SESの待機期間は、会社に在籍しているならその会社の在籍期間に含めて履歴書へ記載します。案件が終わっても退職していなければ職歴欄を「退職」で締める必要はありません。一方で、待機中まで前の案件に参画していたように担当期間を延ばすのは避けましょう。
履歴書では会社にいつ入社し、現在も在籍しているかを示します。案件ごとの開始・終了や待機中の取り組みは、職務経歴書や必要に応じた補足で説明すると整理できます。この記事では、会社に雇用されたまま次の案件を待っている人の記入例を紹介します。
待機と退職後の空白は分けて考える
最初に確認するのは、案件の有無ではなく会社との雇用が続いているかです。IT転職支援を行うムービンの待機期間ガイドも、会社に在籍したまま次の案件を待つ状況を説明しています。
| 今の状況 | 履歴書・職務経歴書での整理 |
|---|---|
| 会社に在籍したまま次案件を待っている | 会社の在籍期間は継続。前案件の担当期間は実際の終了時点まで。 |
| 入社後の研修中で、まだ案件に参画していない | 入社と研修内容を記載。未経験の顧客案件を職歴へ加えない。 |
| 会社を退職し、次の勤務先が決まっていない | 実際の退職年月を記載。前の会社に在籍中とは書かない。 |
| 前案件が終わり、社内の実業務を担当している | その社内業務を記載。「待機」だけで業務がないようにまとめない。 |
「待機」という呼び方でも状況は異なります。在籍の有無や開始日が曖昧なら、雇用契約書・入退社に関する書類や会社への確認で整理してください。この記入例は、すでに雇用契約が終わった人や個人事業主の案件待ちにはそのまま当てはまりません。
待機中と履歴書に書いたほうがよい?
履歴書に待機の一行を設けるかは、記入欄や応募先の指定、説明の必要性に合わせて判断します。会社の入社年月と在籍状況を示したうえで、現在の業務を聞かれている場合は「次案件への配属待ち」「社内研修中」など実態を補足しましょう。
過去に短い待機を挟んでいて、案件の経緯を職務経歴書で説明するなら、履歴書に同じ情報を細かく繰り返す必要はありません。ただし、応募先から全期間の業務や現在の状況を指定された場合は、その項目に沿って記載します。
会社に在籍したまま待機・研修中の場合の記入例
次は、2024年4月に入社し、2026年6月まで案件に参画した人の架空の記入例です。7月からは次の案件への配属を待ちながら社内研修を受け、応募時点も会社に在籍している設定です。

| 年 | 月 | 職歴欄の記入例 |
|---|---|---|
| 職歴 | ||
| 2024 | 4 | 株式会社〇〇システム 入社(正社員) |
| 開発部に配属 | ||
| 客先常駐にてJavaによる改修・単体テストを担当 | ||
| 2026 | 7 | 前案件の業務終了後、次案件への配属待ち |
| 社内研修でSpring BootのAPI実装を学習中 | ||
| 現在に至る | ||
| 以上 |
入社日と案件への参画日は同じとは限らないため、詳しい担当期間は職務経歴書へ別に記載します。研修制度がなく自主学習をしている場合の書き方は、次の短い補足例を参考にしてください。
dodaの「現在に至る」「以上」の解説では、在職中は「現在に至る」と「以上」を記載する方法を紹介しています。この例の「現在に至る」は、前の案件が続いているという意味ではなく、所属会社に在籍していることを示しています。
欄が狭い場合の短い補足
職歴欄には「現在、次案件への配属待ち。社内研修を受講中」と一行で補足し、研修の詳細を自己PRや職務経歴書へ移す方法もあります。会社に研修制度がなく自主学習をしているなら、「次案件への配属待ち。自主学習で〇〇に取り組む」など事実に合う表現に置き換えましょう。
職務経歴書では案件と待機の期間を分ける
履歴書で会社の経歴を示したら、職務経歴書ではその会社で何をしていたかを時系列で整理します。次の表は、上の履歴書に対応する補足例です。
| 期間 | 区分 | 記載する内容の例 |
|---|---|---|
| 2024年4月〜6月 | 入社時研修 | Javaの基礎、単体テストの演習。 |
| 2024年7月〜2026年6月 | 顧客案件 | 業務システムの既存機能改修・単体テスト。実際の担当範囲と技術を記載。 |
| 2026年7月〜現在 | 次案件への配属待ち・社内研修 | Spring BootのAPI実装、入力チェック、例外処理を研修課題で学習。 |
研修・案件・待機の切り替わりを分けると会社には在籍し続けていても、すべての月で同じ開発を担当していたわけではないことが伝わります。複数案件を並行していた場合も、実際の期間をそのまま示してください。
所属会社と常駐先の書き分けや、複数案件を履歴書にまとめる基本は、次の記事で記入例を紹介しています。

待機中の研修・学習は、実務経験と区別して伝える
ハローワークの「職務経歴書の作り方」では、社内研修の受講歴なども記載項目の例に挙げられています。研修を仕事の経歴の中で説明する場合も、顧客案件の開発と区別できる表現にしましょう。
画像の自己PR欄では、次のように書いています。
Javaによる既存機能の改修・単体テストを担当しました。改修時は正常系に加えて境界値や異常系のテスト項目を整理し、確認漏れを防ぐことを意識しました。現在は社内研修でSpring BootのAPI実装を学んでいます。既存仕様を確認し、変更の影響を考えて検証する姿勢を次の業務にも生かします。
実務での工夫を先に示し、現在の研修と今後生かしたい強みにつなげた例です。「確認漏れを防いだ」などの成果を断定せず、どのように検証したかという行動を具体化しています。社内資料や研修成果物を外部に見せるときは、公開できる範囲を会社に確認しましょう。
スキル欄では「Spring Boot:社内研修でAPI実装を学習中」のように区分を添えられます。実務と学習の経験期間を分ける書き方は、次の記事で確認できます。

研修や成果物がない待機期間はどう書く?
研修や自主制作をしていない期間も、架空の取り組みを加える必要はありません。実態が次案件の調整待ちなら「前案件終了後、次案件への配属待ち」と示し、書類や面接で聞かれたら期間と現在の状況を説明します。
会社からの連絡対応や案件面談を行っていた場合は、その事実を必要に応じて補足できます。ただし、案件面談への参加を開発業務の担当期間として数えないようにしてください。待機の理由が分からないときに、会社の受注状況や自分の評価を推測して断定する必要もありません。
待機中でも、入社可能日を自動的に「即日」にしない
案件に参画していなくても会社に在籍しているなら、退職時期や必要な手続きの確認が残っている場合があります。本人希望欄に入社時期を書くときは、実際に調整できる時期を示しましょう。
まだ退職日が確定していない場合の例は「入社時期は応相談です。現在在職中のため、退職日を調整のうえご相談いたします」です。待機していることだけを理由に、確認していない退職予定日や入社日を確定事項として書かないようにしてください。
資格・志望動機・自己PRなど、履歴書全体の項目は親記事で確認できます。



