65歳で介護保険料の納付書が届いた|給与・国保と二重払い?

65歳で届く介護保険料の納付書が二重払いかを、給与明細と市区町村の納付書・カレンダーで確認するサムネイル 介護保険料の負担・納付

65歳になると、介護保険料は健康保険・国保に含めて払う方法から、市区町村へ個人ごとに払う方法へ切り替わります。給与や国保でも介護分を払っているように見えても、対象月や対象者が違えば二重払いではありません。

届いた納付書を確認するときは、65歳になる月、給与・国保の介護分が何月分か、年金天引きがいつ始まるかを照合してください。年金を受け取っていても、天引き開始までは納付書などで納める場合があります。

65歳の誕生日の「前日がある月」から、市区町村への納付に変わる

40〜64歳の医療保険加入者は介護保険の第2号被保険者、65歳以上は第1号被保険者です。65歳以降の介護保険料は、退職したか、会社で働き続けているかにかかわらず、市区町村が個人ごとに決めます。

切り替わるのは、65歳の誕生日の前日が属する月です。2日〜月末生まれなら誕生月、1日生まれなら誕生月の前月になります。

65歳の誕生日 誕生日の前日 市区町村へ払う介護保険料の開始月
2026年9月1日 2026年8月31日 2026年8月分から
2026年9月2日 2026年9月1日 2026年9月分から
2026年10月1日 2026年9月30日 2026年9月分から
2026年10月2日 2026年10月1日 2026年10月分から

たとえば9月1日生まれの人は、本人の第2号被保険者としての介護分は7月分まで、市区町村へ納める第1号の介護保険料は8月分からです。9月2日生まれなら、それぞれ8月分まで・9月分からになります。

会社の健康保険料や国保の医療分まで、65歳でなくなるわけではありません。65歳で切り替わる介護分と、それ以外の保険料を分けて見てください。

根拠:協会けんぽ「介護保険制度と介護保険料について」、横浜市「保険料について」。

退職を機に健康保険の切り替えや住民税の支払い方法も変わる人は、介護保険料だけでなく、残っている手続きを整理しておきましょう。

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給与・国保と同時に払っていても、まず対象月と対象者を比べる

給与明細は「何月分を控除しているか」を勤務先へ確認する

給与を受け取った月と、その給与から引かれる社会保険料の対象月は、同じとは限りません。

たとえば、9月20日に65歳になり、前月分の保険料を当月給与から引く勤務先なら、9月給与に載る本人の介護保険料は8月分です。一方、市区町村へ払う介護保険料は9月分から。支払い時期が近くても、対象月は重なりません。

これは前月分を控除する勤務先の例です。給与明細に対象月が書かれていない場合は、人事・給与担当へ「この介護保険料は何月分ですか。本人分の最後の控除はどの給与ですか」と確認してください。

本人の第2号介護保険料がかかる月の根拠:協会けんぽの65歳到達時の案内。上の給与控除例は、この対象月に前月分控除の前提を当てはめたものです。

70歳になったあとも働き続け、厚生年金保険料の控除が気になる方は、最後の対象月と誕生日による違いをこちらで確認してください。

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国保は、65歳になる前の介護分を後の納期にも分けて払う

国保の納付書にある「第○期」「○月期」は、原則としてその時期に払う金額を表します。「10月期だから10月分の介護保険料」とは限りません。

年度途中で65歳になる人の国保介護分は、本人の第2号の対象期間までで計算され、自治体が定めた納期に分けて請求されます。65歳になった後の納付書にも、65歳前の期間に対応する介護分が残ることがあります。

計算の仕組みを示す架空の例として、9月20日に65歳になる人の4〜8月分の国保介護分が合計15,000円で、それを10期に均等配分すると、1期あたり1,500円です。9月以降の納期にも1,500円ずつ支払いますが、対象は4〜8月分のままです。市区町村の第1号介護保険料は9月分からなので、同じ月分を二度払う計算ではありません。

対象期間と納期が重なる仕組み:広島市「年度途中で65歳になった場合の二重払いの質問」。北九州市の案内では国保の納期を原則6月〜翌3月の10期としていますが、回数や金額は自治体ごとに確認が必要です。

家族分の介護保険料が残る場合もある

国保は世帯単位で請求されるため、同じ国保に入る40〜64歳の家族がいれば、その家族の介護分は残ります。本人が65歳になっても、世帯の通知書から「介護分」の表示がすべて消えるとは限りません。

また、一部の健康保険組合は、本人が65歳以上でも、40〜64歳の被扶養者がいる場合に介護保険料を徴収しています。規約に基づく「特定被保険者」の扱いです。すべての健康保険に共通するものではないため、加入先の健康保険組合へ確認してください。

国保の家族分:日野市「保険料のよくある質問」。健保組合の規約による徴収例:TISインテックグループ健康保険組合のQ&A。

年金を受け取っていても、天引き開始までは納付書が届く

65歳以上の介護保険料の納め方は、年金から差し引く特別徴収と、納付書・口座振替などで納める普通徴収に分かれます。

老齢基礎年金など、特別徴収の対象となる年金の年額が18万円以上なら原則として年金天引きになります。ただし、65歳の誕生日を迎えた直後から、必ず自動で引かれるわけではありません。年金保険者と自治体の間で確認・準備が必要です。

現在の状況 納付書が届く主な理由 確認すること
65歳になったばかり 年金天引きの開始前 普通徴収の納期限と、今後届く開始通知
年金をまだ受け取っていない 差し引く対象の年金がない 納付書・口座振替などの支払方法
対象年金が年額18万円未満 原則として普通徴収になる 通知に指定された各期の納付額
すでに天引き中なのに納付書も来た 保険料の変更による追加分などの可能性 通知年度、納付済額、追加請求の理由

