就職日前日にハローワークへ行けないとどうなる?前々日・入社後の手続きと再就職手当

再就職手当の条件・申請

再就職が決まると「就職日の前日にハローワークへ来てください」と案内されることがあります。

しかし仕事の準備や予定が重なり、

「前日だけどうしても行けない」

「前々日に行ってもいい?」

「もう今日から働き始めてしまった」

「前日に行けなかったら再就職手当はもらえない?」

と困る人もいるでしょう。

結論からいうと、就職日前日に行けないだけで再就職手当が直ちにもらえなくなるわけではありません。

ただし、前日に行けないときの対応は管轄するハローワークによって案内が異なる場合があります。

そのため、前々日に自己判断で行ったり、入社後まで何もしなかったりするのではなく、前日に行けないと分かった時点で管轄ハローワークへ連絡するのが最も確実です。

まずは状況別に見てみましょう。

状況基本的な対応
就職日前日に行ける原則、前日に手続き
前日が土日祝直前の開庁日に手続き
前日に予定があり行けない事前にハローワークへ連絡
前々日なら行ける自己判断せず前々日でよいか確認
給付制限期間中に就職する前日でなくてもよい場合がある
すでに入社してしまったすぐハローワークへ連絡
再就職手当を申請したい就職の申告とは別に申請が必要

特に大切なのは、「前日に行けない=何もしなくていい」ではないという点です。

原則は就職日の前日にハローワークへ行く

基本手当を受給している途中で再就職が決まった場合、原則として就職日の前日にハローワークへ行き、就職の申告をします。

たとえば4月10日から働き始めるなら、原則は4月9日です。

この日に行うのは単なる就職報告だけではありません。

就職日前日までについて失業の認定を受け、基本手当の支給対象となる期間を確定させます。

再就職手当の対象になる可能性があれば、その手続きについても案内されます。

つまり「前日に来てください」と言われるのには理由があります。

前日が土日祝なら直前の開庁日に行く

就職日前日がハローワークの閉庁日なら、その前の開庁日に手続きをします。

たとえば月曜日入社なら、前日は日曜日です。

日曜日にハローワークへ行くことはできないため、通常は前の金曜日が手続き日になります。

例

4月6日(月)入社

4月5日(日):閉庁
4月4日(土):閉庁
4月3日(金):直前の開庁日

この場合は4月3日に手続きをします。

カレンダーだけを見ると「就職日の3日前」ですが、これは前倒ししたというより、直前の開庁日に手続きしていると考えると分かりやすいでしょう。

年末年始や大型連休の前後も同じです。

前日に行けないなら前々日に行ってもいい?

ここがこの記事で最も重要なポイントです。

たとえば次のケースを考えてみます。

水曜日:入社日

火曜日:本来の手続き日だが行けない

月曜日:ハローワークへ行ける

この場合、

「月曜日に行けばいいだろう」

と思うかもしれません。

しかし、通常は自分の判断だけで前々日に変更しないほうがいいでしょう。

ハローワークでは原則として就職日の前日または直前の開庁日に失業認定を行います。

前々日に手続きをすると、ハローワークによっては基本手当を認定できる期間が短くなることがあります。

実際にハローワーク上野では、入社日前日に来所できない場合について、入社日直前で来所可能な日に来る方法を案内していますが、その場合は来所日当日分までの支給となり、前日に来所した場合より基本手当が少なくなる可能性があると案内しています。

