子どもの入学式や授業参観の案内が届き、「子の看護等休暇で休めるのだろうか」と迷っていませんか。
法定の子の看護等休暇では入園式・卒園式・入学式への参加が対象になります。一方で授業参観や運動会への参加は対象に含まれません。ただし会社が取得理由を広げていれば使える場合があります。
2025年4月の改正で学校・園の行事にも使えるようになりましたが、すべての行事が対象になったわけではありません。行事の種類、子どもの年齢、休む時間帯、会社独自の規程を順に確認しましょう。
入学式・授業参観・運動会は対象が異なる
まずは参加したい行事を次の表で確認してください。「法定では対象外」はその行事のために子の看護等休暇を取得する権利が法律上保障されていないという意味です。年次有給休暇や会社独自の休暇まで使えないという意味ではありません。
| 行事 | 法定の子の看護等休暇 | 確認すること |
|---|---|---|
| 保育所・幼稚園などの入園式、卒園式 | 対象 | 対象年齢と休暇の残日数・時間 |
| 小学校の入学式 | 対象 | 取得する日と必要な時間帯 |
| 授業参観・保育参観 | その参加を理由とする取得は対象外 | 会社が参観を対象に加えているか |
| 運動会・体育祭 | その参加を理由とする取得は対象外 | 学校行事休暇など別の制度があるか |
| 発表会・保護者会・個人面談 | その参加を理由とする取得は対象外 | 会社独自の対象行事と取得単位 |
| 始業式・終業式・通常の学年の修了式 | 入園・卒園・入学に当たる式典ではないため対象外 | 式の名称だけでなく内容を確認する |
| 小学校の卒業式・中学校の入学式 | 法定の対象年齢の範囲外 | 会社が対象年齢も広げているか |
厚生労働省は入園・卒園・入学と同じ性質の式典を含める一方、授業参観日や運動会などは含まれないと説明しています。例えば園で「修了式」と呼んでいても実質的に卒園の式典なら、その内容を伝えて確認します。単に学年が終わる式とは分けて考えましょう。厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし・子の看護等休暇制度」
授業参観や運動会については法を上回る会社独自の制度として対象に加えることができます。「知人の会社では使えた」という場合も同じ規程とは限らないため、自社の育児・介護休業規程などを確認してください。厚生労働省「改正育児・介護休業法に関するQ&A」問2-32(香川労働局掲載)
対象は小学3年生修了まで。行事の種類とは別に確認する
「入学式」ならどの学年でも使えるわけではない
法定の対象は小学3年生修了までの子を養育する労働者です。通常の進級なら小学校の入学式は対象ですが、小学校の卒業式や中学校の入学式は対象年齢を超えます。
法律上は9歳に達する日以後の最初の3月31日までの子が対象です。就学猶予などにより年齢と学年が通常と異なる場合は、学年だけで判断せず生年月日も示して確認してください。厚生労働省「育児・介護休業法」第16条の2
逆に子どもが小学1年生でも、授業参観なら法定の取得理由には当たりません。「対象年齢であること」と「対象行事であること」の両方が必要です。
兄弟姉妹がいる場合は対象になる子の人数と残日数を確認する
法定の日数は労働者1人につき1年度で5日まで、対象となる子が2人以上なら10日までです。3人いるから15日になるという計算ではありません。また病気の看護や予防接種などで取得した分と共通の枠を使います。入学式のために別枠で5日増えるわけではありません。厚生労働省「子の看護等休暇」
例えば子どもが小学1年生と小学6年生の2人なら、法定の対象になる子は1人です。この場合の法定枠は5日であり、下の子が対象だから上の子の卒業式にも使えるという扱いにはなりません。
会社が年度を特に定めていなければ4月1日から翌年3月31日までで数えます。卒園式と入学式が別年度になる場合もあるため、社内システムでは対象年度と残日数・残時間を確認しましょう。
1日・時間単位で取得できるが中抜けは別に確認する
子の看護等休暇は1労働日単位のほかに1時間単位で取得できます。午前の入学式に参加して午後から出勤したい場合も、1日休む以外の取り方を検討できます。
ただし法律が求める時間単位の取得は始業時刻から連続する休暇、または終業時刻まで連続する休暇です。勤務途中に外出して再び勤務に戻る「中抜け」まで義務付けられているわけではありません。厚生労働省「子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得」
| 休み方の例 | 確認する点 |
|---|---|
| 始業が9時で、9~12時を休んで出勤する | 始業から連続する時間単位の取得 |
| 終業が18時で、15~18時を休んで早退する | 終業まで連続する時間単位の取得 |
| 午前中は働き、13~15時だけ休んで戻る | 中抜けを認める社内制度があるか |
この表は休む理由が対象に当たる場合の取得方法の例です。授業参観が法定の対象外であることは「2時間だけ休む」としても変わりません。まず行事の対象可否を確認し、その後に時間帯を決めます。
時間単位の取得が困難と認められる業務では、労使協定により時間単位での取得から除外される場合があります。ただしこの理由で1日単位の取得まで除外することはできません。自分の業務が該当するかを人事担当者に確認してください。
