フランチャイズ飲食店で働いた職歴は、自分を雇用していた会社の正式名称を先に書き、勤務したブランド名・店舗名を添えると関係が伝わります。どちらか一方を選ぶより、「会社名=雇用主」「店舗名=働いた店」と分けて書くのが分かりやすい方法です。
たとえば株式会社〇〇フードサービスに雇われ、同社が運営する△△バーガー新宿店で働いていたなら、入社した会社は株式会社〇〇フードサービスです。有名なチェーンでも、ブランド本部に雇われていたとは限りません。
まず会社が運営する加盟店の記入例を紹介し、雇用主の調べ方と法人名がない加盟店の書き方を説明します。以下はそれぞれ別の人を想定した架空の見本です。
会社が運営するフランチャイズ店の職歴記入例
運営会社のアルバイトとして入社し、すでに退職している例です。学歴を書いた後に一行空け、「職歴」から次の内容を記載します。
| 年 | 月 | 学歴・職歴 |
|---|---|---|
| 職歴 | ||
| 2022 | 4 | 株式会社〇〇フードサービス 入社(アルバイト) |
| △△バーガー 新宿店にて接客・レジ・調理補助を担当 | ||
| 2026 | 8 | 一身上の都合により退職 |
| 以上 |
最初の行で雇用主と雇用形態、次の行で勤務店舗と担当業務を示しています。この書き方なら、会社への在籍と飲食店での経験が両方伝わります。
名前が長くなければ「株式会社〇〇フードサービス 入社(アルバイト・△△バーガー新宿店勤務)」のように一行で書く方法もあります。文字を小さく詰め込むより、枠の幅に合わせて店名を次の行へ分けましょう。
クックビズの飲食業界向け履歴書ガイド「職歴」でも、社名と店名を両方記載する方法が紹介されています。本記事では、フランチャイズの雇用主を取り違えないように分けて示しています。
現在も勤務している正社員の場合
在職中なら退職の行を作らず、末尾に「現在に至る」を記載します。正社員でもアルバイトでも、雇用主と店名を分ける考え方は同じです。
| 年 | 月 | 学歴・職歴 |
|---|---|---|
| 職歴 | ||
| 2021 | 10 | 株式会社□□ダイニング 入社(正社員) |
| ◇◇珈琲 池袋店にて接客・ドリンク作成・食材発注を担当 | ||
| 現在に至る | ||
| 以上 |
「◇◇珈琲」は店のブランド名、「株式会社□□ダイニング」は雇用主という設定です。ブランド本部の会社名へ置き換えず、自分が在籍している会社を記載します。
本部の会社名・加盟店の会社名・店舗名の違い
フランチャイズでは、店の看板やメニューを提供する本部と、実際に店を経営する加盟店が別の事業者であることがあります。中小企業庁のフランチャイズに関する案内も、本部と加盟店を独立した事業者として説明しています。
| 名前の種類 | 何を示すか | 履歴書での扱い |
|---|---|---|
| ブランド本部の会社名 | チェーンのブランドを展開する会社 | 自分の雇用主だった場合に会社名として記載する |
| 加盟店を運営する会社名 | 自分を雇用し、勤務先の店を運営していた会社 | その会社に雇われていたなら入社の行に記載する |
| ブランド名・店舗名 | 実際に働いた飲食店 | 会社名に続けて、または次の行に添える |
同じチェーンに直営店と加盟店があっても、履歴書では「自分は誰に雇われていたか」を確認すれば整理できます。制服や看板が本部と共通だったことだけで、本部への入社とは書きません。
「フランチャイズ加盟店」と必ず添える?
