気になる会社の求人に「オープンポジション」と書かれている。でも、営業なのか事務なのか、応募した後は何の職種として面接を受けるのか分からない。そんなときは、求人名だけで判断せず、募集対象と決定時期を確認しましょう。
オープンポジション求人は、応募時点で職種や配属先を一つに限定せず、経験・希望と企業の募集状況を照らし合わせて、担当する仕事を検討する募集です。応募者が「何でもやります」と約束するものでも、会社が必ず希望の仕事を用意してくれるものでもありません。
この記事では、転職・中途採用を中心に、「今、自分は何の選考を受けているのか」「職種・配属先はいつ分かるのか」を、実際の公式求人と質問例で整理します。
オープンポジション求人とは?応募時に職種・配属先を絞らない募集
通常の職種別求人では、たとえば「法人営業」「経理担当」のように、募集する仕事を確認して応募します。オープンポジションでは、先に経歴や希望を伝え、どの仕事で選考を進めるかを企業とすり合わせます。
atGPの求人検索ガイドでも、応募段階で特定の職種や配属先を選ばず、応募後にポジションを検討する求人として説明されています。ただし、「オープン=社内の全職種が対象」とは限りません。「エンジニア」「事務系」「ビジネス職」など、あらかじめ対象を区切った募集もあります。
職種・配属先・担当業務は別々に確認する
「配属が決まっていない」という説明には、いくつかの状態が含まれます。次の3つを分けて読むと、求人の不明点がはっきりします。
| 確認するもの | 何を指すか | 未確定の状態の例 |
|---|---|---|
| 職種 | 営業、経理、開発など、仕事の種類 | 営業経験を生かし、営業職と顧客支援職の両方を検討する |
| 配属先 | 所属する部署、事業部、拠点など | 開発職としての採用を想定し、担当する事業部を検討する |
| 担当業務・役割 | 日々の仕事、担当範囲、期待される成果 | 営業部への配属を想定し、新規開拓と既存顧客対応の分担を調整する |
これらは理解のための架空例です。職種が決まっていて部署だけ未定の求人と、職種から相談する求人では、面接で確認すべきことが変わります。
総合職・ポジションサーチと同じ?
総合職は企業の採用区分として使われることがありますが、「総合職」と「オープンポジション」という言葉だけで、入社後の異動範囲や配属時期まで同じとは判断できません。求人サイトで同じ検索カテゴリに入っていても、個々の募集内容を読みます。
ポジションサーチは、経歴に合う職種・部署を企業側が探すという点で近い使われ方をします。名称による厳密な線引きより、「対象となる仕事」「応募後の手順」を確認するのが実用的です。ポジションサーチの募集の仕組みは、次の記事で整理しています。
応募すると何の選考になる?実際の求人に見る3つの例
オープンポジションという名称だけでは、応募直後から特定職種の選考なのか、まず候補を検討するのかは分かりません。以下は2026年9月28日に確認した公式募集の例です。
応募情報をもとに、合う求人を提案する例
日立ソリューションズのオープンポジション募集では、応募情報をもとに複数の事業部から合う求人を提案すると案内しています。個別ポジションへの応募より時間がかかる可能性も示されています。
この型では、「応募を受け付けた」という連絡だけで配属候補が決まったとは限りません。候補を探している段階なのか、特定の求人の書類選考を進めているのかを確認すると、次に準備する内容が分かります。
選考を通じて、職種・配属先を検討する例
メディヴァの公式求人では、応募時点で職種を限定せず、選考を通じて配属先を決めると説明されています。コンサルタント、専門職、バックオフィスなど複数の職種カテゴリが示され、配属先を想定して面接を進めるため、面接回数は応募者によって異なるとされています。
この型なら、面接の途中で候補が絞られることを見込み、「今回の面接は、どの職種・部署を想定していますか」と確認します。複数部署の担当者と話す場合も、各面接の目的を分けて把握しましょう。
職種の大枠を決め、その中で役割を検討する例
Colorful Paletteの「オープンポジション(ビジネス職)」では、制作進行、グッズ企画・営業、プロモーションなどの職種例を挙げ、経験やスキルを踏まえて選考中に役割を決めると案内しています。
つまり「オープンポジションだから開発・経理・販売など何でも対象」とは読めません。求人名の後ろにある括弧書き、職種例、必須条件までが、応募する範囲を知る手掛かりになります。
職種・配属先はいつ決まる?応募から内定までの確認表
すべての企業に共通する決定日はありません。大切なのは、「現時点の候補」と「最終的に決まる時期」を別々に聞くことです。次の表は、必ずこの順番で決定するという意味ではなく、各段階で確認するための目安です。
