より広い分類の数字が表示される場合があります。

たとえば仕事内容の細かな違う職業で同じ年収が表示されても、それだけで各職業の給与が同じだとは判断できません。統計データ付近の注記と「職業分類との対応」を確認し、自分が目指す仕事以外の職種を含む数字かを見ます。

同じ職種名の求人でも、補助作業から始める人と、設計・管理まで担当する人では採用条件が異なります。分類を確認した後は、求人の「仕事内容」に戻ることが必要です。

平均年齢が自分に近くても、経験年数まで同じとは限らない

職業ページの「年齢」は、統計上の平均年齢です。自分と近い年齢だからといって、その年収を未経験で得られるとは限りません。40歳で初めて就く人と、同じ仕事を長く続けてきた40歳の人は、仕事の経験が違います。

全国の賃金分布にある「経験年数別の所定内給与額」も確認してください。経験の浅い区分を見るときも、地域、勤務先、資格、担当業務まで自分と一致するとは限りません。経験の浅い人の統計も、あなたへの給与提示ではないという位置づけで使います。

なお、年齢別の年収グラフは同じ人を何十年も追跡した昇給表ではありません。「今この年齢なら、数年後に必ずこの年収になる」という読み方は避けましょう。

具体例:年収381.9万円と求人賃金24.5万円はどう比べる?

job tagの「訪問介護員/ホームヘルパー」を、数字の読み方の例にします。2026年9月11日に確認した全国の表示は次のとおりです。介護職への就職を勧める比較や、未経験者の給与モデルではありません。

確認した項目 表示値 データの時期
賃金(年収) 381.9万円 令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査
年齢 51.2歳 同調査の平均年齢
求人賃金(月額) 24.5万円 令和7年度(2025年度)のハローワーク求人統計

出典:job tag「訪問介護員/ホームヘルパー」。表示は対応する職業分類の統計で、必ずしも紹介職業だけの値ではありません。

求人賃金24.5万円を12倍すると294万円です。年収381.9万円との差は87.9万円ありますが、この差を「平均ボーナス87.9万円」と考えることはできません。

年収は働いている人の調査、求人賃金は募集時の賃金の集計です。集計対象も給与の含め方も異なり、同じ人の「月給と年収」を比べているわけではないからです。同じ理由で、この差だけから「求人の給与が不当に低い」とも判断できません。

ここから分かるのは、2つの値が違っていても矛盾とは限らないということです。自分の初年度年収を見積もるには、応募先が自分に提示する月給、手当、初年度の賞与条件を別に確認します。

job tagから自分に合う求人へ進む確認順

1.仕事内容を読んでから、統計の対象を確かめる

年収の大きさだけで候補を決めず、職業紹介の仕事内容と、就くための知識・資格を読みます。そのうえで統計の注記を見て、紹介職業と集計上の分類の対応を確認してください。

自分が考えている「事務」「IT」「設備の仕事」が、画面に出ている具体的な職業と同じかも確認します。職種名が似ているだけで、別の仕事の年収を応募先の相場にしないためです。

2.年収だけでなく、平均年齢と経験年数別の給与を見る

年収の隣にある年齢と、全国の賃金分布のグラフを合わせて読みます。「年齢別の年収」と「経験年数別の所定内給与額」では、単位だけでなく給与の内容も違います。グラフを切り替えた後は見出しを確認しましょう。

表示されない区分があっても、給料が0円という意味にはなりません。確認できない数字を推定して埋めず、応募できる個別求人の条件で判断します。

3.地域と調査年・年度をそろえて求人賃金を見る

全国の数字を見た後は、地域の選択欄で希望する都道府県の値を確認します。ただし、県全体の求人賃金と、自宅から通える範囲の求人条件にも差はあります。

データの時期にも注意してください。2026年9月11日時点の公式案内では、年収・平均年齢・賃金分布は令和7年調査、年度の求人賃金は令和7年度です。求人賃金には月ごとの表示もあり、年度平均と単月値を混ぜて比較しないようにします。

job tagのお知らせが更新された日と、すべての数字の更新日が同じとは限りません。使うデータの対象時期は、公式の留意事項でも確認できます。

4.未経験可の求人を探し、自分に適用される金額を確認する

統計の確認が済んだら、希望勤務地、雇用形態、経験・資格の条件をそろえて求人を比べます。「未経験可」でも資格が必要な場合や、月給の上限が経験者を想定している場合があります。求人の下限額も、確認せずに自分の確定給与とは扱いません。

ハローワークの事業主向け案内でも、未経験者と経験者の初任給を分けて示す例や、支給条件のある手当を説明する例が紹介されています。幅のある求人では、次のように自分の条件を伝えて確認すると具体的な答えを得やすくなります。

  • 「この仕事は未経験で、保有資格は〇〇です。採用時の基本給と毎月の手当はいくらになりますか」
  • 「表示の月給に固定残業代は含まれますか。金額と対象時間、超過分の扱いを教えてください」
  • 「資格・住宅・夜勤などの手当のうち、入社直後の私に付くものはどれですか」
  • 「試用期間中に給料が変わりますか。入社初年度の賞与には在籍期間の条件がありますか」

出典:ハローワークインターネットサービス「応募したくなる求人へ!」

初年度年収は、統計との差額ではなく応募先の条件で計算する

たとえば、自分に適用される月給が24万円だと確認でき、同じ月給で12か月働くと仮定した場合、月給部分は24万円×12か月=288万円です。ここに足す賞与や追加の手当は、job tagとの年収差から補うのではなく、応募先の条件で確認します。

「賞与あり」「前年度2か月分」と書かれていても、入社したばかりの自分に同じ額が出るとは限りません。初年度の対象期間や算定基礎が分からないうちは、月給部分と未確定の賞与を分けておくと、期待額だけで転職を決めずに済みます。途中入社なら、その年に働く月数も12か月とは異なります。

職業訓練を修了して初めて求人票を比較する場合は、基本給・手当・固定残業代・試用期間を分ける詳しい見方も確認できます。

職業訓練修了後の初任給はいくら?求人票の賃金の見方
訓練修了後の初任給を、求人票の基本給・手当・固定残業代・試用期間に分けて読み解きます。

job tagは、気になる仕事の収入を調べる出発点として使えます。表示年収がそのまま自分の給与になると考えるのではなく、「どの職業分類の、どの経験層の、何を含む数字か」を確認してから、応募先の具体的な条件へ進みましょう。