夜勤をやめたい。でも、毎月の夜勤手当がなくなると生活費が足りない。日勤の求人を見ても、今の給料を維持できるのか分からず、応募に踏み切れないことがあります。
給料を下げずに日勤へ移るためには、夜勤で増えている金額を把握したうえで、日勤の基本給・手当・賞与でどこまで補えるかを比べることが必要です。まずは今の経験を生かせる日勤の仕事と、社内で日勤へ移る選択肢から確認しましょう。
この記事では、夜勤・残業手当を除いた年収の計算、日勤求人との比較例、職種別の転職先候補、応募先への質問文を紹介します。「日勤なら必ずこの職種がおすすめ」と決める前に、自分の収入と勤務条件に置き換えて使ってください。
夜勤をやめても維持したいのは、毎月の給料か年間の収入か
最初に決めたいのは、「給料を下げたくない」が何を指すかです。月々の生活費を守りたいのか、賞与を含む年収を守りたいのかで、合う求人は変わります。
- 毎月の給料を維持したい:基本給と自分に支給される固定手当で、通常月の生活費を賄えるかを見る。
- 年収を維持したい:毎月の給与に年間賞与を加え、残業代などの見込みを分けて比べる。
- 手取りを維持したい:額面の比較に加えて、税金・社会保険料などの控除と、通勤費や家賃などの支出も確認する。
たとえば、月給が2万円下がり、年間賞与が24万円増える条件なら、額面の年収は同じです。しかし、賞与の支給月以外に使えるお金は減ります。毎月の家賃や返済がある人は、年収だけで応募先を決めないほうが判断しやすくなります。
求人の給与は通常、税金や社会保険料を引く前の額です。今の銀行振込額と求人の月給を直接比べず、まず控除前の金額で条件をそろえましょう。額面が同じでも、手取りまで同じになるとは限りません。
夜勤・残業手当を除いた年収を給与明細から出す
「手当を除く」は、すべての手当をゼロにすることではない
日勤への転職で比べたいのは、通常の勤務で支給される給与と、夜勤回数や残業時間などに応じて増える給与です。資格手当や職務手当なども一律に引くと、日勤で受け取れる収入まで小さく見積もってしまいます。
| 給与明細の項目 | 比較するときの扱い |
|---|---|
| 基本給 | 比較の土台にする。日勤への異動や転職後に適用される額を確認する。 |
| 資格・職務・地域手当など | 自分の資格・担当業務・勤務地で支給されるなら含める。名前だけで固定支給と判断しない。 |
| 夜勤・深夜・交替勤務手当など | 日勤へ移るとどの項目がなくなるか確認し、通常勤務の給与と分ける。 |
| 実績に応じた残業・休日勤務手当 | 発生しない場合の給与を先に出す。年収維持に必要な残業時間も確認する。 |
| 固定残業代 | 実際の残業代とは別に記録する。毎月の支給額には含め、通常勤務に対する給与との比較では分けて表示する。 |
| 通勤手当・出張費の精算など | 仕事に必要な支出を補う部分として別欄に置く。この記事の給与比較例には含めない。 |
| 賞与 | 月給と別に年間額を記録する。実績、算定基礎、支給条件を確認する。 |
住宅手当や家族手当も、自分が支給対象になるかを確認します。今の会社で出ているから次の会社でも出る、とは限りません。
夜勤手当と法律上の深夜割増は、明細の内訳を確認する
法律上、午後10時から翌午前5時までの深夜労働には、原則として通常の賃金の25%以上の割増賃金が必要です。ただし、給与明細の「夜勤手当」がこの割増分だけなのか、会社独自の手当を含むのかは、名称だけでは分かりません。
「夜勤手当1回○円」と「深夜割増」が別に支給される場合も、夜勤手当の中に深夜割増を含む場合もあります。給与担当者に、日勤へ移った場合になくなる項目と金額を確認してください。日勤へ移ると給料全体が一律25%減る、という計算ではありません。
直近12か月の実績から、夜勤に頼らない収入を見えるようにする
給与明細12か月分と、その期間の賞与明細を用意します。夜勤が多かった1か月だけを12倍せず、年間の実績を項目ごとに足すと、夜勤回数や繁忙期の偏りをならせます。
夜勤・残業手当を除いた比較用の年収=年間の基本給+支給された固定手当など+年間賞与
ここでは、固定残業代も通常勤務の給与とは分けて記録します。給与項目が重複していないかを確かめ、昇給・休職・欠勤などで通常年と違う事情があれば、その理由もメモしてください。
この数字は、日勤へ移ったら必ずもらえる金額ではありません。同じ会社への異動でも、担当業務に伴う手当や賞与の扱いが変わる可能性があります。今の給与構造を知り、転職先の条件を比べるための数字として使います。
年収444万円の夜勤から日勤へ移る比較例
以下は計算方法を示す架空の例です。すべて控除前で、通勤手当・固定残業代はなく、月額が12か月続くと仮定します。日勤求人の賞与60万円は、条件を確認して置いた見込み額で、支給を保証するものではありません。
