飲食店でアルバイトから正社員になった場合は、アルバイトとして入社した年月と、正社員に登用された年月を分けて書くと、働き方が変わった時期を伝えられます。
同じ会社で継続して働いているなら、「入社(アルバイト)」の下に「同社にて正社員に登用」と記載します。雇用形態が変わっただけの場合、間に「退職」を入れて書き直す必要はありません。
ここでは、同じ店で正社員になった例、登用と同時に店舗を異動した例、別会社へ正社員として転職した例を紹介します。いずれも別の人を想定した架空の記入例です。
同じ飲食店でアルバイトから正社員になった記入例
2021年6月にカフェでアルバイトを始め、2023年4月に同じ会社の正社員になった例です。店が変わらなくても、正社員になった年月を一行使って示します。
| 年 | 月 | 学歴・職歴 |
|---|---|---|
| 職歴 | ||
| 2021 | 6 | 株式会社〇〇フード 入社(アルバイト) |
| 〇〇カフェ 新宿店にて接客・ドリンク作成を担当 | ||
| 2023 | 4 | 同社にて正社員に登用 |
| 接客に加え、食材発注・新人教育を担当 | ||
| 現在に至る | ||
| 以上 |
この見本は履歴書の職歴欄に記入する部分です。「同社」は最初の行に書いた株式会社〇〇フードを指します。正社員になった後に新しく任された仕事があれば、その下の行で短く補足できます。
仕事内容が変わっていなければ、発注や新人教育を加える必要はありません。登用の行だけでも雇用形態の変更は伝わります。現在も勤務中なので、最後は「現在に至る」、次の行に右寄せで「以上」としています。
すでに退職している場合の締め方
退職済みなら「現在に至る」の行を、退職した年・月と「一身上の都合により退職」など実際の事情に合う記載へ替えます。退職後も同社で働いているように読まれないよう、在職中の見本をそのまま使わないでください。
入社年月と正社員登用の年月はどう分ける?
入社年月はアルバイトとしてその会社で働き始めた時点、登用年月は正社員としての勤務が始まった時点です。同じ会社に在籍し続けた経歴を示す場合は、この二つを残すと期間を区別できます。
| 書く項目 | 上の例での意味 |
|---|---|
| 2021年6月 入社(アルバイト) | その会社で働き始めた年月 |
| 2023年4月 正社員に登用 | 正社員として働き始めた年月 |
| 現在に至る | 提出時点も同じ会社に在籍中 |
「2021年6月 入社(正社員)」とまとめると、アルバイトだった期間も正社員として働いたように見えます。反対に2023年4月だけを書くと、それ以前に同じ店で積んだ経験が伝わりません。
雇用形態が変わった時期を記載する方法は、徳島派遣センターの職歴の書き方ガイド「同一企業内で雇用形態が変わった場合」でも紹介されています。上の表は飲食店の経験に合わせた本記事の見本です。
アルバイト期間の終わりに「退職」は必要?
同じ会社での継続勤務のまま正社員へ切り替わったなら、アルバイト期間の終わりに退職行を追加する必要はありません。「正社員に登用」と書けば、その年月から働き方が変わったと説明できます。
一度会社を辞めて期間を空けて戻った場合は、実際の退職と再入社をそれぞれ記載します。登用なのか再入社なのか分からないときは、当時の雇用契約書や会社の担当者に確認しましょう。
正社員登用と同時に別店舗へ異動した記入例
同じ運営会社の中で、アルバイト先の池袋店から正社員として上野店へ異動した例です。登用と異動が同じ年月なら、一つの行に続けて書けます。
| 年 | 月 | 学歴・職歴 |
|---|---|---|
| 職歴 | ||
| 2020 | 8 | 株式会社△△ダイニング 入社(アルバイト) |
| △△食堂 池袋店にてホール業務に従事 | ||
| 2022 | 4 | 同社にて正社員に登用 △△食堂 上野店へ異動 |
| ホール業務・シフト作成補助を担当 | ||
| 現在に至る | ||
| 以上 |
店が変わっても、会社を辞めていなければ店舗ごとに入社・退職を作りません。正社員登用と店舗異動の年月が異なる場合は、それぞれの年月で行を分けます。長い店舗名で一行に収まらないときは、異動先を次の行に続けても構いません。
何度も店舗を異動している場合や、異動歴をまとめたい場合は次の記事の表と組み合わせて整理できます。

別会社へ正社員として転職した場合は入社・退職を分ける
アルバイト先を辞め、別の飲食店の運営会社へ正社員として就職した場合は、同じ会社での登用とは異なります。会社ごとの在籍期間が分かるように書きます。