| 段階 | 確認したい状態 | 質問例 |
|---|---|---|
| 応募前・応募時 | 職種の大枠、勤務地、応募条件が決まっているか | 検討対象の職種には何が含まれますか。〇〇職を第一希望として応募できますか |
| 書類提出後 | 候補探しか、特定職種の書類選考か | 現在はポジションの検討中でしょうか。それとも具体的な求人で選考中でしょうか |
| 面接の案内時 | 面接する部署・職種と、その面接の目的 | 今回の面接で想定されている職種と、担当業務を教えてください |
| 選考の途中 | 候補が一つに絞られたか、ほかの候補も残っているか | 現在の候補は〇〇職という理解でよいでしょうか。△△職の検討は継続していますか |
| 内定・条件提示時 | 雇入れ直後の仕事・勤務地・条件、残っている未確定事項 | 今回の提示条件で確定している項目と、未確定の項目・決定予定日を教えてください |
「面接に呼ばれた=希望職種で通過」とは限らない
営業を希望して応募しても、面接の案内だけでは営業職で書類通過したのか、別の候補を含む面接なのか判断できないことがあります。案内に求人名や部署名がなければ、準備のための確認として聞いて構いません。
面接のご案内をいただき、ありがとうございます。準備にあたり、今回想定されている職種・配属候補と、主な業務内容をご教示いただけますでしょうか。応募時には〇〇職を第一希望としてお伝えしておりますが、ほかの職種も含めた面接か、あわせて確認できますと幸いです。
まだ絞っていないという回答なら、その前提で経験と希望を説明します。候補を決めつけて対策するよりも、どの仕事に生かせる経験があるかを整理して臨みましょう。
「入社後に配属決定」と言われたら、何が未定なのか聞く
部署名だけが後で決まるのか、職種も勤務地も決まらないのかでは、判断の重みが違います。「配属未定」と一括りにせず、少なくとも想定業務、配属候補、勤務地、決定時期、希望の扱いを確認してください。
たとえば「経理業務で採用し、担当チームは入社後に決める」と、「営業・事務・店舗業務のどれになるか入社後に決める」は別の条件です。自分が受け入れられる範囲を、承諾する前に明確にします。
希望職種はどう書く?応募フォーム・面接で伝える内容
オープンポジションでも、希望を伝えてよいと考えて準備します。ただし、希望が必ず通るという意味ではありません。第一希望、検討できる別候補、難しい条件を分けると、企業側との行き違いを減らせます。
応募職種欄は、求人名と希望を分けて書く
フォームに選択肢がある場合は、その指定に従います。自由記入なら、次のように募集名と希望する仕事を分けて書けます。
応募求人:オープンポジション(事務系)
希望職種:第一希望は営業事務。受発注管理・請求処理の経験を生かせる事務職も検討可能です。
「オープンポジション」とだけ書いても、仕事の希望までは伝わりません。反対に、求人の対象にない職種を希望するなら、応募前に検討対象となるか確認しましょう。
志望動機は「何職でもいい」ではなく、会社と経験を結ぶ
部署を一つに決めていなくても、「なぜその会社なのか」「どの経験を生かしたいか」は説明できます。以下は事務経験者を想定した架空例です。
前職では受発注管理と請求処理を担当し、営業担当者や取引先と納期を調整してきました。御社の〇〇事業に関心があり、正確な処理と関係者との調整を通じて事業を支えたいと考えています。第一希望は営業事務ですが、同じ経験を生かせる業務管理の仕事も、内容を伺ったうえで検討したいです。勤務地は通勤可能な〇〇エリアを希望しています。
実際の事業や自分の経験に合わせて書き換えてください。できない仕事や転居できない事情まで隠して「何でも大丈夫」と答える必要はありません。
オープンポジションは受かりやすい?職種が広いことと採用基準は別
複数の仕事を検討してもらえることは、経験を生かす先が見つかるきっかけになります。ただし、それだけで通常の職種別求人より受かりやすいとはいえません。
日立ソリューションズの募集でも、各求人の要件に合う実務経験が必須とされています。職種を一つに限定していないことと、応募条件がないことは別です。
- 経験・スキル:対象となる仕事の要件に合うか。
- 希望との一致:企業が提案できる仕事を、自分も希望するか。
- 採用する側の状況:その時点で該当する募集や受け入れ先があるか。
この3点を分けて考えると、「どの職種でもいいと言えば採用される」という期待を避けられます。合うポジションが見つからない場合もあり、応募後に必ず面接や提案があるとは限りません。
未経験でも応募できる?