| 比較項目 | 今の夜勤の仕事 | 日勤求人の例 |
|---|---|---|
| 基本給 | 月24万円 | 月28万円 |
| 本人に支給される職務手当 | 月2万円 | 月2万円 |
| 夜勤関連の手当・割増分 | 月平均4万円 | なし |
| 実績に応じた残業代 | 月平均2万円 | 比較には算入しない。発生分は別途支給 |
| 年間賞与 | 実績60万円 | 見込み60万円 |
| 夜勤・残業手当を除いた年収 | (24+2)×12+60=372万円 | (28+2)×12+60=420万円 |
| 夜勤手当を含み、残業代を除いた年収 | 372+4×12=420万円 | 420万円 |
| 残業代も含めた現職の総年収との比較 | 420+2×12=444万円 | 420万円。現職より24万円少ない |
この日勤求人なら、夜勤で得ていた年48万円を、基本給の上昇で補える計算です。しかし、今の総年収444万円までは届きません。「夜勤手当を除いた372万円より高いから給料は維持できる」と判断すると、実際の収入減を見落とします。
今の総年収を維持したいなら、日勤側の基本給・対象手当・賞与などで444万円に届くかを確認します。残業代を足して届かせるなら、必要な残業時間と実際の退勤時刻も判断材料です。
希望年収から、日勤で必要な月額を逆算する
固定残業代を含めず、別途支給の残業代にも頼らない条件を探すなら、次の式で目安を出せます。
必要な基本給・固定手当の月額合計=(維持したい年収−年間賞与の見込み)÷12
年収444万円を維持し、賞与60万円を見込むなら、(444−60)÷12=月32万円です。賞与が不明ならゼロとして試算すると月37万円。賞与がなくても年収444万円を確保するには、それだけの月額が必要という意味です。
賞与を楽観的に置いて求人を選ばず、「賞与を含む見込み」と「賞与を含めない年額」の両方を残しておきましょう。月々の家計には、年額を12で割った平均ではなく、実際の通常月の給与を使います。
日勤の転職先は、今の経験を生かせる仕事から探す
夜勤をやめたいとき、仕事内容まで大きく変える必要があるとは限りません。給与維持を重視するなら、まず同じ職種の日勤求人や、これまで担当した作業・資格・改善経験を使える近い仕事を比べます。
下の表は、経験を生かせる可能性がある候補を整理したものです。各職種が必ず日勤専任になるわけではなく、年収維持や採用を約束する一覧でもありません。実際の業務、応募条件、給与、配属先の勤務時間を確認して使ってください。
| 現在の経験 | 日勤で探す候補 | 給与と働き方の確認点 |
|---|---|---|
| 工場・製造 | 日勤固定の製造、検査、品質管理、生産管理、設備保全 | 交替勤務手当を除いた基本給。品質管理・保全などは担当経験や技術要件も確認。夜間の設備トラブル対応の有無。 |
| 倉庫・物流 | 日勤の倉庫作業、フォークリフト、在庫管理、入出庫管理 | 技能・リーダー業務が給与へどう反映されるか。早朝の搬入、繁忙期の延長、交替制への変更の有無。 |
| 看護師 | 日勤常勤の外来・診療所、健診、訪問看護など | 臨床経験の評価と賞与の条件。外来以外の兼務、オンコールの当番・呼び出し、訪問件数など。 |
| 介護 | 日勤の通所介護、訪問介護、施設の日勤専任など | 資格・職務・処遇改善に関する手当の本人への支給額。訪問介護等の資格要件、送迎、早朝・夜間の担当や他部署との兼務。 |
| ITの夜間運用・監視 | 日中対応の社内ヘルプデスク、運用保守、社内のIT担当など | 監視だけでなく、障害の切り分けや設定変更等の経験が評価されるか。24時間対応、夜間リリース、休日の待機の有無。 |
たとえば製造なら、「夜勤を○年続けた」に加えて、不良の確認、段取り替え、設備点検、新人への作業指導など、日勤でも任せられる仕事を書き出します。ITなら、アラートを見て報告する業務と、原因を調べて復旧まで対応する業務を分けて伝えます。
日勤の職場でも求められる経験を説明できると、自分がどの給与帯・役割で検討されるかを質問しやすくなります。ただし、責任者候補や管理業務を選ぶと、勤務時間や負担も変わるため、給与だけで役割を広げないようにしましょう。
社内で日勤へ移れるなら、転職先と同じ項目で比べる
勤務先に日勤部署や日勤専任の制度があるなら、異動の可否も確認する価値があります。基本給や勤続に伴う条件を引き継げるか、夜勤・交替勤務以外の手当も変わるかを聞きます。
「日勤にしてもらえる」だけで結論を出さず、開始時期、継続できる期間、雇用形態、通常月の給与、賞与の扱いを確認してください。その条件を外部の日勤求人と並べれば、転職が必要かも判断しやすくなります。
日勤求人の年収で見落としやすい3つの条件
