職業訓練中でも、履歴書・職務経歴書に訓練内容を書いて問題ありません。
ただし、書き方には注意が必要です。履歴書では、訓練校名・コース名・期間を正確に書きます。職務経歴書では、訓練で学んだ内容を応募先の仕事でどう活かせるかまで書きます。
職業訓練を実務経験のように見せたり、まだ修了していないのに「修了」と書いたりするのは避けてください。この記事では、職業訓練中の履歴書・職務経歴書の書き方を、受講中・修了予定・修了済み・途中退校の例文まで整理します。
書類だけでなく、求人探し・応募時期・面接・内定後の動きまでまとめて確認したい場合は、先に職業訓練中に転職活動を進める全体の流れを見ておくと、このあと何を準備すべきか整理しやすくなります。
職業訓練中でも履歴書・職務経歴書に書いていい
職業訓練は、受講中でも応募書類に書いて大丈夫です。むしろ、退職後に数カ月訓練へ通っているのに何も書かないと、採用担当者から見ると「この期間は何をしていたのか」が分かりにくくなります。
ただし、職業訓練は会社で働いた経験ではありません。そのため、実務経験として書くのではなく、再就職に向けて学んでいる内容として見せるのが基本です。
採用担当者が知りたいのは、訓練を受けた事実だけではありません。次の3つです。
- なぜその訓練を選んだのか
- 何を学んでいるのか
- 応募する仕事にどうつながるのか
履歴書では事実を簡潔に書き、職務経歴書や自己PRで応募先との接点を補うと、読みやすくなります。
履歴書には正式名称・コース名・期間を書く
履歴書に職業訓練を書くときは、あいまいな表現ではなく、訓練校名・コース名・期間が分かる形にします。
最低限入れたいのは、次の4つです。
- 訓練校名
- コース名・科名
- 入校年月または受講開始年月
- 修了予定年月または修了年月
たとえば、次のように書きます。
| 年 | 月 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026 | 4 | ○○職業能力開発センター Webデザイン科 入校 |
| 2026 | 9 | 同校 Webデザイン科 修了予定 |
委託訓練の場合は、次のような書き方でも問題ありません。
| 年 | 月 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026 | 4 | 公共職業訓練 ○○スクール 事務・パソコン実践科 受講開始 |
| 2026 | 7 | 同訓練 修了予定 |
「Web系を勉強中」「パソコンの訓練中」だけでは、何をどの程度学んでいるのか伝わりません。受講決定通知、訓練校の資料、コース案内、修了証などを見て、できるだけ正式名称に近い形で書きましょう。
学歴欄・職歴欄・訓練欄で迷ったときの判断基準
職業訓練をどこに書くかは、使う履歴書の様式によって変わります。迷ったら、次の順番で判断すると安全です。
- 履歴書に「訓練欄」があるなら訓練欄に書く
- 訓練欄がなければ、学歴欄に書く
- 職歴欄に書く場合は、必ず職業訓練だと分かる表現にする
- 不安ならハローワークや訓練校で、自分の様式に合わせて確認する
避けたいのは、職業訓練を会社勤務のように見せる書き方です。
| 年 | 月 | 避けたい書き方 |
|---|---|---|
| 2026 | 4 | ○○株式会社 入社 |
| 2026 | 9 | ○○株式会社 退社 |
実際には職業訓練なのに、会社勤務のように見える書き方はよくありません。職歴欄に書く場合でも、「職業訓練」「公共職業訓練」「求職者支援訓練」など、訓練であることが分かる表現にしてください。
受講中・修了予定・修了済み・途中退校の記入例
職業訓練は、自分の状況に合わせて「受講中」「修了予定」「修了」「途中退校」を使い分けます。まだ修了していないのに「修了」と書くのは避けましょう。
受講中の場合
現在も通っている場合は、修了予定日も一緒に書くと親切です。採用担当者が、いつから働けるのかを確認しやすくなります。
| 年 | 月 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026 | 4 | ○○職業能力開発センター 事務実践科 入校 |
| 2026 | 8 | 同校 事務実践科 修了予定 |
修了済みの場合
すでに修了している場合は、修了年月を書きます。そのうえで、職務経歴書や自己PRで「何を学んだか」「応募先でどう活かせるか」を補足しましょう。
| 年 | 月 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026 | 4 | ○○職業能力開発センター Webデザイン科 入校 |
