職業訓練で日誌を書くよう言われても、「感想文にすればよいのか」「毎日同じ内容になる」と迷いやすいものです。訓練日誌は上手な文章を競う書類ではなく、その日に何を学び、どこまででき、次に何を直すかを共有する記録です。
基本は目標→実施内容→できたこと→課題→次回の行動の順です。施設によって全員が毎日書く形式、当番制、企業実習だけ提出する形式があるため、指定様式と担当者の説明を優先してください。

訓練日誌に書く5つの要素
| 要素 | 書く内容 | 短い例 |
|---|---|---|
| 目標 | 今日できるようにすること | 寸法記入の手順を覚える |
| 実施内容 | 教材・操作・作業 | 課題図面をCADで作成 |
| 結果 | できた範囲・確認結果 | 基本形状まで完成 |
| 課題 | 止まった点・ミス | 尺度設定を間違えた |
| 次回 | 具体的な改善行動 | 開始前に設定一覧を確認する |
「勉強になった」「難しかった」だけでは、後で成長を振り返れません。作業名、使った機能、確認結果など、事実を一つ入れると具体的になります。
書く順番を固定すると迷わない
- その日の時間割と教材名を確認する
- 開始時に目標を一文で書く
- 終了時に実施内容を箇条書きで整理する
- できた点と詰まった点を一つずつ書く
- 次回最初に行う確認を決める
- 誤字と固有名詞を見直して提出する
提出直前に一日分を思い出すより、休憩時に作業名だけメモしておくと正確です。個人情報や会社の機密はメモへ残さないでください。
教室訓練の例文
例:本日の目標は、表計算ソフトでIF関数と絶対参照を使えるようにすることだった。演習3までは自力で完成したが、複数条件の式で参照範囲を誤った。解答と比較して原因を確認できたため、次回は式を入力する前に条件と参照セルを紙へ整理する。
科目名を置き換えるだけでなく、「自力でできた範囲」「確認して分かった原因」「次の行動」を自分の事実に合わせます。

実技訓練の例文
例:安全確認後、工具の名称と使用手順を確認して配線作業を行った。結線後の導通確認で誤りが一か所見つかり、図面と端子番号を照合して修正した。作業速度より確認手順を優先し、次回は線番を付けてから結線する。
危険を伴う実技では、できたことを誇張せず、安全確認、指示を受けた内容、異常やヒヤリとした点を事実どおり記録します。
企業実習の日誌で追加する内容
- 実習日・場所・担当業務
- 指導者から受けた説明
- 行った作業と使用した設備・ソフト
- 学んだ技能と理解できなかった点
- 安全・情報管理で注意したこと
- 翌日の目標
厚生労働省のOJT訓練日誌の案内でも、実施日、場所、具体的内容、習得した技能を日々記録する考え方が示されています。企業名、顧客名、個人情報、画面の認証情報などは、許可なく詳しく書かないようにします。
公式情報:厚生労働省「OJT訓練日誌の記載方法」
書くことがない日のまとめ方
復習日や同じ作業が続く日も、「前回より変わった点」を探します。所要時間、ミスの回数、質問せず進められた範囲、確認手順などを比べると、同じ授業でも具体的な記録になります。
欠席・遅刻・早退がある日は、日誌で正当化せず、施設指定の届出を別に行います。日誌と出席手続きは同じものではありません。
当番制の日誌は全体を客観的に記録する
訓練施設によっては、受講者が交代で一日の訓練内容や連絡事項を書く形式があります。この場合は自分の感想だけでなく、科目、進度、講師からの連絡、設備状況など指定欄を客観的に記入します。
公式情報:JEED秋田「訓練日誌記入例」
避けたい書き方
- 毎日「特になし」だけで終える
- できていない作業を完了と書く
- 講師・受講者への感情的な批判を書く
- 顧客名・個人情報・パスワードを書く
- 他人の文章をそのまま写す
- 消えるペンなど指定外の筆記具を使う
不満や困り事がある場合は、日誌に遠回しに書くだけでなく担任・就職支援担当へ相談します。日誌は正式な記録として読まれる前提で、事実と改善案を分けて書きます。
公式情報:JEED三重「企業実習付コース」

就職活動にも使える振り返りにする
日誌を週ごとに見返すと、応募書類に書ける技能や面接で説明できる改善経験が見つかります。「最初はできなかったが、確認表を作ってミスを減らした」のように、課題と行動を一組で残します。

よくある質問
毎日長文を書かないと評価が下がりますか
長さより指定項目と具体性が重要です。必要量は施設の様式・指示を確認してください。
感想と反省の違いは何ですか
感想は感じたこと、振り返りは事実・原因・次の行動まで含む記録です。日誌では後者を中心にします。
生成AIで例文を作って提出してもよいですか
施設のルールを確認し、自分が実際に行った内容と異なる文章は提出しないでください。機密情報の入力も避けます。
まとめ|事実と次の行動を一組で残す
訓練日誌は、目標、実施内容、できたこと、課題、次回の行動を順番に書くとまとまります。感想だけで終わらせず、作業名や確認結果を一つ加えてください。
教室訓練、当番制、企業実習で求められる内容は異なります。指定様式を守り、個人情報・機密情報を避けながら、就職活動にも使える成長記録にします。

