「再就職先が6か月更新の契約社員だった」
「再就職手当は1年以上働く仕事じゃないともらえないと聞いたけど、6か月契約では対象外?」
このように心配する人もいるでしょう。
結論からいうと、6か月更新の契約社員でも再就職手当をもらえる可能性があります。
再就職手当で重要なのは、最初の契約期間が6か月か1年かではありません。
採用時点で「1年を超えて引き続き雇用されることが確実」と認められるかがポイントです。
そのため6か月契約でも、その後の契約更新によって1年を超えて働くことが確実と認められれば対象になる可能性があります。
一方で、
- 6か月で契約終了
- 更新できても1回だけ
- 通算契約期間が1年まで
- 更新するかどうかが採用時点ではまったく分からない
といった契約では対象にならない可能性があります。
この記事では、6か月更新の契約社員が再就職手当を申請するときに重要な「1年を超えて勤務する見込み」について、契約書の見方や会社への確認方法まで分かりやすく解説します。
- 6か月契約でも再就職手当はもらえる
- 6か月+6か月で1年なら条件を満たす?
- 雇用契約書では「更新」と「更新上限」を確認する
- 6か月契約・更新なしの場合
- 6か月契約・更新1回までの場合
- 6か月契約・通算契約期間1年までの場合
- 6か月契約・原則更新なら対象になる?
- 「更新する場合がある」はどうなる?
- 再就職手当の申請書にも「1年を超えて雇用する見込み」の欄がある
- 会社にはどう聞けばいい?
- 入社前に確認してもいい?
- 会社が「1年を超えて雇用する見込みなし」と書いたら?
- 1年契約なら必ず再就職手当をもらえるわけではない
- 実際に1年以上働けば後から再就職手当をもらえる?
- 売上目標を達成した場合だけ更新される契約は注意
- 派遣社員は同じように考えない方がいい
- 「1年を超えて勤務」以外にも再就職手当の条件がある
- 6か月契約ならこの順番で確認すればいい
- 6か月更新のケースを一覧で確認
- まとめ
- 参考資料
6か月契約でも再就職手当はもらえる
再就職手当は正社員だけを対象にした制度ではありません。
契約社員などの有期雇用でも、支給要件を満たせば対象になります。
厚生労働省の雇用保険に関する業務取扱要領では、1年以下の期間を定めて雇用される場合でも、その雇用契約が1年を超えて更新されることが確実と認められる場合は「1年を超えて引き続き雇用されることが確実」という要件を満たす扱いになっています。
つまり、
6か月契約=再就職手当の対象外
ではありません。
例えば次のような契約です。
- 契約期間は6か月
- 原則として契約更新あり
- 更新回数に上限なし
- 会社として長期雇用を予定している
この場合、最初の雇用契約書に記載されている期間は6か月でも、その後も更新されて1年を超えて働くことが確実と認められれば対象になる可能性があります。
まずは大まかに整理すると次のようになります。
| 契約内容 | 「1年を超えて勤務」の要件 |
|---|---|
| 6か月契約・更新なし | 原則満たさない |
| 6か月契約・更新1回まで | 原則満たさない |
| 6か月契約・通算契約期間1年まで | 原則満たさない |
| 6か月契約・原則更新・長期雇用予定 | 満たす可能性あり |
| 6か月契約・更新する場合がある | 個別判断 |
| 1年契約・更新なし | 原則満たさない |
| 1年契約・その後も更新予定 | 満たす可能性あり |
特に注意したいのは、条件が「1年以上」ではなく**「1年を超えて」**となっていることです。
6か月+6か月で1年なら条件を満たす?