| 2026 | 9 | 同校 Webデザイン科 修了 |
途中退校した場合
途中退校した場合も、空白期間を作らないために書いた方がよいケースがあります。履歴書には長い理由を書かず、事実を簡潔に書きます。
| 年 | 月 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026 | 4 | ○○職業能力開発センター Webデザイン科 入校 |
| 2026 | 6 | 一身上の都合により途中退校 |
途中退校について面接で聞かれたときは、退校理由だけで終わらせず、その後どう行動しているかまで伝えます。面接で職業訓練をどう説明するか不安な場合は、職業訓練中の面接で聞かれやすい質問と答え方を先に確認しておくと、退校理由や学んだ内容を落ち着いて説明しやすくなります。
例文です。
「家庭の事情で通学継続が難しくなり途中退校しましたが、訓練で学んだExcel・Wordの基礎は現在も復習しています。今後は事務職として、実務の中でさらに身につけていきたいと考えています。」
職務経歴書では「学んだ内容」より「応募先で使えること」を書く
職務経歴書では、職業訓練の内容を書いて構いません。ただし、カリキュラム名を並べるだけでは弱いです。
大切なのは、学んだ内容を応募先で使える表現に変えることです。どの求人に応募すれば訓練内容が伝わりやすいか迷う場合は、職業訓練で学んだことを活かせる求人の選び方を見ながら、求人票の仕事内容と自分の訓練内容を照らし合わせてください。
| 学んだ内容 | 応募書類での見せ方 |
|---|---|
| Word | 文書作成、表作成、ビジネス文書の作成 |
| Excel | 表計算、基本関数、データ整理、簡単な集計 |
| Web制作 | HTML/CSS、画像編集、簡単なサイト更新 |
| 介護 | 介護の基礎知識、利用者対応、現場理解 |
| CAD | 図面作成の基礎、製図ソフトの基本操作 |
職務経歴書では、次のような見出しを作ると書きやすくなります。
【職業訓練で学習中の内容】
○○職業能力開発センター 事務実践科にて、Word、Excel、PowerPointを中心に、事務職に必要な基本操作を学習中です。Excelでは表作成、四則演算、基本関数、データ整理を学び、現在は実務を想定した資料作成演習に取り組んでいます。
【応募職種で活かせること】
前職での顧客対応経験に加え、職業訓練で学んだパソコンスキルを活かし、営業事務や一般事務として正確な入力、資料作成、社内外の連絡対応に取り組みたいと考えています。
弱い書き方は、次のような文章です。
「職業訓練でWord、Excel、PowerPointを学びました。頑張りました。」
これだけだと、応募先でどう役に立つのかが分かりません。「何を学んだか」「どの程度できるか」「応募先でどう使うか」まで書きましょう。
求人探しでは、書類に書ける接点がある求人を選ぶ
履歴書や職務経歴書を整えても、応募先との接点が薄いと書類は通りにくくなります。職業訓練中の応募では、「学んだことを書ける求人」を選ぶ視点が大切です。
たとえば、事務訓練を受けているなら、求人票に「データ入力」「資料作成」「電話対応」「Excel基本操作」などがある求人の方が、訓練内容とつなげて書きやすくなります。Web系なら「サイト更新」「バナー作成補助」「HTML/CSS修正」など、未経験でも任されやすい業務があるかを見ます。
どこで求人を探せばよいか迷う場合は、職業訓練中に使う求人の探し方で、ハローワーク・求人サイト・転職エージェント・訓練校の就職支援をどう使い分けるか確認しておくと、応募書類を出す先を選びやすくなります。
自己PR・志望動機で職業訓練を使う例文
職業訓練は、自己PRや志望動機にも使えます。ただし、「職業訓練で学んでいます」だけで終わらせないことが大切です。
自己PRや志望動機では、次の3つを入れます。
- なぜその訓練を選んだのか
- 訓練で何を身につけているのか
- 応募先でどう活かしたいのか
事務職に応募する場合の自己PR例文
私の強みは、未経験の分野でも必要な知識を自分から学び、実務に近づけていく姿勢です。
前職では接客業として、お客様対応や電話対応、在庫確認などを担当していました。退職後は事務職への転職を目指し、職業訓練でWord、Excel、PowerPointを中心に学習しています。
特にExcelでは、表作成や基本関数、データ整理を重点的に学び、正確に作業することの大切さを意識して取り組んでいます。まだ事務職の実務経験はありませんが、前職で身につけた対応力と、訓練で学んだ事務スキルを活かし、早く業務を覚えて貢献したいと考えています。