行事への移動も考えて希望する開始・終了時刻を伝えます。半日単位や30分単位での取得、休憩をまたぐときの時間数は会社の制度も確認しましょう。
授業参観や運動会で数時間だけ休みたい場合は、年次有給休暇の半日取得と時間単位取得の違いや、勤務途中に抜ける条件も確認しましょう。

授業参観・運動会では会社独自の規程を確認する
「学校行事も可」の範囲を具体的に聞く
会社が独自に対象を広げている場合は、子の看護等休暇の取得理由に学校行事を追加していることもあれば「学校行事休暇」「子育て支援休暇」など別の休暇を設けていることもあります。
休暇名だけでは判断せず、次の点を確認してください。
- 対象行事:授業参観・運動会・発表会・保護者会のどれに使えるか
- 対象年齢:小学3年生までか、小学校卒業までなどに広がっているか
- 日数:法定の5日・10日と共通か、別枠があるか
- 取得単位:1日・時間・半日・中抜けのどれが使えるか
- 賃金:有給か無給か、給与計算でどう扱われるか
- 申請方法:使う勤怠コード、申請先、行事案内などの確認資料
例えば「学校行事に使える」と書いてあっても対象が未就学児だけなら、小学生の授業参観には使えない可能性があります。また行事は対象でも中抜けには対応していないことがあります。自分の子どもの学年と希望時間をセットで伝えましょう。
法定の休暇も必ず有給とは限らない
子の看護等休暇中に給与が支払われるかは会社の定めによります。名前に「休暇」と付いていても年次有給休暇と同じ扱いとは限りません。無給の場合の賃金の扱いを確認したうえで、利用できる休暇を選びます。厚生労働省「子の看護等休暇・用語辞典」
会社独自の対象拡大がない授業参観や運動会では、年次有給休暇など別の休暇を検討します。半日年休の取扱いや時間単位年休の制度があるかも確認してください。子の看護等休暇が時間単位で使えることと、時間単位の年休制度があることは別です。
授業参観や運動会で年次有給休暇を使う場合、週3日・週4日勤務のパートの方は、まず自分に付く日数を確認しましょう。次の記事では、勤務日数・時間別の付与日数と、半日・時間単位で取得する際の制度の確認点を整理しています。

学校行事で申請するときの確認事項とメール例文
行事の案内と希望する休暇の時間をそろえる
申請では子どもの氏名・生年月日、行事名、取得日、時間単位なら開始・終了時刻を伝えます。会社が申請様式を用意していればその様式を使いましょう。
行事の案内など事実を確認できる資料を求められる場合があります。全国共通で特定の証明書が必須ということではないため、学校へ新たな証明書を頼む前に必要な資料を会社に確認してください。
日程が決まっている行事は案内が届いた段階で申請を進めます。雨天で運動会が延期された場合などは、取得日を変更する方法も確認しておくと安心です。
入学式で子の看護等休暇を申請する文面
件名:子の看護等休暇の申請(○月○日・入学式)
人事ご担当者様
子どもの小学校入学式に参加するため、○月○日に子の看護等休暇を取得したく申し出ます。
子の氏名:○○
生年月日:○年○月○日
行事:○○小学校の入学式
希望する取得時間:○時~○時(始業時刻から連続して取得)所定の申請方法と必要な確認資料をご案内いただけますでしょうか。あわせて残日数・残時間と、休暇中の賃金の扱いを確認させてください。
氏名・所属:○○
1日休む場合は時間欄を「1日」に変更します。すでに残日数や賃金の扱いを確認できている場合は該当部分を省いてください。
授業参観・運動会で会社独自の制度を確認する文面
件名:学校行事に利用できる休暇制度の確認
人事ご担当者様
小学○年生の子どもの授業参観(運動会)が○月○日に予定されており、○時~○時の休暇を希望しています。
法定の子の看護等休暇では授業参観や運動会への参加は対象外と確認しました。当社では取得理由を広げる規程や、学校行事に利用できる別の休暇制度がありますでしょうか。
利用できる場合は対象学年、取得単位、日数の枠、有給・無給の別を教えてください。今回は休暇取得後に勤務へ戻る予定のため、中抜けが可能かも確認をお願いいたします。
該当する制度がない場合は年次有給休暇の取得方法を確認したいと考えています。
氏名・所属:○○
中抜けを希望しない場合は該当文を削除します。申請上の行事名を実際と違う「入学式」などに置き換えず、使える制度を確認してください。
古い規程や説明で「使えない」と言われた場合
「病気のときしか使えない」「小学生は対象外」「入社から6か月たつまでは使えない」と説明された場合は、2025年4月の改正前の内容が残っていないかを確認します。現在は対象となる行事・年齢が広がり、継続雇用6か月未満を理由に労使協定で除外する仕組みも廃止されています。厚生労働省「法改正のポイント」
ただし日々雇用される人は法定制度の対象外です。また週の所定労働日数が2日以下の人は労使協定で対象外になる場合があります。パートや有期契約という名称だけで一律に対象外になるわけではありません。
入学式など法定の対象に当たるケースと、授業参観など会社の上乗せ制度を確認するケースは分けて相談しましょう。年次有給休暇とは別の制度なので、法定の要件を満たす申出に対して「先に年休を使い切ること」が条件になるわけではありません。
人事に確認しても説明が解決しない場合は、行事の案内、子どもの生年月日、勤務条件、会社の規程と回答を用意して都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談できます。厚生労働省「育児・介護休業法に関する問い合わせ先」


