退職前にハローワークへ行っても、「まだ会社員だから相談できないのでは」と迷うかもしれません。転職を決め切っていない段階で求人を見せてもらえるのか、在職中に求職登録してよいのか、失業保険の話まで確定できるのかが分かりにくいところです。
結論からいうと、在職中でも求職登録、求人検索、職業相談、職業紹介、応募書類や面接の相談を利用できます。 自宅からオンラインで求職申込みを始めることも可能です。
一方、失業保険の受給資格決定や離職理由の正式な判定は、退職前には完了しません。退職後に、住所地を管轄するハローワークで求職申込みをし、離職票を提出して確認を受けます。
この記事では、一般的な転職・退職準備として、退職前にできること、まだ確定できないこと、窓口でそのまま使える質問を整理します。職業訓練に限った退職前相談は、専用記事へ分けています。

退職前にできること・退職後でないと確定しないこと
「相談できる」と「正式な給付手続きができる」は別です。最初に線を引いておくと、窓口で聞く順番が分かります。
退職前にできる
- ハローワークの求人を検索する
- 在職中のまま求職登録する
- 希望条件や転職時期を職員へ相談する
- 求人の詳しい条件を確認し、紹介を相談する
- 履歴書・職務経歴書・面接の助言を受ける
- オンライン自主応募が可能な求人へ直接応募する
- 地域のセミナーや面接会の利用可否を確認する
退職後の書類・事実で確定する
- 雇用保険の受給資格決定
- 離職理由の正式な判定
- 待期・給付制限を含む個別の日程
- 失業認定日と受給スケジュール
- 離職票の記載内容に対する異議の調査
- 退職後の就労状況を含む給付の最終判断
退職前でも制度の一般的な説明や必要書類を聞くことはできます。しかし、「私が○月に辞めたら必ず○円、○日から受け取れる」と確定する段階ではありません。退職日、雇用保険の加入期間、離職票、離職理由、受給手続き時点の就労状況などを、退職後に確認する必要があります。
公式確認:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(仕事をお探しの方)」は、在職中でも求職登録できると案内しています。
在職中に求職登録すると何が変わる?
求人を眺めるだけなら、登録せずにハローワークインターネットサービスで検索できます。登録すると、希望職種・勤務地・賃金・勤務時間・職歴などをもとに、窓口で相談しやすくなります。
求職申込みには、ハローワークへ行って入力・申込書を提出する方法と、自宅から求職者マイページを開設してオンライン登録する方法があります。在職中で平日に時間が取りにくい場合は、自宅で先に希望条件を入力し、相談したい求人番号を保存してから窓口へ行くと時間を使いやすくなります。
| 登録方法 | できること | 注意点 |
|---|---|---|
| オンライン登録だけ | 求人検索、検索条件・お気に入り保存、オンライン自主応募、活動状況の確認など | おすすめ求人の受信やオンラインハローワーク紹介など、一部機能を利用できない |
| ハローワークで利用登録 | 求人情報の提供、職業相談・紹介、応募書類・面接の助言、マイページ全機能など | 職員が登録内容を確認する。混雑や相談時間を見込む |
オンライン自主応募は、ハローワークの職業紹介とは異なります。求人票に「オンライン自主応募可」と表示された求人へ、自分で直接応募する仕組みです。応募前に仕事内容や条件へ不安があるなら、窓口で相談してから紹介を受ける方法もあります。
公式確認:「求職申込み手続きのご案内」、「求職者マイページでできること」
退職前相談は「辞めるべきか」より求人の現実を確認する
ハローワークは、今の会社を辞めるべきかを決めてくれる場所ではありません。相談で価値があるのは、退職後に探すつもりの仕事が、希望地域にどのくらいあり、どんな条件・経験を求めているかを具体的に確認できることです。
たとえば「一般事務へ転職したい」と伝えるだけでは、勤務地、賃金、雇用形態、パソコンスキル、経験年数のどこが問題か分かりません。気になる求人を2~3件選び、次のように比較します。
