トラックの横乗り研修中はいくらもらえる?求人の月収例と初月の給料が違う理由

運転・運送・船員の仕事と資格

求人には「月収35万円以上可能」とあるのに、横乗り研修中の給料はそれより少ない。応募前に説明を受けても、「試用期間中も同条件」と聞くだけでは、初月にいくら入るのか分からないことがあります。

横乗り研修中の給与額は会社・求人ごとに異なります。基本給などの固定部分と、歩合給・乗務手当・残業代など条件で変わる部分を分け、「研修中」「独り立ち直後」「求人の月収例」の3段階で確認しましょう。

この記事は、必要な免許を持って入社し、同乗研修を経て単独で配送を担当するまでの給与を扱います。月収例だけで初月の生活費を決めず、自分に適用される給与条件を応募先へ確認するための表と文例を紹介します。

横乗り研修中はいくら?「同条件」でも月収例と同額とは限らない

横乗り研修中の給料に、全国共通の金額はありません。研修中の日給・月給が別に定められているか、基本給や固定手当は通常乗務と同じか、実績で変わる給与がいつから対象になるかを確認します。

例えば、Work outの公式採用ページにある未経験者向け募集では、基本給19万8,500円と固定残業代6万8,000円による月給26万6,500円に、交通費・歩合給を加える構成が示されています。試用期間中も給与・待遇に変更はない一方、未経験者の歩合給は横乗り研修を終え、独り立ちしてから対象になると案内されています。

このように、基本給などの条件が同じでも、歩合給の対象になる時期や担当した運行の実績によって、給与の合計は変わります。「同条件」は、求人の月収例と毎月同じ額を受け取るという意味ではありません。

上の金額は、その会社の未経験者向け募集の例です。他社の研修給与の相場ではなく、月途中の入社・控除後の手取りを示すものでもありません。応募する募集区分と、自分に提示される条件を確認してください。

免許を取得してから横乗り研修へ進む人は、教習期間と同乗研修期間を別に確認する必要があります。まだ必要な免許を持っていない場合の、入社日・教習中の給与・費用負担は次の記事で整理しています。

基本給・固定残業代・歩合給を3段階で比べる確認表

給与欄を読むときは、大きく表示された月収を一つの金額として扱わず、内訳を並べてください。分からない項目はゼロと決めたり、月収例から推測したりせず、確認事項として残します。

給与・勤務の項目 横乗り研修中 独り立ち直後 求人の月収例
基本給・研修給与 月給・日給・時給のどれか。金額と適用期間 研修終了で変わるか。変更日と計算方法 未経験者と経験者のどちらの条件か
固定残業代 支給額、対象時間数、超過分の扱い 研修中と同じか。金額・時間数が変わるか 月収に含む額と、別途加算した残業代
歩合給 研修中も対象か。同乗時の実績をどう扱うか 対象開始日、計算基準、歩合率、支払月 売上・便数・勤務日数などの前提
乗務関係の手当 同乗でも付く手当と、単独乗務後に付く手当 担当車両・コース等による条件と開始日 大型・長距離など特定の乗務条件を含むか
実際の時間外・深夜・休日労働 研修時の勤務時間と、割増賃金の計算 配属後の時間帯、残業・休日勤務の見込み 何時間の残業や、何回の夜間勤務を想定した額か
給与計算の対象期間 入社日、締日、日割りの有無、初回給料日 月途中の独り立ちをどう反映するか 1か月勤務した通常月か、初月の例か

固定残業代は、実際に残業した分を後から足す給与とは違う

固定残業代は、一定時間分の割増賃金を定額で支払う仕組みです。その支給条件で契約している場合、実際の残業が少ないという理由だけで、固定残業代をゼロとして研修給与を計算するものではありません。

厚生労働省は、固定残業代を除いた基本給、対象時間数と金額等の計算方法、超過分の割増賃金を追加で支払う旨の明示を求めています。固定残業代だけでは法律上必要な割増賃金に不足する場合は、差額の支払いが必要です。

応募前には、「研修中もこの固定残業代が適用されますか」「時間外だけでなく深夜・休日分も含む制度ですか」と確認します。月給にすでに含まれている固定残業代を、給与の合計にもう一度足さないようにしましょう。