北九州市は、65歳到達後の特別徴収開始について、おおむね半年〜1年後という目安を案内しています。全国一律に「半年後の○月から」と決まるものではなく、自分に届く開始通知の時期・金額を確認してください。開始前の分が後からすべて年金天引きされると思い込まず、普通徴収の案内に従って納めます。

なお、年金ならどの種類でもよいわけではありません。日本年金機構は、老齢厚生年金を特別徴収の対象としていません。受給している年金の合計額だけで18万円以上かを判断せず、対象年金の種類も確認しましょう。

根拠:日本年金機構「年金から保険料等を特別徴収されるのはどのような人か」、北九州市「保険料の納め方、保険料に関するお知らせ」。

納付書1回分が高く見えたら、年額・対象月数・納期数を分けて確認する

市区町村へ払う介護保険料は、自治体の基準額や本人の所得、世帯の住民税課税状況などで変わります。勤務先で引かれていた介護保険料と同じ金額になるとは限りません。

年度途中で65歳になった場合は、原則として第1号になった月から年度末までの月数で計算します。目安となる式は、その人の所得段階に対応する年額÷12×対象月数です。端数処理は自治体の決定通知で確認してください。

次は個人に適用される年額を72,000円と仮定した架空の例です。全国共通の保険料や、横浜市・北九州市などの実際の基準額を示すものではありません。年度途中の転出などがなく、2027年3月まで加入する前提です。

65歳の誕生日 その年度の第1号の対象期間 仮の年額72,000円での計算
2026年9月1日 2026年8月〜2027年3月の8か月 72,000円÷12×8=48,000円
2026年9月20日 2026年9月〜2027年3月の7か月 72,000円÷12×7=42,000円

後者の42,000円を、仮に10月〜翌3月の6期で均等に納めると、納付書1回分は7,000円です。1か月相当額は6,000円でも、7か月分を6回で払うため、1回の請求額は高くなります。「1回7,000円だから、毎月の介護保険料が7,000円」とは判断できません。

この6期という設定も計算上の例です。手元の通知で、年間保険料額、年度途中加入の計算、納付済額、各期の支払額を確かめてください。

月割り計算の根拠:北九州市「65歳になった場合の保険料の算定」。個人ごとの所得段階による算定:横浜市「保険料について」。

二重払いか分からないときは、書類をそろえてこの順で問い合わせる

納付書を見て「給与でも払っている」と感じたら、支払日だけで判断せず、次の順番で照合しましょう。

  1. 市区町村の介護保険料通知で、本人と対象年度・期間を確認する。誕生日の前日がある月から計算されているか、年額と各期の額を見ます。
  2. 給与明細または国保の決定通知を確認する。介護分の対象月と、本人分か家族分かを確かめます。健康保険料全体を介護保険料と読み替えないようにします。
  3. 年金振込通知書や特別徴収の開始通知を確認する。介護保険料の天引きが始まっているか、普通徴収と併用する案内がないかを見ます。
  4. 不明な請求を担当窓口へ照会する。市区町村の介護保険料は介護保険料担当、国保の介護分は国保担当、給与控除は勤務先と加入先の健康保険へ聞きます。

自治体へは、たとえば「9月20日に65歳になりました。介護保険料の納付書と国保の納付書があります。それぞれ誰の何月分か、今回払う必要がある金額を確認したい」と伝えてください。給与控除が続く場合は、明細の月と金額も用意します。

同じ本人の同じ対象期間について、説明のつかない重複があるなら、計算と納付状況を調べてもらいましょう。誤って二度払った場合などは、還付や未納分への充当の扱いを確認します。納期限が近ければ、照会と同時に「確認中の納付書をどう扱うか」も担当窓口へ相談してください。

納め過ぎた場合の還付・充当について:日野市「保険料のよくある質問」。具体的な手続きは納付書を発行した自治体が案内します。

扶養・退職後の収入・年金天引きでよくある疑問

配偶者の健康保険の扶養に入っていても、65歳からは自分で払う?

はい。健康保険で扶養に入っていても、65歳以降の介護保険料は市区町村が本人ごとに算定します。医療保険の被扶養者として本人の健康保険料負担がないことと、第1号の介護保険料を納めることは別です。

根拠:横浜市「保険料について」。

退職で収入が減ったのに、介護保険料が高いのはなぜ?

保険料の算定には前年の所得などを使うため、退職直後の収入減がすぐに反映されるとは限りません。保険料が前年の給与を基に計算されていないか、通知の所得段階を確認してください。

支払いが難しい場合は、自治体の減免制度や納付相談の対象になるかを確認します。退職しただけで必ず免除されるわけではなく、減免理由や収入・資産などの条件は自治体ごとの案内によります。

根拠:日野市「今年退職し収入が大きく減った場合」などの案内。

年金天引きを早く始めたい。自分で申し込める?

特別徴収は、条件を満たし準備が整うと開始される仕組みです。希望する月に自由に切り替えられるものではありません。開始前の支払いを口座振替にしたい場合は、自治体へ普通徴収の口座振替手続きを確認してください。

根拠:北九州市「保険料の納め方」。

65歳で届いた介護保険料の納付書は、誕生日前日の月、請求の対象期間、本人・家族の区別、天引き開始時期の順に見れば整理できます。請求額だけを見比べず、通知の内訳を確認しましょう。