運行管理者は、運行管理の実務経験がなくても受験できます。
実務経験1年以上の代わりに、国土交通大臣が認定する講習実施機関で受ける試験と同じ種類の「基礎講習」を修了すれば、新規受験の資格を満たせます。
貨物試験を受けるなら「基礎講習(貨物)」、旅客試験を受けるなら「基礎講習(旅客)」です。
名前が似ている「一般講習」は別の講習なので、未経験から受験資格を作る目的では取り違えないようにします。
実務経験なしなら「基礎講習」で受験資格を作れる
運行管理者試験の新規受験資格は、主に「運行管理に関する実務経験が1年以上ある人」と「試験の種類に応じた基礎講習を修了した人(または指定期限までに修了予定の人)」に分かれます。
未経験者は後者のルートを使えます。
| 受験資格の作り方 | 必要な条件 | 実務経験がない人 |
|---|---|---|
| 実務経験ルート | 運行管理に関する実務経験が1年以上 | 使えない |
| 基礎講習ルート | 試験種類に合う基礎講習を修了、または指定期限までに修了予定 | 利用できる |
したがって「運送会社でまず1年働かないと受験できない」という制度ではありません。
先に基礎講習を修了して受験資格を作り、その後に試験を受ける進み方ができます。
なお、運送会社で働いた期間が長ければ自動的に実務経験になるわけでもありません。
2026年度第1回の公式試験案内では、事業用自動車の運転業務、営業、総務・経理などの管理業務は「運行管理に関する実務経験」に該当しないと明記されています。実務経験ルートを考えている人は、勤務年数ではなく実際の担当業務で確認する必要があります。
運行管理者試験センター「令和8年度第1回 運行管理者試験のご案内」
基礎講習は「貨物」と「旅客」を試験に合わせて選ぶ
講習を申し込む前に、受ける試験を「貨物」と「旅客」のどちらにするか決めます。
基礎講習も同じ区分を選びます。
| 受けたい試験 | 選ぶ基礎講習 | 対象のイメージ |
|---|---|---|
| 運行管理者試験(貨物) | 基礎講習(貨物) | トラックなどの貨物運送 |
| 運行管理者試験(旅客) | 基礎講習(旅客) | バス・タクシーなどの旅客運送 |
貨物の基礎講習を修了しても、それだけで旅客試験の受験資格にはなりません。
逆の場合も同じです。申込画面では「基礎か一般か」だけでなく「貨物か旅客か」まで確認してください。
「一般講習」ではなく「基礎講習」を選ぶ
実務経験の代わりとして使えるのは基礎講習です。
NASVAの現行案内でも、基礎講習は「運行管理者になろうとする方」「補助者に選任される方」などが対象で、運行管理者試験の受験資格である1年以上の実務経験に代えられる講習と説明されています。
| 講習 | 主な対象 | 未経験者の新規受験資格 |
|---|---|---|
| 基礎講習 | 運行管理者になろうとする人、補助者になる人など | 使える |
| 一般講習 | すでに運行管理者として選任されている人など | 一般講習だけでは作れない |
未経験から受験する流れは4段階
実務経験なしで進む場合は、講習と試験を同じ申込みだと思わないことが重要です。
基礎講習の受講申込みと運行管理者試験の受験申請は別の手続きです。
- 貨物か旅客かを決める:受けたい試験の種類を先に決める
- 同じ種類の基礎講習を申し込む:国土交通大臣が認定する講習実施機関から選ぶ
- 基礎講習を修了する:修了予定で試験を申請した場合も、指定期限までに修了して証明書類を提出する
- 試験の申請手続きを進める:必要書類の審査後、案内に従って試験会場・日時の予約などを行う
「基礎講習修了予定」で受験申請することもできますが、期限までに講習を終え、基礎講習修了証書などを提出できなければ受験できません。
公式案内では、修了予定者は必要書類の審査が終わるまでCBT試験の会場・日時を予約できないため、日程の希望がある人ほど基礎講習を先に終えておく方が組みやすくなります。
提出期限の日付は試験回ごとに変わります。
この記事では特定回の締切を固定せず、申込み時に運行管理者試験センターの新規受験案内で確認する前提にしています。
対面だけでなくeラーニングの基礎講習もある
講習実施機関や受講方法は複数あります。
たとえばNASVAは、基礎講習と一般講習についてeラーニング方式の「eナスバ」を実施しており、インターネット環境があれば職場や自宅などから受講できます。
ただし、受講方法が便利かどうかより先に見るのは「基礎講習であること」「貨物・旅客が試験と一致すること」「受験申請の期限に間に合うこと」です。
講習を探すときは、この3点を満たした候補の中から日程や受講方法を比べると取り違えを防げます。
基礎講習と試験対策講座は役割が違う
基礎講習は受験資格を作るための講習です。
基礎講習を修了しただけで運行管理者試験に合格したことにはなりません。
一方、過去問・テキスト・資格スクールなどの試験対策は、試験に合格するための学習です。
民間の「運行管理者講座」を検討するときも、それが国土交通大臣認定の基礎講習なのか、試験対策だけの講座なのかを分けて確認してください。
未経験からなら、まず受験資格になる基礎講習を確保し、そのうえで必要に応じて試験対策を組み合わせると整理しやすくなります。
試験対策に通信講座を使う場合、教育訓練給付金の対象になっている講座もあります。
当サイトで確認しているユーキャンの現行対象一覧には「運行管理者(貨物)」講座がありますが、これは受験資格を作る基礎講習ではなく、試験対策のための講座です。給付制度も含めて比較したい人はこちらで確認できます。

受験申請では何を提出する?
