おおむね35~59歳で、非正規雇用や短期の仕事が多く、正社員として働きたい人は、ハローワークの「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」を利用できます。仕事選び、応募書類、面接、就職後の悩みまで、専門担当者による無料の支援を受けられる窓口です。
ただし、35~59歳なら誰でも同じ専門支援の対象になるわけではありません。正社員就職を希望していることと、これまで安定した就労経験が少ないことも確認されます。
この記事では、自分が対象かを確かめるポイント、一般の職業相談との違い、ミドルシニア向け求人の探し方、最初の相談で伝える内容をまとめます。
ミドルシニア専門窓口を利用できる人は?
厚生労働省が示す対象は、次の3つすべてに当てはまる人です。
- おおむね35~59歳である
- 正社員での就職を希望している
- これまで安定した就労経験が少ない
「安定した就労経験が少ない」の例として、正社員経験が少ない、非正規雇用の経験が多い、短期の仕事を繰り返していることが挙げられています。正社員として一度も働いたことがない人だけに限る制度ではありません。厚生労働省「専門窓口のご利用対象の方」
| 状況の例 | 相談の進め方 |
|---|---|
| 42歳。派遣・契約社員の仕事が続き、正社員になりたい | 専門窓口の対象に当たるか、これまでの雇用形態を伝えて相談する |
| 54歳。短期の仕事を繰り返し、現在は無職 | 就労期間と正社員希望を伝え、継続した個別支援を相談する |
| 48歳。長年正社員として働き、一般的な転職を考えている | 年齢だけで専門窓口の対象とは判断せず、一般の職業相談も含めて案内を受ける |
| 38歳。今後もパート勤務を希望している | この専門窓口は正社員就職が目的。希望する働き方を一般の職業相談で伝える |
上の例は、窓口へ相談する際の考え方を示したものです。利用登録の可否は、実際の職歴や希望を伝えて確認してください。
「直近5年で正社員1年以下」は全国一律の条件?
青森労働局の窓口案内には、主な対象者の例として、非正規の就労経験が多い人、就職後の就労経験が短い人のほか、直近5年以内の正社員雇用期間が通算1年以下の人が掲載されています。一方、国の専門窓口案内は上記の3条件で説明しています。地域の案内にある具体例だけを使い、自分は全国どこでも対象外だと決めないようにしてください。青森労働局「ミドルシニア世代支援サイト」
パート・派遣などで働きながら正社員を目指す人も、まず相談できます。在職中の場合は現在の雇用形態と契約期間を伝えます。窓口を使うためだけに、先に退職する必要はありません。
就職氷河期世代の窓口と何が違う?
従来の就職氷河期世代専門窓口は、2025年度から対象年齢を広げ、「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」に名称が変わりました。自分が就職氷河期世代と呼ばれる年代に入るかだけでなく、現在の対象条件で確認します。厚生労働省「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」
一般の職業相談との違いは、継続して支援を受けられること
一般の職業相談でも、求人紹介や応募書類の相談はできます。専門窓口の特徴は、安定した就職に向けて、専門担当者と相談を重ねながら準備・応募・就職後まで進められることです。
たとえばハローワーク新宿の「ミドル世代チャレンジコーナー」は、予約制・担当者制の個別支援を案内しています。窓口ごとに運用は違いますが、前回相談した職歴や困りごとを踏まえ、次に何をするかを決めやすくなります。ハローワーク新宿の支援メニュー
| 困っていること | 相談できる支援 |
|---|---|
| どの仕事に応募できるか分からない | 経験・希望条件の整理、仕事の選び方、求人紹介 |
| 職歴が短く、履歴書に自信がない | 応募書類の作成支援、経験の伝え方の相談 |
| 面接でブランクをどう説明するか迷う | 応募先に合わせた面接対策、模擬面接 |
| 希望する仕事に必要な技能が足りない | 職業訓練やセミナー、ほかの支援先の案内 |
| 就職しても続けられるか不安 | 就職後の困りごとの相談、職場定着に向けた支援 |
支援メニューは、厚生労働省の全国案内と、愛知労働局の具体的な支援例で確認できます。利用できるメニューや相談日程は、各窓口に確認してください。
「先に資格を取れば就職できる」と決めず、応募できる求人と不足する技能を一緒に確かめる使い方もできます。40代・50代で職業訓練を検討する場合のコース選びは、次の記事で整理しています。

近くの専門窓口を探し、初回相談を申し込む
1.窓口名と受付方法を確認する
専門窓口の名前は全国共通ではありません。「ミドル世代チャレンジコーナー」「35歳からのキャリアアップコーナー」「ミドルシニア専門窓口」など、地域ごとに違います。
厚生労働省の専門窓口一覧(PDF)から近隣を探し、該当する労働局・ハローワークのページで現在の場所、受付時間、予約方法を確認します。本所と別の庁舎にある場合もあるため、ハローワークの代表住所だけで出かけないようにしましょう。
たとえば、新宿は予約制の個別支援を案内する一方、ハローワーク静岡の「ミドル・チャレンジコーナー」は、初めの専門窓口案内について予約不要としています。全国一律で予約必須・予約不要とはいえません。新宿の案内、静岡の対象者・登録方法
電話や受付では、次のように伝えると相談先を確認しやすくなります。
年齢・職歴は説明用の例です。自分の状況に置き換えて伝えてください。
2.求職登録を確認する
初めてハローワークを使う場合は、求職申込みも進めます。静岡の案内では、窓口で登録するほか、事前にスマホ・パソコンから求職情報を登録する方法も紹介されています。登録済みの人は、ハローワーク受付票など求職番号が分かるものを用意します。ハローワーク静岡の登録案内
求職登録と専門窓口の利用登録は、同じこととは限りません。スマホで求職登録を済ませた人も、専門支援を希望することを窓口に伝えてください。入力する職歴や希望条件で迷う場合は、求職登録の流れを次の記事で確認できます。