| 確認すること | 求人票で見る場所 | 窓口で聞くこと |
|---|---|---|
| 未経験でも応募できるか | 必要な経験・資格、仕事内容 | 自分の職歴で紹介可能か、応募時に何を補足するか |
| 退職後の生活を支えられるか | 賃金、手当、賞与、試用期間 | 表示額の内訳、固定残業代、地域相場との違い |
| 通い続けられるか | 就業場所、転勤、勤務時間、休日 | 残業実績やシフトなど求人票だけで分からない点 |
| いつから応募できるか | 採用人数、選考方法、入社時期 | 在職中の応募可否、退職予定日の伝え方 |
| 書類で不利になりそうか | 応募書類、選考回数 | 職務経歴書で強調する経験、退職理由の説明 |
求人が思ったより少なければ、退職前に希望範囲を広げる、応募書類を直す、資格や経験の不足を確認する時間が取れます。反対に、応募できる求人が複数あるなら、退職日を待たずに在職中から選考へ進む判断もできます。
相談へ持っていくと話が早い5つのメモ
一般の職業相談で、離職票や失業保険の申請書類はまだ必要ありません。代わりに、次の5点を一枚へまとめると、求人と自分の条件を比べやすくなります。
- 現在の働き方:雇用形態、職種、勤務時間、休日
- 退職・転職の時期:未定、○月頃、退職日確定のいずれか
- 次の仕事の希望:職種、勤務地、最低限必要な賃金、避けたい勤務条件
- 使える経験:担当業務、使用ソフト、資格、年数
- 気になる求人:求人番号を2~3件。何が不安かを一言添える
履歴書や職務経歴書をすでに作っているなら持参します。完成していなくても、前職の担当業務を箇条書きにしたメモがあれば相談できます。書類添削を希望する場合は、予約や持参方法が必要か、利用予定のハローワークへ先に確認してください。
受付で最初に伝える一言
受付では事情を全部説明しようとせず、「在職中」「転職を検討」「今日は何をしたい」の3点を伝えます。
初めて行く場合
「現在在職中で、○月頃の転職を検討しています。求職登録と職業相談をしたいです。希望職種に応募できる求人があるか確認したいです」
求人を見つけている場合
「在職中ですが、求人番号○○へ応募するか迷っています。仕事内容と必要経験を確認し、紹介が可能か相談したいです」
退職日がまだ決まっていない場合
「退職日は未定です。先に希望地域の求人状況と、在職中に進められる応募準備を確認してから判断したいです」
「何となく辞めたい」とだけ伝えるより、今日知りたいことを一つ決めると相談が具体的になります。退職日を決めるよう迫られている、解雇・退職勧奨・ハラスメントなど労働問題がある場合は、求人相談とは別に総合労働相談コーナーなどの窓口も検討してください。
窓口で聞く質問テンプレート
希望職種の求人を確認したい
現在は○○の仕事をしています。次は○○職を希望しています。勤務地は○○、最低希望賃金は月○万円、勤務できない曜日は○曜日です。この条件で応募できる求人を一緒に確認したいです。
未経験職へ移れるか確認したい
○○職は未経験ですが、前職で△△と□□を担当していました。この経験を使える求人と、応募前に補うべき経験・資格を教えてください。
在職中の応募時期を相談したい
退職日はまだ確定していません。引継ぎに○週間ほど必要です。この求人へ今応募してよいか、入社可能日をどの段階で伝えるか相談したいです。
応募書類を見てほしい
職務経歴書を作りましたが、○○の経験をどう書けば求人の仕事内容につながるか分かりません。応募前に直す部分を確認したいです。
退職後の失業保険手続きを先に知りたい
退職日は○月○日の予定です。今日は正式な申請ではなく、退職後に必要な書類、管轄ハローワーク、最初にする手続きだけ確認したいです。
最後の質問では、受給を確約してもらうのではなく、退職後の準備を確認します。離職理由や支給日程の正式な判定は、離職票を提出した後です。
退職前には確定できない失業保険の4項目
| 退職前に聞けること | 退職後に正式確認すること |
|---|---|
