ハローワーク紹介の面接は交通費が出る?広域求職活動費の条件と申請

面接の交通費はもらえるか、広域求職活動費の距離・回数・申請を確認する電車と面接用かばんの図 求職・再就職の費用補助

ハローワークの紹介で遠方の会社へ面接に行く場合、条件を満たすと「広域求職活動費」として交通費や宿泊料を受け取れます。ただし、ハローワークの求人なら、どの面接でも交通費が出るわけではありません。

まず確認するのは、雇用保険の受給資格、応募がハローワークの紹介かどうか、そして受給手続きをしているハローワークと、面接先を管轄するハローワークの間が往復200km以上かという点です。自宅から会社までの距離だけでは判定できません。

遠方の求人が見つかったら、応募や切符の購入を進める前に、職業相談窓口で「この求人への面接は広域求職活動費の対象になりますか」と確認してください。紹介を受け、必要な指示書を交付してもらう順番が大切です。

この記事では、主に雇用保険の基本手当の受給資格者を対象に、距離・支給額・受給回数と申請の流れを説明します。制度は2026年9月6日時点の公式資料で確認しています。

ハローワーク紹介の面接で交通費が出る条件

広域求職活動費は、遠方での就職活動が必要と認められた場合の支援です。次の条件を一つずつ確かめましょう。

確認すること 対象となる基本条件
受給資格 広域求職活動の指示を受ける時点で、雇用保険の受給資格がある
応募経路・求人 ハローワークが紹介する、本人に適当と認められた管轄区域外の事業所の常用求人である
距離 受給手続き先と面接先の管轄ハローワーク間が、交通費計算の基礎となる鉄道等の距離で往復200km以上ある
活動の開始日 雇用保険の待期期間が終わった後に活動を開始する
会社からの費用支給 面接先から費用が出ない、または会社の支給額が制度上の計算額より少ない
受給回数 自分に適用される回数の上限に達していない

受給資格を確認する時点は「活動の指示を受けるとき」です。指示を受けた後、活動開始までに受給資格がなくなった場合でも、対象になることがあります。

また、職業紹介の拒否などによる給付制限を受けている場合は、その期間が終わってから活動を開始する必要があります。待期と給付制限を同じものとして扱わず、窓口で自分が出発できる日を確かめてください。

条件の根拠:厚生労働省「広域求職活動費と移転費のご案内」1〜2ページ。

申請は面接などの活動を終えてから行います。交通費の支給を見込む場合も、出発時に必要なお金と、就職までの生活費を分けて準備しておくと予定を立てやすくなります。

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往復200kmはどこから測る?宿泊料との違いを3例で確認

距離の基準は、原則として次の2地点です。

雇用保険の受給手続きをしているハローワークの所在地 ⇔ 面接する事業所の所在地を管轄するハローワークの所在地

都道府県をまたぐかどうかや、地図上の直線距離では決まりません。同じ県内でも条件を満たす場合があり、県外でも距離が足りない場合があります。求人票の就業場所と面接場所が異なるときや、鉄道以外を使うときは、どの所在地・経路で計算するのかも確認しましょう。

次は、鉄道の算定距離を使い、距離以外の条件を満たしていると仮定した架空の例です。実在する区間の運賃や個別の支給決定を示すものではありません。

算定上の往復距離 交通費の距離条件 宿泊料の距離条件
180km 満たさない 満たさない
240km 満たす 満たさない
420km 満たす 満たす。金額は距離・訪問事業所数で算定

交通費は往復200km以上、宿泊料は交通費計算の基礎となる距離が400km以上が目安となる境目です。自分の都合で宿泊したからといって、200〜399kmの移動に宿泊料が追加されるわけではありません。

交通費は通常の経路・方法による運賃等で計算され、宿泊料も距離と訪問数に応じた制度上の金額です。実際に買った切符や予約したホテルの代金が、そのまま全額戻ると考えないようにしましょう。航空機・車の利用や経路の変更は、予約前に窓口へ伝えてください。

距離と算定方法:厚生労働省「広域求職活動費に関するお知らせ」2ページ。

会社から交通費が出る場合は差額を確認する

面接先の会社から交通費などが出る場合は、その金額をハローワークへ伝えます。会社の支給額が広域求職活動費の計算額より少ない場合に、その差額が支給されます。

たとえば、制度上の計算額が18,000円、会社からの支給額が6,000円と仮定すると、広域求職活動費は次の計算になります。

18,000円 − 6,000円 = 12,000円

18,000円は説明用に置いた仮の計算額です。「自分が払った金額」から単純に差し引く計算ではありません。会社の支給額が制度上の計算額以上なら、広域求職活動費の支給はありません。

求人票に「交通費支給」とだけ書かれている場合は、全額か上限付きか、面接当日に渡されるのか後日振り込まれるのかを確認しておきましょう。金額が未定の段階でも、そのことをハローワークへ伝えて申請方法を聞いてください。

