入社先に出す卒業証明書が学校の廃校で取れない|発行先の探し方と確認手順

入社書類・身元保証人

入社先から「卒業証明書を提出してください」と言われたので母校を調べたら、すでに廃校していた。

学校のホームページは消えている。電話番号も分からない。専門学校の場合は、運営していた学校法人の名前すら覚えていないことがあります。

この状態になると「廃校なら卒業証明書はもう取れないのでは?」と思ってしまいます。

しかし、学校がなくなっていても卒業証明書を発行してもらえる可能性があります。

閉校・統合後の学校、学校法人、教育委員会、都道府県などが卒業記録や証明書発行事務を引き継いでいる場合があるためです。

まずは次の順番で確認してください。

順番 やること
1 卒業した学校の正式名称と公立・私立を確認する
2 統合先・後継校がないか調べる
3 私立なら運営していた学校法人が残っていないか調べる
4 分からなければ学校があった自治体・都道府県の担当部署へ問い合わせる
5 卒業証明書を発行できるか確認する
6 発行できない、または期限に間に合わない場合は入社先へ相談する

ポイントは、なくなった学校そのものを探し続けるのではなく「卒業記録を現在どこが管理しているのか」を探すことです。

この記事では、廃校した高校・専門学校などの卒業証明書を入社先へ提出したい人向けに、発行先の探し方から、本当に発行できなかった場合の対応まで順番に解説します。

廃校していても卒業証明書を取れる可能性はある

最初に知っておきたいのは、「学校がない」と「卒業記録がない」は同じではないということです。

学校が統合された場合、後継校が旧学校の卒業証明書を発行していることがあります。

運営していた学校法人が残っていれば、法人側で卒業記録を管理している場合もあります。

さらに、設置者が解散した私立学校などでは、都道府県が指導要録等を引き継ぎ、卒業証明書を発行している例もあります。

たとえば埼玉県では、再編によって閉校した県立高校について、現在どの高校が卒業証明書等の発行事務を引き継いでいるのかを一覧で公開しています。

東京都でも、閉校した都立学校の証明書発行業務を別の都立学校が引き継ぐ仕組みになっています。

私立学校についても、島根県では、設置者が解散し県が指導要録等を引き継いでいる場合、県が卒業証明書等を交付しています。

そのため、母校のホームページが見つからないだけで「取れない」と判断するのは早いです。

まず見る表|あなたはどこへ問い合わせればいい?

卒業証明書の発行先は、学校が公立だったのか私立だったのか、閉校後にどこへ事務が引き継がれたのかによって変わります。

迷ったら次の表から確認してください。

卒業した学校 最初に確認するところ 見つからない場合
公立高校 統合先・後継校・証明書受付校 都道府県・市区町村の教育委員会など
私立高校 学校法人・統合先・後継校 学校があった都道府県の私学担当部署
私立専門学校 運営していた学校法人 学校があった都道府県の専修学校・私学担当部署
公立の専門学校等 後継施設・設置していた自治体 設置自治体の担当部署
大学・短大 後継大学・運営していた学校法人 閉学時の案内や法人の承継先を確認

ここで注意したいのが、「公立なら必ず教育委員会」「私立なら必ず県が発行」と決まっているわけではないことです。

公立高校でも、閉校後の証明書発行を別の高校が担当していることがあります。

私立学校でも、運営していた学校法人が残っていれば、まず設置者側へ問い合わせるよう案内している自治体があります。

最初に「誰が発行事務を引き継いだのか」を確認するのが一番早い方法です。

公立高校が廃校している場合の探し方

県立・市立などの高校を卒業している場合は、まず学校が統合・再編されていないか調べます。

閉校していても、別の高校が卒業証明書等の発行事務を引き継いでいるケースがあります。

検索するときは、次のように旧学校名+証明書まで入れるのがポイントです。

  • 「○○高校 卒業証明書」
  • 「○○高校 閉校 卒業証明書」
  • 「○○高校 統合 証明書」
  • 「○○県 閉校 高校 卒業証明書」

「○○高校 廃校」だけで検索すると、学校の歴史やWikipediaなどが先に出てきて、肝心の証明書受付先までたどり着けないことがあります。

旧学校名で見つからない場合は、学校が所在していた都道府県や市区町村の教育委員会サイトを確認してください。

埼玉県や東京都のように、閉校した学校と現在の証明書受付先を一覧にしている自治体もあります。

私立高校・専門学校が廃校している場合の探し方

私立学校の場合は、学校名だけではなく運営していた学校法人を探します。

学校そのものは閉校していても、学校法人までなくなったとは限らないためです。

同じ学校法人が、現在も別の高校・専門学校・大学などを運営していることがあります。

まず次のように検索します。

  • 「○○専門学校 学校法人」
  • 「○○専門学校 卒業証明書」
  • 「○○専門学校 廃校 証明書」
  • 「○○専門学校 閉校 学校法人」

当時の卒業証書、学生証、学校案内、入学時の書類などが残っているなら、学校法人名が書かれていないか確認してみましょう。

学校法人が現在も残っていることが分かったら、「旧○○専門学校の卒業証明書を取得したい」と問い合わせます。

学校法人もなくなっている場合はどうする?

