正社員で働きたいけれど、ブランクや職歴に自信がない。応募する前に、会社で働く感覚をつかみたい。そんな30~54歳の人が検討できる無料の就職支援が「東京しごと塾」です。
約2か月の職務実習型プログラムで、会社勤めを疑似体験しながら仕事の進め方を身につけ、正社員就職を目指します。条件を満たす人には、支給対象の実践研修1日につき5,000円の就活支援金があります。
ただし、参加できることと支援金を受け取れることは別です。この記事では2026年9月13日時点の公式案内をもとに、参加条件、支援金の計算、現在の募集と申し込み方を整理します。
東京しごと塾とは?2か月で働く準備をする無料の支援
東京しごと塾は、東京しごと財団が実施する就職支援事業です。求人に応募するだけでは不安が残る人が、時間を守る、相談する、チームで作業を進めるといった経験を重ねられます。
担当のジョブトレーナーには、仕事選びや応募書類、面接について相談でき、就職後の職場定着も支援の対象です。プログラムの修了だけで採用が決まるわけではなく、企業への応募・選考へ進みます。
職場を訪問する機会などもありますが、2か月すべてを応募先の企業で働く制度ではありません。まず会社勤めの疑似体験で基礎を整えたい人に向く内容です。
公式案内:東京しごとセンター「東京しごと塾」
参加条件|開講日現在30~54歳で、正社員就職を目指す人
現行の募集では、次の条件を確認します。年齢は申込日ではなく、開講日現在で考えます。
| 確認する項目 | 参加条件 |
|---|---|
| 年齢 | 開講日現在30~54歳 |
| 希望する働き方 | 正社員として就職したい |
| 現在の仕事 | 開講日現在、正社員として働いていない |
| 最近の職歴 | 直近1年以内の正社員の職歴が、通算6か月を超えない |
「現在正社員ではない」と「直近1年の正社員歴が6か月以下」の両方が必要です。長年正社員として働き、先月退職した人は、現在離職中でも最近の職歴条件に当てはまらない場合があります。
一方、過去に一度でも正社員経験がある人をすべて除外する条件ではありません。例えば、正社員を辞めてから1年以上たち、その後は正社員として働いていない人は、以前の経験だけで諦める必要はありません。
応募前に、直近1年の入社日・退職日と雇用形態をメモしておくと確認しやすくなります。契約の名称だけでは判断しづらい場合や、開講前後に誕生日を迎える場合は、その日付を事務局へ伝えてください。
何をする?ビジネス基礎・グループワーク・就職活動
パーソルの公式案内では、オリエンテーションとキャリアデザインから始まり、ビジネス基礎、コミュニケーション、グループワーク、合同企業説明会へ進む流れを案内しています。
アデコの案内でも、パソコン、ビジネスマナー、プレゼンテーションなどの技能に加え、時間管理やチームでの動き方を体験する内容になっています。実施回ごとの課題や時間割は説明会で確認できます。
- 仕事の基本を学ぶ:報告や相談、時間の使い方、職場でのやり取りに慣れる
- 共同作業を経験する:役割分担し、分からないことを聞きながら課題を進める
- 仕事・企業を知る:職場訪問や企業説明を通じて、希望する働き方を考える
- 応募へ進む:担当者と書類や面接を準備し、求人へ応募する
「自分に合う職種が分からない」だけでなく、「質問できずに抱え込む」「複数の作業があると混乱する」など、これまで困った場面を伝えると、何を練習したいかが具体的になります。
出典:パーソル・東京しごと塾のプログラム、アデコ・東京しごと塾の支援内容
就活支援金はいくら?1日5,000円と月ごとの出席条件
失業保険の受給資格と、過去の支援金受給を確認する
2026年4月1日改正の支給要綱では、都内中小企業等への就職を希望する参加者のうち、要件を満たす人を支援金の対象としています。次の人は対象から除かれます。
- 雇用保険の基本手当の受給資格を満たす人。ただし、所定給付日数の給付が終了した人は、この除外の例外
- 過去に東京しごと塾事業の支援金を受けた人
ポイントは、「現在、失業保険が振り込まれているか」だけでは判断できないことです。まだ手続きをしていない人や給付制限中の人も、「今は受け取っていないから支援金をもらえる」と考えず、基本手当の受給資格を確認してください。
受給を終えた人も、自動で支援金が決まるわけではありません。受給状況を説明したうえで、ほかの条件と必要書類を事務局へ確認します。支援金の対象外かもしれない人は、プログラムへの参加相談とお金の相談を分けて行いましょう。
出席率8割未満の月は、その月の支援金が出ない
支援金は、各月の実践研修に出席すべき日数の8割以上に出席していることが必要です。2か月を合算して平均8割ならよい、という判定ではありません。
例えば、ある月の出席すべき実践研修が20日で、そのすべてが支給対象日だった場合は、次の計算になります。ほかの支給要件も満たしている前提の例です。
| 出席日数 | 出席率 | その月の支援金 |
|---|---|---|
| 20日 | 100% | 5,000円×20日=100,000円 |
| 16日 | 80% | 5,000円×16日=80,000円 |
| 15日 | 75% | 0円。8割未満のため月全体が不支給 |
つまり、欠席した日だけ5,000円減るとは限りません。また、8割は支給の判定基準です。最初から2割休める日程として参加計画を立てず、プログラムに通えるかを先に考えましょう。
オリエンテーションなどは支給日数に含まれない
