職業訓練に通っている間も、失業保険をもらうために求職活動実績を2回作らなければいけないのか。
結論からいうと、対象となる職業訓練等を受講している期間は、通常の「原則2回以上」という求職活動実績の基準が適用されない場合があります。
ただし、訓練を修了する日や途中で退校する日を含む認定対象期間は別です。
まず、自分がどこに当てはまるかを確認してください。
| 現在の状況 | 求職活動実績の考え方 |
|---|---|
| 対象となる職業訓練を受講中 | 通常の原則2回の基準は適用されない |
| 訓練を修了・退校した日を含む認定対象期間で、終了後から最初の認定日まで14日未満 | 訓練を受け終わったことが1回の実績になり、原則として追加の実績は不要 |
| 訓練を修了・退校した日を含む認定対象期間で、終了後から最初の認定日まで14日以上 | 訓練終了の1回に加え、原則1回以上の求職活動が必要 |
| その次の通常の認定対象期間 | 原則2回以上に戻る |
つまり、検索でよく見かける「職業訓練中は求職活動実績が免除される」という説明だけでは不十分です。
訓練中なのか、訓練を終えた直後なのか、その次の認定対象期間なのかで必要な回数が変わります。
また、「月2回」という言い方にも注意してください。求職活動実績は1日から月末までの暦月で数えるものではなく、基本的には前回の認定日から今回の認定日の前日までの認定対象期間で確認します。
この記事では、職業訓練中から修了・中途退校、その後まで、求職活動実績が何回必要になるのかを順番に解説します。
実績の回数とあわせて、求人探し・応募・面接の進め方も整理したい場合は、次の記事で訓練中の就活全体を確認できます。
- 職業訓練中は求職活動実績を原則2回作らなくてよい
- 「職業訓練なら何でも実績不要」ではない
- 「求職活動実績は月2回」ではなく認定対象期間で数える
- 一番注意したいのは訓練を修了する日のある認定対象期間
- 例1|訓練終了から認定日まで14日未満なら追加実績は原則不要
- 例2|訓練終了から認定日まで14日以上ならもう1回必要
- 訓練終了後の次の認定対象期間からは原則2回に戻る
- 中途退校した場合も同じように退校日から確認する
- 求職活動実績が不要でも認定手続きまで不要になるわけではない
- 職業訓練中でも求人応募や職業相談をしていい
- 求人サイトを見るだけでは求職活動実績にならない
- 求職者支援訓練の人は失業保険の話と混同しない
- 職業訓練中の求職活動実績でよくある質問
- まとめ|訓練中・修了直後・その次の3段階で考える
- 参考資料
職業訓練中は求職活動実績を原則2回作らなくてよい
通常、雇用保険の基本手当を受けるには、認定対象期間中に原則2回以上の求職活動実績が必要です。
たとえば、
- ハローワークで職業相談をする
- 求人へ応募する
- 対象となる就職支援セミナーへ参加する
といった活動です。
しかし、一定の職業訓練等を受講している場合は、この通常の求職活動実績の基準を適用しない取扱いがあります。
そのため、訓練を受けながら「次の認定日までにあと2回ハローワークへ行かないと失業保険がもらえない」と考える必要はありません。
対象となる訓練の受講中であれば、失業認定のためだけに毎回2回の実績を別に作る必要はないということです。
「免除」というより「回数基準を適用しない」が正確
一般には「職業訓練中は求職活動実績が免除される」と説明されることがあります。
意味としては大きく間違っていませんが、制度上は求職活動実績の通常の回数基準を適用しないという理解のほうが分かりやすいでしょう。
職業訓練は再就職を目的として受講するものです。
そのため、訓練を受けているからといって、就職する意思まで不要になるわけではありません。
訓練校で行われる就職支援やキャリアコンサルティング、求人応募などは引き続き行います。
回数基準が適用されない期間でも、訓練校の就職活動日に何をするかは別に確認します。当日の行動と活動報告は次の記事で整理しています。
「職業訓練なら何でも実績不要」ではない
ここも間違えやすいところです。
単に自分が「職業訓練」と呼んでいる講座へ通っていれば、すべて求職活動実績が不要になるわけではありません。
厚生労働省の業務取扱要領では、たとえば次のような訓練が挙げられています。
- ハローワークの指示・推薦による公共職業訓練等
- 就職支援計画に基づく求職者支援訓練
- ハローワークの指導による各種養成施設
- 公共職業訓練等や教育訓練給付の対象訓練等
- 短期訓練受講費の対象となる訓練
「自分の講座も対象なのか分からない」という場合は、講座名だけで判断せず、ハローワークで確認してください。
「求職活動実績は月2回」ではなく認定対象期間で数える
職業訓練の修了前後を理解するには、まず「月2回」という考え方をいったん外したほうが分かりやすくなります。