月給に固定残業代が含まれていないか
「日勤・月給32万円」とあっても、内訳が基本給26万円+固定残業代6万円なら、通常勤務に対する給与は32万円の求人と同じではありません。固定残業代の金額、対象時間、超過分の支給と、配属先の実際の残業時間を別々に確認します。
ただし、固定残業代を引いた26万円だけが毎月の支給額になる、という意味でもありません。条件どおり勤務する場合、固定残業代は残業の有無にかかわらず支給される仕組みです。「基本給などの比較」と「毎月支給される合計」の2つを残して見ましょう。
固定残業代の設定時間が、毎月必ず働く残業時間を示すわけではありません。夜勤をやめても長い残業で生活が圧迫される条件なら、自分の希望に合うかを見直します。
固定残業代の時間数と月給の内訳を詳しく比べたい場合は、次の記事が参考になります。
賞与の見込みと、初年度の支給条件
「賞与年2回」は回数の説明で、年間の金額ではありません。「3か月分」も、基本給を基準にするのか、別の基準額を使うのかで金額が変わります。
求人票の前年度実績は、採用後の待遇を約束する数字ではありません。今回の入社日なら初回の賞与は支給対象か、算定期間や在籍条件による減額があるかを確認しましょう。
通常年の見込みが今の年収と同じでも、入社後最初の12か月は賞与が少なくなる可能性があります。通常年と入社後12か月の見込みを分けて、転職直後の生活費も確認してください。
年収例に、夜勤・残業・成果給が含まれていないか
求人の年収例が、交替勤務をする社員や、残業が多い社員のものなら、日勤専任で同じ額になるとは限りません。本人の資格や役職で支給されない手当、成績に応じた成果給も分けて聞きます。
「年収400万〜550万円」の上限が気になるときは、誰の、どの働き方の金額なのかを確認します。日勤専任で、自分の経験なら入社時にいくらが想定されるかまで具体化しましょう。
予定年収・年収例の違いや、本人への適用額の確認方法は、こちらで整理しています。
「夜勤なし」は、早朝・残業・呼び出しまで確かめる
日勤にしたい理由が「夜に眠りたい」「家族と夕食を取りたい」「生活の時間を固定したい」なら、夜勤の有無だけでは判断できません。希望する出勤時刻と帰宅時刻を決め、次の項目を応募先に確認します。
- 日勤の開始・終了時刻は何時か。早番・遅番や曜日による違いはあるか。
- 配属予定部署の通常月と繁忙期の残業時間、退勤時刻の目安はどのくらいか。
- 夜間の電話対応、オンコール、設備・システムのトラブルによる呼び出しはあるか。
- 人員不足の応援や研修で、夜勤・宿直・交替勤務を担当することはあるか。
- 異動・担当変更後も日勤専任を続けられるか。求人の「日勤のみ」はどの範囲の約束か。
厚生労働省の職業情報でも、ヘルプデスクは24時間サービスに合わせた交替制になる場合があり、フォークリフトの勤務も倉庫と24時間稼働の工場などで異なると説明されています。職種名だけで日勤と決めず、応募する職場の運用を確かめてください。
「夜勤は相談できます」と言われた場合は、自分が夜勤を担当しない条件で採用されるかを確認します。給与と始業・終業時刻などの条件は、入社を決める前に労働条件通知書等で確認し、日勤専任の範囲も書面やメールに残して認識を合わせましょう。
給料を下げたくないときの希望年収・条件の伝え方
企業や転職支援の担当者には、「夜勤をやめたい」「今の年収と同じくらい」だけでなく、夜勤を含む現年収、日勤で希望する年収、月々に必要な給与を分けて伝えます。担当できる業務や資格も添えると、本人の採用条件として検討してもらいやすくなります。
日勤専任で、これまでの○○業務の経験を生かせる仕事を希望しています。現職の年収は夜勤・残業手当込みで約444万円です。夜勤・残業手当を除き、賞与を含めると約372万円です。
転職後は、別途支給の残業代に頼らず、年収444万円程度を希望しています。あわせて、通常月の基本給・固定手当の合計額と、賞与の見込み・支給条件を確認したいです。
今回のポジションで、私の経験を前提にした月給・年収の見込みを教えていただけますでしょうか。月給の内訳、固定残業代の有無、初年度の賞与の扱い、日勤専任でも夜間の呼び出しや応援勤務があるかを確認させてください。
上の金額は比較例に合わせたものです。自分の明細から出した実績と希望額へ置き換えてください。賞与が未確定なら、確定している月額と、賞与をどう見込んだ年収なのかを分けて回答してもらいます。
希望額と、提示を受けてから判断する条件は別に持っておきます。収入減を受け入れられる余地がある場合も、先に高額な賞与や残業代を当て込むのではなく、通常月の支給額と家計が合うかを確認しましょう。
夜勤から日勤への転職でよくある質問
未経験の日勤職でも、夜勤込みの年収を維持できますか?
