前の会社でもらった雇用保険被保険者証と、今の会社でもらった通知書を見比べたら、被保険者番号が違っていた。
この場合は、どちらか好きな番号を使えばよいわけではありません。
同じ人に雇用保険の被保険者番号が2つ付いているなら、ハローワークで記録を1つに統一する必要があります。
厚生労働省の2026年8月1日以降の「雇用保険に関する業務取扱要領」でも、重複が判明した場合、原則として最後に交付された被保険者番号を有効にし、古い番号に付いている記録を有効な番号へ統一するとしています。
在職中なら、まず今の会社の人事・給与担当へ「前職と現在で被保険者番号が違う」と伝えてください。
すでに退職している場合や失業保険の手続きをする場合は、手元の被保険者証や資格取得等確認通知書を持ってハローワークへ相談します。
古い番号が分からなくても、それだけで手続きができなくなるわけではありません。
この記事では、雇用保険の被保険者番号が2つあるときに、どちらの番号が残るのか、会社へ何を伝えるのか、古い番号が分からない場合はどうするのかを順番に解説します。
雇用保険の被保険者番号が2つあるなら統一が必要
雇用保険の被保険者番号は、会社ごとに新しく作る番号ではありません。
東京ハローワークは、被保険者番号は一人ひとりに付与される固有の番号で、転職しても同じ番号を使用すると案内しています。
そのため、前職の被保険者証と現在の資格取得等確認通知書で番号が違うなら、同一人物に別の番号が付いている可能性があります。
| 確認した結果 | 対応 |
|---|---|
| 書類は2枚あるが番号は同じ | 重複ではありません。通常は統一手続き不要です |
| 前職と現在で番号が違う | 会社またはハローワークへ統一を相談します |
| 前職の番号が分からない | 前職名や勤務時期を整理して相談します |
「被保険者証が2枚ある」こと自体が問題なのではありません。
確認するのは、書類に記載された被保険者番号が同じかどうかです。
2つある場合は「最後に交付された番号」が原則として残る
「古い番号と新しい番号のどちらを使えばいいのか」が一番気になるところです。
厚生労働省の業務取扱要領では、被保険者番号が重複していることが分かった場合、原則として最後に交付された被保険者番号を有効にするとされています。
古い番号に付いている雇用保険の記録は、有効とされた番号の記録へ統一されます。
つまり、自分で「前職の番号の方を残そう」「新しい番号だけ使えばいい」と判断するのではありません。
ハローワーク側で過去の加入記録を確認し、重複を解消します。
公式資料:厚生労働省「雇用保険業務取扱要領・適用関係(2026年8月1日以降)」の20855(PDF91ページ):重複した番号と加入記録の統一
なぜ被保険者番号が2つ作られることがあるのか
転職先が雇用保険の資格取得手続きをするとき、以前の被保険者番号を確認できないと、新しい番号が付くことがあります。
たとえば、入社時に雇用保険被保険者証を提出していなかった場合です。
前職の番号が分からないまま資格取得届が処理され、結果として古い番号とは別の番号が作られるケースがあります。
愛知労働局の資料でも、すでに被保険者番号がある人について、その番号を資格取得届へ記載しなかった場合、新しい番号が振り出されることがあると説明されています。
本人がわざと二重に加入したという話ではありません。
転職時の確認不足などで、雇用保険の記録が別々になってしまうことがあります。
在職中なら今の会社へ「番号が2つある」と伝える
現在の会社で働いているなら、まず人事・給与・総務など雇用保険を担当している人へ連絡してください。
前職の被保険者証と、現在の会社でもらった資格取得等確認通知書が残っているなら、両方を見せるのが一番早いです。
伝え方は難しくありません。
前職の雇用保険被保険者証と、現在の資格取得等確認通知書を確認したところ、被保険者番号が違っていました。
同じ人に2つ番号が付いているようなので、統一が必要かハローワークへ確認してもらえますか。
会社側は、管轄のハローワークへ重複している番号の統一を相談します。
労働局によっては「雇用保険被保険者番号統一届」を公開しています。
別の地域では「雇用保険被保険者資格取得届等訂正(取消)願」などの様式で重複統一を行うこともあります。
名称や必要書類が地域で異なることがあるため、本人が様式を決め打ちして用意するより、会社から管轄ハローワークへ確認してもらう方が確実です。
