介護事務は、介護保険サービスを提供する施設・事業所で、介護報酬請求、利用者への自己負担請求、受付、電話、契約書類、勤怠、会計、備品、行政への届出などを担当する仕事です。規模が小さい職場では、事務だけでなく見守り、配膳、送迎補助等を兼ねる場合があります。
職業訓練で介護保険・介護事務・PC・接遇を学んでも、求人名だけでは実際の担当範囲が分かりません。請求専任か施設事務全般か、介護補助と運転があるか、月末月初に一人で締めるかを確認してください。

介護事務の主な仕事
| 業務 | 具体例 | 求人で確認する点 |
|---|---|---|
| 介護報酬請求 | 実績確認、請求データ、点検、伝送、返戻対応 | 担当サービス、件数、確認者 |
| 利用者請求 | 自己負担、食費・居住費等の請求、入金 | 現金・口座、未収対応 |
| 受付・連絡 | 来客、電話、家族、事業者、行政との連絡 | クレーム、緊急連絡 |
| 庶務・労務 | 勤怠、備品、郵便、会議、採用補助 | 給与・社保まで担当するか |
| 契約・行政書類 | 新規利用、変更、届出、加算関係資料 | 作成・確認・提出の責任 |
| 現場補助 | 見守り、配膳、送迎、清掃等 | 身体介護、資格、運転の有無 |
『レセプト業務あり』でも、実績入力だけ、請求前点検まで、伝送・返戻・過誤まで一人で担当する求人があります。どこからどこまでを任されるかを工程で聞きます。
公的情報:job tag 介護事務
介護報酬請求の流れ
- 予定と実際に提供したサービス実績を確認する
- 利用者の認定・負担割合・公費等を確認する
- サービスコード、回数、加算等をシステムへ反映する
- ケアプラン・提供記録・実績との不一致を照合する
- 責任者・サービス担当者へ疑問を確認する
- 請求データを点検し、期限までに伝送する
- 返戻・保留・過誤があれば原因を調べ修正する
事務がケアプランやサービス提供記録を推測して作り替えてはいけません。記録がない、実績が合わない、算定要件が不明なときは、サービス提供責任者、ケアマネジャー、管理者等へ確認し、根拠と修正履歴を残します。
医療事務との違い
| 比較 | 介護事務 | 医療事務 |
|---|---|---|
| 主な請求 | 介護報酬・利用者負担 | 診療報酬・患者負担 |
| 主な職場 | 施設、通所、訪問、居宅等 | 病院、診療所等 |
| 連携相手 | 介護職、ケアマネ、家族、自治体等 | 医師、看護師、検査部門等 |
| 請求の元 | ケアプラン、提供実績、記録等 | 診療・検査・処置等の記録 |
| 兼務 | 庶務・労務・介護補助を含む例 | 受付・会計・病棟事務等を含む例 |
受付、保険、公費、個人情報、請求という共通点はありますが、制度・サービスコード・現場の職種が違います。医療事務経験を歓迎する求人でも、介護保険請求の教育があるかを確認します。

職場の種類で仕事が変わる
- 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設:入所者、家族、請求、物品、職員事務が広い
- デイサービス:利用予定、送迎、昼食、実績、家族連絡が動く
- 訪問介護:ヘルパー実績、予定変更、サービス提供責任者との確認が多い
- 訪問看護:医療保険と介護保険の両方を扱う場合がある
- 居宅介護支援:ケアマネジャーの給付管理・書類を支える
- グループホーム:少人数で施設事務と現場補助が重なることがある
担当サービスが複数ある法人では、請求ルールと締めが増えます。本部集中で請求するのか、各事業所で完結するのかも重要です。
月末月初に忙しくなる理由
月末に利用実績を締め、月初に記録・予定との不一致を直し、請求期限へ向けて点検・伝送するため、月末月初へ作業が集中します。祝日や連休があっても期限が動かず、担当者の休みが取りにくい職場があります。
繁忙期の最大残業、休日出勤、締めを担当する人数、担当者が休んだ場合の代替、在宅での請求作業の可否と個人情報管理を聞きます。『普段は残業なし』だけでは判断しません。
介護補助・身体介護・送迎を分ける
求人の『現場サポート』には、見守り、配膳、清掃、レクリエーション準備から、移乗・排泄・入浴等の身体介護まで幅があります。資格・研修・人員配置を確認し、事務の途中で無計画に呼び出される体制ではないかを見ます。
送迎を担当するなら、普通免許の要否、車種、添乗、乗降介助、運転区域、事故時の体制、送迎中に事務が無人になるかを確認します。『運転できる方歓迎』を任意と思い込まないことが重要です。
資格は必須ではない
介護事務として働くために、全国一律で必須の公的資格が定められているわけではありません。民間の介護事務資格は制度・請求の学習目標になりますが、求人ではPC、接遇、請求経験、介護保険の理解、職場の兼務条件が見られます。
公的情報:厚生労働省編職業分類 介護事務員
資格取得だけで本番請求を一人で締められるわけではありません。入社後に過去データ、模擬請求、並走期間、ダブルチェックがあるかを重視します。
職業訓練で学べる範囲
介護職員初任者研修と介護事務を組み合わせた公的職業訓練があり、介護保険・請求・PC・現場知識を学べる例があります。ただし、介護職就職が中心のコースと事務就職まで想定するコースでは、請求演習の時間が違います。
公的情報:ハローワーク 令和8年度 介護・介護事務職を想定する訓練例
コース選びでは、介護事務の授業時間、使用ソフト、模擬レセプト、返戻・過誤、施設実習、PC、取得できる資格が任意か修了要件かを確認します。

