SESでも、退職代行を使って辞めることはできます。
私もSES時代に、退職代行を使って会社を辞めました。
使う前は、PCや入館証の返却、客先への連絡、営業からの連絡が不安でした。
でも実際には、退職代行を通して会社に連絡してもらい、返却物も会社の指示に従って対応する流れでした。
ただ、当時の私が本当に怖かったのは、退職代行の手続きそのものではありません。
一番怖かったのは、次の仕事が決まっていないことでした。
「辞めたら生活はどうなるのか」
「またSESに戻るしかないのか」
「今のスキルで転職できるのか」
そう考えると、辞めたいのに動けませんでした。
でも、退職後の選択肢は「すぐ転職する」だけではありません。
少し休む。
ハローワークで相談する。
職業訓練で学び直す。
その後に転職する。
そういう立て直し方もあります。
私の場合、退職後に職業訓練を利用したことで、少しずつ生活と気持ちを立て直せました。
この記事ではまず、次が決まっていない状態からどう立て直したのかを話します。
その後で、SESで退職代行を使うときの不安や、事前に整理しておいたほうがいいことを説明します。

次が決まっていなくても、職業訓練で立て直せる場合がある
次の仕事が決まっていない状態で退職するのは、不安です。
私もそうでした。
辞めたら収入がなくなる。
貯金が減っていく。
次の会社が見つかるか分からない。
またSESに戻るしかないのかもしれない。
そう考えると、退職したくてもなかなか動けませんでした。
でも、退職後の選択肢は「すぐ転職する」だけではありません。
職業訓練という選択肢もあります。
職業訓練は、再就職を目指す人がスキルや知識を学び直せる制度です。
IT、Web制作、プログラミング、インフラ、CAD、事務など、地域によってさまざまなコースがあります。
雇用保険を受けながら通える場合もあります。
雇用保険を受けられない人向けの訓練制度もあります。
ただし、誰でも必ず希望どおりに受けられるわけではありません。
住んでいる地域、開講時期、雇用保険の状況、ハローワークでの判断によって変わります。
だからこそ、退職後に不安があるなら、まずハローワークで相談してみることが大事です。
「次が決まっていないから終わり」ではありません。
辞めたあとに、学び直してから転職する道もあります。
私が退職後に職業訓練を選んだ理由
私が職業訓練を選んだ理由は、すぐに転職する自信がなかったからです。
当時の私は、エンジニアとしての経験が浅く、スキルにも自信がありませんでした。
SESの現場で消耗していたこともあり、また同じような環境に戻るのが怖かったです。
焦って転職先を決めたら、また似たような現場に入ってしまう気がしました。
だから、すぐに求人へ応募するよりも、一度立ち止まって学び直したいと思いました。
職業訓練では、基礎から学び直す時間がありました。
それだけでなく、自分が今後どう働きたいのかを考える時間もできました。
退職直後は、気持ちにも余裕がありません。
その状態で転職活動をすると、条件を冷静に見られないことがあります。
「とにかく早く決めないと」
「空白期間を作ったらまずい」
「どこでもいいから入らないと」
そう考えてしまうと、また苦しい環境を選んでしまうことがあります。
私にとって職業訓練は、スキルを学ぶ場所であると同時に、焦って次を決めないための時間でもありました。
結果として、その後エンジニアとして再就職できました。
もちろん、職業訓練に行けば必ずうまくいくわけではありません。
でも、次が決まっていない状態から立て直す選択肢としては、かなり現実的でした。
職業訓練が向いている人
職業訓練は、全員に必要なものではありません。
すぐに転職できる人や、すでに行きたい会社が決まっている人は、早めに転職活動を進めたほうがいい場合もあります。
一方で、次のような人には向いていると思います。
- 今のスキルのまま転職するのが不安
- また同じようなSES現場に行きたくない
- 一度基礎から学び直したい
- すぐ働く気力が残っていない
- 退職後の時間を使って方向性を考えたい
- 面接で話せる材料を作りたい