そのため、

「前日に行けないから前々日に行けば同じ」

とは限りません。

まず電話で、

「○月○日に就職予定ですが、前日の○月○日は来所できません。○月○日なら行けますが、いつ手続きをすればいいですか」

と確認してください。

前々日に行ったほうがいい場合と入社後でいい場合がある

やや分かりにくいのが、ハローワークによって前日に行けない場合の案内が異なることです。

一部のハローワークでは、前日に来られない場合、

「就職日より前の来所できる日に来てください」

という扱いが案内されています。

一方で別のハローワークでは、

「就職後に来所してください」

という手続きが案内されています。

たとえばハローワーク府中や墨田などでは、前日に来所できない場合について、入社後に就職の手続きを行う方法が案内されています。

この違いがあるため、

「前々日に行くべき」

「入社後でいい」

と全国一律に決めることはできません。

前日に行けないと分かったら

  1. 管轄ハローワークへ電話する
  2. 入社日を伝える
  3. 前日に来所できないことを伝える
  4. 前々日など入社前に行くのか確認する
  5. 入社後に行く場合は来所期限を確認する

この順番で確認するのが安全です。

給付制限期間中なら就職日前日でなくてもよい場合がある

自己都合退職などで給付制限を受けている人は少し扱いが違います。

厚生労働省は、給付制限期間中に採用される場合については就職日前日でなくてもかまわないと案内しています。

たとえば、

  • 待期7日間は終了している
  • 現在は給付制限期間中
  • 4月15日から就職する

という場合です。

通常の基本手当を受給している人とは手続きできるタイミングが異なる可能性があります。

そのため、

「自分はいま給付制限中だから前日に行けない」

という人は、そのこともハローワークへ伝えてください。

なお、給付制限中の再就職では再就職手当の支給要件にも注意が必要です。

特に待期満了後1か月以内に就職する場合は、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者などの紹介による就職であることが必要になるケースがあります。

就職日前日に行けなかったら失業保険はどうなる?

「1日行かなかっただけだから特に問題ない」

と考えてしまう人もいるかもしれません。

しかし、就職日前日の手続きは就職日前日までの失業を認定してもらうための手続きでもあります。

たとえば、

6月1日~6月20日:失業
6月21日:就職

という場合です。

原則として6月20日までについて失業状態であれば、基本手当の支給対象になります。

そのため通常は6月20日までの失業認定を受けてから就職します。

前日に来られない場合の処理方法によっては支給される基本手当の日数に影響する可能性もあります。

だからこそ、前々日へ勝手に変更するのではなく確認が必要なのです。

すでに入社してしまった場合はどうする?

もっと焦るのが、

「昨日ハローワークへ行く日だったのに忘れていた」

「今日から新しい会社で働き始めている」

という場合でしょう。

この場合も、もう手遅れだと判断して放置しないでください。

ハローワークによっては、就職日前日に来所できなかった人について、就職後に手続きする方法を案内しています。

たとえばハローワーク府中では、就職日前日に来所できなかった場合について、就職後に指定されている認定日を基準として一定期限までに本人が来所するよう案内しています。

ハローワーク墨田などでも入社後の手続きが案内されています。

つまり、

前日に行けなかった=翌日から一切手続きできない

というわけではありません。

ただし入社後いつまでに来所すればよいかは自分で判断しないほうがいいでしょう。

入社してしまったことを伝えて、管轄ハローワークから来所日を指定してもらってください。

入社後になったら再就職手当はもらえない?