レセコン・Excel・紙書類
介護請求ソフトだけでなく、勤怠、会計、Word・Excel、メール、行政の電子申請、紙ファイルを併用します。利用者番号、サービス月、単位、金額、版の違いを取り違えないよう、入力元と確認者を明確にします。
個人情報を私物端末・私用メールへ移さず、画面権限、印刷、FAX、郵送、廃棄のルールを守ります。小規模事業所でも『家族のような職場』を理由に情報管理を曖昧にしてはいけません。
求人票で確認する21項目
- 施設・訪問・通所・居宅等のサービス種類
- 利用者数・請求件数・事業所数
- 介護報酬請求の担当範囲
- 利用者請求と現金・未収管理
- 返戻・過誤・監査資料の担当
- 本部請求か事業所請求か
- 事務職の人数と一人事務時間
- 月末月初の残業・休み
- 担当者不在時の代替
- 受付・家族・行政・業者対応
- 勤怠・給与・会計・採用の範囲
- 介護補助の具体的内容
- 身体介護の有無と資格
- 送迎・運転・乗降介助
- 使用する介護ソフト
- PC・FAX・個人情報管理
- 未経験研修と並走月数
- 請求前の確認者
- 土日祝・早番・遅番・宿直
- 法人内異動・複数施設応援
- 資格支援と正社員登用

注意したい求人
事務一人で複数サービスの請求・給与・会計・受付を担当し、引継ぎが数日、確認者も代替者もいない求人は慎重に見ます。介護補助が『状況により』とだけ書かれ、身体介護や送迎の境界が答えられない職場も詳しい確認が必要です。
面接では『締め前に実績が合わない場合は誰へ確認しますか』『前任者が休んだ月の請求は誰が行いますか』と、エラー時の体制を聞きます。
返戻・過誤が出たときの対応
請求が返戻されたら、利用者資格、サービスコード、給付管理、実績、事業所情報等のどこに不一致があるかを確認します。データだけを再送せず、ケアプラン・提供記録・自治体や国保連からの通知と照合し、担当専門職・管理者の確認を受けます。
請求後に実績誤りが分かった場合は、過誤・再請求等の正式な手順を使います。翌月の数字でこっそり相殺したり、利用者請求だけ直して介護報酬を放置したりしません。原因、対象月、金額、利用者への影響、修正日を記録します。
実地指導・監査に備える書類管理
介護事業所は、契約、計画、提供記録、勤務体制、加算、請求等の根拠を後から確認できるようにします。事務は必要書類の所在、保存期間、版、押印・署名、個人情報を管理し、期限直前に不足を作り直さないよう月ごとに点検します。
事実と違う記録を後日まとめて作る指示には従わず、責任者へ報告します。訓練で模擬レセプトを作った人は、数字の正しさだけでなく、元になる記録と照合した手順を面接で話せます。
よくある質問
介護の資格がなくても介護事務になれますか
事務職に必須資格が一律に定められているわけではありません。ただし現場介護を兼ねる求人は、業務内容と必要研修を確認してください。
医療事務の資格は使えますか
保険・請求・接遇の基礎は役立ちますが、介護保険のサービスと請求を別に学ぶ必要があります。
介護事務は夜勤がありますか
基本日勤の求人が多い一方、施設の宿直・電話当番・現場兼務を含む場合があります。勤務表と担当業務を確認します。
まとめ|請求範囲・兼務・代替者を見る
介護事務は、介護報酬・利用者請求を中心に、受付、契約、労務、会計、行政書類を支える仕事です。施設の種類と規模によって、請求専任から現場補助・送迎を含む事務全般まで広がります。
職業訓練後の求人では、担当サービス、件数、月末月初、確認者、一人事務、介護補助、運転、レセコンを確認してください。資格名より、記録と実績を照合し、不明点を専門職へ戻せる体制が重要です。