失業保険の求職活動実績は、通常、
前回の認定日から今回の認定日の前日まで
の認定対象期間で数えます。
たとえば認定日が9月10日と10月8日なら、基本的には9月10日から10月7日までが次の認定対象期間です。
9月に2回、10月に2回という数え方ではありません。
職業訓練が終わったときも、この認定対象期間のどこで訓練が終了したのかが重要になります。
一番注意したいのは訓練を修了する日のある認定対象期間
職業訓練中は通常の求職活動実績の基準が適用されない場合があります。
ただし、訓練を受け終わる日が含まれる認定対象期間は例外です。
ここで初めて、求職活動実績の回数をもう一度確認する必要があります。
厚生労働省の取扱いでは、訓練を受け終わったこと自体を1回の求職活動実績として扱います。
あとは、訓練終了後から最初の認定日までにどのくらい日数が残っているかで判断します。
| 訓練終了後の残り期間 | 必要となる実績 |
|---|---|
| 14日未満 | 訓練終了の1回で基準を満たす |
| 14日以上 | 訓練終了の1回+原則1回以上の求職活動 |
ここがこの記事で最も重要なポイントです。
例1|訓練終了から認定日まで14日未満なら追加実績は原則不要
たとえば次のケースで考えてみます。
- 職業訓練修了日:9月30日
- 終了後最初の認定日:10月10日
訓練終了後から認定日までの残り期間は14日未満です。
この場合、職業訓練を受け終わったこと自体が1回の求職活動実績として扱われ、その1回で必要な基準を満たします。
つまり、失業認定のためだけに、訓練修了後すぐハローワークへ行ってもう1回実績を作る必要は原則ありません。
もちろん、希望する求人があれば応募して問題ありません。
ここでいう「不要」とは、あくまで失業認定で必要になる最低限の求職活動実績の話です。
例2|訓練終了から認定日まで14日以上ならもう1回必要
次は、訓練終了から認定日まで少し期間が空くケースです。
- 職業訓練修了日:9月20日
- 終了後最初の認定日:10月10日
この場合は、訓練終了後から最初の認定日まで14日以上あります。
訓練を受け終わったことは1回の求職活動実績になります。
しかし、それだけで終わりではありません。
原則として、訓練終了後にもう1回以上の求職活動実績を作ります。
たとえば、
- ハローワークで職業相談をする
- 求人へ応募する
- 職業紹介を受ける
- 対象となる就職支援セミナーへ参加する
といった活動です。
「職業訓練中は実績不要だったから、次の認定日まで何もしなくていい」と思い込むと、この期間で実績が不足する可能性があります。
訓練終了後の次の認定対象期間からは原則2回に戻る
さらに注意したいのが、訓練終了後2回目の認定です。
訓練を修了した直後の認定対象期間には、訓練終了を1回の求職活動実績として扱う特別な数え方があります。
しかし、その扱いがずっと続くわけではありません。
たとえば、
- 9月30日:職業訓練修了
- 10月10日:終了後最初の認定日
- 11月7日:次の認定日
だったとします。
9月30日から10月10日までについては、訓練修了直後の取扱いがあります。
一方、10月10日から11月6日までの認定対象期間では、すでに職業訓練は終わっています。
ほかの例外に該当しなければ、通常どおり原則2回以上の求職活動実績が必要です。
「訓練を修了した月だから1回でいい」と暦月で判断しないようにしてください。
中途退校した場合も同じように退校日から確認する
職業訓練を最後まで受講せず、途中で退校した場合も注意が必要です。
厚生労働省の業務取扱要領では、訓練を「受け終わる日」には中途で取りやめる日も含むとされています。
そのため、中途退校した場合も、
- 退校日が含まれる認定対象期間
- 退校後から最初の認定日までの日数
を確認します。
退校したあとも「訓練期間だったはずだから実績はいらない」と考えないようにしましょう。
なお、ハローワークの受講指示を受けた訓練を自己都合で中途退校する場合は、求職活動実績とは別に給付へ影響する可能性もあります。
途中で通えなくなった場合は、自己判断で欠席を続けるのではなく、訓練校とハローワークへ相談してください。
求職活動実績が不要でも認定手続きまで不要になるわけではない
「求職活動実績の原則2回がいらない」と聞くと、ハローワークにも行かなくてよいと思ってしまうかもしれません。
しかし、これは別の話です。
求職活動実績の回数基準が適用されないことと、失業認定の手続きがなくなることは同じではありません。
公共職業訓練等の受講中は、通常の失業認定とは異なる方法で処理される場合があります。
公共職業訓練等受講証明書など、訓練施設が証明する書類を使うケースもあります。
認定日への来所や書類提出については、訓練校やハローワークから指定された方法に従ってください。