基礎講習ルートでは、受験資格を証明する書類として、試験の種類に応じた「基礎講習修了証書」または「運行管理者講習手帳」を使います。
現行の新規受験申請マニュアルでは、講習手帳などのアップロードにjpgまたはPDFが使われています。
修了予定で申請した人も、講習を修了したら指定された方法で証明書類を登録します。
試験回によって期限や画面手順が変わる可能性があるため、申請時の最新案内に従ってください。
基礎講習を修了しただけでは「運行管理者になった」わけではない
ここは手続きの名前が多く、混同しやすい部分です。
基礎講習の修了は、今回のルートでは「試験を受けるための資格を満たす」段階です。
- 基礎講習を修了する:受験資格を満たす
- 運行管理者試験を受ける:別途申込みが必要
- 試験に合格する:基礎講習修了とは別
- 資格者証や事業者による選任:さらに別の手続き・段階
「基礎講習を受けたから運行管理者資格を取得した」とは扱わず、今どの段階なのかを分けて考えると迷いにくくなります。
よくある質問
実務経験が0年でも運行管理者試験を受けられますか?
はい。
受ける試験の種類に合う基礎講習を修了すれば、運行管理に関する1年以上の実務経験がなくても新規受験できます。
トラック運転手を長くしていれば実務経験になりますか?
運転業務だけでは、運行管理に関する実務経験には該当しません。
公式試験案内では、運転業務に加えて営業、総務・経理などの管理業務も対象外と明記されています。
一般講習を受ければ受験資格になりますか?
一般講習ではなく、受験する試験種類に合う基礎講習を選びます。
申込み時に「基礎/一般」と「貨物/旅客」の両方を確認してください。
貨物の基礎講習で旅客試験を受けられますか?
貨物試験と旅客試験では、受験資格として使う基礎講習の種類も分かれています。
貨物なら基礎講習(貨物)、旅客なら基礎講習(旅客)を選びます。
勤務先から実務経験を証明してもらえない場合はどうしますか?
実務経験ルートに固執せず、試験の種類に応じた基礎講習を修了して受験資格を満たす方法があります。
実務経験の内容や証明に迷う場合は、申請前に運行管理者試験センターへ確認すると、どのルートで申請するかを整理できます。
まとめ
実務経験なしで運行管理者試験を受ける場合、最初に決めるのは貨物試験か旅客試験かです。
その試験と同じ種類の基礎講習を選べば、実務経験1年以上に代わる受験資格を作れます。
- 実務経験がなくても、基礎講習ルートで新規受験できる
- 貨物試験なら基礎講習(貨物)を選ぶ
- 旅客試験なら基礎講習(旅客)を選ぶ
- 一般講習と取り違えない
- 修了予定で申請するなら、証明書類の提出期限までに講習を終える
- 基礎講習と試験対策講座は別の役割
これから申し込むなら、受けたい試験の種類を決めたうえで、認定された基礎講習の候補を確認します。
その中から提出期限に間に合う日程と受講方法を選ぶ、という順番で進めると講習の取り違えを防げます。
参考にした公式情報
- 公益財団法人 運行管理者試験センター「新規受験概要」
- 公益財団法人 運行管理者試験センター「令和8年度第1回 運行管理者試験のご案内」
- 公益財団法人 運行管理者試験センター「新規受験申請者用 操作マニュアル」
- 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)「eラーニング(eナスバ)について」
- 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)「eナスバの申込み」
※制度、申請方法、提出期限、講習日程は変更されることがあります。
この記事は2026年9月17日時点で確認できた公式情報をもとにしています。