特に、SESで経験が浅いまま現場に入ってつらくなった人は、自信をなくしていることが多いです。
私もそうでした。
「自分はエンジニアに向いていないのではないか」
「この程度のスキルでは転職できないのではないか」
そう思っていました。
でも、現場が合わなかったことと、エンジニアとして続けられないことは別です。
基礎を学び直すことで、自分に足りないものが少しずつ見えてきます。
何ができないのか分からない状態より、何を学べばいいか分かる状態のほうが前に進みやすいです。
職業訓練は、そのきっかけになります。
ハローワークではこう聞けばいい
職業訓練が気になるなら、ハローワークで難しく説明する必要はありません。
そのまま、こう聞けば大丈夫です。
「SESで働いていたのですが、退職後の進路に迷っています。IT系やWeb系の職業訓練があるか知りたいです」
これで話は始められます。
あわせて、次のように伝えると相談しやすくなります。
「次の仕事がまだ決まっていません」
「今のスキルのまま転職するのが不安です」
「失業保険を受けられるか知りたいです」
「職業訓練を受けながら再就職を考えたいです」
「自分の地域で申し込めるコースがあるか知りたいです」
大事なのは、制度を完璧に調べてから行こうとしないことです。
退職直後は、調べるだけでも疲れます。
分からない状態のままでもいいので、まず相談して大丈夫です。
ハローワークでは、雇用保険の状況や地域の開講状況を見ながら案内してもらえます。
自分が使える制度があるか。
いつ申し込めるのか。
どんなコースがあるのか。
失業保険と関係があるのか。
このあたりを確認できれば、退職後の不安は少し軽くなります。

職業訓練に行けば必ず成功するわけではない
職業訓練は、退職後の立て直しに役立つ選択肢です。
ただし、行けば必ず転職できるわけではありません。
ここは期待しすぎないほうがいいです。
職業訓練は、あくまで学び直しと再就職の準備をする場所です。
訓練を受けるだけで、勝手に良い会社へ入れるわけではありません。
訓練中にも、求人を見たり、応募書類を作ったり、面接対策をしたりする必要があります。
また、コース内容が自分の希望と合わない場合もあります。
たとえば、Web制作を学びたいのに、地域には事務系のコースしかない場合もあります。
プログラミングを学びたくても、開講時期が合わないこともあります。
だから、職業訓練を考えるなら、次の点は確認しておいたほうがいいです。
- 自分の地域でどんなコースがあるか
- 開講時期はいつか
- 受講期間はどれくらいか
- 失業保険との関係はどうなるか
- テキスト代などの自己負担はあるか
- 修了後の就職先はどんな分野が多いか
職業訓練は魔法ではありません。
でも、次が決まっていない状態で、何もせずに不安だけを抱えるよりは、かなり現実的な選択肢です。
私の場合も、職業訓練があったからすべて解決したわけではありません。
それでも、立て直すきっかけにはなりました。
そのうえで、限界なら退職代行を使うのも一つの手段
ここまで職業訓練の話をしてきました。
理由は、退職代行を使うか迷っている人にとって、本当に怖いのは「辞め方」よりも「辞めた後」だと思うからです。
辞めた後にどうするかが少し見えると、退職についても考えやすくなります。
そのうえで、今の職場が限界なら、退職代行を使うのも一つの手段です。
SESだからといって、退職代行が使えないわけではありません。
客先常駐中だと、次のような不安があると思います。
「案件途中だから辞められない」
「客先に迷惑がかかる」
「営業に怒られる」
「PCや入館証を返すために出社しないといけない」
「現場への説明を自分でしないといけない」
私も同じように不安でした。
でも、あなたの雇用主は基本的に客先ではなく自社です。
退職の意思を伝える相手も、基本的には自社です。
客先との調整や代替要員の手配は会社側の仕事です。
あなたが一人で全部背負う必要はありません。
もちろん、自分で普通に退職を伝えられるなら、それが一番です。
でも、もう営業と話す気力がない。
引き止められたら耐えられない。
出社するだけで限界。
そういう状態なら、退職代行を使うことも考えていいと思います。