職業訓練中でも求人応募や職業相談をしていい
求職活動実績の回数基準が適用されないからといって、職業訓練中は就職活動をしてはいけないわけではありません。
職業訓練の目的は再就職です。
希望する求人が見つかれば、訓練中でも応募できます。
実際、訓練の終盤になると、
- 求人検索
- 履歴書・職務経歴書の作成
- キャリアコンサルティング
- 企業への応募
- 面接
などの就職活動が増えていきます。
「失業認定のために2回実績を作らなくてよい」と「就職活動をしなくてよい」は別です。
応募先や希望職種が決まっていない場合は、訓練中のキャリアコンサルティングを使って次の行動を整理できます。相談内容の準備は次の記事を参考にしてください。
求人サイトを見るだけでは求職活動実績にならない
訓練修了後に追加の求職活動実績が必要になった場合は、活動内容にも注意してください。
ハローワークやインターネットで求人情報を検索・閲覧しただけでは、通常は求職活動実績にはなりません。
代表的な求職活動実績には、次のようなものがあります。
- 求人への応募
- ハローワークでの職業相談・職業紹介
- 許可・届出のある民間職業紹介会社などでの職業相談・職業紹介
- 公的機関等が実施する対象の就職支援セミナーや企業説明会
- 再就職に役立つ国家試験や資格試験の受験
訓練終了後に「あと1回必要」と分かった場合は、求人閲覧だけで終わらせないようにしましょう。
求職者支援訓練の人は失業保険の話と混同しない
求職者支援訓練を受講している人は、少し整理が必要です。
求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給できない人を対象とする制度です。
そのため、雇用保険の基本手当を受給していない人については、そもそもこの記事で説明している「失業認定のための原則2回の求職活動実績」とは別の手続きになります。
求職者支援制度では、ハローワークへの指定来所や職業相談、職業訓練受講給付金の手続きなどがあります。
「職業訓練だから全部同じ」と考えず、自分が雇用保険の基本手当を受給しているのか、求職者支援制度を利用しているのかを確認してください。
指定来所日の手続きや持ち物は、雇用保険の実績の回数と分けて次の記事で確認してください。
職業訓練中の求職活動実績でよくある質問
職業訓練中も月2回ハローワークへ行く必要がありますか?
対象となる職業訓練等を受講している場合は、通常の原則2回以上という求職活動実績の基準が適用されない場合があります。
また、そもそも求職活動実績は「暦月に2回」ではなく認定対象期間で確認します。
職業訓練を修了したことは求職活動実績になりますか?
対象となる訓練については、訓練を受け終わったこと自体が1回の求職活動実績として扱われます。
そのうえで、終了後から最初の認定日までの日数によって、追加の求職活動実績が必要か判断します。
訓練終了から認定日まで14日未満なら何もしなくていいですか?
求職活動実績の回数だけでいえば、訓練を受け終わった1回で基準を満たす扱いになります。
ただし、失業認定や訓練校から指定された手続きまで不要になるわけではありません。
訓練終了から認定日まで14日以上なら何回必要ですか?
訓練を受け終わったことが1回の実績として扱われ、原則として追加でもう1回以上の求職活動実績が必要になります。
職業訓練を途中で辞めた場合はどうなりますか?
中途退校した日も「訓練を受け終わる日」に含まれます。
退校日が含まれる認定対象期間について、退校後から最初の認定日までの日数を確認してください。
訓練中に求人へ応募しても大丈夫ですか?
問題ありません。
職業訓練は再就職を目的とする制度なので、希望する求人があれば訓練期間中でも応募できます。
まとめ|訓練中・修了直後・その次の3段階で考える
職業訓練中の求職活動実績は、「月2回必要」「訓練中ならずっと不要」と単純に考えると分かりにくくなります。
次の3段階で考えると整理できます。
- 対象となる職業訓練の受講中:通常の原則2回の求職活動実績の基準は適用されない
- 修了・中途退校した日を含む認定対象期間:訓練終了を1回の実績として、認定日まで14日未満なら追加不要、14日以上なら原則もう1回必要
- その次の認定対象期間:原則2回以上に戻る
特に確認したいのは、職業訓練の最終日と、終了後最初の認定日です。
修了が近づいたら受給資格者証などで次回認定日を確認し、終了後に追加の求職活動実績が必要なのか確認しておくと安心です。
また、求職活動実績の回数基準が適用されない期間でも、失業認定や訓練校から指定された手続きまでなくなるわけではありません。
「求職活動実績の回数」と「訓練中に必要な手続き」を分けて考えることが、職業訓練中の失業保険で迷わないポイントです。






