離職票-2を見て、
「実際に働いたのは20日なのに31日になっている」
「有給を取った日が入っていない」
「10日しか働いていない月は失業保険の加入期間に入らない?」
と疑問に思うことがあります。
結論からいうと、離職票の「賃金支払基礎日数」は単純な出勤日数ではありません。
給与の支払い方によって数え方が違います。
たとえば、
- 完全月給制なら30日や31日になることがある
- 時給制・日給制なら実際に賃金の対象となった日を数える
- 有給休暇を取得した日も含まれる
- 休業手当の対象日も含まれる
- 半日勤務や短時間勤務でも、その日に賃金が発生していれば原則1日として数える
という違いがあります。
さらに失業保険の受給資格では、原則として賃金支払基礎日数11日以上の期間が重要です。
11日以上の期間だけでは必要な被保険者期間を満たせない場合には、賃金の支払いの基礎となった時間が80時間以上ある期間も確認されます。
そのため、
「10日しかないから失業保険は絶対にもらえない」
とも限りません。
まず、自分の離職票が本当に間違っているのか確認してみましょう。
- まず確認|この数字なら間違いとは限らない
- 賃金支払基礎日数とは?
- ⑨欄と⑪欄は何が違う?
- 完全月給制なら「出勤20日なのに30日」でも正しい
- 「土日は働いていないのに31日」は間違いではない?
- 日給月給制は欠勤があると基礎日数が減ることがある
- 時給制・日給制は実際に賃金の対象となった日を数える
- 有給休暇は賃金支払基礎日数に入る
- 有給を半日取った場合はどうなる?
- 休業手当が支給された日も含まれる
- 欠勤した日は含まれる?
- 遅刻・早退した日はどうなる?
- 「11日」が重要なのはなぜ?
- 10日しかない月でも「80時間以上」なら数えられる?
- 「11日または80時間」とはどういう意味?
- 9日勤務でも80時間以上なら対象になることがある?
- 80時間は離職票のどこを見る?
- 離職票の基礎日数が違うと失業保険に影響する?
- 基本手当の金額にも影響することがある
- 離職票が違うと思ったら5つの順番で確認する
- 離職票が間違っていたら訂正できる
- まず会社へ確認する
- 会社が間違いを認めたらどうなる?
- 会社が訂正してくれない場合は?
- 離職票を自分で書き換えて提出してはいけない
- 受給手続き前に訂正が終わるまで待った方がいい?
- ケース1|出勤9日+有給2日なのに「9日」
- ケース2|10日勤務・80時間なのに基礎日数「10日」
- ケース3|出勤20日なのに31日
- ケース4|10日しかないが1日9時間働いていた
- ケース5|半日勤務が「1日」と数えられている
- ケース6|⑨は12日なのに⑪は9日
- 特に訂正を確認した方がいい人
- まとめ|「10日と11日」「有給」「80時間」は必ず確認する
- 参考資料
まず確認|この数字なら間違いとは限らない
代表的なケースを先に整理します。
| 働き方 | 実際の状況 | 離職票の基礎日数 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 完全月給制 | 20日出勤した月 | 30日 | 正しい場合あり |
| 完全月給制 | 21日出勤した月 | 31日 | 正しい場合あり |
| 時給制 | 10日出勤+有給2日 | 12日 | 原則この考え方 |
| 時給制 | 9日出勤+有給2日 | 11日 | 原則この考え方 |
| 時給制 | 10日×8時間勤務 | 10日 | 日数は10日。ただし80時間基準を確認する場合あり |
| 日給制 | 8日勤務+有給3日 | 11日 | 原則11日 |
| 日給月給制 | 基礎日数21日・欠勤2日 | 19日 | 給与計算方法によってこの形になる |
| 時給制 | 10日出勤なのに8日と記載 | 8日 | 訂正が必要な可能性あり |
特に注意したいのが、
「出勤日数と離職票の日数が違う=会社のミス」ではない
ということです。
最初に給与形態を確認してください。
賃金支払基礎日数とは?
賃金支払基礎日数とは、その名前のとおり、
賃金の支払いの基礎となった日数
です。
「実際に会社へ行った日数」だけを意味するものではありません。
離職票-2では主に、
- ⑧ 被保険者期間算定対象期間
- ⑨ ⑧の期間における賃金支払基礎日数
- ⑩ 賃金支払対象期間
- ⑪ ⑩の基礎日数
- ⑫ 賃金額
- ⑬ 備考
を確認します。
特に今回問題になるのが⑨欄と⑪欄です。
どちらも賃金支払基礎日数ですが、対象となる期間が違います。
⑨欄と⑪欄は何が違う?