| 年 | 月 | 学歴・職歴 |
|---|---|---|
| 職歴 | ||
| 2020 | 5 | 株式会社□□フーズ 入社(アルバイト) |
| □□レストラン 横浜店にてホール業務に従事 | ||
| 2023 | 3 | 一身上の都合により退職 |
| 2023 | 4 | 株式会社◇◇ダイニング 入社(正社員) |
| ◇◇亭 川崎店にてホール業務・食材発注を担当 | ||
| 2026 | 8 | 一身上の都合により退職 |
| 以上 |
この人は2023年3月に最初の会社を退職し、翌月に別会社へ正社員として入社しています。2026年8月にその会社も退職した設定なので、末尾に「現在に至る」は付けていません。
同じチェーン名の店へ移った場合も、雇用主が別の会社であれば会社名を確認して整理します。店名や制服が同じという理由だけで「同社にて正社員に登用」と書かないようにしましょう。
学生時代のアルバイト先で卒業後に正社員になった場合
学生時代から同じ店で働き、卒業後にその会社の正社員になった経験を伝えたい場合も、アルバイト開始と正社員への切り替えを分ける方法が使えます。学歴欄には卒業年月、職歴欄には勤務の経歴を書きます。
ハローワークの応募書類作成資料(PDF・冊子8ページ)では、学生時代のアルバイトは通常記載しない一方、応募先の仕事に関連する経験などは、アルバイトであることを明記して記載する方法を案内しています。飲食店での経験を応募先へ伝えるために書く場合は、この区別が分かる形にしましょう。
たとえば入社年月が卒業より前でも、「入社(アルバイト)」と書いてあれば在学中から働いていたと分かります。卒業後に正社員になった経歴を、最初から正社員だったようにまとめる必要はありません。
正社員になって任された仕事は具体的に補足する
「正社員に登用」は働き方が変わった事実です。そこからさらに経験を伝えるなら、登用の前後で担当した仕事を整理します。
| 確認したい経験 | 職歴欄に短く添える例 |
|---|---|
| 食材の発注を担当するようになった | ホール業務に加え、食材発注を担当 |
| 新人へ接客を教える担当になった | 新人スタッフへの接客指導を担当 |
| 店長を補助してシフトを組んでいた | シフト作成補助を担当 |
「店舗運営全般」と大きくまとめるより、発注・教育・シフト作成など、自分が担当した範囲を書くと仕事が伝わります。登用後も担当が同じなら無理に変化を作らず、継続した業務の中で工夫したことを職務経歴書や自己PRにまとめましょう。
なお、正社員になったことと店長に就任したことは別です。正社員登用だけで役職まで変わったように書かず、店長や副店長になった場合は実際の就任時期を補足します。
正社員登用の職歴で迷いやすい点
「正社員登用」と「正社員として入社」のどちらを書く?
同じ会社でアルバイトから切り替わった経歴を示すなら「正社員に登用」、別会社に採用された経歴なら「入社(正社員)」とすると、違いが分かりやすくなります。「正社員に登用」の代わりに「正社員に雇用形態変更」とする書き方もできます。会社の資料と意味が合う表現を選びましょう。
試用期間が終わった月を正社員登用の年月にする?
試用期間があることだけでは判断できません。初日から正社員として採用されていたなら、その入社年月を使います。最初はアルバイト契約で、後から正社員へ切り替わった場合は変更年月を記載します。試用期間という呼び方だけで決めず、採用時と変更時の書類を確認してください。
社員登用の選考中でも「正社員登用」と書ける?
まだ選考中なら、登用済みの職歴としては書きません。現在の雇用形態と担当業務を記載し、正社員として働きたい理由は志望動機で伝えます。社内選考用の履歴書を求められた場合も、勤務先の記入指示に合わせて作成しましょう。
提出前は二つの年月と雇用主を確認する
最後に、アルバイトとして働き始めた年月、正社員になった年月、運営会社の正式名称を照合します。正社員の開始時期は、店長から声を掛けられた日や初めて月給を受け取った日ではなく、正社員としての勤務が始まった時点を確認しましょう。
会社への在籍期間と雇用形態の変更を分ければ、アルバイトから続けた飲食店での経験を無理なく書き表せます。職務経歴書も提出する場合は、履歴書と年月・店名・担当業務がそろっているか確認してください。
登用の経歴を書けたら、志望動機・自己PR・本人希望欄も整えましょう。飲食店の履歴書全体の書き方と、欄ごとの記入例は次の記事で確認できます。



