調理師免許をなくしたうえに、免許を取ったころとは違う県に住んでいる。
この場合、今住んでいる県の保健所へ行くのか、昔住んでいた県へ戻らなければならないのか分かりにくいところです。
結論からいうと、調理師免許証を紛失した場合は、現在住んでいる県ではなく「その免許証を発行した都道府県」で再交付の手続きをするのが基本です。
例えば埼玉県知事が発行した調理師免許証を持っていた人が東京都へ引っ越した場合、再交付について確認するのは東京都ではなく埼玉県です。
ただし、昔住んでいた県まで直接戻らなければならないとは限りません。
県外在住者について、郵送やオンラインによる申請を用意している都道府県もあります。
まずは次の3点を確認してください。
| 確認すること | なぜ必要? |
|---|---|
| どの都道府県が免許を発行したか | 再交付の申請先を決めるため |
| 氏名・本籍地都道府県名も変わったか | 再交付だけでなく名簿訂正・書換えが必要になる場合があるため |
| 県外在住者の申請方法 | 郵送やオンラインで手続きできる可能性があるため |
なお、一般には「調理師免許の再発行」と呼ばれますが、手続き上は「調理師免許証の再交付」と呼ばれます。
この記事では、調理師免許証をなくしたあと県外へ引っ越している人向けに、申請先の探し方から郵送・オンライン申請、登録番号が分からない場合まで順番に解説します。
- 県外に引っ越していても、今住んでいる県で再発行するわけではない
- 県外に住んでいても昔の県まで行かなくてよい場合がある
- 調理師免許をなくして県外にいるときの再交付手順
- 引っ越して住所が変わっただけなら名簿訂正は基本的に必要ない
- 氏名や本籍地都道府県名まで変わった場合は別の手続きが必要
- 調理師免許の登録番号が分からない場合はどうする?
- 免許を発行した都道府県自体が分からない場合は?
- 調理師免許をなくしたときに必要なものは全国同じではない
- 就職先から免許証のコピーを求められているなら早めに動く
- 破れた・汚れた免許証は捨てない
- 再交付後になくした免許証が見つかったら返納する
- 調理師免許の再発行・県外からの手続きでよくある疑問
- 県外で調理師免許をなくしたら「発行元→申請方法→登録変更」の順で確認する
- 参考資料
県外に引っ越していても、今住んでいる県で再発行するわけではない
最も間違えやすいのが、
「今は東京都に住んでいるから、東京都の保健所で再発行してもらえばいい」
という考え方です。
調理師免許証の再交付は、免許を与えた都道府県知事へ申請する仕組みになっています。
そのため、引っ越したからといって調理師免許の発行元まで現在の住所地へ移るわけではありません。
例えば次のように考えます。
| 免許証の発行元 | 現在住んでいる場所 | 再交付について確認するところ |
|---|---|---|
| 埼玉県 | 東京都 | 埼玉県 |
| 東京都 | 神奈川県 | 東京都 |
| 神奈川県 | 千葉県 | 神奈川県 |
「今どこに住んでいるか」より先に「どこの都道府県知事が免許を発行したか」を確認するのがポイントです。
県外に住んでいても昔の県まで行かなくてよい場合がある
発行元が遠方だと、
「免許証1枚のために、昔住んでいた県まで行かなければならないの?」
と思うかもしれません。
しかし、県外在住者向けに別の申請方法を用意している自治体があります。
例えば2026年10月時点では、次のような違いがあります。
| 免許証の発行元 | 県外・都外に住んでいる場合 |
|---|---|
| 埼玉県 | 県外在住者は埼玉県の担当課へ簡易書留で郵送 |
| 東京都 | 都外在住者は窓口のほか、オンライン・郵送でも申請可能 |
| 神奈川県 | 県外へ転居した人は神奈川県生活衛生課が手続き先 |
このように、「発行元の都道府県で手続きする」と「その都道府県まで本人が行く」は別の話です。
まず発行元の公式サイトで、県外在住者向けの郵送・オンライン申請がないか確認しましょう。
ただし、方法は全国共通ではありません。
例えば東京都は都外在住者のオンライン申請に対応していますが、一部の必要書類は別途郵送する必要があります。
オンライン申請と書いてあっても、すべてネット上だけで完結するとは限らないため、申請方法を最後まで確認してください。
