65歳以上で失業保険をもらった後、また退職したら?2回目の条件と加入期間

65歳以上で失業保険を受給後に再就職し、また退職した場合の加入期間を離職票で確認する図解 高年齢求職者給付金

65歳を過ぎて高年齢求職者給付金を受け取り、その後、再就職した会社を辞めた。「失業保険は一度もらったから、もう申請できないのか」「半年ほど働いた分で、もう一度もらえるのか」と迷う場面です。

高年齢求職者給付金は、受給済みでも、再就職後の離職について新しい受給要件を満たせば再び受け取れる場合があります。原則として、今回の離職前1年間に、数えられる被保険者期間が通算6か月以上必要です。前回の給付の対象となった離職日以前の加入期間を、今回の6か月へ足すことはできません。

確認するのは、前回の給付の種類、再加入後の期間、各月の賃金支払日数・時間、今回の離職後も働く意思と能力があるかです。「2回目だから不可」「半年在籍したから必ず対象」のどちらでも判断しないでください。

2026年9月7日時点の法令・厚生労働省資料を確認しています。ここでは、前回の高年齢求職者給付金をすでに受け取り、その後に再就職・再離職した場合を扱います。

2回目は「再就職後に新しい受給資格があるか」で決まる

「何回目か」だけを理由に一律に対象外になる制度ではありません。ただし、毎回の離職について資格判定と失業認定が必要です。前回と同じ会社へ再就職した場合も、前回の資格を繰り返し使うのではなく、今回の加入歴と離職の事実を確認します。

今回の状況 受給資格の見方
前回受給後に再加入し、数えられる期間が6か月以上ある 今回の離職前1年間の範囲や、失業状態などを満たせば、新しい受給資格の対象になり得る
再加入後の期間が5か月しかなく、ほかに通算できる期間もない 原則の6か月に届かない。前回受給に使った古い期間で補えない
半年在籍したが、雇用保険未加入の時期や勤務日数の少ない月がある 在籍月数からは判断できない。加入記録と月ごとの日数・時間を確認する
今後は働かず、引退する予定 加入期間が足りても、働く意思・能力がある失業状態という要件を満たさない

年齢だけでなく、働く意思と能力があり、仕事を探しているのに就職できていないことが必要です。資格決定の基本条件は厚生労働省の業務取扱要領・54101、54102で確認できます。

初回も含めた制度全体、年金との関係や通常の申請の流れを先に確認したい場合はこちらです。

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前回の加入期間は、今回の6か月に足せない

たとえば、最初の会社で20年間加入して給付金を受け取った後、次の会社で5か月加入して辞めても、「20年5か月あるから対象」とはなりません。今回の受給資格を決める際には、前回の高年齢受給資格に係る離職日以前の期間が除かれます。

この取扱いは、業務取扱要領50103・イ(ロ)aに明記されています。資格判定では、過去に受給資格の決定を受けた場合、実際に給付を受け取ったかどうかを問わず、その資格の対象となった離職日以前の期間を除く点にも注意が必要です。

入金日から半年待つ、という意味ではない

期間を調べる起点は、給付金が銀行口座へ入った日ではありません。前回の資格に係る離職日、再就職先での雇用保険の資格取得日、今回の離職日を並べて確認します。給付金を受け取ってから半年が経過しても、その間に雇用保険へ加入していなければ、今回の被保険者期間は増えません。

受給後に2社で働いた期間は、通算できる場合がある

前回受給後、A社で3か月、B社で3か月の被保険者期間がある場合は、今回の離職前1年間に収まり、A社の離職について新たな受給資格の決定を受けていないなど、条件を満たせば通算できる場合があります。最後の会社だけで必ず6か月働かなければならない、ということではありません。

転職の間の無職期間は、加入期間にはなりません。途中の会社の離職票も捨てず、今回の離職票と合わせて窓口へ持参してください。

「半年働いた」と「被保険者期間6か月」は同じではない

被保険者期間は、離職日を基準に1か月ずつさかのぼって区切り、賃金支払基礎日数などを確認して数えます。給与の締め月を単純に6つ数える方法ではありません。

  • 原則として、賃金支払基礎日数が11日以上ある区切りを1か月と数える
  • 11日以上の月が6か月に届かない場合は、賃金支払の基礎となった時間が80時間以上ある区切りも確認する
  • 加入直後の1か月未満の端数には、期間の日数や賃金支払基礎日数・時間によって半月と数える取扱いがある

有給休暇などが賃金支払基礎日数に含まれる場合もあるため、出勤日数だけで計算しないでください。東京ハローワークの求職者給付Q&Aでも、単なる在職期間と被保険者期間の違いが説明されています。

退職日まであと数日で6か月になるように見える場合は、契約書・給与明細・加入記録を持って、退職前に数え方を確認すると判断しやすくなります。体調や安全に問題があるときに、給付のためだけに勤務を続ける必要はありません。

2回目が30日分か50日分かは、別の期間で確認する

受給資格に必要な「被保険者期間」と、支給日数を決める「算定基礎期間」は別のものです。先に6か月要件を確認し、対象になる場合に、今回の日数と日額を確認します。

確認すること 使う期間・基準
今回、受給資格があるか 原則として離職前1年間の被保険者期間が通算6か月以上
支給額が何日分になるか 算定基礎期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分