求人と本人への提示条件によります。未経験の職種では、今の専門経験がそのまま給与へ反映されるとは限りません。まず同職種の日勤求人と、今の経験を使える近い仕事を比べ、その後に未経験職の給与・業務・勤務時間を確認すると、どこまで条件を変える必要があるかを整理できます。
夜勤手当の分だけ、基本給を上げてもらえばよいですか?
今の夜勤手当と転職先の固定給与を月額で比べるのは一つの方法です。ただし、賞与、別の手当、今の残業代、初年度の条件も変わります。現在の総年収を維持したいなら年間額も確認し、毎月の生活費を維持したいなら通常月の給与も確認してください。
年収が少し下がるなら、転職しないほうがよいですか?
一律には決められません。日勤にする目的と、月々の不足額、通勤・住居などの支出、休める時間を一緒に比べます。収入を維持したい条件が優先なら、社内異動やほかの日勤求人も確認します。給与を補うために副業や長い残業が必要になる場合は、日勤に変えたい理由と両立するかを考えてください。
応募前に、給与と勤務時間を同じメモへ残す
まず給与明細から今の年収を整理し、気になる日勤求人を次の項目でメモしてみてください。不明な数字を埋めず、質問として残すことが大切です。
- 今の総年収:__万円。うち夜勤関連の年額:__万円、残業代の年額:__万円。
- 日勤求人の基本給+本人に支給される固定手当:月__万円。
- 固定残業代:月__万円・__時間分。別途支給される残業代:__。
- 賞与:通常年の見込み__万円。入社後12か月の見込み__万円。
- 日勤での年収見込み:__万円。今の総年収との差:__万円。
- 通常の出退勤時刻:__。繁忙期の残業、夜間対応、応援勤務:__。
夜勤をやめて給料も守るには、日勤の求人で自分に支給される金額を確認することが出発点です。夜勤手当を除いた数字で仕事内容に対する給与を比べ、夜勤込みの総年収との差も残す。その両方が分かれば、どの条件なら応募・入社できるかを具体的に判断できます。
参考資料
情報確認日:2026年10月3日。給与・年収の計算例、転職先候補の整理、質問文は編集上の例です。実際の支給額・勤務条件は応募先の提示資料と適用される規程で確認してください。
- 厚生労働省「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」:深夜労働の時間帯と割増賃金の基本。
- ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」:税込賃金、賞与・昇給の前年度実績、給与条件の読み方。
- ハローワークインターネットサービス「求人情報の入力方法について」:基本給、定額手当、固定残業代、その他の手当の区分。
- 厚生労働省「固定残業代を支払うこととすれば、残業や休日勤務をさせても別途に残業代を支払わなくてよいでしょうか?」:通常の賃金と固定残業代の区分、割増賃金が固定額を上回る場合の差額支給。
- 厚生労働省「採用時にはどのような労働条件が明示されるのでしょうか?」:賃金、始業・終業時刻など、契約時に確認する条件。
- 厚生労働省 job tag「生産・品質管理技術者」:製造の経験を生かす候補の仕事内容、勤務先による条件の違い。
- 厚生労働省 job tag「フォークリフト運転作業員」:倉庫・工場等の勤務体制の違い。
- 厚生労働省 job tag「看護師」:働く場と勤務形態、夜間対応の違い。
- 厚生労働省 job tag「訪問介護員/ホームヘルパー」:仕事内容、就業に必要な研修等の確認。
- 厚生労働省 job tag「ヘルプデスク(IT)」:仕事内容と、24時間サービスでの交替制などの勤務条件。