Web系に応募する場合の自己PR例文
私は、分からないことを調べながら形にしていく継続力があります。
現在、職業訓練でHTML、CSS、画像編集、Webサイト制作の基礎を学んでいます。授業では、デザインをそのまま作るだけでなく、見やすさや更新しやすさを意識して制作することの大切さを学びました。
実務経験はまだありませんが、訓練課題や自主制作を通じて、基本的なコーディングとサイト更新の流れを理解しています。入社後は、まず既存サイトの更新や簡単な修正から正確に対応し、少しずつ担当できる範囲を広げていきたいです。
志望動機の例文
私は、職業訓練で学んだパソコンスキルを活かし、事務職として長く働きたいと考えています。
前職では接客業に従事していましたが、売上管理や在庫確認、電話対応を行う中で、裏側から業務を支える仕事に関心を持つようになりました。現在は職業訓練でWord、Excel、PowerPointを学び、事務職に必要な基礎を身につけています。
貴社の求人では、正確な入力作業や社内外との連絡対応が求められていると拝見しました。前職で培った対応力と、訓練で学んだパソコンスキルを活かし、早く業務を覚えて貢献したいと考え志望いたしました。
職業訓練を控えめに書いた方がいいケース
基本的には、職業訓練は書いた方がよいです。退職後から現在までの行動が分かりやすくなり、就職に向けて動いていることも伝わるからです。
ただし、前面に出しすぎない方がよいケースもあります。
- 応募職種と訓練内容がほとんど関係ない
- 訓練期間がかなり短く、アピール材料になりにくい
- すでに強い実務経験があり、訓練を前面に出す必要がない
- 途中退校の理由をまだ整理できていない
この場合でも、完全に隠すというより、履歴書には事実だけ簡潔に書き、職務経歴書では応募職種に関係する経験を優先するのが現実的です。
たとえば、Webデザイン訓練を受けたあとに介護職へ応募する場合、Web制作スキルを大きくアピールしても採用担当者には響きにくいです。その場合は、自己PRで「学び続ける姿勢」「新しい環境に適応する力」など、職種を問わず活かせる部分に変換するとよいでしょう。
書類で落ち続けるときは、書き方だけでなく応募先も見直す
履歴書や職務経歴書を整えても、なかなか書類選考を通過しない場合は、書き方だけが原因とは限りません。応募先の条件が高すぎる、訓練内容と求人内容がずれている、応募数が少ない、面接で説明する準備が足りないなど、複数の理由が重なっていることがあります。
「訓練を受けたのに就職できないかもしれない」と不安が強くなっている場合は、職業訓練後に就職できない人が見直すべきポイントを確認して、応募先の選び方・応募数・面接準備までまとめて点検しておきましょう。
提出前チェックリスト
- 訓練校名を正式名称に近い形で書いている
- コース名・科名を書いている
- 入校年月・受講開始年月を書いている
- 受講中なら「受講中」「修了予定」と書いている
- 修了していないのに「修了」と書いていない
- 職業訓練を実務経験のように書いていない
- 取得済みの資格は資格欄に書いている
- 勉強中の資格を「取得」と書いていない
- 職務経歴書で応募職種との接点を書いている
- 自己PRが「学びました」だけで終わっていない
- 面接で「なぜその訓練を選んだのか」を説明できる
- 修了予定日と勤務開始可能日を整理している
ハローワークや訓練校で使える相談文
書き方に不安がある場合は、次のように聞くと確認しやすいです。
「現在、職業訓練を受講中で、○月に修了予定です。履歴書には、訓練校名とコース名をどの欄に書くのがよいでしょうか。応募先には、受講中であることと修了予定日を伝えたいです。」
職務経歴書については、次のように相談できます。
「職務経歴書に、職業訓練で学んでいる内容も書きたいです。応募職種は○○職なのですが、訓練内容のどの部分をアピールするとよいでしょうか。」
まとめ|履歴書は事実を正確に、職務経歴書は仕事とのつながりを書く
職業訓練中でも、応募はできます。履歴書・職務経歴書に職業訓練を書くことも問題ありません。
大事なのは、履歴書では事実を正確に書くことです。訓練校名、コース名、受講開始年月、修了予定年月を分かりやすく書きましょう。
職務経歴書では、訓練内容をただ並べるのではなく、応募職種でどう活かせるかまで書きます。自己PRでは、学び続ける姿勢と入社後の行動を伝えます。
書類が整ったら、次は「どの求人に出すか」です。職業訓練で学んだ内容が伝わりやすい求人を選び、必要に応じてハローワークや訓練校で添削してもらいながら、応募・面接へ進めていきましょう。