雇用主と勤務店舗が明確なら、毎回「フランチャイズ加盟店」という説明まで加える必要はありません。会社名から飲食店勤務と分かりにくい場合は「△△バーガーのフランチャイズ店にてホール業務に従事」などと補足できます。
「フランチャイズ社員」という独自の雇用形態にせず、正社員・アルバイト・パートなど実際の働き方を記載します。フランチャイズは店の運営の仕組みであり、自分の雇用形態とは分けて考えましょう。
雇用主の会社名が分からないときの確認手順
まず入社時や在職当時の書類を確認します。現在の店舗サイトだけを見ると、退職後に運営会社が変わっている場合もあるため、働いていた時期の情報と照合しましょう。
| 確認するもの | 見るところ |
|---|---|
| 雇用契約書・労働条件通知書 | 使用者・事業主・会社名などの記載 |
| 源泉徴収票・給与明細 | 支払者や発行元の名称。契約書の会社名と一致するかも確認 |
| 当時の求人票・採用時の案内 | 募集企業・雇用主・店舗運営会社の表記 |
| 勤務先への問い合わせ | 在籍当時の正式な雇用主名と、その表記 |
給与の振込名義が短縮されていたり、求人ページにブランド本部の名前だけが大きく出ていたりする場合もあります。一つの表示だけで決めず、書類の内容が食い違う場合は当時の勤務先へ確認してください。
問い合わせるなら「〇年〇月から〇年〇月まで△△店で勤務していました。履歴書に記載するため、当時の雇用主の正式名称を教えていただけますか」と伝えると確認したい内容が明確です。
会社名がまだ確認できない段階で、本部の会社名を仮に入れるのは避けます。提出期限までに判明しないときは応募先へ確認中であることを伝え、どのように補足するか相談しましょう。
法人名がないフランチャイズ加盟店の場合
加盟店のオーナーが個人事業主で、法人名がないと確認できた場合は、勤務先として使われていた屋号・店舗名を記載します。ここでは個人事業の△△バーガー中野店に雇われていた例を示します。
| 年 | 月 | 学歴・職歴 |
|---|---|---|
| 職歴 | ||
| 2023 | 5 | △△バーガー 中野店 勤務(アルバイト) |
| 個人事業のフランチャイズ加盟店にて接客・レジを担当 | ||
| 2026 | 7 | 一身上の都合により退職 |
| 以上 |
法人名がないため「株式会社」を付けず、「勤務(アルバイト)」としています。ハローワークの応募書類作成資料(PDF・冊子8ページ)でも、個人事業所など会社以外の就業先では「勤務」「入職」などを使う方法が紹介されています。
「オーナーがいる店」だけでは個人事業か法人かは判断できません。法人を経営するオーナーもいるため、会社名がないと思い込まず、前の確認手順で雇用主を確かめてから使う例です。
法人名がない店での「勤務」の書き方や、在職中・退職後の見本は、個人経営の飲食店の職歴記入例も参考にしてください。
別店舗へ移ったときは、ブランドより雇用主で整理する
同じチェーンの店へ移っても、同じ会社に在籍したままなのか、別会社に雇われ直したのかで職歴の書き方が変わります。
| 実際の経歴 | 整理の仕方 |
|---|---|
| 同じ会社に在籍したまま別店舗へ異動 | 入社の行を残し、店舗の異動を補足する |
| 前の会社を辞め、別会社の同じブランドの店へ入社 | 会社ごとに入社・退職を分ける |
| 働く店は同じだが運営会社が変わった | 契約や在籍関係の変更を確認し、実際の経歴に合う表現にする |
店舗異動が複数回ある場合や、異動歴をまとめる場合は、飲食店で店舗異動した場合の履歴書の記入例を参考にしてください。会社の変更を、店名だけを見て「異動」とまとめないことがポイントです。
会社名・店舗名を書くときによくある疑問
アルバイトなら店舗名だけでもよい?
雇用主の会社名が確認できるなら、アルバイトでも会社名と店舗名を組み合わせると勤務先が明確になります。店舗名だけでは本部雇用か加盟会社雇用か分からない場合があるので、最初の表のように会社名の後ろへ「アルバイト」と添えましょう。
チェーン名は正式名称で、支店名も書く?
当時使われていた正式な店舗表記を確認し、「〇〇店」まで書くと働いた場所が伝わります。略称で呼んでいた店でも、履歴書では公式の店名を使います。すべての店舗を細かく列挙するかは、異動の回数や職歴欄の広さに合わせて整理できます。
応募フォームに会社名の欄しかない場合は?
会社名欄には雇用主の正式名称を入れ、所属・仕事内容・備考などの欄があれば店舗名を添えます。会社名しか入力できない場合はその欄の説明に従い、必要に応じて職務経歴書や面接で勤務店舗を補足しましょう。
会社名を確認したら、年月と仕事内容を整える
提出前は、雇用主の正式名称、勤務店舗、入社・退職年月、雇用形態がそろっているかを見直します。会社名だけでは伝わりにくい接客・調理・発注などの経験は、職歴の次の行に短く補足すると読みやすくなります。
志望動機や本人希望欄も含めて履歴書を仕上げたい場合は、飲食店の履歴書全体をまとめた次の記事で確認できます。