ここは非常に間違えやすいところです。
例えば、
- 最初の契約が6か月
- その後もう1回6か月更新
という契約だったとします。
合計すると、
6か月+6か月=12か月
なので「1年間働けるから大丈夫」と思うかもしれません。
しかし再就職手当では、1年を超えて勤務することが確実であることが必要です。
そのため、
- 最初の6か月
- 1回だけ6か月更新
- その後は必ず契約終了
という契約なら、最大でも12か月です。
1年を超えて働けないため、この要件を満たしません。
一方で、
- 最初の6か月
- 次の6か月も更新
- その後も契約更新予定
という雇用なら、1年を超えて勤務する見込みがあります。
つまり、6か月契約の人は2回目の契約までではなく、その先も働く予定なのかを確認する必要があります。
雇用契約書では「更新」と「更新上限」を確認する
6か月更新の契約社員になった場合、まず確認したいのが雇用契約書や労働条件通知書です。
特に次の項目を見てください。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 契約期間 | 3か月・6か月・1年など |
| 契約更新 | 更新あり・原則更新・更新する場合がある・更新なし |
| 更新上限 | 更新回数や通算契約期間に上限があるか |
| 更新条件 | 勤務成績・能力・業務量・会社の経営状況など |
契約期間だけを見て判断するのではなく、更新条件まで確認することが大切です。
6か月契約・更新なしの場合
例えば、
契約期間:6か月
契約更新:なし
となっている場合です。
6か月後に雇用が終了することが最初から決まっています。
この場合は1年を超えて勤務できないため、「1年を超えて引き続き雇用されることが確実」という要件を満たしません。
6か月契約・更新1回までの場合
次のような契約も注意が必要です。
契約期間:6か月
更新:あり
更新回数:1回まで
この場合、
6か月+6か月=12か月
となります。
最大でも1年間なので、1年を超えて勤務できません。
「更新あり」と書かれていても、更新回数に上限がある場合は必ず確認しましょう。
6か月契約・通算契約期間1年までの場合
例えば、
契約期間:6か月
更新:あり
通算契約期間の上限:1年
という契約です。
この場合も最長12か月です。
そのため「1年を超えて勤務することが確実」という条件を満たすのは難しくなります。
契約書に「更新あり」と書かれているだけで判断せず、更新上限まで確認することが重要です。
6か月契約・原則更新なら対象になる?
例えば、
契約期間:6か月
契約更新:原則更新
更新上限:なし
という契約だったとします。
さらに会社側も、
「基本的にはその後も継続して勤務してもらう予定です」
としているのであれば、1年を超えて勤務する見込みがあると考えられます。
この場合は再就職手当の対象になる可能性があります。
ただし「原則更新」と書いてあれば自動的に再就職手当が支給されるわけではありません。
再就職手当にはほかにも支給要件があり、最終的な判断はハローワークが行います。
「更新する場合がある」はどうなる?
判断が難しいのが、
契約を更新する場合がある
という契約です。
「更新する場合がある」は、必ず更新するという意味ではありません。
例えば契約更新について、
- 契約期間満了時の業務量
- 勤務成績
- 勤務態度
- 能力
- 会社の経営状況
- 担当業務の進捗状況
などを見て判断するとされていることがあります。
この場合、契約書に「更新する場合がある」と書かれているだけでは、1年を超えて勤務することが確実か判断できません。
会社が実際に長期雇用を予定しているかも確認する必要があります。
再就職手当の申請書にも「1年を超えて雇用する見込み」の欄がある
6か月契約の人にとって重要なのが、再就職手当支給申請書です。
再就職手当は本人が、
「私は1年以上働くつもりです」
と申告するだけで決まる制度ではありません。
再就職先の会社にも雇用状況を証明してもらいます。
再就職手当支給申請書には、有期契約の場合について、
「1年を超えて雇用する見込み」
を確認する欄があります。
つまり6か月契約の場合、
会社が「この人を1年を超えて雇用する見込みがある」と証明できる雇用なのか
が重要になります。
自分の契約書を見ても判断できない場合は、この点を会社に確認するとかなり分かりやすくなります。
会社にはどう聞けばいい?
人事や総務に難しい聞き方をする必要はありません。
例えば次のように確認できます。
再就職手当を申請する予定なのですが、申請書に「1年を超えて雇用する見込み」という欄があります。私の6か月契約は「見込みあり」になりますか?