会社へ依頼したら、担当者に「統一の申出をしたか、確認中か、追加の書類が必要か」を確認します。統一後は、今後使う番号と、前職・現職のどの加入記録が統一されたかを確認し、手元の書類に古い番号が残っている場合の扱いも尋ねてください。番号の統一だけで、失業保険の受給条件を満たすと決まるわけではありません。
会社から返答がない、番号はそのままでよいと言われた場合は、そのやり取りと両方の番号が分かる書類を持って、本人からハローワークの雇用保険窓口へ相談できます。会社が提出する手続きと、本人による番号・加入記録の照会は分けて確認しましょう。
古い被保険者番号が分からなくても相談できる
前職の被保険者証を捨ててしまい、古い番号が分からないこともあります。
その場合も「番号が分からないから統一できない」と考える必要はありません。
東京ハローワークは、資格取得時に被保険者番号が不明な場合でも、氏名・生年月日・前職の会社名などから番号の有無を確認できると案内しています。
相談前に次の情報を整理しておくと話が進みやすくなります。
- 氏名
- 生年月日
- 前職の会社名
- 前職のおおよその入社日・退職日
- 現在分かっている被保険者番号
派遣社員だった場合は、勤務していた派遣先ではなく、雇用契約を結んでいた派遣元会社名を伝えます。
会社名や勤務時期を正確に思い出せない場合は、分かる範囲をメモし、残っていれば給与明細・源泉徴収票・雇用契約書などで会社名や時期を探します。旧姓で働いていた場合は、その氏名も伝えてください。これらを全国共通の必須書類と考えず、「どの情報が足りず、何が手掛かりになるか」を窓口で確認します。
本人が番号を照会する場合は、本人確認書類を持って最寄りのハローワークへ相談します。東京ハローワークのQ&Aでは、電話では番号を回答せず、ワークプラザなどの出先機関では照会できないと案内されています。訪問前の電話では番号そのものを聞くのではなく、「古い番号が不明で、分かるのは氏名・生年月日・前職の情報です。本人による番号照会と重複統一の相談を受け付ける窓口、持ち物を教えてください」と尋ねます。
すでに退職しているなら失業保険の手続き前に伝える
退職後に「被保険者番号が2つある」と気付いた場合は、ハローワークへ直接相談してください。
特に失業保険を申請する予定があるなら、受給手続きを進めるときに番号が2つあることを最初に伝えた方がよいです。
被保険者番号は、過去の雇用保険加入期間を管理するために使われています。
番号が別々のままだと、過去の加入記録が一続きに確認できない状態になる可能性があります。
持っている場合は、次の書類をまとめて持参すると確認しやすくなります。
- 前職の雇用保険被保険者証
- 現在または直近の雇用保険被保険者資格取得等確認通知書
- 離職票
- 本人確認書類
すべてそろっていなくても、相談自体を諦める必要はありません。
「前職と直近の会社で被保険者番号が違う」と窓口で伝えてください。
退職後の番号確認をハローワークへ相談する人は、離職票などの書類準備と、求職申込み・失業保険の手続きを進める順番も確認しておきましょう。次の記事で退職後の手続きを整理できます。

番号が2つあるまま放置すると何が問題になるのか
被保険者番号が重複していると、同じ人の雇用保険記録が別々に管理されます。
厚生労働省は、被保険者期間を通算するときに本人の不利益につながる可能性があるため、重複を解消するよう求めています。
たとえば失業保険では、過去の被保険者期間を確認して受給資格や給付日数を判断する場面があります。
そのため「今の会社で雇用保険に入れているから問題ない」とは言い切れません。
番号が違うことに気付いた時点で統一しておく方が安全です。
転職前後の雇用保険期間がどのように扱われるかは、転職後すぐ退職したら前職の雇用保険期間は合算できる?で詳しく解説しています。
マイナンバーが同じでも自動で統一されるとは限らない
「マイナンバーが同じなら、放っておいても同一人物だと分かるのでは」と思うかもしれません。
しかし、マイナンバーがあるから必ず自動で被保険者番号が統一されるわけではありません。
愛知労働局の資料では、前職の被保険者番号を資格取得届へ記載しなかったため新しい番号が作られた場合、前職の番号と現職の番号を統一する手続きが必要と案内されています。
マイナポータルで雇用保険情報を確認できる場合もありますが、表示だけを見て自己判断せず、番号が違うなら会社またはハローワークへ確認してください。
参考:愛知労働局「離職票のマイナポータル直接送付・事業所向け資料」2ページ:前職の番号が未届の場合の番号統一、マイナンバー登録の扱い
雇用保険の被保険者番号が2つあるときのよくある質問
被保険者証が2枚あります。番号も2つあるということですか?