前回の高年齢求職者給付金を受給した場合、日数を決める計算でも、その給付の対象となった離職日以前の加入期間は除かれます。「前回50日分だったので今回も50日分」とは限りません。

根拠は雇用保険法37条の4第3・4項と22条第3項です。高年齢求職者給付金については、37条の4第4項の読み替え規定まで確認する必要があります。

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5か月・6か月・1年以上のケース比較

次の表は、前回の給付を受け取ってから1社へ再就職し、加入期間の通算対象となる別の仕事はない例です。各月の日数・時間を満たし、離職後も求職中で、受給期限まで十分な日数があることを前提にしています。

再就職後の記録 新しい受給資格 支給日数の目安
被保険者期間5か月のみ 6か月に届かない 今回の資格に基づく支給はなし
被保険者期間6か月、算定基礎期間6か月 ほかの要件も満たせば対象 30日分
直近1年間の被保険者期間6か月以上、算定基礎期間1年以上 ほかの要件も満たせば対象 50日分

仮に今回の基本手当日額が5,000円なら、30日分は15万円、50日分は25万円です。5,000円は計算方法を示すための仮の値で、前回の日額や、現在の給与の日割額をそのまま使うものではありません。今回の日額は今回の離職に係る賃金をもとに決定されます。

日数別の金額の考え方は、ハローワーク札幌圏の給付額の案内でも確認できます。

前回まだ受け取っていない人は、判断の順番が違う

「申請はしたが認定前に就職し、すぐ辞めた」という場合は、この記事の受給済みのケースとは異なります。給付を受けることなく就職し、元の期限内に再び失業したときは、新しい資格の有無などによって前の資格を使える場合があります。

単に入金がまだというだけでは認定前とは限りません。認定日・就職日・支給状況を区別し、前回の資格で手続きするのか、新しい離職票で判定するのかを確認してください。

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2回目の申請で持参する書類と確認する順番

今回辞めた会社へ離職票の発行を依頼し、住所地を管轄するハローワークへ相談します。前回の受給記録も持参すると、どの期間を今回の判定に使えるか照合しやすくなります。

  • 今回の離職票-1・離職票-2。受給後に複数社で働いた場合は、途中の会社の離職票も用意する
  • 前回の高年齢受給資格者証・受給資格通知など、給付の種類と対象の離職日が分かる書類
  • 雇用保険の資格取得・喪失の記録、契約書、給与明細。加入期間や勤務日数に疑問がある場合はシフト表なども用意する
  • マイナンバー確認書類、本人確認書類、本人名義の口座情報など。写真の要否を含む申請書類は窓口の案内に従う

窓口では、次の順に確認すると、資格と金額を混同せずに済みます。

  1. 前回の給付に係る離職日はいつで、今回の計算からどの期間が除かれるか
  2. 今回の被保険者期間は何か月になるか。ほかの離職票と通算できるか
  3. 受給資格がある場合、算定基礎期間・支給日数・基本手当日額はいくらか
  4. 待期、離職理由による給付制限、認定日、受給期限はどうなるか

伝え方の例:「前回は○月○日の離職で高年齢求職者給付金を受け取りました。その後、○月○日に雇用保険へ再加入し、今回○月○日に退職しました。今回の被保険者期間と算定基礎期間を、それぞれ確認したいです」

前回の手続きが済んでいても、今回の待期や期限は別

新しい受給資格では、改めて求職申込みと失業認定が必要です。原則7日間の待期があり、離職理由によっては給付制限もあります。前回の手続きを終えたことを理由に、今回の待期がなくなるわけではありません。

受給期限は、今回の資格に係る離職日の翌日から1年です。高年齢求職者給付金には、一般の基本手当のような受給期間延長はありません。認定日から期限までの日数が30日・50日に満たないと支給日数も短くなるため、離職票が届かない場合も、期限近くまで待たずに相談してください。

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再就職先を探すとき、学び直しも選択肢に入る

今回の給付を確認したうえで、「次は仕事内容を変えたい」「応募に必要なパソコン操作などを身につけたい」と考えるなら、65歳以上で受けられる職業訓練も相談できます。

訓練へ通うことと、高年齢求職者給付金が延長されることは別です。通所中の生活費や、希望する仕事につながるコースかを先に確認しましょう。

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よくある質問

前回は64歳で基本手当をもらい、今回は65歳以上です

今回、高年齢被保険者として離職した場合は、高年齢求職者給付金の要件で確認します。前回の基本手当の対象となった離職日以前の加入期間を今回へ再利用することはできません。前回の給付名を窓口に伝え、今回の加入歴で判定を受けてください。

雇用保険に入らず半年働いた場合は?

未加入の勤務期間は、そのまま被保険者期間にはなりません。ただし、本来は加入対象なのに会社の手続きが漏れていた疑いがある場合は、契約書や給与明細を持ってハローワークへ相談してください。加入条件の確認と遡及手続きの可否を、給付申請とは別に確認します。

2回目を受け取った後、3回目も申請できますか?

回数だけで決めるのではなく、その後の再就職と離職について、改めて新しい受給資格を確認します。加入期間、求職の意思・能力、離職の実態などが毎回審査され、申請すれば必ず支給されるというものではありません。

まず手元に並べるのは、前回の受給書類と、再就職後の加入記録・離職票です。今回の6か月要件を満たすか、そのうえで何日分になるかを分けて確認してください。