3.初回は、職歴と働く条件を整理して持っていく
初回の持ち物は窓口の指定に従います。そのうえで、次のメモがあると、相談内容を具体的にしやすくなります。完成した応募書類ではなく、相談用の下書きで構いません。
- いつ、どの仕事を、どの雇用形態で、どれくらい続けたか
- 正社員を目指す理由と、働き始められる時期
- 希望する勤務地・通勤時間・勤務時間・賃金
- 通院、介護、育児など、働く時間に関係する事情
- 求人番号や求人票、履歴書・職務経歴書の下書きがあればその資料
たとえば「職歴がない」だけで終えず、「倉庫で検品を3か月、接客を週4日で2年経験した。今はフルタイムで働ける」のように、実際に担当した作業も書きます。何が応募先に伝えられる経験なのか、担当者と整理する材料になります。
4.説明を受け、次回までにすることを決める
初回相談では、窓口の支援内容や利用方法の説明を受け、利用を希望する場合は登録して支援を始めます。静岡も「専門窓口案内→初回相談→登録・支援開始」の流れです。ハローワーク静岡の利用手順
相談が終わる前に、次回の日時と、それまでに用意するものを確認します。「求人を2件選ぶ」「職歴のメモを直す」「面接練習を予約する」など、次の行動を一つずつ決めておくと、求人検索だけで止まりにくくなります。
ミドルシニア「限定求人」と「歓迎求人」の違い
ハローワークでは、ミドルシニア層を積極的に採用する求人を開拓しています。「限定」と「歓迎」では、応募対象の考え方が違います。
| 種類 | 応募対象の考え方 |
|---|---|
| 限定求人 | 正社員雇用の機会に恵まれなかったミドルシニア層を対象として、年齢などの条件を限定する求人 |
| 歓迎求人 | ミドルシニア層の応募を歓迎する求人。ミドルシニア層以外も応募できる |
鹿児島労働局は、期間の定めのない雇用を目的とし、経験不問とする求人として説明しています。面接のみの選考に努める扱いですが、すべての求人で書類選考がなくなるわけではありません。鹿児島労働局「ミドルシニア対象求人について」
経験不問でも、仕事に必要な免許・資格や勤務条件は求人票で確認します。「歓迎」と書いてあれば必ず採用される、という意味でもありません。自分の職歴で限定求人の対象になるか迷ったら、応募前に窓口で確認してください。
専用の検索ページから求人番号を控える
- 厚生労働省の「中高年層(ミドルシニア)限定・歓迎求人」を開く
- 就業場所・職種・こだわり条件を選んで検索する
- ハローワークインターネットサービスに表示された求人票を読む
- 気になる求人番号を控え、担当者に応募条件や紹介について相談する
求人票では、仕事内容、就業場所、賃金、固定残業代、勤務時間、休日、必要資格、試用期間、応募書類を見ます。検索結果が少ない場合は、通勤範囲や職種をどこまで広げられるかを担当者と相談します。
ハローワークの紹介で応募する方法と、自分でオンライン応募する方法は扱いが異なります。支援を受けながら応募を進める人は、求人番号を担当者と共有してから応募方法を決めると、状況を確認しやすくなります。

近くに専門窓口がない・年齢が違う場合は?
専門窓口が設置されていないハローワークでも、一般の職業相談は利用できます。愛知労働局も、専門窓口がない場合の相談や、担当者制の個別支援を希望するときは各ハローワークへ相談するよう案内しています。愛知労働局「専門窓口について」
34歳や60歳など、目安の年齢に入らない場合も「ハローワークで相談できない」という意味ではありません。年齢、職歴、希望する働き方を伝え、自分に合う相談先を案内してもらいましょう。電話・オンラインでの継続相談を希望する場合も、対応の有無と事前登録・予約を窓口に確認します。
すぐに求人へ応募することが難しく、まず働く準備や生活面の相談が必要な場合は、その状況を最初に伝えて構いません。厚生労働省の支援案内には、ハローワークのほか、サポステや生活面を支える機関も掲載されています。それぞれ対象が異なるため、年齢や困りごとに合う先を確認します。厚生労働省「中高年の活躍支援のご案内」
利用料は無料。就職後の相談もできる
ハローワークの就職支援は無料です。ミドルシニア専門窓口も、正社員就職へ向けた相談・紹介・準備を支援するサービスであり、登録すれば現金が支給される制度ではありません。職業訓練や給付を併せて検討する場合は、その制度の条件を別に確認します。厚生労働省のハローワーク支援案内
就職が決まった後も、困ったことがあれば相談できます。就職前に担当者へ連絡方法を確認し、仕事を始めた後の不安も早めに伝えましょう。厚生労働省「就職後の定着支援」
最初から応募先や職務経歴書を完成させる必要はありません。年齢、これまでの働き方、正社員になりたいことを伝え、専門窓口の利用条件と初回の受付方法を確認するところから始められます。
情報確認日:2026年9月12日。対象条件は厚生労働省の全国案内を基本とし、予約・登録方法は地域例として紹介しています。窓口名、所在地、受付時間、支援内容、募集中の求人は利用時の公式案内で確認してください。