調理師免許をなくして県外にいるときの再交付手順
実際には、次の順番で確認すると迷いにくくなります。
1.免許証を発行した都道府県を確認する
最初に、なくした免許証をどこの都道府県知事が発行したのか確認します。
昔の免許証のコピーやスマートフォンで撮影した写真が残っていれば、それを見るのが早いでしょう。
勤務先へ以前提出した免許証のコピーが残っている場合もあります。
2.発行元の公式サイトで「再交付」を探す
発行元が分かったら、例えば
「埼玉県 調理師免許 再交付」
「東京都 調理師免許 再交付 都外」
のように検索します。
現在住んでいる都道府県ではなく、免許証を発行した都道府県名で探すのがポイントです。
3.「県外在住者」の申請先を確認する
同じ都道府県が発行した免許でも、現在その県に住んでいる人と県外へ転居した人で申請先が違う場合があります。
公式ページでは、
- 県内在住者
- 県外在住者
のように分けて説明されていないか確認してください。
例えば埼玉県では、県内在住者は住所地を管轄する保健所へ本人が持参するのに対し、県外在住者は県の担当課へ簡易書留で郵送する扱いになっています。
4.氏名や本籍地都道府県名も変わっていないか確認する
次に確認するのが、免許を取得した当時から氏名や本籍地都道府県名が変わっていないかです。
住所が変わっただけなら、再交付だけで済む場合があります。
一方、結婚などで姓が変わっている場合は、再交付と名簿訂正・免許証書換えを一緒に行う必要があります。
5.必要書類と手数料を確認する
申請方法が分かったら、発行元が指定する必要書類をそろえます。
自治体によって異なりますが、再交付では次のようなものを求められることがあります。
- 調理師免許証再交付申請書
- 本人確認書類
- 手数料
- 免許証の返送に必要な切手や宛名用紙
- 免許証が破損・汚損している場合は現在の免許証
郵送の場合は本人確認書類のコピー、為替、返信用切手など、窓口申請とは別の準備が必要になることがあります。
必要書類や手数料は都道府県ごとに違うため、別の県の案内をそのまま使わないようにしてください。
6.申請して新しい免許証を受け取る
必要書類をそろえたら、発行元が指定する方法で申請します。
その場ですぐ免許証が再発行されるとは限りません。
就職先や勤務先から提出期限を指定されている人は、申請方法だけでなく交付までの期間も確認しておきましょう。
引っ越して住所が変わっただけなら名簿訂正は基本的に必要ない
県外へ引っ越した人が特に迷いやすいのが、
「調理師免許の住所変更をしていなかった」
というケースです。
結論からいうと、住所が変わっただけなら、調理師免許の名簿訂正・書換えをする必要は基本的にありません。
例えば神奈川県は、免許証に記載された本籍と同一県内で転籍した場合や、住所だけが変更された場合は手続き不要と案内しています。
埼玉県でも、本籍地都道府県名や氏名に変更がなく、住所変更のみの場合は通常の再交付手続きとして案内されています。
つまり、
「埼玉県で免許を取得 → 東京都へ引っ越した → 免許証をなくした」
というだけなら、引っ越しによる書換えまで必要になるとは限りません。
免許証を発行した都道府県で再交付の方法を確認します。
氏名や本籍地都道府県名まで変わった場合は別の手続きが必要
住所変更だけの場合と分けて考えたいのが、氏名や本籍地都道府県名も変わっているケースです。
例えば、
- 結婚して姓が変わった
- 離婚などで氏名が変わった
- 本籍を別の都道府県へ移した
場合です。
この場合は「紛失したので再交付」だけではなく、名簿訂正・免許証書換えも同時に確認します。
| 現在の状況 | 確認する手続き |
|---|---|
| 免許証をなくした | 再交付 |
| なくした+住所だけ変わった | 基本は再交付 |
| なくした+姓が変わった | 再交付+名簿訂正・書換え |
| なくした+本籍地の都道府県が変わった | 再交付+名簿訂正・書換え |
特に、免許を取ってから何度か結婚・離婚や転籍をしている場合は、変更の経緯を確認できる戸籍関係書類が必要になることがあります。
単に「引っ越したか」ではなく、登録されている氏名や本籍地都道府県名まで変わったかで判断してください。
調理師免許の登録番号が分からない場合はどうする?