会社から、
6か月ごとの契約ですが、その後も継続雇用を予定しています。
と言われるのであれば、申請書でも「1年を超えて雇用する見込みあり」と証明してもらえる可能性があります。
反対に、
半年後に更新するかはまったく決まっていません。
この契約は最大でも1年間です。
と言われた場合は注意が必要です。
入社前に確認してもいい?
入社前に確認しても問題ありません。
再就職手当は基本手当の残日数などによっては数十万円になることもあります。
そのため、
- 3か月契約
- 6か月契約
- 1年契約
- 更新上限あり
といった求人の場合は、内定後や雇用契約を確認するときに聞いておいてもよいでしょう。
「再就職手当をもらいたいので長期雇用にしてください」と頼むのではなく、実際の雇用予定がどうなっているかを確認するという意味です。
会社が「1年を超えて雇用する見込みなし」と書いたら?
会社が再就職手当支給申請書に、
1年を超えて雇用する見込み:無
と記載した場合、この要件を満たすのは難しくなります。
ただし会社の担当者が、
「雇用契約書が6か月だから『無』だろう」
と勘違いしている可能性もあります。
例えば実際には、
- 6か月ごとに原則更新
- 更新回数に上限なし
- 長期雇用予定
という契約なら、
「6か月契約でも1年を超えて更新する予定があれば『有』になる場合があるようですが、私の契約はどうなりますか?」
と確認してみてもよいでしょう。
もちろん、実際には6か月で終了する予定なのに「有」と記載してもらうことはできません。
あくまで実際の雇用予定に基づいて会社に証明してもらいます。
1年契約なら必ず再就職手当をもらえるわけではない
「6か月契約は微妙だけど、1年契約なら大丈夫なのでは?」
と思う人もいるでしょう。
しかし1年契約でも必ず対象になるわけではありません。
例えば、
2026年10月1日~2027年9月30日
契約更新なし
という契約なら、雇用期間はちょうど1年間です。
再就職手当の条件は「1年以上」ではなく1年を超えて勤務することが確実であることです。
そのため更新なしの1年契約では、この条件を満たしません。
一方、
契約期間1年
原則更新
その後も継続雇用予定
なら1年を超えて勤務する見込みがあるため、対象になる可能性があります。
つまり再就職手当では、
6か月契約か1年契約かではなく、1年後にも雇用が続いている見込みがあるか
が重要です。
実際に1年以上働けば後から再就職手当をもらえる?
「最初は6か月契約だったけど、結果的に2年間働いた」
という場合もあるでしょう。
しかし、
結果的に1年以上働いたから、後から再就職手当の条件を満たす
と考えるわけではありません。
重要なのは、採用された時点で1年を超えて勤務することが確実と認められる雇用だったかどうかです。
例えば採用時に、
とりあえず6か月だけ雇用します。半年後に更新するかは現時点では分かりません。
という契約だった場合、その後たまたま更新されて2年間働いたとしても、採用時点で1年を超える雇用が確実だったとは限りません。
そのため、再就職した時点の契約内容や会社の雇用予定が重要になります。
売上目標を達成した場合だけ更新される契約は注意
「更新あり」と書かれていても、更新条件によっては「1年を超えて勤務することが確実」と認められない場合があります。
厚生労働省の業務取扱要領では、1年以下の雇用契約について、更新時に一定の目標達成が条件となっており、雇用開始時点で更新を予測することが極めて困難な場合は、「1年を超えて引き続き雇用されることが確実」とは認めない扱いが示されています。
例えば、
契約期間6か月
売上目標○○万円を達成した場合のみ更新
といった契約です。
一般的な勤務成績などを考慮して更新する場合とは事情が異なります。
特殊な更新条件が設定されている場合は、自分で判断せずハローワークに確認した方が安心です。
派遣社員は同じように考えない方がいい
6か月更新という働き方は派遣社員にも多くあります。
ただし、直接雇用の契約社員と派遣社員では扱いが同じとは限りません。
厚生労働省の業務取扱要領では、登録型派遣労働者として雇用され、当初の派遣就業期間が1年以下の場合について、再就職手当の「1年を超えて引き続き雇用されることが確実」という要件に該当しない扱いが示されています。