これも心配する人が多いところです。

結論として、就職日前日に来所できなかったという事実だけで再就職手当が自動的に不支給になるわけではありません。

実際に前日に来られなかった人向けの就職後の手続きを公式に案内しているハローワークがあります。

ただし再就職手当には、

就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること

という要件があります。

そのため重要なのは、

「前日に行ったかどうか」

だけではなく、

就職の申告と必要な失業認定を適切に済ませているか

です。

前日に行けなかったからといって諦める必要はありませんが、入社後も何週間も放置するのは避けましょう。

「就職の申告」と「再就職手当の申請」は別

ここを混同している人も多いです。

就職が決まった場合には、大きく2段階の手続きがあります。

就職前後にすること

就職の申告

ハローワークへ再就職することを届け出て、必要な失業認定を受けます。

就職後にすること

再就職手当の申請

再就職手当の対象になる可能性があれば、支給申請書を受け取り、勤務先に必要事項を記入してもらってハローワークへ提出します。

つまり、

就職日前日に再就職手当を申請して、その日にお金が振り込まれるわけではありません。

まず就職手続きを行い、その後に再就職手当を申請するという流れです。

再就職手当は原則1か月以内に申請する

再就職手当の支給申請は、原則として就職日の翌日から1か月以内です。

たとえば4月1日に就職した場合は、4月2日から起算して1か月以内が基本となります。

手続きの流れはおおむね次のようになります。

  1. 就職が決まる
  2. ハローワークへ就職を申告する
  3. 再就職手当の対象になる可能性があるか確認される
  4. 再就職手当支給申請書を受け取る
  5. 入社する
  6. 勤務先に必要事項を記入してもらう
  7. ハローワークへ申請書を提出する

郵送で提出できる場合もあります。

1か月を過ぎたら再就職手当は完全にアウト?

「会社に書類を書いてもらうのが遅れて1か月を過ぎてしまった」

という人もいるでしょう。

再就職手当の申請期限は原則1か月以内ですが、1か月を1日過ぎただけで必ず受給できなくなるわけではありません。

現在の雇用保険制度では、再就職手当について就職日の翌日から2年を経過するまでが時効期間とされています。

そのため1か月を過ぎてしまった場合も、すぐにハローワークへ相談してください。

ただし、

「2年間あるなら急がなくていい」

という意味ではありません。

原則は1か月以内です。

書類の不足や勤務先の確認が必要になることもあるため、できるだけ早く申請するのが基本です。

採用証明書がまだない場合はどうする?

就職日前日に行けない理由ではありませんが、

「会社から採用証明書をまだもらっていない」

「採用証明書を書いてもらうのに時間がかかっている」

というケースもあります。

厚生労働省では、採用証明書について後日郵送などで提出することも可能と案内しています。

そのため、

採用証明書が完成していないからハローワークへ行かない

という判断は避けましょう。

就職日が確認できる、

  • 採用通知書
  • 労働条件通知書
  • 雇用契約書

などを持っている場合は、それも用意しておくと手続きが進めやすくなる場合があります。

必要書類は管轄ハローワークへ確認してください。

就職手続きに持っていくもの

ハローワークによって多少異なりますが、一般的には次のような書類を用意します。

書類内容
雇用保険受給資格者証失業給付の受給資格を確認する書類
失業認定申告書就職日前までの状況を申告
採用証明書就職先に記入してもらう
就職日が分かる書類採用証明書がない場合など
その他指定された書類個別にハローワークから案内

採用証明書は後から提出できる場合があります。

そのため書類が1枚足りないという理由だけで就職手続きそのものを先延ばしにしないことが大切です。

次回認定日が就職日より前なら認定日にも行く

もう1つ注意したいのが失業認定日です。

たとえば、

5月20日:失業認定日

6月1日:入社日

だったとします。

この場合、

「就職が決まったから5月20日の認定日はもう行かなくていい」

とはなりません。

厚生労働省は、就職日が次回認定日より後の場合について、指定されている認定日にハローワークへ行き、就職が決まったことを申告するよう案内しています。

つまり、

内定が決まっただけで認定日がなくなるわけではありません。

就職日と次回認定日のどちらが先なのかを確認してください。

ケース別|結局いつハローワークへ行けばいい?