いいえ。
被保険者証が2枚あっても、両方に同じ被保険者番号が記載されていれば重複ではありません。
まず番号そのものを見比べてください。
古い番号と新しい番号はどちらを使えばいいですか?
自分で選ばないでください。
厚生労働省の取扱要領では、重複が判明した場合は原則として最後に交付された番号を有効にし、古い記録をそこへ統一するとしています。
前職の被保険者証をなくしました。
番号が分からなくても、氏名・生年月日・前職の会社名などを手掛かりにハローワークで確認できる場合があります。
在職中なら現在の会社へ、退職後ならハローワークへ相談してください。
会社に言わず自分だけで対応できますか?
在職中は、まず会社の雇用保険担当者へ伝えると、会社の届出と合わせて確認できます。会社に相談できない事情がある場合も、本人確認書類と手元の番号・勤務先情報を持ってハローワークへ本人照会を相談してください。本人だけで統一の届出を完了できるか、会社の届出や追加資料が必要かは、その窓口で確認します。
すでに退職している場合は、ハローワークへ直接相談してください。
番号が2つあると失業保険を受け取れませんか?
番号が2つあるだけで、直ちに失業保険を受け取れないと決まるわけではありません。
ただし過去の加入記録が分かれている可能性があるため、受給資格の確認前に重複していることを伝えてください。
まとめ|番号が違っていたら自分で選ばず統一を相談する
雇用保険の被保険者番号は、転職するたびに変わるものではありません。
前職と現在の書類で番号が違っているなら、同じ人に別の番号が付いている可能性があります。
原則として最後に交付された番号を有効にし、古い番号の記録を統一するのが厚生労働省の取扱いです。
在職中なら現在の会社へ伝えてください。
退職後なら、手元の書類を持ってハローワークへ相談します。
古い番号が分からなくても、前職の会社名や勤務時期が分かれば確認を進められる場合があります。
番号が違うことに気付いたら、そのまま使い分けず、早めに統一の確認をしてください。
※2026年9月25日作成、2026年10月10日に番号統一・本人照会の根拠と参考資料を再確認しました。実際の提出様式や必要書類は、管轄のハローワークで確認してください。
参考資料
- 厚生労働省「雇用保険業務取扱要領・適用関係(2026年8月1日以降)」:20854・20855(PDF91ページ):番号重複による不利益と記録統一の原則
- 東京ハローワーク「被保険者に関するQ&A」:Q7:番号不明時の照会、Q11:本人確認・照会窓口、Q13:番号の統一
- 静岡労働局「雇用保険関係申請書及び届出書等」:地域で使う被保険者番号統一届の例
- 愛知労働局「離職票のマイナポータル直接送付・事業所向け資料」:2ページ:マイナンバーが前職番号に残る場合の統一手続き