離職票を見ると、
「⑨にも日数があるし、⑪にも日数がある」
と迷うかもしれません。
⑨欄
⑨欄は、
⑧の被保険者期間算定対象期間について、賃金支払基礎日数が何日あったか
を記載します。
こちらは、失業保険を受けるために必要な「被保険者期間」を確認するときに重要です。
⑧欄は、基本的に離職日から1か月ずつ遡って区切ります。
⑪欄
⑪欄は、
⑩の賃金支払対象期間について、賃金支払基礎日数が何日あったか
を記載します。
こちらは会社の給与締切日を基準に区切ります。
たとえば給与が毎月20日締めなら、
8月21日~9月20日
のような期間になります。
そのため⑨と⑪で対象期間が違えば、日数が違っていても不思議ではありません。
⑨と⑪の数字が違うだけでは、離職票の間違いとは判断できません。
まず左側の日付を確認してください。
完全月給制なら「出勤20日なのに30日」でも正しい
特に混乱しやすいのが月給制です。
完全月給制とは、月額で給与が決まっており、欠勤や遅刻・早退があっても原則として賃金を減額しない給与制度です。
この場合、賃金支払基礎日数は基本的にその期間の暦日数になります。
たとえば4月なら、
4月1日~4月30日=30日
です。
実際に働いたのが平日の21日だけだったとしても、基礎日数が30日になることがあります。
5月なら31日、通常の2月なら28日です。
そのため、
出勤日数20日
離職票31日
となっていても、完全月給制なら会社の記載が正しい可能性があります。
「土日は働いていないのに31日」は間違いではない?
完全月給制なら間違いとは限りません。
これは31日間すべて出勤したという意味ではありません。
あくまで、
31日間を基礎として月給が支払われている
という考え方です。
離職票の賃金支払基礎日数と勤怠管理上の出勤日数は別の数字です。
ここを知らないと、
「20日しか働いていないのに会社が31日と水増ししている」
と誤解してしまうことがあります。
日給月給制は欠勤があると基礎日数が減ることがある
同じ「月給」でも、日給月給制は考え方が違います。
日給月給制では、月額給与が決まっていても、欠勤すると給与から一定額が控除されます。
たとえば会社が給与計算の基礎日数を、
21日
としているとします。
欠勤がなければ、
賃金支払基礎日数21日
です。
無給欠勤が2日あり、その分が給与から控除されたなら、
21日-2日=19日
となる場合があります。
ただし、日給月給制の基礎日数は会社の賃金規程によって異なります。
たとえば、
- 年間所定労働日数÷12
- 月ごとの所定労働日数
- 一律21日
- 30日を基礎として欠勤控除
などがあります。
そのため、
「日給月給制なら必ず所定労働日数と同じ」
とも限りません。
給与明細だけで分からなければ、就業規則や賃金規程を確認する必要があります。
時給制・日給制は実際に賃金の対象となった日を数える
時給制や日給制の場合は比較的分かりやすく、基本的には賃金の支払いの対象となった日を数えます。
たとえば時給制で、
- 4月に18日勤務
- 有給なし
- 休業手当なし
なら、賃金支払基礎日数は原則として18日です。
ただし、ここで重要なのが、
「会社で実際に働いた日だけ」とは限らない
ことです。
有給休暇なども含まれます。
有給休暇は賃金支払基礎日数に入る
年次有給休暇を取得した日は、賃金支払基礎日数に含まれます。
たとえば時給制で、
出勤9日+有給2日
だった場合、
賃金支払基礎日数は原則11日
です。
会社へ実際に出勤したのは9日ですが、有給休暇の2日についても賃金が支払われているためです。
これは失業保険の受給資格を判断するときに重要になることがあります。
特に、
出勤9日+有給2日=11日
のケースです。
出勤日数だけを見れば9日ですが、賃金支払基礎日数は11日になる可能性があります。
離職票が9日になっていたら、有給休暇が反映されているか確認した方がよいでしょう。
有給を半日取った場合はどうなる?
賃金支払基礎日数は、単純に総労働時間を8時間で割って日数へ換算する仕組みではありません。
実際に勤務した日についても、半日勤務や短時間勤務だったからといって、
0.5日
になるとは限りません。
公式の離職証明書記載例でも、半日勤務など所定労働時間をすべて勤務しなかった場合でも、賃金の支払いの基礎となった日なら1日として数えると案内されています。
半日有給など特殊なケースについては給与処理によって確認が必要になる場合があるため、離職票の数字と勤怠記録が合わないときは会社またはハローワークへ確認してください。
休業手当が支給された日も含まれる
会社都合で休業し、労働基準法に基づく休業手当が支給された日も賃金支払基礎日数に含まれます。
たとえば、
- 実勤務8日
- 有給2日
- 休業手当対象日2日
という場合です。
単純に、
「会社に行ったのは8日だから基礎日数8日」
とは判断できません。
賃金の支払いの基礎となった日を確認する必要があります。
欠勤した日は含まれる?