難しいのが、学校もなく、運営していた学校法人も解散しているケースです。

この場合も、すぐに「発行不可能」と判断する必要はありません。

学校があった都道府県の、私立学校や専修学校を担当している部署へ問い合わせます。

実際に島根県では、廃校時の設置者が不明または解散している私立学校について、県の担当部署へ問い合わせるよう案内しています。

県が指導要録等を引き継いでいる場合は、県が卒業証明書等を交付します。

福岡県でも、廃校した私立専修学校について、原則は設置者である学校法人等へ問い合わせるとしたうえで、一部の学校については県が卒業証明書・成績証明書を交付しています。

それ以外の廃校した専修学校でも、設置者が不明・解散している場合は県の担当課へ問い合わせるよう案内されています。

つまり、

学校がない → 法人もない → 終わり

ではありません。

学校 → 学校法人 → 記録の承継先 → 都道府県等の担当部署

まで確認してから発行できるかを判断します。

専門学校の廃校は「今住んでいる県」ではなく「学校があった県」を確認する

専門学校を卒業してから引っ越している人は、ここを間違えやすいです。

たとえば現在は埼玉県に住んでいても、卒業した専門学校が福岡県にあったなら、まず確認するのは福岡県側の学校法人や担当部署です。

現在住んでいる自治体ではありません。

検索するときも、

「学校があった都道府県+廃校+専門学校+卒業証明書」

の組み合わせで調べると見つけやすくなります。

学校名が変わっているだけの可能性も確認する

検索して学校名が出てこないからといって、必ずしも完全に廃校したとは限りません。

学校再編によって別の学校と統合されたり、校名が変更されたりしている場合があります。

その場合は、新しい学校が旧学校の証明書発行を引き継いでいる可能性があります。

次の言葉でも検索してみましょう。

  • 「○○学校 後継校」
  • 「○○学校 統合先」
  • 「○○学校 校名変更」
  • 「旧○○学校 卒業証明書」

特に高校は再編による統合があるため、「廃校」だけで調べず、統合先まで確認するのがポイントです。

問い合わせる前に準備しておく情報

証明書を管理している窓口が見つかっても、本人の卒業記録をすぐ特定できるとは限りません。

電話やメールをする前に、分かる範囲で次の情報を準備しておきましょう。

確認しておくもの 内容
学校名 卒業当時の正式名称
卒業年月 ○年3月卒業など
学科・コース 専門学校では特に重要
卒業時の氏名 結婚などで姓が変わっている人は旧姓も確認
生年月日 本人特定に使われる場合がある
学籍番号 分かる場合のみ
必要な証明書 卒業証明書・成績証明書など
必要期限 入社先への提出日

学籍番号が分からなくても、そこで諦める必要はありません。

卒業年月・学科・卒業時の氏名など、分かる情報を伝えて確認してもらいます。

また、卒業時と現在の姓が違う場合は、旧姓と現在の氏名を両方伝えてください。

申請先によっては本人確認書類や、氏名変更を確認できる戸籍関係書類などを求められる場合があります。

発行先が見つかったら確認する7項目

「卒業証明書はこちらで発行しています」と分かったら、すぐ申請する前に次の項目を確認すると二度手間を防げます。

  1. 卒業証明書を発行できるか
  2. 郵送申請できるか
  3. 窓口へ行く必要があるか
  4. 本人確認書類は何が必要か
  5. 手数料はいくらか
  6. 卒業時から姓が変わっている場合に何が必要か
  7. 発送・受け取りまで何日程度かかるか

入社書類の場合は、最後の「いつ受け取れるか」がかなり重要です。

廃校した学校の証明書は、昔の記録を確認してから発行することがあります。

即日発行とは限らないため、提出期限が決まっているなら必ず伝えておきましょう。

卒業証明書と成績証明書は同じように発行できるとは限らない

「卒業してから20年以上たっているから、もう何も出ないのでは?」と心配する人もいるでしょう。

ここで重要なのが、卒業証明書と成績証明書・調査書などを一緒に考えないことです。

証明書によって、保存されている記録や発行できる期間が違う場合があります。

たとえば埼玉県が案内している閉校済みの県立高校では、卒業後5年を経過すると一定の成績証明書・調査書を発行できません。

さらに卒業後20年を経過すると、卒業証明書以外は発行できないと案内されています。

逆にいえば、成績証明書が出ないからといって、卒業証明書まで出ないとは限らないということです。

書類 主に証明する内容 注意点
卒業証明書 その学校を卒業した事実・卒業年月日 古い卒業でも発行できる場合がある
成績証明書 在学中の成績 保存期間等により発行できなくなる場合がある
単位修得証明書 修得した単位 卒業証明書とは保存・発行条件が異なる場合がある
調査書 成績・学校生活等 一定期間後に発行できない場合がある

入社先から必要だと言われているのが「卒業証明書」なら、まず卒業証明書だけについて発行可能か確認してください。

「古すぎて卒業証明書を発行できない」と言われたら?