免許証をなくしていると、申請書に書く登録番号や登録年月日が分からないことがあります。
何年も前に取得した免許なら、覚えていなくても不思議ではありません。
登録番号が分からない場合は、適当な番号を書かず、免許証を発行した都道府県へ確認してください。
この確認方法も自治体によって異なります。
例えば東京都では、免許証を紛失して登録番号や登録年月日が分からない場合、個人情報のため電話では回答しないと案内しています。
本人確認書類を持って窓口で確認するか、調理師免許証の再交付手続きをする方法が案内されています。
一方、神奈川県の再交付申請案内では、再交付に登録番号と登録年月日が必要とされています。県外在住者については生活衛生課への問い合わせが案内されています。
つまり、登録番号を忘れたときの対応まで全国共通ではありません。
登録番号が分からない人は、申請書を書き始める前に発行元へ問い合わせたほうがスムーズです。
免許を発行した都道府県自体が分からない場合は?
古い調理師免許をなくしてしまい、
「そもそもどこの県が発行した免許だったか覚えていない」
という人もいるでしょう。
まず、次のものが残っていないか探してみてください。
- 調理師免許証のコピー
- スマートフォンで撮影した写真
- 以前の勤務先へ提出した資格書類
- 資格取得時の申請関係書類
- 履歴書や資格一覧に残した取得年月日
また、調理師免許を新規申請した当時にどの都道府県へ住民票があったかも手掛かりになります。
調理師免許は、試験に合格しただけで自動的に発行されるものではありません。
合格後などに免許申請を行い、都道府県知事から免許を受けます。
そのため、調理師試験を受けた県と免許証を発行した県が必ず同じとは限りません。
「○○県で試験を受けたから○○県へ再交付を申請すればいい」と決めつけないようにしましょう。
調理師免許をなくしたときに必要なものは全国同じではない
再交付に必要なものを検索すると、さまざまな自治体の案内が出てきます。
ただし、必要書類や手数料、支払方法、返送方法まで全国で統一されているわけではありません。
例えば県外から郵送する場合でも、
- 本人確認書類をどう提出するか
- 手数料をどう納めるか
- 返送用切手が必要か
- 事前連絡が必要か
- 書留など郵送方法の指定があるか
が違います。
実際に埼玉県では、県外在住者が郵送申請するとき、公的身分証明書のコピー、手数料分の定額小為替または普通為替などを提出する方法が案内されています。
東京都の都外在住者向け郵送申請では、本籍地を記載し、マイナンバーを省略した住民票などが必要です。
検索で見つけた別の県の持ち物リストをそのまま使わず、自分の免許証を発行した都道府県のページを見ることが重要です。
就職先から免許証のコピーを求められているなら早めに動く
転職するときに、
「調理師免許証のコピーを提出してください」
と言われて、初めて紛失に気づくこともあります。
ここで注意したいのは、再交付を申請した当日に新しい免許証を受け取れるとは限らないことです。
交付までの期間も自治体によって異なります。
提出期限が迫っているなら、次の順番で動きましょう。
- 免許証の発行元を確認する
- 発行元へ再交付を申請する
- 交付までのおおよその期間を確認する
- 勤務先へ「紛失して再交付手続き中」と伝える
- 新しい免許証が届くまでの対応を勤務先に確認する
勤務先がどの書類で資格確認を行うかは勤務先側の判断もあるため、代わりの書類を自己判断で提出するのではなく相談してください。
破れた・汚れた免許証は捨てない
紛失ではなく、免許証が破れた、汚れた、文字が読みにくくなったという場合も再交付の対象になります。
この場合は、手元に残っている古い免許証を勝手に処分しないでください。
調理師法施行令では、破損・汚損による再交付を申請する場合、現在の免許証を申請書に添えることになっています。
発行元の案内を確認するまで、そのまま保管しておきましょう。
再交付後になくした免許証が見つかったら返納する
再交付を受けたあと、引っ越し荷物や実家の書類から古い調理師免許証が見つかることもあります。
その場合、古い免許証と再交付された免許証の2枚をそのまま持ち続けることはできません。
再交付を受けたあとになくした免許証を発見した場合は、5日以内に免許を与えた都道府県知事へ返納することが調理師法施行令で定められています。
古い免許証が見つかったら、発行元へ返納方法を確認してください。
調理師免許の再発行・県外からの手続きでよくある疑問
県外へ引っ越したら調理師免許も住所変更が必要?