ここまでを具体例で整理します。

ケース1:火曜日入社で月曜日に行ける

月曜日が開庁日なら、原則として月曜日に手続きします。

ケース2:月曜日入社

前日は日曜日なので閉庁しています。

原則として直前の開庁日である金曜日に手続きします。

ケース3:水曜日入社だが火曜日に行けない

月曜日なら行けるとしても、自己判断で前々日に変更しないほうがいいでしょう。

管轄ハローワークへ連絡し、

  • 月曜日に来る
  • 入社後に来る
  • その他の指定日に来る

のどれになるか確認してください。

ケース4:給付制限中に水曜日から就職する

給付制限期間中の就職なら、就職日前日でなくてもよい場合があります。

給付制限中であることを伝えたうえで来所日を確認してください。

ケース5:今日から働き始めてしまった

「昨日行くのを忘れていた」と気づいても諦める必要はありません。

今日の時点で管轄ハローワークへ連絡し、入社済みであることを伝えます。

ケース6:入社して1週間たってしまった

すぐに連絡します。

前日に来られなかった人について入社後の手続きを認めているハローワークがあります。

再就職手当を希望する場合は、そのことも一緒に伝えてください。

ケース7:再就職手当の申請が1か月を過ぎてしまった

申請期限を過ぎていても時効期間内なら申請できる可能性があります。

自分で不支給と判断せずハローワークへ確認してください。

前日に行けないとき電話で何と言えばいい?

難しく説明する必要はありません。

次の4点を伝えれば十分です。

  • 雇用保険の基本手当を受給中であること
  • 就職日
  • 就職日前日に来所できないこと
  • 再就職手当も申請したいこと

たとえば、

「雇用保険を受給中で、○月○日から就職が決まりました。本来は前日に手続きすると思いますが、その日は来所できません。いつ行けばいいでしょうか。再就職手当も申請したいです」

と伝えれば状況を確認してもらえます。

前々日に行ってよいか気になる場合は、

「前々日の○月○日なら行けます」

と付け加えればよいでしょう。

よくある質問

就職日前日にハローワークへ行けないと再就職手当はもらえませんか?

前日に行けなかったことだけで直ちに再就職手当が不支給になるわけではありません。

ただし再就職手当には就職日前日までの失業認定などの要件があります。

前日に行けないと分かった時点でハローワークへ連絡してください。

前々日に行ってもいいですか?

必ずしも前々日でよいとは限りません。

入社前に来所するよう案内するハローワークもあれば、前日に来られない場合は入社後の手続きを案内しているハローワークもあります。

管轄ハローワークへ確認してください。

前々日に行くと失業保険は減りますか?

ハローワークによっては、前倒しして手続きした場合に来所日までしか基本手当が支給されず、就職日前日に手続きした場合より支給額が少なくなる可能性があると案内しています。

そのため自己判断で前倒しせず確認することが重要です。

就職日前日が日曜日ならどうしますか?

直前の開庁日に手続きするのが原則です。

通常であれば金曜日になります。

入社後に手続きしても大丈夫ですか?

前日に来所できなかった人について、入社後の就職手続きを案内しているハローワークがあります。

ただし来所期限は確認が必要です。

すでに入社している場合は早めに管轄ハローワークへ連絡してください。

採用証明書がまだありません

採用証明書は後日提出できる場合があります。

書類がないことを理由に就職の申告を放置せず、まずハローワークへ確認しましょう。

再就職手当はいつまでに申請しますか?

原則として就職日の翌日から1か月以内です。

1か月を過ぎてしまった場合でも時効期間内なら申請できる可能性があるため、ハローワークへ相談してください。

まとめ|前日に行けないなら「前々日に行く」と自己判断しない

就職が決まった場合は、原則として就職日の前日にハローワークで就職の申告と必要な失業認定を受けます。

前日が土日祝なら直前の開庁日に手続きをします。

問題は、前日が開庁日なのに自分の都合で行けない場合です。

この場合の対応は一律ではありません。

ハローワークによって、

  • 入社前の来所できる日に手続きする
  • 入社後に手続きする

など案内が異なる場合があります。

そのため最も重要なのは、

前日に行けないと分かった時点で管轄ハローワークへ連絡すること

です。

前日に行けなかっただけで再就職手当を諦める必要はありません。

すでに入社してしまった場合も同じです。

「もう遅いだろう」と放置せず、就職日と現在の状況を伝えて手続き方法を確認してください。

再就職手当を希望している場合は、就職の申告とは別に再就職手当の申請が必要です。

原則として就職日の翌日から1か月以内に申請することも忘れないようにしましょう。

参考資料