無給の欠勤日は原則として賃金支払基礎日数には入りません。
たとえば時給制で、
- 所定勤務日12日
- 実勤務10日
- 2日は無給欠勤
なら、原則として10日です。
日給月給制でも欠勤によって給与が控除されていれば、会社の基礎日数から欠勤日数を差し引いて計算する場合があります。
ただし完全月給制で、欠勤しても給与が減額されない制度なら扱いが異なります。
だからこそ、
欠勤したかどうかだけでなく、給与がどう計算されたか
を見る必要があります。
遅刻・早退した日はどうなる?
「2時間しか働かなかったから0.25日」
という計算には通常なりません。
たとえば時給制で、
月曜日 8時間勤務
火曜日 8時間勤務
水曜日 2時間勤務後に早退
だった場合でも、水曜日に賃金が発生していれば、賃金支払基礎日数としては原則1日として扱われます。
離職票の基礎日数を確認するときは、
総労働時間÷8時間
で日数を計算しないようにしましょう。
「11日」が重要なのはなぜ?
失業保険の基本手当を受けるには、原則として、
離職日前2年間に被保険者期間が通算12か月以上
必要です。
倒産や解雇など一定の場合は、離職日前1年間に6か月以上で受給資格を満たす場合があります。
この「被保険者期間1か月」を判定するときに重要になるのが賃金支払基礎日数です。
基本的には離職日から1か月ごとに区切り、
賃金支払基礎日数が11日以上ある期間
を被保険者期間1か月として数えます。
つまり、
10日と11日
では1日しか違いませんが、受給資格では大きな違いになることがあります。
10日しかない月でも「80時間以上」なら数えられる?
ここがよく分からない人も多いでしょう。
2020年8月1日以降に離職した人については、11日以上ある期間だけでは必要な被保険者期間を確保できない場合、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある期間も被保険者期間として算定できる仕組みがあります。
たとえば、
10日×8時間=80時間
働いていた期間です。
賃金支払基礎日数は10日なので、11日基準だけなら1か月に届きません。
しかし80時間以上という基準によって、被保険者期間1か月として算定できる場合があります。
そのため、
「離職票が10日だから、その月は絶対にカウントされない」
とは限りません。
「11日または80時間」とはどういう意味?
ハローワークの求職者向け案内では、被保険者期間について、
11日以上または80時間以上
と説明されています。
ただし、離職証明書を作成する実務では少し順番があります。
まず、
11日以上ある期間が必要な月数あるか
を確認します。
一般的な基本手当なら原則12か月です。
11日以上の期間だけで12か月確保できれば、通常そこで受給資格の期間を確認できます。
一方、11日以上の期間が12か月に足りなければ、賃金支払基礎日数が10日以下の完全月について、80時間以上あるかを確認します。
つまり、
毎月「11日基準と80時間基準のどちらを使うか本人が選ぶ」
という仕組みではありません。
9日勤務でも80時間以上なら対象になることがある?
勤務時間によってはあり得ます。
たとえば、
9日勤務で合計81時間
だったとします。
賃金支払基礎日数は9日なので11日基準には届きません。
しかし、賃金の支払いの基礎となった時間が80時間以上なら、80時間基準による算定対象になる可能性があります。
一方、
10日勤務・70時間
なら、
- 11日未満
- 80時間未満
です。
その期間だけを見ると、被保険者期間1か月として算定されない可能性があります。
80時間は離職票のどこを見る?
賃金支払基礎日数は⑨・⑪欄ですが、80時間の確認が必要な場合は⑬備考欄に賃金の支払いの基礎となった時間数を記載する仕組みがあります。
特に、
- ⑨欄が10日以下
- ⑪欄が10日以下
- 11日以上の月だけでは必要月数を満たさない
といった場合に確認されます。
そのため、
「⑨欄が10日だから終わり」
ではありません。
加入期間がギリギリの人は、80時間以上働いた月がないかも確認してください。
離職票の基礎日数が違うと失業保険に影響する?