私が退職代行を使った理由
私が退職代行を使った理由は、もう自分で退職を切り出す気力が残っていなかったからです。
自社そのものが極端なブラック企業だったわけではありません。
でも、常駐先の現場がきつかったです。
人が常にピリついていて、質問もしづらい。
長時間労働が当たり前になっていて、誰も余裕がない。
そんな現場でした。
当時の私はスキルにも自信がなく、「自分には選ぶ権利がない」と思っていました。
「この現場が無理なら、自分はどこでも通用しないのではないか」
そう考えて、無理を続けていました。
でも、朝起きるのがつらくなりました。
休日も仕事のことばかり考えるようになりました。
出勤前から気分が沈み、電車の中で「今日もあの現場に行くのか」と思うだけで苦しくなる。
そこまでいくと、退職を切り出すこと自体が重くなります。
退職理由を説明する。
引き止めに対応する。
現場への説明を考える。
返却物のことを考える。
その一つひとつがしんどくて、私は退職代行を使いました。
楽をしたかったというより、自分で会社とやり取りする力がもう残っていませんでした。
退職代行を使う前に不安だったこと
退職代行を使う前は、いろいろ不安でした。
本当に辞められるのか。
営業から直接連絡が来ないか。
客先に怒られないか。
損害賠償のような話をされないか。
PCや入館証はどう返せばいいのか。
SESの場合、客先が関係するので余計に不安になります。
ただ、退職代行を使えば、会社への連絡は代わりに進めてもらえます。
返却物も、会社の指示に従って郵送などで対応できる場合があります。
もちろん、すべてのケースで同じ対応になるわけではありません。
会社のルールや貸与物の内容によって変わります。
だから、退職代行に相談するときは、貸与物や客先常駐の状況を最初に伝えておくと話が進みやすいです。
また、未払い給与、有給、損害賠償、強い引き止めなどのトラブルがありそうな場合は、料金の安さだけで退職代行を選ばないほうがいいです。
交渉が必要になりそうなら、労働組合型や弁護士対応のサービスも含めて検討したほうが安心です。
退職代行を使う前に最低限整理しておくこと
退職代行を使う前に、余裕があれば最低限これだけ整理しておくと楽です。
- 貸与PC
- スマホやモニターなどの貸与物
- 入館証
- セキュリティカード
- 健康保険証
- 自社や客先に置いている私物
- 会社から届く書類の送付先
- 退職希望日
- 有給の残日数
- 会社から直接連絡してほしくない連絡先
完璧に準備できなくても大丈夫です。
限界のときに全部きれいにやろうとすると、それだけで動けなくなります。
まずは退職代行に相談して、返却物や書類のことも一緒に確認すれば大丈夫です。
ただ、退職後の生活を考えるなら、次の3つは早めに確認しておくと安心です。
- 退職後の生活費が何か月分あるか
- 離職票がいつ頃届くか
- ハローワークにいつ相談するか
退職代行は、会社とのやり取りを減らすための手段です。
退職後の生活を立て直すには、その後の行動も必要になります。
だからこそ、辞める前から全部決める必要はありませんが、「辞めた後に相談する場所」だけは持っておくと安心です。
まとめ
SESでも、退職代行を使って辞めることはできます。
でも、この記事で一番伝えたいのは「退職代行を使えば辞められる」という話だけではありません。
本当に伝えたいのは、次が決まっていなくても、辞めた後に立て直す道はあるということです。
私も、退職代行で辞めたときは次の仕事が決まっていませんでした。
生活も不安でした。
スキルにも自信がありませんでした。
またSESに戻るしかないのかもしれないと思っていました。
でも、退職後にハローワークで相談し、職業訓練を利用したことで、少しずつ立て直すことができました。
すぐ転職する。
少し休む。
職業訓練で学び直す。
その後に転職する。
退職後の進み方は一つではありません。
退職代行を使うか迷っているなら、「辞めるか我慢するか」だけで考えなくて大丈夫です。
今の環境から離れた後に、立て直す道もあります。
限界なら、まず自分を守ってください。
そのうえで、次にどう動くかを一つずつ考えれば大丈夫です。


