Webデザイナーの自己PRは、売上・CVR・CTRなどの数字がなくても書けます。数字を無理に作るのではなく、「何を任され、何を考えて、どう制作し、何を確認できたか」を具体化するほうが安全です。
特に、会社側で効果測定をしていない、数値を共有されていない、チーム制作で個人の成果に分けられない場合は、担当範囲・制作上の工夫・レビューや公開までの流れを材料にします。まずは、そのまま書き換えられる例文から見ていきましょう。
数字の実績がないWebデザイナーの自己PR例文
数字がないときは、「成果」を大きく見せるより、自分の判断と行動が分かるエピソードを選びます。次の3例は、実際の履歴書にある「志望動機・自己PR」欄へ記入したときの見え方に近い形で示します。自分の経験に近い例を選び、担当していない内容は必ず置き換えてください。
LP・バナー制作で、情報整理を強みにする例
この例は、売上やCVRを知らなくても、「依頼を受ける→意図を整理する→デザインする→レビューを反映する」という仕事の進め方を説明しています。実際に担当していない工程は削ってください。
サイト運用・改修で、品質をそろえる力を伝える例
「更新を担当した」だけで終わらせず、何を見て判断したのかまで入れるのがポイントです。ガイドラインやコンポーネントを実際に使っていた場合は、その事実へ置き換えるとさらに具体的になります。
ディレクター・エンジニアとの連携を強みにする例
チーム全体の成果を自分一人の実績のように書かず、自分が整理したこと・確認したこと・共有したことに絞ると、数字がなくても担当範囲が伝わります。
自己PRは「強み+場面+行動+確認できたこと」で作る
数字を使わない場合も、自己PRを抽象的な性格説明だけにする必要はありません。次の4つを一つのエピソードでつなげます。
| 整理する項目 | Webデザイナーなら探す内容 |
|---|---|
| 強み | 情報整理、意図の言語化、品質確認、調整、改善など |
| 場面 | LP制作、バナー制作、サイト更新、UI改修、実装連携など |
| 自分の行動 | 要件確認、優先順位整理、デザイン比較、レビュー反映、仕様共有など |
| 確認できたこと | レビューで採用された、公開まで担当した、修正内容を反映できた、関係者と認識を合わせたなど、実際に確認できる事実 |
厚生労働省の「マイジョブ・カード」でも、特別な実績や資格がなくても、日々の業務や活動の中で発揮した強みを自己PRにつなげられると説明されています。自己PRでは、強みを言い切るだけでなく、それを仕事でどう発揮したかを示すことが重要です。
参考:マイジョブ・カード「自身の強みとは ~自己分析の方法や面接での答え方~」
数字の代わりに書ける「結果」を探す
「数字がない=結果がない」ではありません。Webデザインでは、売上やCVR以外にも、自分が確認できた事実があります。
| 手元にない数字 | 代わりに確認すること |
|---|---|
| CVR・CTR | どの目的で制作し、どの要素を優先してデザインしたか |
| 売上への貢献額 | どの制作物を担当し、どこまで自分が担当したか |
| 修正回数の削減率 | レビュー時に何を確認し、どのように修正意図を反映したか |
| 制作時間の短縮率 | テンプレート、コンポーネント、既存ルールなどをどう使って進めたか |
| ユーザー満足度 | 公開前にどの端末・画面・仕様を確認したか、誰と確認したか |
ここで大切なのは、右欄も実際に経験したことだけを書くことです。「使いやすさを向上させた」「離脱を減らした」といった表現は、確認できる根拠がなければ結果として断定しません。
担当範囲そのものを整理したい場合は、Webデザイナーの職務経歴書にLP・バナー制作はどう書く?担当範囲の記入例も参考にしてください。
自己PRの材料が見つからないときは、制作物ではなく「作業の跡」から探す
大きな成功案件を思い出そうとすると、材料が見つからないことがあります。その場合は、最近の制作を一つ選び、作業の途中に残った記録から振り返ると探しやすくなります。
- Figmaなどのコメントやバージョン履歴:どんな指摘を受け、どう直したか
- Backlog・Jiraなどのチケット:依頼内容と自分の担当範囲
- Slack・Teamsなどのやり取り:確認したこと、提案したこと、共有したこと
- デザインガイドや既存ページ:何を基準にデザインをそろえたか
- 公開前チェックの記録:どの画面や仕様を確認したか
これらは、応募書類へそのまま添付するためではなく、自分が何をしていたかを思い出すための材料です。顧客名、社内情報、未公開データなどは応募書類へ持ち出さず、仕事内容が伝わる範囲へ一般化してください。
材料を見つけたら、この型に当てはめる
書く材料が決まったら、次の型に当てはめると自己PRにまとめやすくなります。
「その結果」に入れるものが数字である必要はありません。レビューで採用された、公開まで担当した、実装担当者と仕様を確認したなど、自分が説明できる事実を入れます。
履歴書の欄が小さいときは、強みと行動だけ残す
履歴書の自己PR欄が小さい場合は、すべての経緯を入れず、強みとそれを裏付ける行動を残します。
職務経歴書も提出する場合は、そこで担当範囲や制作の流れを詳しく補足できます。ハローワークの応募書類資料でも、職務経歴書には職務経歴だけでなく、活かせる能力や自己PRなどを盛り込めると案内されています。
参考:ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」
「コミュニケーション力」だけで終わらせない
数字がない人ほど、「コミュニケーション力があります」「丁寧に仕事ができます」と性格だけを書いてしまいがちです。これでは、Webデザイナーとして何をした人なのかが分かりません。
例えばコミュニケーション力なら、「エンジニアへ実装上の注意点を共有した」「修正依頼の意図を確認してから対応した」のように、仕事中の行動へ変換します。丁寧さなら、「既存ページのルールを確認してから更新した」「公開前にPC・スマホ双方を確認した」など、実際の確認方法へ置き換えます。
マイジョブ・カードの自己PR解説でも、単に「コミュニケーション能力がある」と書くより、実務の中でどう活かしたかを具体化する考え方が示されています。
ポートフォリオと自己PRは役割を分ける
自己PRは、制作物そのものを見せる欄ではなく、制作の中でどのような強みを発揮したかを伝える欄です。完成したデザインはポートフォリオで見せ、自己PRでは「なぜその設計にしたか」「どこを担当したか」「どう周囲と進めたか」を補足すると役割が分かれます。
ポートフォリオのURLを履歴書のどこへ置くか迷っている場合は、WebデザイナーのポートフォリオURLは履歴書のどこに書く?記入例つきで記載位置を確認できます。
まとめ|数字がないなら、制作の「判断」と「行動」を書く
Webデザイナーの自己PRに、売上やCVRなどの数字が必ず必要なわけではありません。数字を持っていないなら、担当範囲、制作時の判断、レビューへの対応、公開までに確認したことを整理してください。
最後に「強み」「具体的な場面」「自分の行動」「確認できたこと」がつながっているかを読み返します。履歴書全体の書き方も確認したい場合は、Webデザイナーの履歴書の書き方|経験者・未経験の記入例に戻ると、自己PR以外の欄も整理できます。