歩合給と乗務手当は、名前だけで支給条件が分からない

歩合給は、売上や便数など何を基準にするか、同乗中の実績が対象になるかを聞きます。先輩と同じ便に乗ったから自分にも同じ歩合が付くとは判断できません。

「運転手当」「乗務手当」「無事故手当」なども、免許を持つこと、単独で担当すること、評価・集計期間など、条件を確認してください。固定額の手当なのか、乗務日数などで変わる手当なのかも分けます。

基本給と月給に含まれる手当の読み方を詳しく確認したい人は、次の記事も参考になります。

研修中28万円・月収例36万円でも、内訳を見れば違いを説明できる

次は、給与の分け方を示す架空の計算例です。基本給24万円と固定残業代4万円(月20時間分)は3段階で同じ、歩合給と乗務手当は独り立ち後から対象になると仮定しています。いずれも1か月分の支給額で、手取りではありません。

段階 仮の内訳 支給額の例
横乗り研修中 基本給24万円+固定残業代4万円 28万円
独り立ち直後 基本給24万円+固定残業代4万円+歩合給2万円+乗務手当1万円 31万円
求人の月収例 基本給24万円+固定残業代4万円+歩合給5万円+乗務手当1万円+追加の時間外手当2万円 36万円

この例では、研修中と求人の月収例に8万円の差があります。差の内訳は歩合給5万円、乗務手当1万円、固定残業代とは別に加算する時間外手当2万円です。基本給が研修中だけ8万円下がる設定ではありません。

実際の求人で研修中の基本給や日給が別に設定されていれば、この例とは違う計算になります。「研修中は安い」という説明を受けたら、どの項目がいくら違うのかまで聞きましょう。

独り立ち直後の歩合給も、毎月2万円などと保証されるわけではありません。歩合の対象になる条件を満たしていても、担当した仕事の実績によって額が変わる制度なら、生活費の予定には固定額と変動額を分けて記入してください。

研修終了日と、歩合・手当の支給開始日を確認する

試用期間と横乗り研修は、同じ期間とは限りません。試用期間が3か月でも、その前に独り立ちする場合や、習熟状況を見て研修を続ける場合があります。「3か月たてば全額もらえる」と、期間だけで判断しないようにしましょう。

研修期間の説明では、次の項目をセットで確認します。

  • 期間の目安:標準的な日数と、研修が延びる場合の給与条件。
  • 終了の判定:誰が、運転・荷扱い・納品対応など何を見て単独乗務を認めるか。
  • 対象になる日:歩合給・乗務手当は、判定日、単独乗務初日、翌月のどこから対象か。
  • 集計と支払い:月途中の独り立ちや、歩合の集計が給与締日と違う場合に、いつの給与へ反映するか。

「独り立ち後から対象」という説明でも、その日から1か月分の手当や月収例の歩合を満額受け取るとは限りません。対象になる実績の期間と、その給与が振り込まれる月を確認してください。

夜間配送の求人でも、横乗り研修は昼間になることがある

アクロストランスポートの夜間配送ドライバー募集には、通常の勤務時間とは別に、研修中は昼間の配送となる場合がある旨が記載されています。月収例にも、勤務時間・残業時間・乗務車両といった前提が示されています。

こうした求人では、研修時の始業・終業時刻と、深夜勤務などに応じた給与の扱いを確認します。通常乗務の月収例を、昼間の研修にもそのまま当てはめると、収入の見通しがずれる可能性があります。

「研修中は何時から何時までですか」「配属後の勤務時間へ変わるのはいつですか」「給与内訳のどの項目が変わりますか」と聞きましょう。特定の求人の例であり、すべての夜間配送の研修が昼間になるわけではありません。

初月の給料は、研修給与だけでなく日割り・締日・控除も見る

研修中の月給が確認できても、初回振込がその月給と同額になるとは限りません。「1か月勤務したときの支給額」「初回給与の計算対象」「実際の振込額」を分けて確認します。

月途中に入社する場合は、日割りの有無と計算方法を聞いてください。月給だから必ず満額、あるいは「月給÷30日」で必ず計算する、と決めつけないことが大切です。日給・時給の研修なら、給与計算の対象になる勤務日数・時間も確認します。