発行先までたどり着いても、保存されている記録などの事情によって希望する証明書を発行できない場合があります。

島根県も、卒業年度や在籍学科などによって証明書を発行できない場合があるため、申請前に問い合わせるよう案内しています。

この場合に重要なのは、いつまでも別の発行先を探し続けないことです。

記録を管理している正式な窓口から「発行できない」と確認できたら、その事情を入社先へ伝えます。

また、発行窓口へ次のように確認してみてください。

「卒業証明書を発行できないことを証明する書類はありますか」

すべての学校・自治体にこの制度があるわけではありませんが、発行できない旨を証明する書類を用意しているところがあります。

たとえば埼玉県の閉校した県立高校では、保存期間の関係などで証明書を発行できない場合に「発行が出来ないことを証明する証明書」を交付すると案内しています。

入社先がその書類をどう扱うかは会社の判断になりますが、事情を説明する資料として使える可能性があります。

卒業証書のコピーを代わりに出してもいい?

卒業証明書は発行できないものの、卒業式でもらった卒業証書なら自宅に残っている人もいるでしょう。

ただし、卒業証書と卒業証明書は同じものではありません。

会社から「卒業証明書」と指定されているなら、自己判断で卒業証書のコピーへ置き換えないほうが安全です。

発行できない事情を伝えたうえで、

  • 卒業証書のコピー
  • 発行できないことを示す証明書
  • その他、会社が指定する学歴確認資料

などで代用できないか確認します。

何を代替書類として認めるかは勤務先によって異なります。

卒業証明書が取れないと入社できない?

ここが一番心配な人も多いでしょう。

学校が廃校して卒業証明書を用意できないからといって、それだけで一律に入社できないと決まるわけではありません。

まず入社先へ事情を説明し、別の書類で確認できるか、後日提出できるかを確認します。

ただし、採用条件や資格確認のために特定の証明書が必要な職種などでは、会社側が証明方法を確認する必要があります。

そのため「廃校だから出せません」で終わらせず、

  • どの学校を卒業したのか
  • 学校がすでに廃校していること
  • どこまで発行先を確認したのか
  • 発行できるのか、できないのか
  • いつ取得できそうなのか

を整理して伝えましょう。

入社日までに間に合わないなら、証明書が届く前に会社へ連絡する

廃校した学校の証明書は、発行先を探すだけで数日かかることがあります。

さらに申請書の郵送、本人確認、記録の確認、証明書の返送が必要になることもあります。

福岡県が扱う一部の廃校した専修学校・高校の証明書も、申請書到着後から発送まで一定の日数を要すると案内されています。

そのため、提出期限が迫っているなら証明書が届くまで黙って待たないことが大切です。

発行先が分かった時点で、勤務先へ次のように伝えます。

「卒業した学校がすでに廃校しているため、現在の証明書発行先を確認して申請しています。発行に日数がかかるため、提出期限に間に合わない可能性があります。発行され次第の提出でもよろしいでしょうか。」

事前に連絡しておけば、会社側から「入社後でよい」「別の資料を先に提出してほしい」など具体的な指示を受けられる可能性があります。

発行できない場合の会社への伝え方

正式な管理先まで確認したものの、卒業証明書を発行できないと言われた場合は、事実をそのまま説明します。

たとえば次のように伝えられます。

「提出を求められている卒業証明書について、卒業した学校が廃校しているため、証明書の管理先まで確認しましたが、現在は卒業証明書を発行できないとの回答でした。手元には卒業証書があります。卒業証書のコピーなど、別の資料で確認いただくことは可能でしょうか。」