住所だけが変わった場合、調理師免許の名簿訂正・書換えは基本的に必要ありません。
氏名や本籍地都道府県名まで変わった場合は、別途手続きを確認してください。
今住んでいる県の保健所へ行っても再発行してもらえない?
再交付は、免許証を発行した都道府県へ申請するのが基本です。
現在住んでいる都道府県と発行元が違うなら、発行元の「県外在住者」の案内を確認してください。
昔住んでいた県まで行かないと再発行できない?
必ずしも行く必要はありません。
県外在住者について郵送申請を認めている自治体や、オンライン申請に対応している自治体があります。
登録番号が分からなくても再発行できる?
登録番号が分からない場合の対応は都道府県によって異なります。
自己判断で番号を書かず、免許証を発行した都道府県へ確認してください。
結婚して姓が変わってから免許証をなくした場合は?
単純な再交付だけではなく、調理師名簿訂正・免許証書換えも同時に必要になる場合があります。
変更の履歴を確認できる戸籍関係書類などが必要になることもあるため、発行元の案内を確認しましょう。
本籍が変わったら必ず手続きが必要?
本籍地の都道府県名が変わった場合は、名簿訂正などを確認します。
一方、神奈川県の案内では、免許証に記載された本籍と同一県内での転籍だけであれば手続き不要とされています。
調理師試験を受けた県に問い合わせればいい?
必ずしもそうではありません。
再交付で重要なのは試験を受けた県ではなく、調理師免許証を発行した都道府県です。
免許証をなくしたら調理師の資格自体もなくなる?
免許証という書類を紛失しただけで、登録されている調理師免許そのものが自動的に消えるわけではありません。
ただし、勤務先などで免許証の提示が必要な場合は、発行元へ再交付を申請してください。
県外で調理師免許をなくしたら「発行元→申請方法→登録変更」の順で確認する
調理師免許証をなくし、取得当時とは別の県に住んでいるからといって、今の県で免許を取り直すわけではありません。
まず確認するのは、どの都道府県知事が免許証を発行したかです。
そのあと、次の順番で確認すれば迷いにくくなります。
| 順番 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 調理師免許証を発行した都道府県 |
| 2 | 県外在住者の郵送・オンライン申請があるか |
| 3 | 氏名・本籍地都道府県名も変わっていないか |
| 4 | 登録番号・登録年月日が分からない場合の確認方法 |
| 5 | 必要書類・手数料・受取方法・交付までの期間 |
住所だけが変わったのであれば、名簿訂正まで必要になるとは限りません。
反対に、姓や本籍地都道府県名まで変わっている場合は、再交付だけでなく名簿訂正・免許証書換えも確認します。
そして、発行元が遠いからといって、いきなり昔住んでいた県まで出向く必要もありません。
県外在住者向けに郵送やオンラインで申請できる場合があるため、まずは
「○○県 調理師免許 再交付 県外」
と発行元の都道府県名を入れて公式サイトを確認してください。