例えば10月16日入社・月末締めなら、最初の給与計算の対象は10月16日から31日までとなることが考えられます。実際の計算方法、歩合や手当の対象期間、初回給料日は応募先へ確認してください。

税金・社会保険料などの控除があるため、求人や計算例の支給額を、そのまま手取りとして扱うこともできません。寮費や食費などの控除予定があるなら、その項目と金額も聞きます。

厚生労働省の案内でも、賃金の決定・計算・支払方法、締切り・支払時期は、労働契約を結ぶ際に明示する事項です。入社前には労働条件通知書等と、研修期間に適用される給与の説明を照合しましょう。

生活費の予定を立てるには、「初回給料日は○月○日で、○月○日から○月○日までが計算対象」という形にすると、月収例と取り違えにくくなります。

横乗り研修中の給与を聞くメール・面接の文例

応募先には、月収例に期待していることより、入社直後の条件を確認したいことを伝えます。求人に記載があれば、その金額や「試用期間中も同条件」という文言を示して聞くと話が具体的になります。

件名:横乗り研修中の給与条件についての確認(氏名)

株式会社○○
採用ご担当者様

○○ドライバー職への応募を検討している○○と申します。必要な○○免許は保有していますが、トラックでの実務経験がないため、横乗り研修中の勤務・給与条件について確認させてください。

求人には「月収例○○万円」「試用期間中も同条件」とありますが、横乗り研修中の基本給、固定残業代の金額・対象時間数、各手当の適用を教えていただけますでしょうか。

また、歩合給・乗務手当は研修中も対象になるのか、独り立ち後からの場合は対象開始日と給与への反映月を伺いたいです。研修時の勤務時間と、独り立ちまでの目安・判定方法も確認できますと幸いです。

入社日を○月○日とした場合の初回給料日、給与の計算対象期間、日割りの有無も教えていただけますでしょうか。入社後の生活費を準備するため、適用される条件を資料やメールで確認できると助かります。

よろしくお願いいたします。
氏名
連絡先

面接では短く、「横乗り研修中の固定で支給される額と、独り立ち後に加わる歩合・手当を分けて教えていただけますか」と聞けます。求人に月収例がなければ、例文の該当部分を削って使ってください。

「人によります」という回答には、「基本給など、実績にかかわらず支給される項目はどれですか」「月収例はどの勤務日数・実績を前提にしていますか」と聞きます。変動する部分の見込みと、契約で確認できる固定額を分けることが目的です。

入社後に「研修中の給料が安い」と感じたら、差の項目を確認する

入社後に想定より給料が少なかった場合は、給与明細・労働条件通知書・求人票・面接時の回答を並べます。総額だけで比較せず、次のどこで差が出たかを確認してください。

  • 計算期間:初月の日割りや、締日までの勤務日数・時間による差か。
  • 変動部分:歩合・乗務手当がまだ対象外なのか。対象実績が次の給与へ反映するのか。
  • 固定部分:基本給や固定残業代などが、事前に確認した条件と一致しているか。
  • 控除:支給額の差なのか、税金・社会保険料・寮費等を引いた後の振込額の差なのか。

会社へは、「初回給与について、基本給○○円の計算方法と、歩合給がまだ付いていない理由を確認したいです」と、項目ごとに尋ねましょう。研修終了日、対象の運行実績、出退勤の記録を添えると確認しやすくなります。

研修中でも、原則として最低賃金は適用されます。「研修だから最低賃金を下回ってよい」と会社が自由に決められるものではありません。最低賃金の減額には労働局長の許可を要する特例があります。労働条件と実際の支払いが合わない場合や、最低賃金を下回る疑いがある場合は、書類と勤務時間の記録を持って労働基準監督署等へ相談してください。

横乗り研修中の給料を判断するには、求人の月収例をそのまま使うより、「研修中の固定額」「独り立ちで変わる項目」「初回給与の対象期間」を確認することが大切です。その3つが分かれば、初月から通常乗務までの収入の違いを整理できます。

参考資料

以下の資料は2026年10月3日に確認しています。企業例はそれぞれの募集の条件です。本文の28万円・31万円・36万円の比較は、内訳の違いを示す架空の計算で、研修給与の相場や収入を保証するものではありません。