| 基本手当の制度、一般的な受給要件 | 本人の受給資格が成立するか |
| 受給手続きの基本的な持ち物 | 実際の離職票・加入履歴で追加書類があるか |
| 自己都合・会社都合など離職理由の判断基準 | 会社と本人の説明・資料を踏まえた離職理由 |
| 待期・給付制限・認定日の一般的な流れ | 本人の受給資格者証に示される日程と支給 |
退職前相談で聞いた一般論を、退職後の決定だと思わないことが大切です。会社が離職票へ何と記載するか、実際の退職日、受給手続き時点で仕事をしているかによって確認事項が変わります。
公式確認:ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」では、退職後に住所地を管轄するハローワークで求職申込みを行い、離職票を提出して受給資格・離職理由を確認する流れを案内しています。
退職前に職業訓練も考えている場合
求人を確認して、希望職種に必要なスキルが足りないと分かったときは、職業訓練を相談する選択肢があります。ただし、一般の転職相談と、職業訓練の申込期限・選考・雇用保険との関係を同じ記事で広げると、確認する窓口が混ざります。
退職前に職業訓練を相談する場合は、候補コース、募集締切、開講日、退職予定日、離職者向け訓練へ申し込める時期を専用記事で確認してください。

退職後にすることは3段階だけ押さえる
退職前相談の時点で、退職後の手続き全体を覚える必要はありません。次の3段階だけメモしておきます。
- 会社から離職票などの退職書類を受け取り、内容を確認する
- 住所地を管轄するハローワークで求職申込みと雇用保険の相談をする
- 在職中から進めた求人応募を続け、必要なら職業訓練など次の選択肢を相談する
退職後の持ち物、求職申込み、失業保険の手続きは、既存記事で順番に確認できます。

よくある質問
退職するか決めていなくても相談できますか?
できます。求人状況を確認してから、転職時期や退職を判断する使い方も可能です。「退職日は未定で、まず求人を比較したい」と伝えてください。
在職中でも紹介状を出してもらえますか?
在職中でも求職登録し、職業相談のうえで求人事業所への紹介を相談できます。ただし、求人の応募条件、入社可能日、現在の雇用状況を確認して紹介可否が判断されます。求人番号と退職予定時期を伝えてください。
会社にハローワークを使っていることが伝わりますか?
求職登録の方法、求職情報の公開設定、実際に応募する求人によって情報の扱いが異なります。現在の勤務先への情報公開が心配なら、登録時に求職情報の公開範囲と、応募先へ送られる情報を職員に確認してください。
相談だけなら住所地を管轄するハローワークでなくてもいいですか?
求職登録後の受付票を提示して他のハローワークを利用できる案内があります。一方、雇用保険の手続きは住所地を管轄するハローワークへの来所が必要です。職業相談と給付手続きの窓口を分けて確認してください。
平日に行けない場合はどうしますか?
まずオンラインで求職申込みと求人保存を進めます。地域によってオンライン職業相談、予約相談、開庁時間延長の実施状況が異なるため、利用するハローワークの公式ページで現在の受付時間と予約方法を確認してください。古い土曜・夜間開庁情報はそのまま信じない方が安全です。
まとめ|退職前は求人と応募準備、退職後は給付の正式手続き
在職中でも、ハローワークで求職登録、求人検索、職業相談・紹介、応募書類・面接の相談を利用できます。退職するか決めていない段階でも、「希望条件に合う求人があるか」を確認して構いません。
退職前の相談では、求人番号を2~3件、現在の仕事、希望職種、最低限必要な条件、退職予定時期を持って行きます。「辞めるべきですか」ではなく、「この職歴で応募できる求人と、足りない準備を確認したい」と聞くと、次の行動が決まりやすくなります。
失業保険の受給資格、離職理由、実際の日程は、退職後に離職票などを提出して正式確認します。退職前に一般的な流れを聞き、退職後は住所地を管轄するハローワークで自分の条件を確認してください。