発行できないことを証明する書類を取得できる場合は、そのことも伝えてください。

重要なのは、自分の判断で代替書類を決めるのではなく、会社に判断してもらうことです。

廃校した学校の卒業証明書を探す最短手順

ここまでを、実際にやる順番だけに絞ると次のようになります。

1.卒業当時の正式な学校名を確認する

卒業証書、学生証、昔の履歴書などが残っていれば確認します。

2.「旧学校名+卒業証明書」で検索する

統合先や証明書受付校が出てこないか確認します。

3.公立なら統合先・教育委員会等を確認する

自治体が閉校後の受付先一覧を公開していないか探します。

4.私立なら学校法人を確認する

学校がなくなっていても、法人が残っている可能性があります。

5.法人も不明なら学校があった都道府県へ確認する

私立高校なら私学担当部署、専門学校なら専修学校などを担当する部署を探します。

6.発行できるならすぐ申請する

入社書類は提出期限があるため、必要書類・料金・発行日数を確認して手続きします。

7.発行不可・期限超過なら会社へ連絡する

卒業証書などで代用できるか、後日提出でよいかを確認します。

発行先への問い合わせ文例

電話やメールでは、細かい事情を長く説明する必要はありません。

次の内容を伝えれば確認してもらいやすくなります。

「○年3月に○○専門学校○○科を卒業した者です。勤務先へ提出する卒業証明書が必要なのですが、現在は学校が廃校しているようです。旧○○専門学校の卒業証明書はどちらで発行していただけますでしょうか。」

相手が発行窓口だった場合は、続けて次を確認します。

  • 卒業証明書を発行できるか
  • 申請方法
  • 本人確認書類
  • 旧姓の場合の必要書類
  • 手数料
  • 郵送申請の可否
  • 発行までの日数

よくある質問

20年以上前に卒業した学校でも卒業証明書は取れますか?

取れる場合があります。

卒業後長期間が経過している場合、成績証明書や調査書などは発行できなくなっていても、卒業証明書は発行できるケースがあります。

学校や記録の管理先によって扱いが違うため、まず卒業証明書について確認してください。

専門学校が廃校して学校法人も検索に出てきません

学校があった都道府県の私立学校・専修学校担当部署へ問い合わせてみましょう。

都道府県が記録を引き継いでいたり、現在の問い合わせ先を案内できたりする場合があります。

学校が統合されて名前が変わっています

統合先の学校が旧学校の卒業証明書発行を引き継いでいる可能性があります。

旧学校名と「卒業証明書」「統合先」「証明書受付」などを組み合わせて検索してください。

卒業証明書と卒業証書は同じですか?

同じものではありません。

卒業証書は卒業時に本人へ渡されるものですが、卒業証明書は学校等が卒業の事実を証明するために発行する書類です。

会社から卒業証明書を指定されているなら、卒業証書のコピーでよいか事前に確認してください。

卒業証明書が発行できないと言われました

まず、それが卒業記録を正式に管理している窓口からの回答なのか確認します。

正式な管理先でも発行できない場合は、発行できないことを示す書類がないか確認し、その結果を入社先へ伝えて代替資料を相談してください。

提出期限に間に合いません

証明書が届いてからではなく、間に合わない可能性が分かった段階で会社へ連絡しましょう。

廃校のため発行先の確認や申請に時間がかかっていることを説明し、後日提出でよいか確認します。

まとめ|探すのは「廃校した学校」ではなく「卒業記録の引き継ぎ先」

入社先から卒業証明書を求められたのに、母校が廃校していると焦ります。

しかし、廃校しているだけで卒業証明書まで発行できなくなったとは限りません。

閉校後の学校、学校法人、自治体などが記録や証明書発行事務を引き継いでいることがあります。

まず次の順番で確認してください。

  1. 卒業当時の正式な学校名を確認する
  2. 統合先・後継校を探す
  3. 私立なら学校法人を探す
  4. 見つからなければ学校があった自治体・都道府県の担当部署へ問い合わせる
  5. 卒業証明書の発行可否と必要日数を確認する
  6. 発行できない・間に合わない場合は入社先へ相談する

特に覚えておきたいのは、「学校がない」と「卒業記録がない」は別ということです。

学校のホームページや電話番号がなくなっていても、別の学校や法人、行政機関へ記録が引き継がれている可能性があります。

また、卒業後かなり年数が経過していて成績証明書などを発行できなくなっていても、卒業証明書は発行できる場合があります。

正式な発行先まで確認しても卒業証明書を取得できない場合は、そこで一人で悩み続けず、入社先へ事情を伝えてください。

卒業証書のコピーなど別の資料で確認するのか、発行できない旨を示す書類を提出するのかは勤務先の判断になります。

廃校した学校を探し続けるのではなく、卒業記録の現在の管理先を探す。それでも発行できなければ、早めに会社へ相談する。

この順番で進めるのが、入社手続きを止めないための一番分かりやすい方法です。

参考資料

  • 埼玉県教育委員会「閉校となった高校の各種証明書について」
  • 東京都教育委員会「東京都立学校の閉校等に伴う卒業証明書等諸証明の発行」
  • 島根県「廃校になった私立学校の卒業証明書等の発行」
  • 福岡県「廃校になった専修学校及び高等学校の卒業・成績証明書の交付申請手続」
  • 福岡県「私立専修学校・各種学校に関する情報」
  • 大阪府「閉校になった学校の卒業証明書等を手に入れるにはどうすればよいですか。」