自動ドアの施工・保守技術者は、店舗、病院、オフィス等の自動ドア装置を取り付け、センサー・制御装置・駆動部を配線・調整し、定期点検と故障修理を行う仕事です。施工だけ、保守だけ、両方を担当する求人があります。
機械・電気・建具の境界にある仕事で、未経験採用もあります。ただし、一人で車を運転して巡回する時期、夜間・休日の故障当番、高所、重量物、ガラス・建具工事との分担は会社によって違います。

自動ドア技術者の主な仕事
| 業務 | 具体的な作業 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 現地調査 | 開口、寸法、電源、建具、動線を確認 | 営業・施工の担当区分 |
| 新設施工 | 装置・レール・センサー・配線・扉の調整 | ガラス・建具の分担 |
| 定期点検 | 開閉、速度、検知、安全装置、摩耗を確認 | 一日件数、点検基準 |
| 故障対応 | 症状確認、部品交換、調整、復旧 | 当番、夜間、部品在庫 |
| 報告・提案 | 点検票、写真、顧客説明、見積補助 | タブレット、売上目標 |
新設施工の流れ
- 図面・現場・電源・開口寸法を確認する
- 作業区画と第三者の安全を確保する
- 駆動装置、レール、センサー等を取り付ける
- 電源・制御線を接続する
- 扉、戸車、ベルト等を組み付け調整する
- 開閉速度、検知範囲、安全機能を試験する
- 顧客へ説明し、施工・検査記録を残す
営業中の店舗や病院では、人を通しながら工事できない場面があります。養生、誘導、作業時間の調整、粉じん・騒音、仮囲いまで担当するかを確認します。
保守・点検の流れ
扉の開閉状態、異音、速度、センサー検知、挟まれ防止、安全表示、レール・戸車・ベルト・配線等を点検し、清掃・締付け・調整・消耗部品交換を行います。異常を再現できないときは、利用状況と発生時刻を聞き、記録や部品状態から原因を絞ります。
技能検定で扱う範囲
自動ドア施工技能検定は、材料の加工・組立て、装置の取付け、回路図等による配線・接続、分解・調整、検査、故障発見・修理、見積り等の技能・知識を対象にしています。施工だけでなく電気と保守まで含む職種だと分かります。
公的情報:JAVADA 自動ドア施工の作業内容
電気工事士・技能士はいつ必要か
担当する電気工事の範囲によって電気工事士資格が必要になります。自動ドア施工技能士は技能を示す国家検定ですが、応募時必須か入社後取得かは求人で異なります。資格がない未経験者へ、どこまで補助作業を任せ、誰の監督で学ぶかを確認します。

ガラス・サッシ・建具との分担
自動ドア装置だけを担当し、扉本体・ガラス・枠は建具業者が施工する現場と、一社でまとめて担当する現場があります。ガラス扉は重量と破損リスクがあり、搬入人数、吸盤等の器具、養生、責任範囲を確認します。
故障対応で必要な切り分け
- 電源が来ているか
- センサーが人や物を検知しているか
- 扉・レールに物理的な引っ掛かりがないか
- 制御装置の表示・履歴に異常があるか
- 配線・コネクタ・消耗部品に問題がないか
- 使用環境や他工事の影響がないか
安全装置を一時的に無効化したまま引き渡したり、原因不明のまま再起動だけで終えたりしません。完全復旧できない場合の使用停止、仮復旧、部品手配、顧客説明の権限を確認します。
運転・巡回・一人作業
保守はサービス車で複数現場を巡回し、駐車、工具・部品運搬、顧客受付を一人で行う場合があります。普通免許の要否、AT限定、運転エリア、一日件数、直行直帰、車両持帰り、駐車違反防止、事故時の体制を確認します。
未経験者が何か月で単独巡回するか、困ったときに電話・映像で支援できるか、重量扉や高所は応援を呼べるかが重要です。
夜間・休日・緊急当番
商業施設の閉店後施工、病院やホテルの緊急故障、休日当番があります。求人の『当番あり』について、月の回数、待機場所、呼出し頻度、待機手当、出動手当、翌日の勤務、複数人体制を聞きます。
高所・脚立・重量物
装置は扉の上部にあり、脚立・作業台での作業があります。頭上作業で工具を落とさない措置、作業区画、二人作業、高所教育を確認します。装置や扉の最大重量と、持上げ器具も具体的に聞きます。
職業訓練で活かせる内容
電気設備訓練の配線・回路・測定・安全、機械訓練の工具・組立・図面、CAD訓練の納まり、接客訓練の顧客説明がつながります。訓練で扱っていないメーカー固有装置は、マニュアルと先輩同行で学ぶ前提を示します。