求人の必須条件で判断します。「オープンポジション」という名前自体は、未経験歓迎を意味しません。業界経験は不要でも、事務・営業・開発などの実務経験が必要な場合があります。
未経験の職種に挑戦したい場合は、経験職種と希望職種を分け、「〇〇の経験はありますが、△△職は未経験です。今回の募集で検討対象になりますか」と聞くと伝わります。
希望と違う職種を提案されたときの確認と断り方
最初に、その仕事の中身を聞きます。職種名が違っても希望する業務を担当できる場合があるため、「なぜ候補になったのか」「実際の担当範囲は何か」を確認してから判断しましょう。
それでも希望と合わない場合は、提案へのお礼と、合わない点を具体的に伝えます。
ご提案ありがとうございます。今回は受発注管理などの事務業務を中心に経験を積みたいと考えております。ご提案の職種は新規顧客への営業活動が中心とのことで、今回の希望とは異なるため、この職種での選考は見送らせていただきたく存じます。事務系の候補があれば、引き続き検討いただくことは可能でしょうか。
これは別職種での検討を相談する文例です。ほかに候補がなければ、その企業での選考が終了する可能性もあります。入社する意思が持てないまま選考を進めるより、判断に必要な情報をそろえて返答しましょう。
内定を承諾する前に、職種名だけでなく条件を書面で確認する
応募時に幅広くポジションを検討することと、入社条件を曖昧にしてよいことは別です。条件提示を受けたら、求人票・面接での説明・労働条件通知書などを見比べます。
- 雇入れ直後に担当する業務と、配属先・勤務地
- 給与・雇用形態・契約期間・勤務時間
- 業務や就業場所が、入社後に変わる可能性のある範囲
- 未確定の事項がある場合の候補、決定時期、決まり方
- 希望と異なる条件になった場合の相談先
厚生労働省は、2024年4月から募集時などに明示する事項として、業務・就業場所の変更範囲などを追加しています。最初の仕事を確認するときは、将来の異動範囲もあわせて読みましょう。
「オープンポジションで応募し、経理職で内定」となっても、将来も経理だけを担当する条件かどうかは別の確認が必要です。「会社の定める業務」という記載の読み方は、次の記事で解説しています。
応募時は対象となる仕事の範囲、面接前は現在の選考職種、承諾前は具体的な業務と条件を確認する。この3段階を押さえると、職種が決まっていない求人でも、自分が何を選んでいるのかを把握しながら進められます。
参考資料
2026年9月28日確認。企業の求人は募集方法を説明するための例です。募集の継続、対象職種、応募条件、選考手順は各社の最新情報を確認してください。
- atGP「自分に合った求人が見つかる!求人検索のコツ」:応募段階で職種・配属先を選ばないオープンポジションの説明。
- 日立ソリューションズ「オープンポジション」公式募集:応募情報からの求人提案、検討期間、実務経験の要件。
- メディヴァ「オープンポジション」公式募集:選考を通じた配属先の検討、配属を想定した面接。
- Colorful Palette「オープンポジション(ビジネス職)」公式募集:職種の範囲を示し、選考中に役割を決める募集の例。
- 厚生労働省「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!」(PDF):雇入れ直後の業務・就業場所と、変更範囲などの明示。