影響する可能性があります。
特に重要なのが、受給資格ギリギリの人です。
たとえば本当は、
出勤9日+有給2日=11日
だったのに、離職票に9日と記載されていたとします。
この期間が11日以上として扱われなければ、被保険者期間が1か月少なく判定される可能性があります。
一般的な基本手当で、
本当は12か月あるのに、離職票上は11か月
となれば、受給資格の判定にも関係します。
賃金支払基礎日数は「数日くらい違っても問題ない数字」ではありません。
基本手当の金額にも影響することがある
離職票には基礎日数だけでなく、その期間の賃金額も記載されています。
基本手当の賃金日額は、原則として離職前6か月の賃金を基に計算します。
そのため賃金支払対象期間や賃金額そのものに誤りがあれば、基本手当日額に影響する可能性もあります。
離職票を見るときは、
基礎日数だけでなく⑫欄の賃金額も給与明細と確認する
とよいでしょう。
離職票が違うと思ったら5つの順番で確認する
「数字がおかしい」と思ったときは、次の順番で確認すると分かりやすいです。
1.給与形態を確認する
まず、
- 完全月給制
- 日給月給制
- 日給制
- 時給制
のどれなのか確認します。
ここを間違えると基礎日数を正しく計算できません。
2.⑨と⑪のどちらを見ているか確認する
⑨と⑪では対象期間が違います。
数字だけを比べず、左側の日付まで確認してください。
3.実際の勤務日を確認する
タイムカードや勤怠管理画面、シフト表などを確認します。
4.有給・休業手当・無給欠勤を確認する
特に有給休暇を忘れやすいので注意してください。
5.給与明細と照合する
欠勤控除がされているか、実際にいくら給与が支払われたかも確認します。
ここまで確認しても合わなければ、会社へ問い合わせましょう。
離職票が間違っていたら訂正できる
すでにハローワークから離職票が発行されていても、記載内容が間違っていれば補正できます。
発行済みだから、
「もう変更できない」
ということではありません。
ハローワークでは、発行済みの離職票について離職票記載内容補正願などによる訂正手続きが用意されています。
賃金支払基礎日数や賃金額を訂正するときは、
- 賃金台帳
- 出勤簿
- タイムカード
など、正しい内容を確認できる資料が使われます。
まず会社へ確認する
離職票を見て数字がおかしいと思ったら、まず以前の勤務先の人事・総務・給与担当へ確認するとよいでしょう。
たとえば、
離職票-2の8月分の賃金支払基礎日数が9日になっていますが、実勤務9日に加えて有給を2日取得しています。11日ではないでしょうか。
というように具体的に伝えます。
「離職票が間違っていると思います」
だけではなく、
- どの期間か
- 何日と記載されているか
- 自分では何日だと考えているか
- 有給や出勤日の根拠
まで伝えると確認してもらいやすくなります。
会社が間違いを認めたらどうなる?
会社側の記載ミスであれば、会社が事業所を管轄するハローワークへ補正手続きを行います。
発行済み離職票を訂正するときは、ハローワークによって、
- 離職票の事業主控
- 離職票の本人分
- 賃金台帳
- 出勤簿
- タイムカード
などを求められます。
正しい日数や賃金額が確認できる資料をもとに訂正されます。
会社が訂正してくれない場合は?
以前の勤務先へ連絡しても、
「間違っていない」
「もう離職票を出したから変更できない」
「退職した人には対応できない」
と言われることもあります。
その場合でも、そのまま諦める必要はありません。
基本手当の手続きをするハローワークへ相談してください。
その際は、
- 離職票
- 給与明細
- タイムカード
- 勤怠管理画面
- シフト表
- 有給休暇の取得記録
- 会社とのメール
などを持っていくと状況を説明しやすくなります。
特に、
「離職票は9日だが、勤怠記録では出勤9日+有給2日ある」
というように具体的に説明しましょう。
離職票を自分で書き換えて提出してはいけない
数字が明らかに違っていると思っても、
9日を11日に自分で書き換えて提出する
といった対応は避けてください。
賃金支払基礎日数は、会社の賃金台帳や出勤簿などをもとに確認される数字です。
また、自分では間違いだと思っていても、完全月給制などでは会社の記載が正しい場合もあります。
訂正が必要なら会社またはハローワークを通して処理してもらいましょう。
受給手続き前に訂正が終わるまで待った方がいい?