派遣社員の場合は、
- 派遣会社との雇用契約
- 派遣就業期間
- 登録型かどうか
などによっても変わるため、契約社員と同じ感覚で判断しない方がよいでしょう。
「1年を超えて勤務」以外にも再就職手当の条件がある
6か月契約でも1年を超える雇用見込みが認められれば、この条件についてはクリアできる可能性があります。
ただし再就職手当にはほかにも支給要件があります。
主な条件は次のとおりです。
- 7日間の待期期間が終わった後に就職している
- 就職日前日までの失業認定を受け、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている
- 離職前の会社や密接な関係のある会社への再就職ではない
- 給付制限がある場合、一定期間内の就職について紹介経路の要件を満たしている
- 1年を超えて勤務することが確実である
- 原則として雇用保険に加入する働き方である
- 過去3年以内の就職について再就職手当や常用就職支度手当を受給していない
- 雇用保険の受給資格決定前から採用が内定していた会社ではない
「6か月契約でも大丈夫か」だけでなく、ほかの条件も確認しておきましょう。
6か月契約ならこの順番で確認すればいい
自分が対象になりそうか分からない場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
1.雇用契約書の契約期間を見る
まず6か月契約なのか、1年契約なのかを確認します。
2.契約更新の有無を見る
「更新なし」であれば、1年を超える雇用要件を満たすのは難しくなります。
3.更新上限を見る
「更新1回まで」「通算契約期間1年まで」などの記載がないか確認します。
更新できても最大1年間なら、1年を超えることができません。
4.会社に1年を超える雇用予定を確認する
契約書だけで判断できなければ、
再就職手当支給申請書の「1年を超えて雇用する見込み」は「有」になりますか?
と会社に確認します。
5.判断が難しければハローワークに確認する
「更新する場合がある」
「勤務成績によって更新」
など微妙な契約なら、雇用契約書や労働条件通知書を持ってハローワークに確認するとよいでしょう。
6か月更新のケースを一覧で確認
最後に代表的なケースを整理します。
| 契約内容 | 「1年を超えて勤務」の要件 |
|---|---|
| 6か月・更新なし | 原則× |
| 6か月・更新1回まで | 原則× |
| 6か月・通算契約期間1年まで | 原則× |
| 6か月・原則更新・更新上限なし | ○の可能性あり |
| 6か月・会社が長期雇用予定 | ○の可能性あり |
| 6か月・更新する場合がある | 個別判断 |
| 6か月・一定の目標達成時のみ更新 | ×になる可能性あり |
| 1年・更新なし | 原則× |
| 1年・更新あり・継続雇用予定 | ○の可能性あり |
※○は再就職手当の支給が確定するという意味ではありません。他の支給要件も含め、最終的にはハローワークが判断します。
まとめ
6か月更新の契約社員でも、再就職手当をもらえる可能性があります。
大切なのは、
「6か月契約だから対象外」と判断しないことです。
再就職手当では、1年以下の有期契約でも、その契約が1年を超えて更新されることが確実と認められれば、「1年を超えて勤務することが確実」という要件を満たす場合があります。
6か月契約の人は特に、
- 契約更新があるか
- 更新回数に上限があるか
- 通算契約期間に上限があるか
- 1年後も継続して働く予定なのか
- 会社が「1年を超えて雇用する見込みあり」と証明できるか
を確認しましょう。
例えば、
6か月契約→6か月更新→その後も継続予定
なら対象になる可能性があります。
一方、
6か月契約→1回だけ更新→12か月で必ず終了
なら、1年を超えて勤務できないためこの要件を満たしません。
契約書を見ても分からない場合は、会社に、
「再就職手当支給申請書の『1年を超えて雇用する見込み』は有になりますか?」
と確認するのが分かりやすいでしょう。
最終的な支給可否は、ほかの支給要件も含めてハローワークが判断します。