求人票で確認する19項目
- 施工・保守・営業の比率
- 自動ドア装置と建具の担当範囲
- 電気工事の範囲
- 新設・改修・故障の件数
- 病院・店舗等の顧客
- 一日訪問件数
- 運転エリアと直行直帰
- 単独巡回までの教育
- 高所と最大重量
- 夜間工事
- 休日・緊急当番
- 待機・出動手当
- 翌日の勤務調整
- 工具・車両・制服
- 資格取得支援
- メーカー研修
- 売上・提案目標
- 事故・破損時の体制
- 同行見学の可否

面接で聞く質問
- 未経験者は何か月先輩同行しますか
- 施工と点検は一日何件ですか
- ガラス扉や枠は誰が担当しますか
- 夜間・休日当番は月何回で平均出動何件ですか
- 一人で持つ最大重量は何kgですか
- 故障原因が分からないときの支援体制はありますか
経験後のキャリア
保守から施工、故障診断、現地調査、見積、工程管理、新人教育、拠点責任者へ進む例があります。修理件数だけで評価されるのか、安全・再発防止・技能資格も評価されるのかを確認します。
公的情報:JAVADA 令和7年度 自動ドア施工技能検定実技概要
公的情報:全国自動ドア協会 自動ドア安全ガイド
点検記録と顧客説明
点検では測定値、交換部品、調整前後、異常箇所、次回推奨時期を記録します。顧客へは『直りました』だけでなく、使用制限、再発時の連絡、交換を見送った部品、利用者への注意を説明します。写真へ来訪者や患者情報が写らないよう配慮します。
部品交換か本体更新かを判断する境界
消耗部品の交換で直る故障と、装置の老朽化、扉重量、設置環境、安全基準を含めて更新すべき案件があります。現場技術者が単独で高額更新を決めるのではなく、点検結果を持ち帰り、設計・営業・責任者と判断する体制を確認します。
停電・防火設備との関係
停電時の開閉、非常口、火災時の連動、防火戸・防火シャッターとの納まりは建物ごとに異なります。通常動作だけでなく非常時の仕様と復旧手順を図面・取扱説明書で確認し、関係設備を勝手に切り離しません。
現地調査で見落としやすい点
- 扉の質量・材質・開閉方向
- 通行量、子ども・高齢者・車いすの利用
- センサー検知範囲と人だまり
- 床の段差、マット、雨水、風圧
- 電源・配線経路・他設備との連動
- 作業車の駐車・搬入経路
- 営業時間と作業区画
装置だけ交換しても、重すぎる扉、狭い検知範囲、床の障害物が残れば安全な開閉になりません。現場条件を写真・寸法・利用状況で記録し、設計変更が必要なら施工前に戻します。
保守契約と単発修理の違い
定期点検契約の顧客を巡回する仕事と、故障連絡を受けて単発修理する仕事では、予定の立てやすさと緊急性が違います。保守契約の更新提案や部品販売の目標が技術者にもあるか、点検時間を件数だけで短縮していないかを確認します。
利用者を通しながら試験しない
調整・試運転中は自動ドアが予期せず動く可能性があります。カラーコーン、監視員、電源管理で通行を止め、顧客の了承を得て試験します。病院等で通路を完全閉鎖できない場合の迂回路と作業時間を事前に決めます。
よくある質問
自動ドア施工は電気工事士が必須ですか
担当する電気工事の範囲で必要性が変わります。応募時必須か入社後取得か、無資格中の担当範囲を求人企業へ確認してください。
未経験でも一人で修理へ行きますか
研修後に単独巡回する会社があります。同行期間、遠隔支援、応援要請、夜間当番開始時期を確認します。
自動ドア施工とサッシ工は同じですか
重なる現場はありますが、自動ドア装置・配線・センサー・保守を中心にする職種と、枠・窓・扉等の建具施工を中心にする職種で担当が分かれる場合があります。
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建具の施工・保守という点で隣接するシャッター技術職について、取付、調整、法定検査との違い、故障対応、重量物、夜間当番を整理しました。

まとめ|施工より保守・当番・運転の条件まで見る
自動ドア施工・保守は、装置取付、配線、調整、点検、故障診断を行う機械・電気・建具の複合職です。未経験求人でも、メーカー固有技術と安全を同行教育で学ぶ必要があります。
職業訓練後は、施工と保守の比率、建具との分担、運転、単独巡回、夜間当番、高所、資格支援を確認してください。緊急対応を一人の無理に頼らない会社を選びましょう。