差額支給の根拠:雇用保険法施行規則 第98条の2・第99条。

受給回数の上限は所定給付日数で変わる

2026年8月1日以後に開始する広域求職活動には、受給回数の上限があります。基本手当の通常の所定給付日数の場合は、次の表で確認できます。

所定給付日数 受給回数の上限
90日以下 3回
120日 4回
150日 5回
180日 6回
210日 7回
240日 8回
270日 9回
300日 10回
330日 11回
360日 12回

見るのは、基本手当があと何日残っているかではなく、所定給付日数です。たとえば所定給付日数90日の人が、上限の対象になる広域求職活動費をすでに2回受けていれば、残りは1回です。

2026年7月31日以前に開始した活動は、この上限の回数に数えません。8月以後に申請したかどうかだけで判断せず、活動の開始日を確認してください。

訓練などによる延長給付を受けている場合や、基本手当以外の受給資格の場合は、この表だけで判断せず、自分に適用される上限を雇用保険窓口で確認しましょう。また、複数の会社をまとめて訪問するときは、訪問社数をそのまま受給回数に置き換えず、指示を受ける際に数え方を聞いてください。

回数と開始日の根拠:厚生労働省「広域求職活動費に関するお知らせ」1ページ。

職業訓練の受講中に遠方面接を入れる場合は、旅費の確認とあわせて、授業・修了予定日・就活時期を整理しておくと相談しやすくなります。

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申請の流れは「紹介・指示書 → 面接の証明 → 書類提出」

交通費を使った後に領収書だけを持っていくのではなく、面接前から手続きを進めます。

  1. 応募前に職業相談窓口で相談する。求人番号、面接予定の所在地、日程、会社の交通費支給の有無を伝え、広域求職活動費の対象となる紹介か確認します。
  2. 紹介を受け、雇用保険窓口で書類を受け取る。「広域求職活動指示書」と、訪問先の数に応じた「広域求職活動面接等訪問証明書」が交付されます。このとき経路と受給回数も確認します。
  3. 紹介先で面接等を受け、訪問証明を依頼する。面接を受けた事業所に、訪問証明書の事業主証明欄を記入してもらいます。書類を持参し、どの欄の証明が必要か先に確認しておくとスムーズです。
  4. 活動終了後、雇用保険窓口へ申請する。受給手続きをしているハローワークへ必要書類を提出します。

基本となる提出書類は次の4点です。

  • 求職活動支援費(広域求職活動費)支給申請書
  • 雇用保険受給資格者証
  • 広域求職活動指示書
  • 広域求職活動面接等訪問証明書

受給資格通知の交付を受けている場合は、マイナンバーカードの提示による取り扱いがあります。自分に必要な持ち物を窓口で確認してください。運賃の領収書・利用記録や会社から支払われる費用が分かる資料も、必要なものを確認して保管しておきましょう。

手続きの根拠:ハローワークインターネットサービス「広域求職活動費について」、雇用保険法施行規則 第99条。

申請は活動終了の翌日から10日以内。過ぎたらすぐ相談

原則の申請期限は、広域求職活動を終了した日の翌日から10日以内です。複数日にわたる活動なら、単に最初の面接日だけを基準に数えるものではありません。

帰着後に訪問証明書の不足や記入漏れが分かった場合は、期限まで放置せずハローワークへ連絡してください。通常の失業認定日が10日より先なら、その認定日まで待たずに提出方法を確認します。

一方、10日を過ぎたことだけで、直ちに申請できなくなるわけではありません。厚生労働省は、広域求職活動費について活動終了日の翌日を基準とする2年の時効が完成するまで、申請できると案内しています。

これは、申請を2年待ってよいという意味ではなく、期限を過ぎた場合にも相談できるということです。紹介・指示や距離などの受給要件は必要なので、時効の期間内だからといって、自主応募した面接が後から対象に変わるわけではありません。

期限を過ぎている場合は、活動終了日、紹介を受けた記録、手元の指示書・訪問証明書をそろえ、雇用保険窓口へ相談しましょう。

申請期限と時効の根拠:厚生労働省「雇用保険の給付金は、2年の時効の期間内であれば、支給申請が可能です」1ページ。

自主応募・不採用・訓練の交通費で迷ったとき

ハローワークのサイトからオンライン自主応募した場合は?

オンライン自主応募はハローワークの紹介に当たらず、広域求職活動費の対象外です。ハローワークに掲載されている求人でも、応募方法によって扱いが変わります。企業へ直接応募する前に、職業相談窓口へ相談しましょう。

根拠:ハローワーク「オンライン自主応募について」。

面接で不採用になっても申請できる?

広域求職活動費は、紹介先を訪問して面接等を行う活動に対する給付です。採用されたこと自体は支給条件ではないため、不採用でも、ほかの条件を満たしていれば対象になります。選考結果を待つ間も、活動後の申請期限には注意してください。

職業訓練に通う交通費もこの制度で出る?

ここで説明した広域求職活動費は、遠方の求人事業所への面接等に使う制度です。訓練施設への日々の通学費は、訓練中の通所手当など、別の支援として確認します。

求人を探すなかで、応募先を広げるために資格や技能を身につけたいと考えた場合は、訓練中の生活費と通学費をどの制度で支えられるかも確認してみてください。

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