離職票の数字に疑問がある場合でも、
自己判断で失業保険の手続きを何週間も遅らせるのは避けた方がよいでしょう。
基本手当には受給期間があります。
離職票を持ってハローワークへ行き、
「この基礎日数が間違っている可能性があります」
と伝えたうえで、どのように進めればよいか確認してください。
会社との訂正のやり取りが終わるまで自宅で待ち続ける必要があるとは限りません。
ケース1|出勤9日+有給2日なのに「9日」
時給制で、
- 実勤務9日
- 有給2日
だったとします。
原則として、
9日+2日=11日
として確認します。
それにもかかわらず離職票に9日と記載されているなら、有給休暇が反映されていない可能性があります。
この1日の違いではなく、9日と11日では被保険者期間の判定が変わる可能性があるため確認した方がよいでしょう。
ケース2|10日勤務・80時間なのに基礎日数「10日」
これは基礎日数10日で間違っているとは限りません。
10日×8時間=80時間
働いていても、賃金支払基礎日数そのものは10日です。
80時間働いたから、
基礎日数を11日に書き換えるわけではありません。
ここは非常に重要です。
11日基準を満たす月が不足している場合に、80時間以上ある期間として別途確認されます。
つまり、
「10日・80時間」なら⑨欄を11日にする
という意味ではありません。
ケース3|出勤20日なのに31日
完全月給制なら正常な可能性があります。
31日間すべて出勤したという意味ではありません。
月額給与が31日間を基礎として支払われているためです。
時給制なのに31日となっているなら、逆に確認した方がよいでしょう。
ケース4|10日しかないが1日9時間働いていた
10日勤務なら賃金支払基礎日数は10日のままです。
しかし、
10日×9時間=90時間
なら、80時間基準を満たす可能性があります。
11日以上の期間だけでは受給資格に必要な月数を満たせない場合は、ハローワークで確認してください。
ケース5|半日勤務が「1日」と数えられている
賃金が発生している日なら、半日勤務でも1日として数えるのが基本です。
そのため、
「4時間しか働いていないのに1日になっている」
というだけでは間違いではありません。
賃金支払基礎日数は「8時間働いたら1日」という仕組みではありません。
ケース6|⑨は12日なのに⑪は9日
すぐに間違いとは判断できません。
⑨は離職日を基準として区切った期間、⑪は会社の賃金締切日を基準とした期間です。
対象期間が違えば日数も変わります。
まず⑧欄・⑩欄の日付を確認してください。
特に訂正を確認した方がいい人
次のような人は、離職票の基礎日数をしっかり確認しておいた方がよいでしょう。
- 雇用保険の加入期間が12か月前後しかない
- 会社都合などで6か月前後しかない
- 月の勤務日数が10~11日程度だった
- 週2~3日勤務だった
- 1日の勤務時間が長かった
- 有給休暇をまとめて使って退職した
- 休業期間があった
- 欠勤が多かった
- シフト制だった
- 離職票と給与明細の数字が合わない
特に、
10日・11日・80時間の境目
にいる人は1日や数時間の違いが受給資格に影響する可能性があります。
まとめ|「10日と11日」「有給」「80時間」は必ず確認する
離職票の賃金支払基礎日数は、単純な出勤日数ではありません。
まず給与形態によって数え方が違います。
完全月給制
→暦日数が基礎日数になることがある
日給月給制
→会社が定めた基礎日数から無給欠勤などを差し引く場合がある
日給・時給制
→実際に賃金の対象になった日を数える
また、
有給休暇や休業手当の対象日も賃金支払基礎日数に含まれます。
失業保険の受給資格では原則として、離職日から1か月ごとに区切った期間について賃金支払基礎日数が11日以上あるかを確認します。
11日以上の期間だけでは必要な被保険者期間を満たせない場合には、賃金の支払いの基礎となった時間が80時間以上ある期間も確認されます。
ただし、
10日・80時間だから賃金支払基礎日数を11日にするわけではありません。
基礎日数は10日のまま、80時間基準によって被保険者期間として算定できるかを別に確認します。
離職票がおかしいと思ったら、
- 給与形態を確認する
- ⑨と⑪のどちらか確認する
- 対象期間の日付を確認する
- 出勤日を確認する
- 有給休暇を確認する
- 無給欠勤や休業を確認する
- 80時間以上働いた期間がないか確認する
という順番で見てください。
それでも数字が合わなければ会社へ確認します。
発行済みの離職票でも、賃金台帳や出勤簿などをもとに記載内容を補正する手続きは可能です。
会社が対応してくれない場合や、自分では正しい日数を判断できない場合は、給与明細・勤怠記録・有給取得記録などを持ってハローワークへ相談してください。
特に、
「本当は11日なのに10日以下になっている」
という場合は、そのままにしない方がよいでしょう。
失業保険を受けられるかどうかの1か月に影響する可能性があります。