オリエンテーション・キャリアデザインの実施日、予定されていても実施されなかった研修日などは支給対象から外れます。「2か月だから5,000円×約60日」でも、全員一律20万円でもありません。実際の研修日程と対象日数で確認します。
1日の出席と数えるには、その日の時間数の半分以上の出席が必要です。遅刻・早退・中抜けをするときは、担当者へ連絡して出欠の扱いを確かめてください。
法令上の感染症、自然災害などで、出席すべき日数から除外される場合もあります。すべての体調不良や私用が自動で除外されるわけではないので、欠席理由と必要な証明を確認します。
支援金の条件・金額の根拠:東京しごと塾事業支援金支給要綱・第3条、第4条(2026年度・PDF)
支援金はいつもらえる?翌月10日までに毎月申請する
支援金は日払いではありません。要綱では、対象月の翌月10日までに申請し、審査を経て支給決定の通知を受ける流れです。
例えば、10月の研修分なら11月10日までが要綱上の申請期限です。「11月10日に振り込まれる」という意味ではありません。事務局での確認に必要な日数も含め、提出方法と振込予定を担当者に聞いておきましょう。
- 支援金支給申請書兼請求書(第1号様式)
- 出欠確認表(第6号様式)
- 口座振替依頼書(第7号様式)
- 雇用保険の受給資格がないことなどの誓約書(第8号様式)
口座振替依頼書と誓約書は原則として初回のみで、変更があれば再提出します。参加申込みと支援金の申請は別の手続きなので、参加登録だけで毎月自動入金されると思わないようにしてください。
2026年秋の募集|第5期・第6期の日程と問い合わせ先
2026年9月13日時点では、次の募集が公式に案内されています。運営事業者が2社あり、開始日と連絡先が異なります。
| 募集回・担当 | 申込期間 | 実施期間 |
|---|---|---|
| 第5期 パーソルビジネスプロセスデザイン |
2026年8月3日~9月29日 | 2026年10月5日~11月27日 |
| 第6期 アデコ |
2026年9月1日~10月28日 | 2026年11月4日~12月23日 |
両期ともチラシでは9時30分~16時30分、土日祝日を除く日程で、定員20名、面談による選考ありと案内されています。締切日の受付は9~16時です。定員により早く締め切る場合があるため、締切日だけを目安に先延ばしにしないようにしましょう。
- 第5期:パーソルの東京しごと塾公式サイト/電話03-3221-5871
- 第6期:アデコの東京しごと塾公式サイト/電話03-3221-5877
出典:第5期募集チラシ(PDF)、第6期募集チラシ(PDF)
受付状況や説明会日程は変わります。募集終了後にこの記事を読んでいる人は、東京しごとセンターの最新募集から次の回を確認してください。古い運営サイトや過去のチラシだけで申込先を決めないことも大切です。
申し込み方法|説明会・個別説明から面談へ進む
- 希望する回の説明会を予約する:担当事業者の公式サイトか電話で、日程と会場を確認します。
- 内容と参加条件を確認する:今の仕事、直近1年の職歴、通える日程、支援金の受給条件を相談します。
- 参加を申し込み、面談を受ける:説明会の予約だけでは参加決定になりません。面談による選考があります。
- 参加手続きをして通い始める:集合場所、持ち物、出欠の連絡方法、支援金の書類を確認します。
参加を決めきれていなくても、説明や相談から始められます。案内された説明会に都合がつかないときは、個別説明が可能か担当事務局へ確認してください。
説明会会場・事務局・実際に通うプログラム会場は同じとは限りません。第5期は西新宿、第6期は水道橋の会場などが案内され、説明会には飯田橋の東京しごとセンターで行う回もあります。予約した回の場所と、参加後の通所先を別々に確認しましょう。
参加前に確認したい生活費と、ほかの支援との違い
無料でも、交通費と入金までの生活費は必要
プログラムは無料ですが、アデコの公式FAQでは交通費は自己負担とされています。通う費用を支援金から前もって受け取れるわけではありません。
例えば、往復600円で月20日通うなら交通費は12,000円です。昼食代や、参加のために減るアルバイト収入も別に考えます。支援金が出る見込みでも、初回の振込までに必要な生活費を先に計算してください。
アルバイト中の人は、日中の研修とシフトが両立するかを確認します。参加条件を確かめる前に、現在の仕事を辞める前提で動かないようにしましょう。
実際の企業で仕事を確かめたいなら「Jobトライ」も比較する
東京しごと塾が約2か月の疑似体験で基礎を整えるのに対し、同じ東京の「Jobトライ」はセミナーと5~20日間の企業内実習を組み合わせる支援です。応募先の職場や仕事内容を実際に確かめたい人は比較する価値があります。
年齢を判定する時点や職歴、奨励金の申請条件は同じではありません。東京しごと塾の条件に合わなくても、そのままJobトライも対象外と判断しないでください。

日中に通い続ける準備から必要なとき
生活リズムや対人関係に不安が強く、現時点で週の大半を通うのが難しい人は、その状況を説明会で率直に伝えてください。プログラムの内容と負担を聞いてから判断できます。
生活の困りごともあり、応募以前の段階から支援を受けたい場合は、地域の自立相談支援機関で就労準備支援事業を相談する選択肢もあります。利用条件や支援内容は地域で異なります。

東京しごと塾への相談では、「正社員になりたいが、何に不安があるか」「2か月の通所と生活費をどうするか」を伝えましょう。年齢・最近の職歴・雇用保険の状況・通える日程をメモしておけば、自分に合う支援か確かめやすくなります。

